【小1不登校】5年間で約8倍に増加。「小1プロブレム」は本当に問題なのか?

近年、全国で不登校の子どもが増え続けています。特に注目されているのが 「小学1年生の不登校」
鳥取県では、この5年間で小学1年生の不登校が 約8倍 に増えたという衝撃的なデータが報告されています。

では、この背景にある原因は何なのか?また、よく耳にする 「小1プロブレム」 は本当に“不登校の原因”なのでしょうか。
この記事では、教育現場の視点から「小1不登校」の本質を掘り下げていきます。

目次

小1不登校が急増する現状

小1不登校が急増する現状

鳥取県の調査によれば、わずか5年間で小学1年生の不登校は 約8倍 に増加しました。
これに対して県が行っている対策の一つが、幼稚園や保育園と小学校をつなぐ 「小1プロブレム」解消プログラム です。

  • 小学校の敷地内に幼稚園・保育園を併設
  • 年長児と小学生が一緒に行事や遊びを体験
  • 小学校へのスムーズな接続を支援

一定の効果は見込めるものの、「友達がいるから学校に行く」という一時的なモチベーションにはなっても、
不登校の本質的な解決にはつながらないのでは?という疑問も残ります。

「小1プロブレム」とは何か?

「小1プロブレム」とは何か?

「小1プロブレム」とは、幼稚園や保育園から小学校へ進学した際に、生活や学習のルールの違いに適応できず、戸惑いが生じる現象を指します。

  • 幼児期との生活リズムの違い
  • 学習環境やルールへの適応の難しさ
  • 教師や友達との関係性の変化

これらの要因が「小1不登校」を引き起こすとされ、国や自治体も対策に取り組んでいます。
しかし、教育現場の視点から見ると、「小1プロブレム」だけに原因を求めるのは不十分 です。

本質的な原因は「時代の変化」と「価値観のずれ」

本質的な原因は「時代の変化」と「価値観のずれ」

では、なぜここまで「小1不登校」が増えているのでしょうか?

最大の理由は、社会の働き方や価値観の変化に、学校教育が追いついていないこと にあります。

  • 昔は「会社員として定年まで働く」ことが前提 → 学校教育がフィットしていた
  • 今は「起業・フリーランス・クリエイター」など多様な生き方が広がっている
  • 親世代も「学校で得られることが将来役立つのか?」と疑問を感じている

つまり、「学校にフィットできない=不登校」ではなく、「学校にフィットする必要がない」と感じる時代に入った のです。

学校教育は「誰のためのものか」を問い直す時期に

学校教育は「誰のためのものか」を問い直す時期に

不登校が増える背景には、保護者も子どもも「これからの未来に必要な学びとは何か」を敏感に感じ取っていることがあります。

  • 「学校に合わせる」よりも「子どもの未来に合わせる」教育が必要
  • 行政や学校の施策は「学校に行くことを前提」としており、時代感覚とずれている
  • 地域によっては「特化型の教育」や「イノベーション人材育成」への転換が求められる

教育とは「誰と過ごすか」が大きな影響を与えます。
その意味で、 学校以外の学びの場をどうつくるか が、今後ますます重要になるでしょう。

まとめ

小学1年生の不登校が増えている背景には、単なる「小1プロブレム」ではなく、社会全体の変化と学校教育とのギャップ があります。

  • 小1プロブレム対策は一時的な効果にとどまる
  • 本質は「学校の仕組みとこれからの生き方の不一致」
  • 子どもや保護者が求める新しい学びをどう提供するかがカギ

より深く知りたい方は、タツロー校長のYouTube解説をご覧ください。

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小1で学校に行きづらくなる、よくあるきっかけ

「まだ入学したばかりなのに」と驚かれる保護者は多いのですが、小1という時期には固有の負荷があります。どれも、その子が弱いから起きることではありません。

きっかけ 具体的に起きていること 家庭でできること
環境の激変 園では自由に動けたのに、45分間座る。担任1人に対し30人前後 帰宅後は「何もしない時間」を確保する
疲労の蓄積 通学の距離、ランドセルの重さ、緊張。5〜6月に限界が来やすい 睡眠を最優先。習い事を減らす
母子分離の不安 朝の別れ際に泣く。園より離れる時間が長い 別れの手順を毎日同じにする
感覚の負荷 チャイム、ざわつき、給食のにおい。刺激が多く休まらない 静かな場所で回復する時間をつくる
「できない」の発見 はじめて他児と比べられる。読み書きでつまずく できたことだけを具体的に言葉にする

「行きたくない」と言われた日の対応

小1の場合、初動を間違えると長期化しやすい一方、丁寧に対応すれば落ち着くことも多い時期です。

  • 理由を問い詰めない。小1は自分の状態を言語化できません。「体がしんどい? 心がしんどい?」くらいの二択が答えやすいです
  • まず体調を確認する。頭痛・腹痛が続くなら小児科へ。起立性調節障害など身体的な要因のこともあります
  • 「1日休む」を悪いことにしない。休ませると癖になるのでは、と心配になりますが、限界まで我慢させるほうがこじれます
  • 登校の形を分解する。「校門まで」「1時間目だけ」「保健室で」など、全か無かにしない
  • 早めに担任と共有する。「困っている」と伝えるだけでも、学校側の見方が変わります

学校に相談するときに伝えるとよいこと

「入学してから、朝に『おなかが痛い』と言う日が週2回ほどあります。休日は元気なので、学校での緊張が関係しているのかもしれません。教室でどんな様子か教えていただけますか。もし可能なら、しんどくなったときに少し離れて休める場所があると助かります。」

小学校には、保健室や別室で過ごす対応、スクールカウンセラーへの相談など、入学直後でも使える支援があります。「まだ1年生だから」と遠慮する必要はありません。

この時期に、してしまいがちなこと

  • 無理やり教室に入れる。その日は入れても、翌日以降のハードルが上がります
  • 「みんな行ってるよ」と比べる。本人は「自分だけおかしい」と受け取ります
  • 家で勉強の遅れを取り返そうとする。回復前の学習は、逆効果になりやすい時期です
  • 保護者が一人で抱える。担任・SC・地域の相談窓口のどこか一つでも、つながっておくと違います

関連して読んでおきたいこと

つらい気持ちを今すぐ話したいとき(全国共通・24時間)

24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310

お子さんからでも、保護者の方からでも相談できます。お住まいの地域の教育相談センターにつながります。

この記事の内容を確かめるための一次資料

学校とのやりとりは、担任個人の考え方に左右されやすい部分です。だからこそ国が学校に何を求めているかを知っておくと、話が噛み合いやすくなります。「認めてください」ではなく「要件を満たすには何を用意すればよいですか」と聞くのが、実務上いちばん通ります。

下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。

このテーマに関わる公的資料
資料何がわかるか
文部科学省「生徒指導提要」学校の生徒指導の基本方針(改訂版)
文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業」SC・SSWの役割と配置の考え方
文部科学省「就学援助」学用品費・給食費などの経済的支援
文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」小中の不登校353,970人。全国の最新の実数
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針
同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合)教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件
同 別記2(自宅でICT等を活用した学習)自宅学習を出席扱いにする7つの要件
文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件
文部科学省「COCOLOプラン」誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策
文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」全国1,045市区町村の公式相談窓口
教育機会確保法(e-Gov法令検索)第13条が「休養の必要性」を条文で認めている
こども家庭庁「子育て支援」子育て世帯が使える支援制度の全体像
国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料

学校に相談するときの進め方

1

① 支援の目標をすり合わせる

「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。

2

② 具体的な場所を挙げる

「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。

3

③ 出席扱いの要件を一緒に確認する

「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。

4

④ 決めたことを記録に残す

面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター全国1,045市区町村の窓口一覧

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

学校に伝えるときの文例

言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。

① しばらく休むことを伝える

いつもお世話になっております。◯年◯組の◯◯の保護者です。
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。

毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

② 配慮をお願いする

◯◯は、教室の人数と音の多さで疲れてしまうことが多いようです。
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。

「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。

③ 出席扱いについて相談する

学校外での学びについてご相談させてください。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。

ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。

④ 面談のあとに送る確認メール

本日はお時間をいただきありがとうございました。
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。

口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

伝える相手の順番

担任で止まっていると感じたら、学年主任 → 生徒指導主事 → 教頭・校長 → 市区町村の教育委員会(教育相談室)の順に相談先を上げてください。感情的にならず、これまでの経緯と依頼内容を時系列で整理して伝えるのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

この記事のテーマについて、よく寄せられる質問

同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。

Q. 担任と話が噛み合いません

A. 「認めてください」ではなく「要件を満たすために何を用意すればよいですか」と聞き方を変えると通りやすくなります。それでも動かない場合は、学年主任・管理職・市区町村の教育委員会(教育相談室)へ相談先を上げてください。

Q. 毎日の欠席連絡がつらいです

A. 連絡方法は相談できます。「しばらく休むので、こちらから連絡がない日は欠席とみなしてください」と最初に合意しておくと、毎朝の負担がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

Q. 保健室登校や別室登校は出席になりますか?

A. なります。校内で過ごした時間は在籍校の判断で出席として扱われるのが一般的です。保健室登校についてもあわせてご覧ください。

Q. 学習の遅れが心配です

A. 学校外での学習も、計画や内容が教育課程に照らし適切と判断されれば成績評価に反映できることが2024年8月の制度改正で明確になりました。詳しくは教育機会確保法の記事にまとめています。

Q. 面談で何を話せばいいですか?

A. ①いまの状態、②してほしい配慮を具体的に、③出席扱いの取り扱い、の3点に絞ると進みます。面談後に「本日確認したこと」をメールで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

参考にした公的資料

本記事は公開資料と教育現場での実践をもとにした情報提供であり、診断・治療の代わりになるものではありません。(にじいろの編集方針・監修について

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