学校へ行けなかった経験を公表している芸能人・著名人はいます。ただし、その後に活躍している人の歩みを、誰にでも当てはまる方法として一般化することはできません。ここでは、本人が語ったことを確認できる資料に限って、4人の異なる経験を紹介します。
2026年8月に、本人の発言を確認できた8人を追記しました。あわせて12人の経験を掲載しています。
学校に戻った人、別の学び方を選んだ人、好きなことや仕事を通じて社会との接点を得た人。共通の正解ではなく、「道は一つではない」ことを知るためにお読みください。
掲載で大切にしていること
インターネット上には、学校へ行けなかった著名人をまとめた記事が多くあります。しかし、本人が公表していない経験を周囲が推測したり、短い欠席期間まで同じ言葉で決めたりすることは、本人の尊厳を損なうおそれがあります。
- 本人が話した範囲だけを書く
- 心身の状態や原因を推測しない
- 現在の活躍を、過去の経験の直接的な結果と決めつけない
- 誰にでも同じ方法が合うとは伝えない
- 掲載人数より、確認できることを優先する
学校へ行けなかった経験を本人が語った4人

宮本亞門さん|高校時代に部屋から出られなくなった経験
演出家の宮本亞門さんは、厚生労働省「こころの耳」のインタビューで、高校時代に学校へ行けなくなり、部屋から出られない時期があったと語っています。
周囲に合わせようと努力し続けた末、自分と周囲との違いに耐えられなくなったと振り返っています。家族や先生から外へ出るよう促されても、本人の内側には出たい気持ちがありながら、きっかけをつかめなかったそうです。
本人の話では、学校へ行かなくてもよいと伝えられたことや、精神科で自分の話を否定せず聞いてもらえたことが、変化につながりました。部屋で音楽を聴いていた時間についても、後の演出につながる経験として振り返っています。
この経験から考えられること: 外からは「出たくない」ように見えても、本人の内側では出たい気持ちと動けない苦しさが同時にある場合があります。問い詰めずに話を聞く人との出会いが支えになった一例です。
家入一真さん|家から出られない時期にオンラインと出会った経験
起業家の家入一真さんは、本人が登壇したSOZOW FORUMの記録で、中学2年生のときに学校へ行けなくなった経験を話しています。
学校へ行くふりをして家の近くに隠れていた時期や、家から出られなくなった時期があったと語っています。その後、絵を描くことやインターネットとの出会いが、社会との接点になりました。
現在の仕事を、この経験だけで説明することはできません。本人の歩みには、迷い、失敗、家庭の事情、仕事との出会いなど複数の要素があります。
この経験から考えられること: 外出や対面が難しい時期でも、創作やオンラインのつながりが社会との接点になる場合があります。それが将来の職業に結びつくかどうかは、人によって異なります。
伊集院光さん|学校へ行っていないことを家族に隠した経験
タレントの伊集院光さんは、自身が出演するニッポン放送の番組で、高校時代に学校へ行っていなかったことを家族に隠していた経験を話しています。
家庭では登校しているように見せるための工夫までしていたという話からは、学校へ行けないことに加え、それを家族へ言えない負担もあったことが分かります。
ここで注目したいのは、明るく見える人でも、子どもの頃には周囲へ言えない困難を抱えていたことがあるという点です。現在の知識や仕事を、学校へ行かなかった経験だけで説明することはできません。
この経験から考えられること: 欠席を隠す行動の背景には、叱られる不安や心配をかけたくない気持ちなど、本人にしか分からない事情があり得ます。行動だけで責めず、話せる関係と安全をつくることが出発点になります。
出典:ニッポン放送 NEWS ONLINE「伊集院光、学校に行っていないことが家族にバレないよう工夫していた過去を告白」(外部サイト)
中川翔子さん|学校で苦しみ、好きなことを支えにした経験
タレント・歌手の中川翔子さんは、不登校経験者によるインタビューで、いじめや学校へ行くことが苦しかった経験を話しています。その後、通信制高校へ進んだことや、絵、漫画、ゲームなど、好きなことが支えになったことも語っています。
中川さんは、学校で苦しむ子どもたちの声を聞く活動にも参加しています。これは、好きなことが将来の仕事に直結するという話ではありません。つらい時期にも、自分を保つ時間や関心が残っていたという本人の経験です。
この経験から考えられること: 好きなことは、成果を出すためだけに行うものではありません。安心を取り戻す時間や、誰かとつながるきっかけになる場合があります。
| 本人 | 分野 | 本人が語った経験 | 支え・転機になったこと |
|---|---|---|---|
| 宮本亞門さん | 演出家 | 高校時代に学校へ行けず、部屋から出られない時期があった | 学校へ行かなくてよいと言われたこと、否定せず聞いてくれた精神科、音楽の時間 |
| 家入一真さん | 起業家 | 中学2年で学校へ行けなくなり、家から出られない時期があった | 絵を描くこと、インターネットとの出会い(結果は人により異なる) |
| 伊集院光さん | タレント | 高校時代、学校へ行っていないことを家族に隠していた | 言えない負担があった経験の共有(明るく見える人にも困難はある) |
| 中川翔子さん | タレント・歌手 | いじめや学校がつらく、通信制高校へ進んだ | 絵・漫画・ゲームなど好きなこと(安心やつながりの時間として) |
さらに8人|本人が経験を語っている方々(2026年8月 追記)
この記事では、掲載人数よりも「本人が語ったことを確認できるか」を優先しています。2026年8月、本人の発言を確認できた8人を追記しました。ここでも、現在の活躍を過去の経験の結果として説明することはしません。
読み方の注意:ここに並ぶのは「こうすればうまくいく」という手順ではなく、それぞれ違う8通りの経験です。似ている部分を探すより、「道は一つではない」と確かめるためにお読みください。
| 本人 | 分野 | 本人が語っている経験 |
|---|---|---|
| Adoさん | 歌手 | 不登校だった時期を「経験としてなかったほうがよかったとは思わない」と語る |
| あのさん | タレント・歌手 | 「周りに合わせると自分がなくなる」しんどさを語った経験 |
| 千原ジュニアさん | お笑い芸人 | 中学2年から学校へ行かなくなった経験と、祖母の一言 |
| 山田ルイ53世さん | お笑い芸人 | 中学2年から6年間ひきこもった経験を公表 |
| 森絵都さん | 作家 | 「中学校は私にとって戦場でした」と振り返る経験 |
| 梶原徹也さん | ミュージシャン(元THE BLUE HEARTS) | 「優等生の自分」とのズレが大きくなっていった経験 |
| 鈴木貴雄さん | ミュージシャン(UNISON SQUARE GARDEN) | 「レール」に苦しみ、居場所はゲームセンターにあった経験 |
| 小林直己さん | パフォーマー・俳優 | 高校時代に半年ほど学校へ行かなかった経験と、兄の言葉 |
Adoさん|不登校だった時期を「経験としてなかったほうがよかったとは思わない」と語る
歌手のAdoさんは、経済学者・成田悠輔さんとの対談で、自身が不登校だったことを振り返っています。
つらい思い出として語りながらも、「つらかったとしても、経験として、なかったほうがよかったかと言われたらそんなことはない」と話しています。
ここで大切なのは、これが本人の受け止め方だということです。同じ経験をした人が同じように感じられるとは限りませんし、今つらい人が「前向きに受け止めなければ」と思う必要もありません。
この経験から考えられること: つらかった時期の意味づけは、時間が経ってから本人の中で変わることがあります。渦中にいるあいだは無理に意味を探さなくて大丈夫です。
あのさん|「周りに合わせると自分がなくなる」しんどさを語った経験
タレント・歌手のあのさんは、テレビ番組で中学2年から卒業まで不登校だったことを明かしています。
いじめもつらかったけれど、「周りに合わせることで自分がなくなる。そのしんどさが一番勝って不登校になった」と語っています。
学校へ行けない理由は、いじめのような分かりやすい出来事だけとは限りません。本人にしか分からない消耗が積み重なることもあります。
この経験から考えられること: 「はっきりした理由が言えない」ことは、理由がないという意味ではありません。周囲に合わせ続ける負担そのものが理由になることもあります。
千原ジュニアさん|中学2年から学校へ行かなくなった経験と、祖母の一言
お笑い芸人の千原ジュニアさんは、14歳・中学2年から学校へ行かなくなり、高校は1日も通わなかったと語っています。
理由については「学校に行って、教室に入って、そこに座っている自分に対しての違和感」だったと述べています。
また、不登校の時期に祖母から電話で「学校行ってへんのやったら、旅行行こか」と言われ、心が軽くなったと振り返っています。
この経験から考えられること: 学校へ行かないことを責めずに、別の予定に誘ってくれる大人の存在が支えになった一例です。ただし、同じ声かけが誰にでも合うわけではありません。
山田ルイ53世さん|中学2年から6年間ひきこもった経験を公表
お笑い芸人の山田ルイ53世さんは、中学2年の夏から6年間ひきこもった経験を公表しています。
きっかけについて「自分の中でプツンと糸が切れたというか。たぶん、それまですごく無理をしていたんだと思います」と語っています。
長い期間にわたる経験を本人が書籍やインタビューで語っており、同じ状況にある家庭にとって数少ない当事者の記録になっています。
この経験から考えられること: 「ある日突然」に見える変化の前に、長く無理を重ねていた時間があることがあります。急に見えても、始まりはもっと前かもしれません。
森絵都さん|「中学校は私にとって戦場でした」と振り返る経験
作家の森絵都さんは、不登校オンラインのインタビューで「中学校は私にとって『戦場』でした」と当時を振り返っています。
「戦いの日々が嫌になって、だんだん学校へ行かなくなりました」と、自身の不登校経験を語っています。
高校ではアルバイトが、学校や家の外での充実した経験になったとも話しています。
この経験から考えられること: 学校の外にある居場所や役割が、その時期の支えになることがあります。何が支えになるかは人によって違います。
梶原徹也さん|「優等生の自分」とのズレが大きくなっていった経験
ミュージシャンの梶原徹也さんは、高校2年のころに学校へ行けない時期があったと語っています。
優等生としてふるまう自分と現実とのズレが「だんだん大きくなっていった」と述べています。
不登校だったときの自分が今の自分の核になっている、とも語っています。
この経験から考えられること: 「ちゃんとしている子」に見えることと、本人が楽であることは別です。周囲の期待に応え続けることが負担になる場合があります。
鈴木貴雄さん|「レール」に苦しみ、居場所はゲームセンターにあった経験
ミュージシャンの鈴木貴雄さんは、「勉強をしてよい学校へ行く」というレールに苦しんだ子ども時代だったと語っています。
高校3年のころには学校へ「ほとんど行かなくなっていました」と述べています。
ゲームセンターで友人や店長と話したり、一人でゲームに没頭したりする時間が、自分にとって大事な居場所だったとも話しています。
この経験から考えられること: 大人から見て「遊んでいるだけ」に見える場所が、本人にとっては人とつながれる唯一の居場所であることがあります。
小林直己さん|高校時代に半年ほど学校へ行かなかった経験と、兄の言葉
パフォーマー・俳優の小林直己さんは、読売新聞オンラインのインタビューで、高校時代に半年ほど学校へ行かなかった時期があったと語っています。
当時はシンガーソングライターを目指していたと話しています。
兄から「家にいるな。渋谷に行け」と言われたことが転機になったとも振り返っています。
この経験から考えられること: 外に出るきっかけが支えになった一例ですが、同じ声かけが誰にでも合うわけではありません。動けない時期に急かされることが負担になる人もいます。
4人の経験を一つの型にはできない
4人の経験には、話を聞いてくれる人、好きなこと、別の環境、オンラインの接点などが登場します。しかし、それらを一つの方法としてまとめることはできません。
学校へ行けなくなった背景、心身の状態、家庭や学校の状況、利用できる支援は一人ひとり違います。同じ声かけや環境が、すべての子どもに同じ結果をもたらすわけでもありません。
- 今の状態だけで将来は決まりません。 その後の学び方や生き方は一つではありません。
- 本人の苦しさは外から決められません。 欠席期間や見た目だけで、本人の状態を断定できません。
- 次の一歩は安全と選択から始められます。 休む、話を聞いてもらう、学校へ連絡する、別の場所を知るなど、その時点でできることを選べます。
今、学校へ行くのがつらい本人へ
この記事に登場する人たちと同じ道を歩む必要はありません。今すぐ夢や得意なことを見つけなくてもかまいません。
まずは、今日を安全に過ごすことを優先できます。話せる人がいるなら、「学校へ行くのがつらい」「理由はまだ話せない」と短く伝える方法もあります。家族や学校の人に言いにくいときは、公的な相談窓口を使うこともできます。
保護者の方へ|著名人と比べず、今の子どもを見る

活躍している人の体験は希望になる一方、著名人との比較を子どもへ向けると、新しい負担になることがあります。
比べる代わりに、次の点から確認できます。
- 今日、安全に過ごせているか
- 眠る、食べる、痛みなどに変化はあるか
- 話したくないことを無理に聞いていないか
- 学校との連絡方法が本人の負担になっていないか
- 家庭以外にも相談できる大人がいるか
今朝の声かけや学校への連絡を具体的に知りたい方は、次の記事を確認してください。
学校の外にも、学び方と進路がある
学校へ戻ることだけが、次の一歩ではありません。家庭で休む、校内の別室や教育支援センターを利用する、フリースクールやオンラインで学ぶ、通信制高校などを検討する方法があります。
制度や利用条件は地域・学校・本人の状況で異なります。最初から一つに決めず、公的支援を含む複数の選択肢を確認してください。
| 場・方法 | 主な特徴 | 確認しておきたいこと |
|---|---|---|
| 家庭で休む | 心身を回復させる時間を確保する | 睡眠・食事・体調の変化、話せる大人がいるか |
| 校内の別室・教育支援センター | 在籍校や自治体が用意する居場所で学ぶ | 利用条件、出席の扱い、送り迎えの負担 |
| フリースクール・オンライン | 学校の外で学びや居場所をつくる | 費用、通いやすさ、本人との相性 |
| 通信制高校など | 中学卒業後の進路の一つ | 入試・学費、サポート体制、地域の選択肢 |
さまざまな人の体験を、状況別に読む
著名人の例だけでは、日々の暮らしや学校とのやり取りまでは分からないことがあります。本人、保護者、教育現場の体験を、登校復帰の有無だけで評価せず紹介しています。
不登校の体験談・当事者の声を状況別に読む学校に行かない時間を、次につなげる場所があります
不登校の経験は、行き先を失うことではありません。全国から不登校を経験した子どもたちが通う、オンラインのオルタナティブスクールです。
NIJINアカデミー
「ALL HAPPY」を掲げ、自分が幸せになる力・人を幸せにする力を育てる、日本最大級のオルタナティブスクール(小中一貫)。累計1,000名以上が入学。
無料体験・説明会を見る ▶入会前の相談・見学だけでも大丈夫です。まずはお子さんの様子をお聞かせください。
動画で見る|【NIJINアカデミー】不登校オルタナティブスクールを卒業する小学生・中学生の未来への希望
よくある質問
不登校だった有名人のように、うちの子も才能が開花しますか?
有名人の名前で「不登校」と検索・断定してよいのでしょうか?
子どもに有名人の例を見せて励ましてもいいですか?
今つらいとき、まず何をすればいいですか?
参考・出典
以下は2026年8月14日に確認しました。本文は本人の発言を中心に要約しています。
- 厚生労働省 こころの耳「第五回 宮本亞門さん(演出家)」
- SOZOW株式会社「『学校』だけが全てじゃない。不登校経験を経た起業家の、等身大のメッセージ」
- ニッポン放送 NEWS ONLINE「伊集院光、学校に行っていないことが家族にバレないよう工夫していた過去を告白」
- 不登校オンライン「死にたいあなたへ今伝えたい『生きててよかった日は必ず来る』【中川翔子】」
- 文春オンライン「Ado×成田悠輔 対談」(2026年5月7日)「Adoさんの経験(本人の発言)」
- 東スポWEB(日本テレビ「上田と女がDEEPに吠える夜」2025年3月25日放送より)「あのさんの経験(本人の発言)」
- サンキュ! 本人インタビュー(2019年8月26日)「千原ジュニアさんの経験(本人の発言)」
- 婦人公論.jp 本人インタビュー「山田ルイ53世さんの経験(本人の発言)」
- 不登校オンライン 本人インタビュー(2024年3月12日)「森絵都さんの経験(本人の発言)」
- 不登校オンライン 本人インタビュー「梶原徹也さんの経験(本人の発言)」
- 不登校オンライン 本人インタビュー「鈴木貴雄さんの経験(本人の発言)」
- 読売新聞オンライン「STOP自殺 #しんどい君へ」(2019年8月19日)「小林直己さんの経験(本人の発言)」
- 文部科学省「子供のSOSの相談窓口」
本記事は一般的な情報と本人公表の体験を整理したもので、医療・心理上の個別助言に代わるものではありません。株式会社NIJINのサービスへの直接の申込み導線は設置していません。
つらい気持ちを今すぐ話したいとき(全国共通・24時間)
24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310
お子さんからでも、保護者の方からでも相談できます。お住まいの地域の教育相談センターにつながります。
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