IQが高く天才と呼ばれながら、理解されない辛さを人一倍感じてきた、けんくんとお母さん。
学校はつまらなくて苦しい場所でしかなかったけんくんですが、「天才じゃなく、普通の人になりたい」と我慢して通い続けていました。
しかし先生が合わず、次第に不登校に…。
そんなけんくんですが、現在はNIJINアカデミーで充実した日々を過ごしています。
小学校6年生のけんくんのお母さんにお話をお聞きしました。
小学校6年生のけんくんのお母さん
(2024年8月現在)
(写真はイメージです)
無理して通い続けた学校…涙があふれる
(写真はイメージです)
──学校を休みがちになったのはいつ頃でしょうか。
小学校3年生の時です。
クラスが荒れ始めたことがキッカケで通うことが辛くなり、秋には丸々1ヶ月休ませました。
その時には、1時間から登校を始め、最終的には全ての時間通えるように復帰したので、不登校を乗り越えたように感じていました。
──3年生の時には、一度学校に戻れたのですね。
はい。ただ、4年生になって担任の先生との相性が良くなかったため、また休みがちになってしまいました。
進級して1週間くらい経った朝、行きたくなさから涙がバーッと出てくるのを見て、たまらず「無理して行かなくていい」と伝えました。
本人には頑張って通おうという気持ちがあり、先生の良いところを見つけるなど努力をして、最終的には進級当初よりは通える状態になっていました。
──4年生の時にも、努力をして学校に通えるようになってきていたんですね。
そうです。ただ、5年生になって、また先生が合わなくて。
無理して通って半日程の登校を繰り返していました。
本人なりに適応しようと頑張っていたため見守っていましたが、学校生活の楽しさや良さを本人はほとんど感じられていないようでした。
学校に行かないことによる周囲のプレッシャーを感じ、無理矢理登校しているというのが、母親からの私から見てよく分かりました。
天才は嫌だ!ふつうの人になりたい
(写真はイメージです)
──けんくんはどのようなお子さんですか?
本来、好奇心旺盛で元気、一方で優しくて繊細な子です。
ものすごい集中力を発揮して、何でも達成することができるため、何で学校に行けなくなったのか分からないといったタイプだと思います。
ただ、親からすると過集中やこだわりが強すぎることを感じていました。
過集中とは、時間を忘れて過剰に集中してしまう状態のこと。
また、友達との関係は良好ですが、目上の人からのプレッシャーには弱く、大人にビクビクしてしまう様子がありました。
プレッシャーをかけてくる大人は好きになれず、保育園の頃から過度に緊張していました。
──けんくんは小さい頃から他の子とは違うと感じていたのでしょうか?
小さい頃から敏感な子どもで、母親として他の子どもと違うことは分かりました。
保育園児なのに顔色が悪く、背中がバリバリに凝っているのは変だな、きっとしんどいのだろうと思っていました。
子どもの特性を知るために病院に知能検査を受けに行った時に、同学年の子どもよりもIQが高いことがわかりました。
その時にドクターは、「君は天才に生まれたからすごく素敵なんだ。好きなこと見つけてその能力を伸ばしなさい。」と言ってくれました。
しかし、本人はそれを快く受け入れることはできなかったんです。
「天才は嫌だ」「大人になったら普通の人になりたい」と言い、本来の自分を無理やり抑え込んで、学校での集団に適応しようとしていました。
ただ「普通になりたい」という理由で常に無理をして学校に通い、苦しさから顔色がいつも悪い。
これから先に中学、高校と大きくなっていくことを考えた時に、楽しく成長できるようなイメージがもてませんでした。
ギフテッドのけんくんが保育園で嫌だったことは?
ギフテッド(gifted)とは、英語で「神からの贈り物」を意味し、同世代の子どもよりも先天的に高い能力を持っている人々を指します。
多くの分野で優れた才能を持っている反面、人間関係を築くのが苦手だったり、新しい環境に馴染むのが難しかったりといった、繊細で複雑な悩みを抱えています。
──けんくんが保育園で嫌だったことは何だったのでしょうか。
先生が全体指導として「みんな」に怒っているときでも、誰よりも強く受け取り、落ち込んでいました。
保育園の時は、「クラス全体に怒っているのに、けんくんだけこの世の終わりかのように泣く」と言われたことがあります。
私が子育てしている中でも、敏感さは顕著で、泣き出すと立ち直りにくい難しさがありました。
ギフテッド の特徴として、感情の激烈さがあると書籍に書いてあり、後に自分なりに納得しました。
けんくんが小学校の学校生活で嫌だったことは?
──小学校の学校生活で嫌だったことは具体的にどのようなことですか?
息子の通う学校は、学年に1クラスだけの小規模校で、担任の先生だけが毎年変わります。
まず問題なく登校できていた小学校1年生と2年生の時。
担任の先生は別々の先生でしたが、本人いわく「ほめる時と怒る時のバランスが良かった」ので、元気に登校できていました。
しかし担任の先生と合わずに通えなくなった3、4、5年生の時は、それぞれ違う先生ですが、次の3点の共通点がありました。
つまらない授業と先生の強い叱責
まず、授業内容が本人のペースに合わず興味が持てなかったと言います。
クラスがざわつくと先生が強く怒鳴り、真面目に取り組んでいるのに連帯責任を取らされる。
脅しのような、不安に陥れる叱責の仕方。それに反抗する他の子どもたち。
際限のない攻撃的なやりとりが持続的なストレスになっていたようです。
友だち同士のいじめ
先生が見ていない時に、子ども同士のからかいや、いじめがありました。
本人は標的にはならず、はじめのうちは頑張って「そういう、一人だけ外すようなのは嫌だ」と注意していましたが、同じように注意してくれる子がおらず、何年も改善せず、辛い思いがありました。
納得のいかないルールの強要
本人にとって納得のいかないルールの強要が嫌になっていました。
例えば、校長先生から、「運動会の前の1ヶ月間は、運動場で各学年の競技の練習をするように。他のサッカーや鬼ごっこなどは禁止」と言われたこと。
先生たちから見張られていたとも言います。
本人は「休み時間のサッカーが楽しみで学校に行ってたのに、1ヶ月も禁止ってイヤ。小学校が嫌になった。」と言っていました。
支援を求めたけれども、理解されない日々
──周囲の理解や支援は無かったのでしょうか。
無理して登校を続ける息子でしたが、このままではいけない、誰かの支援を貰いたいとずっと思っていました。
支援を受けるには診断名が必要とのことで、実は病院で「自閉スペクトラム症」との診断名をつけてもらいました。
人の気持ちが分かるので、自閉スペクトラム症ではないと思っているんですけどね。
自閉スペクトラム症は、言葉や視線、表情などでのやり取りが苦手で、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ることが難しいといった特性があります。また、特定の興味やこだわり行動が強く見られる発達障害です。
しかし、地域で受けられる支援を探しても、どれもしっくりくるものはありませんでした。
息子のような子どもは珍しいようで、先生たちにも理解してもらえませんでした。
一度、病院の先生と管理職や養護教諭、担任の先生、私たち親子の集まる会議の場がありました。
病院の先生は息子は将棋が好きなことを知っているため、将棋のできる校長先生に「学校で将棋をやってみたらいいんじゃないですか?」と提案してくれました。
しかし先生には、「学校にいるのはこの子だけじゃないのだから、そんなことを言われてもできません」と返されてしまいました。
そのやり取りから、この子は学校では幸せになれない、完全に取りこぼされている子どもなんだ…と悲しくなったことを覚えています。
ニュースで見つけたNIJINアカデミー
不登校が希望に変わる
オルタナティブスクール小中一貫校「NIJINアカデミー」
──転機になったのはどのようなことがキッカケでしょうか?
2023年9月にYahoo!のニュースで見つけた「NIJINアカデミー」(ニジンアカデミー 略称:ニジアカ)開校のお知らせを見て、これだ!と思いました。
この子は学校で幸せになれないと考えていた時だったので、
「Be happy, Do happy~君には、幸せになる力がある。人を幸せにする力もある~」という言葉が胸に響きました。
「不登校が希望に変わる」「トップクラスの授業が受けられる」など、今まで見たことのない希望を感じる言葉。
親の私が、すごくワクワクして、すぐに体験授業に申し込み、オンライン説明会に参加し、即入学を決意しました。
NIJINアカデミーでぼくは「ふつうの子」になった!
──NIJINアカデミーに出会って、けんくんはどう変わりましたか?
地域の小学校では珍しい子どもでしたが、日本全国の子どもたちと繋がったことで、「もっとすごい子がたくさんいる!」ということを発見したようです。
個性的なメンバーと一緒に活動するなかで、『NIJINアカデミーで、ぼくは「ふつうの子になった!」』と嬉しそうに話したのが印象的です。
それからは、安心して色々なことに積極的に取り組むようになりました。
自分を最大限に出すことができるようになり、とても元気になりました。
本当に良かった、ありがたいの一言です。
NIJINアカデミーの担任の先生は?
──在籍校では担任の先生と折り合いがつかなかったと思いますが、NIJINアカデミーではどうですか?
先生が小学校と違い、不安にさせるような叱責をしないため、恐怖心なく楽しく過ごせています。
──担任の先生は誰ですか?
担任の先生は、ハイジ先生です。
初めて面談したときに、私の話をすごくわかってくれたのが印象的でした。
小学校の先生からは、不登校は親のせいというようなことを言われたこともありました。
でも、ハイジ先生は「お母さん明るく話しているけどご苦労がとんでもなかったんじゃないですか~」と言ってくださって。
今まで不思議なくらい誰にも話が通じなかったのですが、ニジアカの先生は分かってくれる!と私自身が感動しました。
NIJINアカデミーの先生方は、志が高く、「自分たちもBe Happy, Do Happyになるんだ!」とポジティブです。
みんな優しく、元気にしてくれる先生たちです。
そういう素晴らしい理念の学校に入っているという充実感があります。
~君には、幸せになる力がある。人を幸せにする力もある~
そんな大事な言葉をはっきり伝えてくれるNIJINアカデミーに入って良かったと感じています。
授業が面白い!やりたいを引き出すプロの授業
──小学校の在籍校と、NIJINアカデミーの授業は違うと話していますか?
本人は、「小学校の授業はやらされる授業。NIJINの授業はやりたい授業」と言っています。笑
NIJINアカデミーでは授業は選択式ですが、全ての教科に出席し、とても楽しんでいます。
中でも、りえか先生と志田先生の算数が好きです。
算数の中で、「問題を考えてみんなに出すのが面白い」と話しています。
紅葉先生の図工も楽しそうに受けています。
図工の時間で作った作品
オンラインだけどリアルの繋がり
(写真はイメージです)
──オンラインでの人間関係はどう感じますか?
NIJINアカデミーでは、友達の存在が大きいと感じています。
正直、入る前まではオンラインスクールで友達ができるというイメージがもてませんでした。
しかし、NIJINアカデミーに入って、”オンラインでも友達ができる”ことを実感しました。
オンラインで話していても、その人柄は伝わってきます。
NIJINアカデミーでは、リアルで会うことのできるタイミングがあり、実際会ったらどんな人だろう?と想像していましたが、リアルに会った感想は、「思った通り!」でした。
オンラインでも友達との信頼関係は築けますし、リアルでは普段会えない地域の子どもとでも同じ趣味ということを通じて友達になることができるので、オンラインはありだと思います。
今は、同じく将棋好きの「はるみん」というNIJINアカデミー生の友達と将棋をすることを楽しんでいます。
(顔出し了承いただいています)
──修学旅行に参加したと思いますが、どうでしたか?
2024年6月の修学旅行(希望者は学年問わず参加可能)が、初めてリアルでNIJINアカデミーの先生や児童生徒に会えた時でした。
都会ではリアルで会えるイベントが多いですが、住んでいる場所からは遠く出席は出来ていませんでした。
今回の修学旅行先は直島で、割と近場ということもあり、行ってみることにしました。
息子は「将棋の友達のはるみんが北海道から来る!パソコン越しではなく、リアルで将棋が打てる!」とワクワクしていました。
達郎校長やハイジ先生とも直にお会い出来て、思った通りの人だった!と感じました。
兄弟を連れて行きましたが、みんな楽しいと言っていたので良かったです。
目標となる大人がたくさん!将来の夢ができた
(写真はイメージです)
──けんくんの目標はありますか?
将来は「普通の人になりたい」って言っていた子が、NIJINアカデミーに入って変わっていきました。
今は「将来はNIJINの先生みたいに、敏感な子どもの生きる手伝いができたらいい」って言っています。
こんな人になりたい、と目標となるような素敵な大人がいっぱいいる、NIJINアカデミー。
出会えて良かったと思います。
NIJINアカデミーはどんな人におすすめ?
──NIJINアカデミーに満足していますか?
NIJINアカデミーは、マイナスの状態から始まった私たちにとって、期待以上の場所で、満足しています。
──NIJINアカデミーを知らない人に、伝えたいことはありますか?
何年も学校に通うことで辛い思いをしてきたので、初めは「不登校が希望に変わる」と言われても自分事と思えなかった過去はあります。
しかし、入学したことが転機となり、子どもが元気に生き生きと過ごせるようになりました。
今悩んでいる人にはぜひ一度NIJINアカデミーの体験入学に参加してもらいたいです。
それで救われる人が一人でも増えたらと思います。
──ありがとうございました!
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