「フリースクールって、結局何なの?」「うちの子に合うの?」——学校に行きづらさを感じているお子さんの「もう一つの居場所」として注目されるフリースクール。基本的な定義から、種類、費用、出席扱いの仕組み、年代別の選び方、公的な「学びの多様化学校」との違いまで、まるごと解説します。(本記事は2026年8月時点の情報です。制度や数値は改定されることがあるため、詳細は各自治体・学校にご確認ください。)
フリースクールとは?
フリースクールとは、学校に行きづらい・行かない選択をした子どもたちが通える、学校以外の「学びと居場所」の場です。法律上の正式な学校(学校教育法第1条校)ではなく民間の運営が中心で、勉強だけでなく、遊びや自由な活動、他の子どもたちとの交流を通じて過ごせる場所として全国に広がっています。多くの場合、在籍している学校の籍はそのままに、フリースクールに通うことができます。
不登校の子にフリースクールが選ばれる理由
不登校の子どもは年々増えています。文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(令和6年10月公表)によると、小・中学校の不登校児童生徒数は346,482人と過去最多を更新し、11年連続で増加。在籍する児童生徒に占める割合は3.7%にのぼります。高校でも68,770人が不登校とされ、決して特別なことではなくなっています。
こうしたなかでフリースクールが選ばれるのは、次のような理由からです。
- 安心できる居場所がある:「行かなければ」というプレッシャーから離れ、自分のペースで過ごせる環境がある
- 学校の籍を残したまま通える:在籍校を辞める必要はなく、要件を満たせば通った日を出席扱いにできる場合もある
- 同じ経験をした仲間やスタッフと出会える:「不登校は自分だけではない」と感じられ、少しずつ人との関わりを取り戻せる
- 学び方を選べる:一斉授業ではなく、その子の「好き」や興味を起点にした学びに取り組める
大切なのは「学校に戻すこと」だけをゴールにしないこと。文部科学省も、不登校支援の目標を「学校復帰のみ」ではなく、子どもの社会的自立を目指すものへと転換しています。フリースクールは、その子が次の一歩を踏み出すためのもう一つの選択肢です。
フリースクールの種類
- 通学型:教室に通い、他の子どもたちと一緒に過ごすタイプ
- オンライン型:自宅からインターネット経由で参加できるタイプ
- ハイブリッド型:通学とオンラインを組み合わせ、その日の体調や気分で選べるタイプ
オンラインフリースクールという選択肢
「近くに通えるフリースクールがない」「外に出るのがまだ難しい」——そんな家庭で広がっているのが、オンラインフリースクールです。自宅からインターネットで参加でき、体調や気分に合わせて画面のオン・オフや参加時間を調整できるのが特長。人との距離感をゆるやかに保ちながら、学習や交流に少しずつ慣れていけます。
オンライン型でも、要件を満たせば在籍校での出席扱いを目指せる場合があります(後述)。また、自治体によってはオンライン学習やフリースクール利用に対する補助金・助成が用意されていることもあります。オンラインフリースクールの選び方や助成制度については、オンラインフリースクールと補助金の解説記事で詳しくまとめています。
年代別に見るフリースクール(小学生・中学生・高校生)
フリースクールに求めるものは、お子さんの年代によって変わります。年代ごとのポイントを整理しました。
小学生の場合
小学生では、まず「安心して過ごせる居場所であること」が最優先です。学習の遅れを心配しすぎるより、遊びや体験を通じて生活リズムを整え、人と関わる楽しさを取り戻すことが回復の土台になります。送迎のしやすさや、保護者が見学・付き添いしやすい雰囲気かどうかも確認しておきたいポイントです。
中学生の場合
中学生になると、内申点や高校進学を意識する家庭が増えます。フリースクールを選ぶ際は、出席扱いの実績があるか、在籍校との連携経験が豊富かを確認しておくと安心です。あわせて、通信制高校やサポート校などの進路情報を得られるか、本人が興味を持てる学びや活動があるかも大切な視点になります。学習面の不安が強い場合は、オンライン教材や個別のサポートを併用できるスクールも検討しましょう。
高校生の場合
高校生の年齢では、高校卒業資格の取得が重要なテーマになります。フリースクール単独で高卒資格は得られないため、通信制高校やサポート校と組み合わせるのが一般的です。フリースクールは学習の場というより、居場所づくりや進路相談、社会とのつながりを保つ役割を担うケースが多くなります。将来の進学・就職を見据え、卒業後の進路サポートがあるかも確認しておきましょう。
費用の目安
運営団体や地域によって幅がありますが、入会金は数万円、月謝は月1〜5万円程度が目安です。公的な補助金・助成金が利用できる自治体もあり、通う地域によって負担は大きく変わります。具体的な費用感やお住まいの地域の助成制度については、フリースクールの費用・料金完全ガイドで詳しく解説しています。
出席扱いになる?
文部科学省の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」(令和元年10月25日)により、一定の要件を満たし、在籍校の校長が認めた場合は、フリースクールなど学校外の施設に通った日を「出席」として扱ってもらえる仕組みがあります。ポイントは、保護者と学校の間に十分な連携・協力関係があること、学校がその施設での学習の計画や内容を把握し、在籍校の教育課程に照らして適切だと判断できること、そして最終的に校長が判断すること、です。民間施設の適否については、文部科学省の「民間施設についてのガイドライン(試案)」が判断の目安として示されています。
また、自宅でICT(IT)等を活用して学習した場合も、別の要件を満たせば出席扱いの対象になり得ます。要件や運用は自治体・学校によって異なるため、通いたいフリースクールが決まったら、早めに担任やスクールカウンセラーに相談し、学校と連携しながら手続きを進めることが大切です。
オルタナティブスクール・通信制高校との違い
「オルタナティブスクール」は、フリースクールと似た文脈で使われることが多い言葉で、独自の教育理念やカリキュラムを持つ学びの場を指すことが一般的です。フリースクールが「学校に代わる居場所」という側面が強いのに対し、オルタナティブスクールは「学校とは違う学び方そのもの」に重きを置く傾向があります。通信制高校は、レポート提出とスクーリングを中心に高校卒業資格を目指す仕組みで、フリースクールとは制度上の位置づけが異なります(通信制高校は学校教育法上の正式な高校です)。中学生以下の場合はフリースクール、高校生の年齢であれば通信制高校やサポート校と組み合わせるケースもよく見られます。
学びの多様化学校(旧・不登校特例校)とフリースクールの違い
「学びの多様化学校」は、フリースクールとよく混同されますが、性格が大きく異なります。学びの多様化学校とは、文部科学省の定義で「不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成する学校」のこと。2023年までは「不登校特例校」と呼ばれていました。学校教育法施行規則に基づいて設置される公的な学校(1条校)で、授業時間数を減らしたり登校時間を柔軟にしたりと、通常の学校より不登校の子に配慮したカリキュラムを組める点が特長です。
つまり、フリースクールが「学校以外の民間の居場所」であるのに対し、学びの多様化学校は「不登校に配慮した正式な学校」です。文部科学省の資料によると、2025年4月時点で全国58校(23都道府県)に設置されており、国は令和9年度(2027年度)までに全ての都道府県・政令指定都市に少なくとも1校、将来的には全国300校の設置を目標としています。まだ数が限られ、通学圏内にないことも多いため、身近な選択肢としてフリースクールやオンラインと比較しながら検討するとよいでしょう。
| フリースクール | 学びの多様化学校 | |
|---|---|---|
| 位置づけ | 民間の居場所・学びの場 | 公的な正式な学校(1条校) |
| 運営 | NPO・民間団体など | 教育委員会・学校法人など |
| 在籍 | 在籍校に籍を置いたまま通う | その学校に転入・入学する |
| 設置数 | 全国に多数(民間のため統計は網羅的でない) | 全国58校・23都道府県(2025年4月時点) |
選び方のポイント
- 見学・体験を通じて、お子さん本人が「ここなら安心できそう」と感じられるか
- 通いやすさ(自宅からの距離、オンラインの有無)と、無理なく続けられる費用か
- 出席扱いの実績や、学校との連携経験があるか
公立・私立・フリースクール・通信制など、選択肢全体を比較したい場合は、不登校の学校選び|公立・私立・フリースクール・通信制の違いもあわせてご覧ください。
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にじいろでは、都道府県・市区町村ごとのフリースクール一覧記事を公開しています。トップページの日本地図から、お住まいの地域の記事を探すことができます。名古屋市・大阪市・京都市・横浜市・福岡市など、主要都市の記事も順次拡充中です。
よくある質問(FAQ)
Q. フリースクールに通うと、学校は出席扱いになりますか?
A. 一律に出席扱いになるわけではありません。保護者と学校の連携があること、学習の計画・内容を学校が把握し適切と判断できることなどの要件を満たし、在籍校の校長が認めた場合に出席扱いとなります。まずは担任やスクールカウンセラーに相談してみましょう。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 入会金は数万円、月謝は月1〜5万円程度が一つの目安です。運営団体や地域、通学頻度によって幅があります。自治体によっては補助金・助成金を利用できる場合もあるため、費用は地域差が大きいのが実情です。
Q. 毎日通わなければいけませんか?
A. 多くのフリースクールは、通う日数や時間を柔軟に選べます。週1回から始める子もいれば、体調に合わせてオンラインと通学を使い分ける子もいます。「毎日行かなければ」と気負わず、お子さんのペースで無理なく続けることが大切です。
Q. 親の付き添いは必要ですか?
A. スクールや子どもの状況によって異なります。特に小学生や通い始めの時期は、保護者が付き添えるかどうかを事前に確認しておくと安心です。慣れるにつれて一人で通えるようになる子も多く、スタッフと相談しながら段階的に進めていくのが一般的です。
Q. フリースクールと学びの多様化学校、どちらがよいですか?
A. どちらが良い・悪いではなく、性格が異なります。学びの多様化学校は公的な学校ですが数が限られ、通学圏内にないことも多いのが現状です。フリースクールは民間で数が多く、オンライン型も選べます。お子さんの状態・通いやすさ・費用を総合的に見て比較するとよいでしょう。
NIJINアカデミーという選択肢
NIJINアカデミーは、通学・オンラインどちらでも利用できるハイブリッド型のオルタナティブスクールです。「学校に行かない=学ばない」ではなく、子ども一人ひとりの「好き」や「得意」を起点にした学びを大切にしています。体験説明会を平日毎日実施しているので、まずは雰囲気を知りたいという方も気軽に参加いただけます。詳しくはNIJINアカデミーの公式サイトをご覧ください。
