「うちの子は、この先どうなってしまうんだろう」——不登校や発達特性のあるお子さんを持つ保護者にとって、これは切実な不安ではないでしょうか。学校に行けなくなった時点で、将来の選択肢が閉ざされてしまったように感じてしまうこともあると思います。
そこで本記事では、オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の星野達郎(タツロー校長)が、自身の講演で語った内容をもとに、「不登校の子どもがなぜ変わっていくのか」「その先にどんな可能性があるのか」を解説します。
全国1,000名以上の小中高生が入学したオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の校長を務める傍ら、2つの教師団体を主宰。青森県の公立小学校教員を経て、2021年に株式会社NIJINを創業。
その独自の教育実践はNHKやテレビ朝日など多くのメディアで特集され、「青年版国民栄誉賞」や「内閣総理大臣奨励賞」を受賞するなど、各方面から高く評価されている。
在籍校での出席認定率は97%、開校3年で卒業・復学は400名超。現在は全国48キャンパス、メタバース4校舎を展開している。
なぜ、学校に合わない子が一定数いるのか
星野氏は、青森県の公立小学校教員だった時代、学校で自分を出せない子どもたちに数多く出会ってきました。教員としてできることの限界を感じ、不登校について研究を重ねる中で、2つの構造的な問題が見えてきたといいます。
タツロー校長「1つは、不登校になると近所の目が気になって家から出られなくなり、豊かな教育体験や人とのつながりが奪われてしまうこと。もう1つは、そもそも学校というモデル自体が、一定数の子どもには合わないということです。」
学校モデルには、次の3つの特徴があります。
- 同質性:同じ地域・同じ年齢の集団で、同じ場所で過ごす
- 基準性:一律の目標・評価・時数で評価される
- 非選択性:学び方を自分で選ぶことができない
この3つの特徴に合わない子どもが一定数存在するのは、いわば構造上、当然のことです。「不登校の子は才能を見つけやすい」という考え方も、この「合わないことがはっきりしている」という前提から来ています。


「学校に合わない=終わり」ではないという証拠
NIJINアカデミーには、学校に合わず苦しんでいた子どもたちが、その後大きく変わっていった事例が数多くあります。
構音障害があり、学校の先生が怖くて不登校に
デジタル機器を使って自分の気持ちをプレゼンできるようになり、昨年はパナソニックの新規事業プレゼンに挑戦。今は先生のための採点アプリを開発中。
数年間、引きこもり状態だった
笑って話せるようになり、将棋サークルの副部長に。今年4段に昇格し、藤井聡太さんから目録をいただき、リアルの大会でも優勝。
小児がんで孤独に過ごしていた
同じ境遇の仲間のために立ち上がり、レモネード販売に挑戦。今月、自分のお店をオープンする予定。



「先生が怖くて不登校になった子が、今は先生のためのアプリを作っている。この事実に、私は何よりも希望を感じます。学校に合わなかったことは、その子の可能性がなくなったことを意味しないんです。」
なぜ、これほどの変化が起きるのか
こうした変化の背景には、NIJINアカデミーが大切にしている「社会と共に教育を創る」という考え方があります。地域のプログラミングスクールやイオン、大企業、大学の中にも教室を作り、家から出られない子どもたちにも、学校に代わる豊かな学びと友達との出会いを届けてきました。



「元気になった子どもたちの中には、『家からは出たい。でも学校には戻りたくない』という声がたくさんありました。そこで私たちは、ZOZOとの制服作りプロジェクトや、HONDAとの遠隔教育の共同研究など、社会の様々な企業や地域と一緒に、新しい学びの形を作ってきたんです。」
こうした取り組みの結果、生徒の在籍校での出席認定率は97%に達し、「もう僕は不登校じゃない」「私は学校に通っているんです」と、子どもたちが自信を持って言えるようになったといいます。開校3年で、卒業・復学した生徒は400名を超えました。
校長自身も、学校に合わなかった一人
星野氏自身、公教育をほとんど受けずに育ちました。小学6年生で九九を学び、大学は3週間で不登校になったといいます。



「何のために生きているのか分からなかった私を面白いと言ってくれたのは、地域の異年齢コミュニティや、社会で働くユニークな大人たちでした。学校でレッテルを貼られ、生きづらさを感じている子どもたちが、私には国の宝に見えたんです。」
この原体験こそが、「学校に合わないだけで、子どもが可能性に蓋をしてしまう社会を変えたい」という星野氏の原動力になっています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 不登校の子どもは、将来どうなっていくのでしょうか? A. 「学校というモデルに合わなかった」だけであり、可能性がなくなるわけではありません。NIJINアカデミーでは、企業でのプレゼン挑戦や大会での優勝など、学校の外で才能を発揮している卒業生・在校生が数多くいます。
Q2. 学校に行けない子は、なぜ変わっていけるのですか? A. 「社会と共に教育を創る」環境が大きく関係しています。企業や地域と連携した学びの場を用意することで、学校以外の場所で自信や才能を発揮できるようになります。
Q3. NIJINアカデミーに通うと、学校の出席扱いになりますか? A. 毎週の学びのポートフォリオをもとに在籍校と連携しており、出席認定率は97%となっています(2026年8月時点・公式情報)。
Q4. 「家から出たいけど学校には戻りたくない」場合はどうすればいいですか? A. NIJINアカデミーでは、地域の企業や施設と連携したリアル教室を全国に展開しており、学校以外の「出られる場所」を選べるようになっています。
まとめ:合わなかったのは学校であって、我が子ではない
不登校になった子どもたちは、「同質性」「基準性」「非選択性」という学校モデルの構造に、たまたま合わなかっただけです。それは、その子の可能性が失われたことを意味しません。



「教師力を高め、社会と共に教育を創ることで、子どもたちは自分らしく、誰かを幸せにしようと主体を発揮していきます。皆さんと一緒に新しい教育インフラを創り、世界中の子どもたちをHAPPYにしたいと思っています。」
「うちの子はこの先どうなるのか」と不安になったときは、ぜひこうした事例を思い出してください。学校に合わなかったことは、終わりではなく、別の可能性への入口かもしれません。
▶ 動画でより深く:YouTube(フル解説)
さらに、星野達郎校長が今回のテーマを、講演という形でより熱く、詳細に語っています。
創業時の借金200万円のエピソードや、スタンフォード大学との共同研究、1,500億円の教育ファンド構想など、記事では紹介しきれない内容はぜひ動画でご視聴ください!


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