「先生を辞めたい…」と悩む小学校教員を救った、授業てらすの授業伴走とは

NIJINボランティアライターのグッチです。今回お話を伺ったのは、NIJINの事業のひとつ「授業てらす」で社会科リーダーを務める三浦健太朗さん(ケンタロウ先生)。「全国の教室をHAPPYに」という理念のもと、約500名の現役教員が参加する授業てらす。教員の働き方が課題とされる中、学校の外でも活動を続ける理由をお聞きしました。

目次

授業てらすでの活動と想い

──本日はよろしくお願いいたします。まずは、簡単に自己紹介をお願いします。

青森県で小学校教員をしている三浦健太朗です。授業てらすには立ち上げの時から参加していて、現在は社会科チームのリーダーをしています。

──授業てらすが立ち上がる前から活動されているのですね。ケンタロウさん自身は、最初どのような想いで活動されていたのですか?

以前からタツローさん(※)が、日本全国の先生たちをつなぐネットワークを作り、みんなで授業力を高め合うような場所を作りたいと話していました。

実のところ、タツローさんの理念に最初はピンときていなかったかもしれません。最初は自分の学びのためにという想いで活動していました。ですが活動を続けていくうちに、だんだんと「全国の教室をHAPPYに」という理念を自分も強く意識するようになり、現在の授業てらすでの活動につながっていると思います。

※NIJIN代表・星野達郎

──授業てらすのnoteやSNSを見ていると、各教科チームが活発に活動している印象です。

そうですね。教科チームのメンバーがそれぞれにアイデアを出し合って活動しています。国語チームは週に1回の学習会をやっていて、昨日の学習会は、10人くらいの方が参加していました。

──現役の先生が仕事後の夜に、学習会へ参加するというのはすごく大変だと思いますが、熱心な先生が多いですね。

まだまだ物足りないと感じています。だから、教科チームのリーダー同士で、もっとみんなを巻き込んで盛り上げないといけないよねって話し合っています。「全国の教室をHAPPYに」するために、まず「目の前で困っている先生を救おう、幸せにしよう」という場所を作らないといけないと思っています。

授業てらすの授業伴走

──ケンタロウさんがリーダーを務めている社会科の活動はどうですか?

社会科チームでは、授業に困っている1人の先生に対して、社会科チームのメンバー1人が伴走し、一緒に1単元の授業を作ります。そして出来上がった3分間の授業動画を、プロ講師に見てもらい、アドバイスをもらうという形の授業伴走をしています。

──授業で困っている先生からすると、そこまでやってもらえると頼もしいですね。伴走してもらった先生の感想はどうですか?

参加してよかったという声が多いですね。社会科は教えるのが苦手な先生も多く、急に自分が研究授業に当たってしまい、困っているという先生が多いので。

嬉しかったのは、その授業伴走をした方が社会科の面白さに目覚めて、私も一緒に活動したいですって、私たち社会科のチームに入ってきてくれたことです。

授業伴走で生まれ変わった先生

──それはすごいですね。授業伴走をする社会科メンバーの人たちにも自信になりますね。

社会科チームで活動しているおざ先生は、以前学校の先生を辞めようかなと悩んでいました。理由は、自分の授業で子どもたちの反応がなく、上手く授業ができないと感じていたからだそうです。そんなおざ先生が勇気を出して授業てらすに入り、授業の伴走企画に申し込んでくれました。そこで授業てらすのメンバーやプロ講師の方が、おざ先生と一緒に授業伴走をした結果、彼の授業が大きく変わりました。

──授業伴走をきっかけに、おざ先生が自分の授業に自信を持てるようになったのですね。

いや、自信というのはちょっと違っていて、子どもたちの反応が明らかに変わったそうです。自分自身が子どもたちの反応を楽しめるようになったと言っていましたね。それにより、社会科の授業をもっと勉強したい、のめり込みたいと思うようになったそうです。本当は僕も自信がついたと言ってほしかったのですが(笑)

──いや、先生を辞めようとまで思い悩んでいた先生が、自分の授業を楽しめるようになったのは本当にすごいことだと思います

3年前に授業伴走される側だったおざ先生も今では、社会科メンバーの一人として育休中の先生に授業伴走をする側になり、授業てらすを盛り上げてくれています。この変容こそが社会科チームの強みであり、授業てらすの魅力だと思いますね。

Instagram おざ先生のインタビュー記事はこちらから

ケンタロウさんが思う授業てらすの魅力

──いま、ケンタロウさんが話された授業てらすの魅力をもう少し詳しく教えてください。

本当に悩んでいる先生にとって、職員室はすごく苦しい場所だと思うんです。でも授業てらすは、誰の目も気にせず自由に全国の仲間と語り合える場所なんです。公立小学校の研修会って、学校の名前を背負っているじゃないですか。○○小学校の代表で来た○○ですって。そうすると、この人たちって自分のことを知っているんじゃないかなと思って、なかなか本音で語り合えないですよね。でも授業てらすは、周りの目を気にせず本音で語り合える「救いの場」だと私は思っています。

※授業てらすでは、参加者がニックネームで活動することで、安心して意見を交換できる場になっています。

授業てらすの活動をまだ十分に発信できていないと話すケンタロウさん。授業てらすが目指す「全国の教室をHAPPYに」という目標は、まだ道半ばだそうです。それでも、自身が勤務する職員室では周りの先生に積極的に声をかけているそうです。私自身、13年間の教員生活の中で、自分の授業には自信と誇りを持ってやっていましたが、周りの先生にまで目を配る余裕はありませんでした。だからこそ、自分のためだけでなく、周りの仲間のために動けるケンタロウさんの言葉には強く心を動かされました。今後授業てらすをきっかけに、そんな人がもっと増えていくことを楽しみにしています。本日はありがとうございました!

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