
保護者A朝は起きられません



夜中に起きてごはんを食べています



昼夜逆転になったりならなかったり、このままでいいのかな?
と、不安になることがあると思います。
学校に行けない、食べない。起きられない。動けない。
そんな姿を目の前にすると、「元気になってほしい」と思いますよね。
食育教室の講師として子どもたちと関わる中で、
まずは子どもの身体に「元気になるための材料」を少しずつ届けることが大切ではないか
と考えています。
元気がないときは、なかなか食べられません。 だからこそ、
一口のごはん。
温かい味噌汁をひと口。
まずは、その子の身体が受け入れられるところから。
今回は、食育講師の視点から「元気の土台をつくる食習慣3選」をご紹介していきます。
「起きられない」「食べられない」は、
それぞれ別の問題ではない


睡眠、朝食、昼夜の生活リズム。
これらは、それぞれ別々に存在しているわけではありません。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、子どもの睡眠について、夜ふかしや朝寝坊、朝食欠食などが互いに関わり合うことが示されています。
▶ 「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果(概要)」
また、文部科学省が小学校5年生から高校3年生まで、全国23,139人を対象に行った調査では、
朝食を食べない理由として「食欲がないから」と答えた割合は、
小学生 51.7%
中学生 42.3%
高校生 30.7%
でした。
【「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果(概要)」】


出典:文部科学省「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果(概要)」平成26年11月調査
出典:文部科学省「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査」(平成26年度)
この数字から「食べない」のではなく、「食欲がなくて食べられない朝がある」
つまり「朝ごはんを食べさせなくては」と思ったら、いや待てよ… 「今、この子の身体はどんな状態なんだろう」
と見てみることが大切だと思うのです。 これは食育に限らず、私たち何か行動を起こすとき、まず先にすることは「相手を知りに行く」 このシンプルで忘れがちで難しい!!そんな視点だと感じています。



「合言葉は【 今、どんな状態? 】ですね!」
元気の土台をつくる食習慣➀
まずは「 ごはん 」
一口でもいい。カラダを動かすエネルギーを


まず ごはんです。
ごはんに多く含まれる炭水化物は、カラダを動かすための大切なエネルギー源になります。
また、子どもや若者の朝食と認知機能について複数の研究をまとめたシステマティックレビューでは、何も食べない場合と比較して、朝食を摂ることが午前中の注意や記憶など、一部の認知機能に良い影響を与える傾向が報告されています。
▶ 子どもの朝食と認知機能に関するシステマティックレビュー(PubMed)
もちろん、「ごはんを食べれば不登校が改善する」という話ではありません。
まずは、身体を動かすための材料を少し入れる。
それだけです。
お茶碗一杯じゃなくてもいい。一口だけでもいい。
食欲がないときほど、
種類ではなくて量の調整「どれくらいなら食べられそう?」
加えて、よく噛むこと。急がず少しずつ味わってみるとなお…カラダは回復に向かいやすいですね!
ここちよい在り方を、一緒に探してみてください。



「何食べる?」ではなく、「どうたべる?」ですね!
削ってみる、そして いつもより+1多く噛んでみる
「① ごはん まずは“食べられる形”から」
元気の土台をつくる食習慣②
だしからとる「味噌汁」
食べられないときは「飲む」から


「身体を元気にするなら、具だくさん味噌汁がいいですよ」と言いたくなるところですが、
本当に元気がないときに、「たっぷり」をいれていくこと…
それってしんどいですよね。
だから最初から、具だくさんでなくてもいい。
まずは、
だしのきいた温かい味噌汁を、ひと口飲んでみる。
そこからでいいと思っています。
味噌汁なら、水分も一緒に摂ることができます。
また、昆布に多く含まれるグルタミン酸や、かつお節に多く含まれるイノシン酸は、
「うま味」の味覚に関わる成分です。甘味・酸味・塩味・苦味と並ぶ基本味の一つでありながら中でもうま味は、あかちゃんの頃から慣れ親しみ、カラダが「好き」と感じる味でもあります。
甘い。
しょっぱい。
だけではなく、
だしのやさしいうま味を感じる。
そんな時間を、食欲が落ちているときにも少しずつ取り戻していく。
それも、「食べることを楽しむこと」を取り戻していく入口の一つだと思っています。
少し元気が出てきたら、
豆腐を一つ。…わかめを少し。…卵を落としてみる。…小松菜を入れてみる。
そうやって少しずつ、
「飲む味噌汁」から「食べる味噌汁」へ。
元気になってきた身体に合わせて具材を増やしていけば、
摂れる栄養も自然と増えていきます。摂れる栄養が増えると、元気も増えていきます。
「② だしのきいた味噌汁 まずは飲むところから」



何もないところから小さなイチを足していく。少しずつ、カラダがストレスを感じない場所から…取り入れてみます。
元気の土台をつくる食習慣③
「鉄+ビタミンC」
元気がでないことを心だけの問題にしない(多方面から理解する)
元気がないときに私が注目したい栄養素は…
鉄です。
「朝起きられない」、「すぐ疲れる」、「何もしたくない」
そんな姿を見ると、
「昼夜逆転しているからかな」、「気持ちの問題なのかな」
と思うこともあるかもしれません。
でも、そんなときに一度、「身体に必要な材料は足りているかな?」
という視点も持ってみてください。
鉄は、血液中のヘモグロビンをつくり、全身に酸素を運ぶために必要な栄養素です。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、子どもの年齢や性別に応じた鉄の摂取基準が設定されています。
鉄+ビタミンCで吸収率をあげよう
そして、鉄を摂るときは必ず「お供」をセットしてあげて下さい。
肉や魚などに含まれる「ヘム鉄」は比較的吸収されやすく、
野菜や豆類などに含まれる「非ヘム鉄」は、
ビタミンCと一緒に摂ることで吸収されやすくなります。
栄養計算をする必要はありませんが、参考例を表にしてみましたので取り入れてみて下さい。
【鉄のお供とは?】


「③ 鉄+ビタミンC 鉄は“お供”と食べる」



せっかく食べても吸収されなければ意味がないですね!
生活リズムを元に戻すことを急ぐ前に、まず「元気の土台」をつくる。
学校へ行くために食べるのではありません。
その子が、
「ちょっと何かしてみようかな」、「外に出てみようかな」、「これ、面白そう」と
もう一度思える身体を支えるために、食があります。
「今日はこれなら食べられそう」
と自分で選べたことも、大切な一歩です。
食べることは、身体をつくるだけではありません。
自分で選ぶ。
できたと思える。
おいしいと感じる。
誰かとつながる。
そんな経験も、
食を通して育てやすい力だと思っています。
今、その子が食べられるものから。食べることを、元気を取り戻していく小さな入口にしてみてください。








