その一歩は、大学の常識を塗り替えた
「明日、学校に行きたくない……」 その言葉を聞いたとき、保護者のみなさんの胸に去来するのは、言葉にできない不安や焦燥感かもしれません。35万人。これは現在、日本で不登校とされている小中学生の数です。社会は彼らを「立ち止まってしまった子」と見るかもしれません。
しかし、2025年12月20日、東京学芸大学のキャンパスで目撃されたのは、全く異なる光景でした。
国立大学が主催する「未完成のワクワクが集い、磨き、創る一日FES(通称:未完成のワクワクfes)」。教育のプロフェッショナルや研究者が集うこのアカデミックな舞台に、最年少の「表現者」として堂々と登壇したのは、NIJINアカデミーの小中学生たちでした。

かつては自室で一人、孤独と戦っていたかもしれない子どもたちが、なぜ大学生や教授を前に「自分の探究」を語ることができたのか。彼らの瞳には、どんな未来が映っていたのか。
本記事では、この歴史的な共創イベントの模様を詳細にレポートします。不登校という経験が、最高にクリエイティブな「未完成のワクワク」へと昇華された、希望の物語。この記事を読み終える頃、あなたの中にある「教育」や「不登校」の概念は、きっと心地よく書き換えられているはずです。

なぜ「不登校」の子どもたちが国立大学のステージに立ったのか?——「未完成」を愛でる共創の背景
今回のイベント「未完成のワクワクfes」は、東京学芸大学と北海道教育大学が共催した、極めて先進的な試みです。コンセプトは「ゴールを目指すのではなく、創り続けることを楽しむ」。
これまでの教育は、常に「正解」や「完成形」を求めてきました。テストで満点を取ること、決められたカリキュラムをこなすこと。しかし、社会に出た瞬間に求められるのは、正解のない問いに対して、試行錯誤(プロトタイピング)を繰り返す力です。
NIJINアカデミーは、開校当初から「不登校を希望に変える」を掲げ、子どもたちの「好き」や「違和感」を起点とした探究学習を柱にしてきました。今回のフェスが掲げる「未完成を面白がる」という精神は、まさにNIJINアカデミーが大切にしてきた「多層的な心理的安全性」の上で育まれる、子どもたちの純粋な好奇心そのものでした。
「不登校だから、勉強が遅れている」 「学校に行っていないから、社会性がない」 そんなステレオタイプな見方は、この会場には一ミリも存在しませんでした。そこにあったのは、一人の人間として「何を面白がり、何に挑戦しているか」という本質的な問いだけです。
NIJINアカデミーの代表、星野達郎(タツロー校長)は常々語ります。「教育から国を照らすには、まず子どもたちが自分らしくいられる場所が必要だ」と。その場所で力を蓄えた子どもたちが、いよいよ「学校」という枠を超え、「大学」という知の集積地と手を取り合った。これは、日本の教育史における、静かですが決定的な転換点なのです。
プリンの再現と、孤独を癒やすラジオ。——大人たちの心を揺さぶった、二人の「探究者」
会場となった東京学芸大学のブースには、数多くの教育関係者や学生が詰めかけました。その中で、一際注目されていたのが、NIJINアカデミーから出展した二人のブースです。
「ぼくの理想のプリンさがし」——小学生・あらたさんの挑戦

小学生のあらたさんが持ち込んだテーマは、誰もが知る「プッチンプリン」の再現でした。しかし、その中身は驚くほど科学的で、情熱に溢れていました。
「大好きなプッチンプリンを手作りで再現したい」 その純粋な動機から始まった彼の研究は、単なる料理の域を超えていました。会場には、3つの異なる材料で作られたプリンの見本が並びます。卵の分量、ゼラチンの濃度、加熱の時間。あらたさんは、それらが「硬さ」や「食感」にどのような違いを生むのかを、実体験に基づいて分析していました。
何より大人たちを驚かせたのは、マイクを握り、自分の研究結果を自分のペースでプレゼンテーションする彼の姿です。以前は人前で話すことに抵抗があったかもしれない子どもが、自分の「ワクワク」を燃料に、大人たちを相手に対等に渡り合っています。
「まだ再現できていないから、今回のフェスにぴったりだと思った」 その言葉には、未完成であることを恥じるのではなく、むしろ「伸びしろ」として楽しむ強さが宿っていました。
「ニジアカラジオ〜不登校、誰一人取り残さない〜」——中学生・けいとさんの使命
続いて、中学生のけいとさん。彼女が展示したのは、自身が企画・運営する「ニジアカラジオ」です。
「不登校は、想像以上に孤独です。ズルい、怠け、いじめ……そんな風に思われているんじゃないかと怖くなって、引きこもりになる人もいます」
けいとさんは、自分自身の経験を、勇気を持って言葉にしました。全国35万人の不登校の仲間に向けて、「大丈夫、ひとりじゃないよ。仲間がいる」というメッセージを届けるために、彼女はマイクを取りました。

彼女の展示ブースでは、ラジオの構想だけでなく、「どうすれば不登校の孤独を解消できるか」という社会課題に対する彼女なりの「解」が提示されていました。その視点は、教育を研究する大学生や教授たちにとっても、重く、そして希望に満ちた提言となりました。
「不登校という経験を、発信という価値に変える」 けいとさんの姿は、企業関係者にとっても「逆境をバネに新しい価値を創造するリーダーシップ」の原石として映ったに違いありません。
教室を飛び出した子どもたち。——「リアル校」候補地視察がもたらした、五感の刺激
大学の中に小中学校ができる!?
イベントの傍らで、もう一つの重要なプロジェクトが動いていました。リアル校候補地の見学ツアーです。
NIJINアカデミーはオンラインをベースにしていますが、今、全国各地に「リアルな居場所(リアル校)」があります。今回の会場となった東京学芸大学も、その候補地の一つ。

当日は、出展した二人だけでなく、10名以上のNIJINアカデミー生がサポートや見学として来場しました。彼らは、大学の広大な敷地を歩き、学生たちの熱気に触れ、自分たちが学ぶ「未来の学校」の姿を想像しました。
オンラインで繋がっている仲間と、リアルのキャンパスで顔を合わせ、共に「未完成」を磨き合う。 「いい経験ができました」 最後に残されたその一言には、画面越しでは得られない、五感を通じた確かな成長の実感がこもっていました。
不登校になると、子どもの世界は急激に狭まってしまいがちです。しかし、NIJINアカデミーという「窓」を通じて、彼らの世界は一気に国立大学という「知の最前線」まで広がりました。この「世界の拡張」こそが、子どもたちの自己肯定感を回復させ、次の一歩を踏み出すエネルギーになるのです。
企業・大学関係者のみなさまへ:なぜ今、NIJINアカデミーとの共創が必要なのか
本イベントを通じて明確になったのは、NIJINアカデミーの子どもたちが持つ「圧倒的な当事者意識」と「探究の純度」です。
今の社会が求めているのは、指示を待つ人材ではなく、自ら問いを立て、他者と協力して解決策を探る人材です。不登校という経験を経て、自分自身と深く向き合い、自分の「好き」や「使命」を見つけた彼らは、まさにこれからの時代が必要とする資質を備えています。
企業担当者のみなさまへ
NIJINアカデミーとの連携は、単なるCSR(社会貢献)に留まりません。彼らの自由な発想やデジタルネイティブとしてのスキル、そして「社会を良くしたい」という純粋なエネルギーは、企業の新規事業開発や組織活性化における強力なパートナーとなり得ます。 今回の「プリンの研究」のように、プロダクトに対する純粋な探究心を持つ子どもたちと一緒に、新しい商品やサービスを創り出す。そんな未来の共創モデルが、すでに始まっています。
大学・自治体関係者のみなさまへ
教育の質の向上(SDGs 4)を目指す上で、オルタナティブスクールとの連携は不可欠です。NIJINアカデミーは、希望する生徒の9割以上が在籍校での出席認定を獲得している実績があります。 大学の知見と、NIJINアカデミーの現場力(機動力と心理的安全性)を掛け合わせることで、不登校支援という枠を超えた「未来の教育のスタンダード」を共に創り上げることができます。
今回の「未完成のワクワクfes」での成功は、その第一歩に過ぎません。
まとめ:不登校は、新しい自分に出会うための「準備期間」
「学校に行かない」という選択。それは、決して何かが終わったわけではありません。むしろ、自分だけの「ワクワク」を見つけるための、豊かで贅沢な「未完成」の時間の始まりです。
あらたさんのプリンも、けいとさんのラジオも、まだ「未完成」かもしれません。しかし、その未完成さを面白がり、磨き合える仲間と環境(NIJINアカデミー)、そしてそれを受け入れる社会(大学や企業)があれば、それは必ず「希望」へと変わります。
NIJINアカデミーは、これからも「Be HAPPY, Do HAPPY」を合言葉に、子どもたちが自分の色で輝ける場所を創り続けます。
保護者のみなさま。 お子さんの持つ「未完成のワクワク」を、私たちと一緒に信じてみませんか? ここには、学校という枠を超えた、広大な未来が待っています。
企業・パートナーのみなさま。 教育から国を照らす、この熱い挑戦の仲間に加わりませんか? 子どもたちの才能を解き放つことが、この国の未来を最も明るく照らす方法だと、私たちは確信しています。
「未完成」だからこそ、何にでもなれる。 「ワクワク」があるから、どこへでも行ける。
NIJINアカデミーの物語は、まだ始まったばかりです。

体験説明会から3日以内の入会で無料授業特典付き!
満席日も多数。お早めのご予約がおすすめです。
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動画で見る|【不登校】夏休み明けに増えるのは「子どもが急に行きたくなくなる」からではありません。子どもが学校に行けなくなるまでの本当の理由
この記事の内容を確かめるための一次資料
学校とのやりとりは、担任個人の考え方に左右されやすい部分です。だからこそ国が学校に何を求めているかを知っておくと、話が噛み合いやすくなります。「認めてください」ではなく「要件を満たすには何を用意すればよいですか」と聞くのが、実務上いちばん通ります。
下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 文部科学省「生徒指導提要」 | 学校の生徒指導の基本方針(改訂版) |
| 文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業」 | SC・SSWの役割と配置の考え方 |
| 文部科学省「就学援助」 | 学用品費・給食費などの経済的支援 |
| 文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」 | 小中の不登校353,970人。全国の最新の実数 |
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 | 「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針 |
| 同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合) | 教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件 |
| 同 別記2(自宅でICT等を活用した学習) | 自宅学習を出席扱いにする7つの要件 |
| 文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」 | 2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件 |
| 文部科学省「COCOLOプラン」 | 誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策 |
| 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 | 全国1,045市区町村の公式相談窓口 |
| 教育機会確保法(e-Gov法令検索) | 第13条が「休養の必要性」を条文で認めている |
| こども家庭庁「子育て支援」 | 子育て世帯が使える支援制度の全体像 |
| 国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」 | 研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料 |
学校に相談するときの進め方
① 支援の目標をすり合わせる
「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。
② 具体的な場所を挙げる
「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。
③ 出席扱いの要件を一緒に確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
④ 決めたことを記録に残す
面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
東京都で使える公的な支援と相談窓口
民間の教室やスクールを探す前に、東京都で公的に使える支援を知っておくと、費用も選択肢の幅も変わります。市区町村の教育委員会が運営する教育支援センター(適応指導教室)は利用料が原則無料で、通った日は在籍校の出席扱いにできます。
東京都の小中学校の不登校児童生徒数は33,831人(令和6年度・文部科学省調査)。在籍者に占める割合は約3.57%で、全国平均は約3.86%です。ひとりで抱えている家庭が、それだけ多くあるということでもあります。
東京都全体の相談窓口
| 窓口 | リンク |
|---|---|
| 東京都教育委員会 不登校・中途退学対策 | 公式ページを見る |
| 東京都教育委員会 生活指導ポータル | 公式ページを見る |
| 東京都教育相談センター | 公式ページを見る |
| TOKYO多様な学びの場・居場所ナビ | 公式ページを見る |
| 24時間子供SOSダイヤル(全国共通・無料) | 0120-0-78310 |
東京都内48市区町村の窓口をまとめた一覧は、東京都の教育支援センター(適応指導教室)一覧にあります。掲載しているリンクはすべて実際にアクセスして到達を確認済みです。
東京都で相談を始めるときの進め方
どこに何を聞けばいいか分からないまま電話すると、たらい回しになりがちです。順番を決めておくと、1本の電話で話が進みます。
相談の順番
① 在籍校か、市区町村の教育相談窓口に連絡する
担任・スクールカウンセラーに伝えるか、東京都の教育委員会(教育相談室)に保護者から直接電話します。多くの自治体が保護者からの直接相談を受け付けています。
② 「今すぐ通えますか」「対象は何年生からですか」を最初に聞く
教育支援センターは定員があり、小4以上を対象とする自治体が多いです。ここを最初に確認すると、次の手を早く打てます。
③ 見学・体験から始める
保護者だけの見学から始めても構いません。部屋の雰囲気と、指導員との相性を見てください。
④ 出席扱いの扱いを学校と確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
費用の負担を軽くする制度
- 教育支援センターは利用料が原則無料(教材費・昼食・交通費は自己負担の場合あり)
- 就学援助(学用品費・給食費などの補助)は、東京都の教育委員会が窓口です
- フリースクール利用料の補助制度を設けている自治体も増えています。東京都に制度があるか、教育委員会に直接お問い合わせください
東京都に関するよくある質問
Q. 東京都の教育支援センターは無料ですか?
A. 利用料は原則無料です。市区町村の教育委員会が運営する公的機関のためです。ただし教材費・体験活動の材料費・昼食・交通費は自己負担になることがあります。給食がない施設が多く、弁当持参が一般的です。
Q. 東京都で通える場所がない場合はどうすればいいですか?
A. ①在籍校の校内別室(保健室登校を含む)を確認する、②訪問型支援があるか窓口で聞く、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)を学校と相談する、④オンラインを検討する——の順で当たるのが現実的です。東京都の状況によっては、通える範囲に施設がないこともあります。
Q. 学校を休ませてもいいのでしょうか?
A. 教育機会確保法の第13条は、「個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ」と条文で明記しています。休むことは制度の外側にある逸脱ではなく、法律が想定している状態です。文部科学省の通知も「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく」と述べています。

