不登校のお子さまのための新しい学びの場として、オンラインフリースクールが注目されています。
特に、外出が苦手な子どもたちにとっては、自宅から通えるオンラインフリースクールが心強い選択肢です。
しかし、オンラインでの学習にはメリットもあればデメリットもあります。
この記事では、オンラインフリースクールの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説し、将来的にどのような影響があるのかを考察していきます。
オンラインフリースクールとは
オンラインフリースクールとは、自宅からインターネットを利用して参加できる学習環境を提供する教育機関です。
近年、コロナ禍や技術の進展により、多様な形式でオンラインフリースクールが登場してきました。
お子さまの学習スタイルやニーズに合わせて、さまざまな学びの形態が提供されています。
オンラインだけで完結する学習環境
この形式では、子どもが学校に実際に登校することなく、すべての学習や活動をオンラインで完結させます。
自宅でパソコンやタブレットを使って授業を受けるため、通学の負担が一切なく、外出が難しいお子さまにも向いています。
特に、家から出られない子どもや、対人関係にストレスを感じるお子さまに人気のある選択肢です。
オンラインと通学を組み合わせた形式
一部のオンラインフリースクールでは、オンラインとオフライン(通学)を組み合わせた形式を提供しています。
普段はオンラインで学びながら、必要に応じて通学することで、リアルな社会体験や人間関係を築く機会もあります。
柔軟な通学スタイルを選択できるため、子どもの状態や家庭の事情に合わせて学習のペースを調整できるのが特長です。
オンラインでの個別学習指導塾
また、オンラインフリースクールの中には、個別指導塾がフリースクール業界に進出したタイプもあります。
学校の勉強に特化した内容をオンラインで個別に教えてもらうため、学力の向上に集中したいお子さまに向いています。
フリースクールのような集団での学びよりも、学習の質にこだわる場合に選ばれることが多いです。
一方でフリースクールが一番重視している「不登校の子どもの心のケア」は行われないため、お子さんが傷ついている状態から復帰し、自ら勉強したいと言うようになったときに向いています。
オンラインフリースクールのデメリット
オンラインフリースクールには多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。
ここでは、主なデメリットについて詳しく見ていきます。
ネット環境が必要になる
オンラインフリースクールでは、インターネットに接続してサポートが行われます。
そのため下記のような設備は必要になります。
- Wi-fi(高速インターネット接続)
- パソコン、タブレット、スマホ
スマホでも可能かなどはオンラインフリースクールによりますので、確認してみることが必要です。
料金がかかる
オンラインフリースクールは、公的な教育機関ではないため、基本的に料金がかかります。
平均的な月額は数万円程度であり、通学型のフリースクールよりは安価な場合が多いものの、決して安くはありません。
特に、長期間利用する場合は、家計への負担が大きくなる可能性があります。
社会性が育ちにくい
オンラインでの学習は、対面でのコミュニケーションがほとんどないため、子どもが他者と接する機会が少なくなりがちです。
集団生活やリアルな人間関係の中で学ぶことができる社会性が、育ちにくいという課題があります。
これは、将来的に社会に出たときにコミュニケーション力や協調性が不足するリスクに繋がる可能性があります。
学習指導要領がなく、学習レベルが低い場合がある
オンラインフリースクールでは、学習指導要領に縛られない柔軟な学びが可能ですが、その結果、学校のカリキュラムと比べて学習内容が浅くなることもあります。
特に、受験や学校復帰を考えている場合には、進度やレベルが学校と異なる点に注意が必要です。
このため、受験準備や学力向上を目指す場合、追加で家庭教師や塾のサポートが必要になることもあります。
このように、オンラインフリースクールでは柔軟性と個別対応が大きな魅力ですが、特定の目標を持つお子さまには適切なサポートが必要となる場合もあるため、事前にしっかりと検討することが大切です。
出席扱いにならない場合がある
オンラインフリースクールに通うことが、そのまま学校の「出席扱い」になるとは限りません。
出席扱いにするためには、学校側とオンラインフリースクールとの連携が必要であり、校長先生の許可や文部科学省の基準を満たすことが求められます。
出席認定がどれくらいの割合で取れているかなどはそれぞれのスクールのHPに書いてあることも多いので、参考にしてみてください。
高校卒業資格を得られないことがある
オンラインフリースクールに通うだけでは、高校卒業資格を得られない場合があります。
特に、フリースクールは学校教育機関ではないため、進学や就職を考える際には、別途通信制高校や高卒認定試験の受験を検討する必要があります。
オンラインフリースクールのメリット
一方で、オンラインフリースクールには、非常に大きなメリットもあります。
ここでは、特に注目すべきメリットを紹介します。
子どもにかかる負担が少ない
対面のフリースクールは、初めての場所に知らない人たちに会いに行く必要があるため、お子さまにとってはとても負担がかかります。
家から出たがらない、引きこもりがちのお子さまには特にオンラインフリースクールはメリットがあります。
自宅からインターネットに繋ぐだけで授業が受けられたり、友達と話せたりするので気軽な気持ちで通うことができます。
対面では自分が出せないけれども、オンラインだと素の自分が出せると言う子どもたちもいます。
仲間が見つけやすい
同じように不登校で悩んでいる仲間がオンラインで集まるため、友達ができやすい環境があります。
同じ境遇の子どもたちと繋がることで、心理的な安心感を得られ、孤独感を軽減することができます。
社会性が育つ
友人関係を大切にしているオンラインフリースクールの中には、授業で友だちの発表を見て自分も工夫しようと考えたり、お互いに問題を出し合ったりといった光景も見られます。
マイクラやyoutube、将棋など自分の「好き」を通して仲間と繋がることのできる部活動などの活動や文化祭などの活動を通して、リアルと変わらないほど密度の濃い人間関係を築くこともできます。
オンラインフリースクールの中には、社会科見学やキャンプ、修学旅行などを実施して実際に友達に会うことのできる場を設けていることもあり、社会性が育つ場となっています。
カウンセリングが受けられる
多くのオンラインフリースクールでは、カウンセリングサービスを提供しています。
不登校のお子さまや保護者が抱える悩みを、専門のカウンセラーがサポートしてくれるため、メンタルケアの面でも安心感があります。
対面のカウンセリングが難しい場合も、オンラインなら気軽に相談することが可能です。
自分のペースで学習可能
オンラインフリースクールでは、通学型の学校とは違い、決まった時間に毎日通う必要がありません。
個々の生徒のペースや特性に合わせて、自分のペースで学習を進められるため、学校ではなかなか適応できなかったお子さまでも、ストレスなく学習に取り組めます。
料金が比較的安い
通学型のフリースクールと比較して、オンラインフリースクールの料金は比較的安い傾向にあります。
特に、交通費や宿泊費がかからないため、経済的な負担を軽減できる点がメリットです。
保護者の送迎負担がない
オンラインでの学習は、自宅で行えるため、保護者が送迎をする必要がありません。
忙しい保護者にとっては、通学にかかる負担が軽減され、安心して子どもの学習を見守ることができます。
ネット環境があれば参加可能
オンラインフリースクールは、インターネット環境さえあればどこからでも参加可能です。
地方に住んでいて近くにフリースクールがない場合でも、オンラインであれば距離の制約なく学べるため、アクセスの良さが魅力です。
出席扱いになる場合がある
フリースクールの利用が、学校の出席扱いとして認められるケースもあります。
学校側とオンラインフリースクールが連携し、一定の基準を満たせば、学校に通えない期間でも出席日数を確保することが可能です。
オンラインフリースクールの1日の流れ
オンラインフリースクール1日の流れを知ることで、実際の学びがどのように進められているのかイメージしやすくなると思います。
以下は、NIJINアカデミーの1日のスケジュールの例です。
体育で体を動かし、ホームルームや自主学習、授業や部活動などの時間が設けられています。
授業は教師の中でもレベルの高いトップ教師の方々が、子どもたちの良さを引き出してくれるので、「面白い!」と、とても高評価です。
学校の中で自信を無くした子どもたちが、生き生きと輝いています。
オンラインフリースクールでの学習の遅れや社会性の育ちにくさは将来にどう影響する?
オンラインフリースクールの学習の遅れや社会性の育ちにくさといったデメリットは、将来的にどのように影響するのでしょうか。
進学や就職での不利
オンラインフリースクールで学んだ場合、学習進度やレベルが通常の学校と異なるため、進学や就職で不利になる可能性があります。
特に、受験を控えているお子さまにとっては、学校のカリキュラムとの差が大きな問題となることがあります。
社会生活でのコミュニケーション力の低下
オンラインでの学習では、対面でのコミュニケーション機会が少なくなるため、社会に出たときに必要なコミュニケーション能力が育ちにくくなります。
特に個別学習指導塾では学習がメインのため、友人関係や社会性は育ちにくいでしょう。
一方で、友人関係や社会性を重視しているオンラインフリースクールでは、リアルに会うことのできる場も用意されているので、保護者が心配するよりも社会性は育まれていきます。
他にも、地域のボランティア活動やオンラインコミュニティを通じて、外部との繋がりを持つことで、社会性の育成をサポートすることができます。
オンラインフリースクールは入らない方がいい?
オンラインフリースクールには、先ほど挙げたように多くのデメリットとメリットがあります。
実際はお子さまに会ったスクールを選ぶことができると、自分らしさを取り戻して毎日を楽しく過ごせるようになったという例がたくさんあります。
家に居てゲームばかりしている…、昼夜逆転して困ってしまう…と悩んでいると、親子関係も悪くなってしまいがち。
ぜひお子さまが自分が居たいと思える居場所を、積極的に探してみることをおすすめします。
まとめ
オンラインフリースクールは、不登校のお子さまにとって新しい学びの選択肢として非常に有効なツールです。
しかし、料金や社会性の育ちにくさ、学習レベルの問題などのデメリットも存在するため、慎重に検討する必要があります。
お子さまの学習スタイルや将来の目標に合わせて、オンラインフリースクールを活用することで、より良い学びの環境を提供できるでしょう。