「不登校地域留学」とは、子どもたちが一定期間、地域に関わりながら学ぶ新しい学びの形です。
教室の中だけで学ぶのではなく、地域の人・仕事・自然・文化を教材にし、
「社会とつながりながら、自分で問いを立て、行動する力」を育てることを目的としています。
NIJINアカデミーでは、地域を“見学する場所”ではなく、
子どもたち自身が価値を生み出すフィールドとして捉え、
地域課題の探究や魅力発信を通じた実践的な学びに取り組んでいます。
NIJINアカデミーは、JR東日本スタートアップが実施する「未来変革パートナーシッププログラム」に採択され、教育・子育て領域の事業共創に向けた取り組みを開始しました。
JR東日本グループがもつ駅や地域拠点と、NIJINの教育ノウハウを掛け合わせ、地域と学びをつなぐ新たな試みに挑戦しています。


なぜこの共創が生まれたのか?

教育や子育てを取り巻く環境は大きく変化し、「学校の中」だけでは生まれにくい学びや体験が求められる時代になっています。
そこで私たちは、地域にある人・文化・産業・自然と出会いながら学ぶことで、子どもたちが社会とつながり、自分の関心から問いを立てて動ける環境をつくりたいと考えました。
JR東日本グループがもつ駅や地域拠点というリアルなフィールドと、NIJINアカデミーの教育実践を掛け合わせることで、地域と学びをつなぐ新しい教育モデルを共に形にしていきます。
コラム|JR東日本スタートアップと未来変革パートナーシッププログラム
JR東日本スタートアップは、JR東日本グループが持つ駅・鉄道・地域拠点・ネットワークなどのアセットを活かしながら、 パートナーと共に新たな価値創出に挑戦する組織です。
「未来変革パートナーシッププログラム」は、社会課題の解決や新規事業創出を目的に、 分野を横断した共創プロジェクトを推進する取り組みです。
教育・子育て領域では、
地域と教育をどうつなぐか
子どもたちの学びを、社会の中でどう育てるか
という問いに向き合う実証的な取り組みが求められていました。
NIJINアカデミーは、子どもの主体性を引き出す学びの設計力と実践実績が評価され、本プログラムに採択されました。
取り組みの概要
◆ 週1回の地域課題解決ミーティング(2025年11月〜)

2025年11月から、東京都内にあるJR東日本スタートアップのコワーキングスペースを拠点に、週1回の活動を開始しました。
地域課題に関心のある児童生徒が集まり、地域留学プランの企画会議や、地域の魅力を発信する動画制作・YouTubeでのPR活動に取り組んでいます。
◆ 現地視察(2025年11月末|群馬県・みなかみ)

11月末には、代表メンバーのニジアカ生とともに群馬県・みなかみを訪れ、現地視察を行いました。
自然や観光資源を見学しながら、地域ならではの魅力や課題を体感。
また、地元でカフェや地ビールを生産する方々に直接話を伺い、
地域で生き、働く人のリアルな声に触れる機会となりました。
地域留学で育てたい子ども像
NIJINアカデミーが地域留学で大切にしているのは、
「正解を当てる子ども」ではなく、「問いを立て、動き出せる子ども」を育てることです。
- 地域の人や文化に出会い、自分なりの関心や違和感を見つけられる子
- 誰かに与えられた課題ではなく、自分たちで考えた問いに向き合える子
- 仲間と対話しながら、より良い形を模索し続けられる子
- 失敗や試行錯誤を恐れず、社会と関わる一歩を踏み出せる子
地域留学は、知識を覚える学びではなく、社会の中で自分の役割を探し、挑戦する経験そのものです。
子どもたちの学びと変化
- 主体的に地域を探究する姿勢が育っている
- 仲間と意見を出し合い、課題を整理する力が高まっている
- 地域の人へのヒアリングや発信を通して、社会との距離が縮まっている
◆ 子どもたち自身による「みなかみPR動画」
現地視察の際に撮影した映像をもとに、
企画・編集・発信までをすべて子どもたち自身で行い、
群馬県・みなかみの魅力を伝えるPR動画を制作しました。
この動画制作は、「地域を知る側」から「地域の価値を伝える側」へと、子どもたちの立場が変化していく象徴的な取り組みとなりました。
これからの展開と未来像

現在は代表5名で進めているこの活動を、2026年度にはNIJINアカデミー生全体から希望者を募り、定期開催する「地域留学」として展開していく構想です。
子どもたちへのアンケート調査や、TOKYO DIGICONXでのプレゼンを通じて、地域や企業とつながりながら、親子関係人口を増やす仕組みづくりにも挑戦しています。
共創が示す新しい教育の可能性
このプロジェクトは、地域社会そのものを学びのキャンパスとして捉え直す挑戦です。
JR東日本スタートアップとNIJINアカデミーの共創が、これからの教育の新しい選択肢として広がっていくことを目指しています。
NIJINアカデミーについて
NIJINアカデミーは、学校に通わない・通えない子どもたち一人ひとりの状況に寄り添いながら、
「その子の主体を約束する」ことを大切にしているオルタナティブスクールです。
オンラインとリアルの学びを組み合わせ、
子どもたちが安心して自分らしさを発揮できる居場所づくりと、
社会とつながる実践的な学びの機会を提供しています。
また、企業・自治体・教育機関と連携し、
地域・家庭・仕事・文化など、社会そのものを学びのフィールドにした共創プロジェクトにも取り組んでいます。
今回ご紹介した事例のように、
一つひとつの連携は、子どもたちの学びの可能性を広げると同時に、
社会に新しい価値を生み出す取り組みとして発展しています。
この記事の内容を確かめるための一次資料
学校とのやりとりは、担任個人の考え方に左右されやすい部分です。だからこそ国が学校に何を求めているかを知っておくと、話が噛み合いやすくなります。「認めてください」ではなく「要件を満たすには何を用意すればよいですか」と聞くのが、実務上いちばん通ります。
下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 文部科学省「生徒指導提要」 | 学校の生徒指導の基本方針(改訂版) |
| 文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業」 | SC・SSWの役割と配置の考え方 |
| 文部科学省「就学援助」 | 学用品費・給食費などの経済的支援 |
| 文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」 | 小中の不登校353,970人。全国の最新の実数 |
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 | 「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針 |
| 同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合) | 教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件 |
| 同 別記2(自宅でICT等を活用した学習) | 自宅学習を出席扱いにする7つの要件 |
| 文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」 | 2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件 |
| 文部科学省「COCOLOプラン」 | 誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策 |
| 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 | 全国1,045市区町村の公式相談窓口 |
| 教育機会確保法(e-Gov法令検索) | 第13条が「休養の必要性」を条文で認めている |
| こども家庭庁「子育て支援」 | 子育て世帯が使える支援制度の全体像 |
| 国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」 | 研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料 |
学校に相談するときの進め方
① 支援の目標をすり合わせる
「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。
② 具体的な場所を挙げる
「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。
③ 出席扱いの要件を一緒に確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
④ 決めたことを記録に残す
面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら
学校に伝えるときの文例
言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。
① しばらく休むことを伝える
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。
毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。
② 配慮をお願いする
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。
「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。
③ 出席扱いについて相談する
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。
ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。
④ 面談のあとに送る確認メール
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。
口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
伝える相手の順番
この記事のテーマについて、よく寄せられる質問
同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。
Q. 担任と話が噛み合いません
A. 「認めてください」ではなく「要件を満たすために何を用意すればよいですか」と聞き方を変えると通りやすくなります。それでも動かない場合は、学年主任・管理職・市区町村の教育委員会(教育相談室)へ相談先を上げてください。
Q. 毎日の欠席連絡がつらいです
A. 連絡方法は相談できます。「しばらく休むので、こちらから連絡がない日は欠席とみなしてください」と最初に合意しておくと、毎朝の負担がなくなります。多くの学校が対応してくれます。
Q. 保健室登校や別室登校は出席になりますか?
A. なります。校内で過ごした時間は在籍校の判断で出席として扱われるのが一般的です。保健室登校についてもあわせてご覧ください。
Q. 学習の遅れが心配です
A. 学校外での学習も、計画や内容が教育課程に照らし適切と判断されれば成績評価に反映できることが2024年8月の制度改正で明確になりました。詳しくは教育機会確保法の記事にまとめています。
Q. 面談で何を話せばいいですか?
A. ①いまの状態、②してほしい配慮を具体的に、③出席扱いの取り扱い、の3点に絞ると進みます。面談後に「本日確認したこと」をメールで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
参考にした公的資料
本記事は公開資料と教育現場での実践をもとにした情報提供であり、診断・治療の代わりになるものではありません。(にじいろの編集方針・監修について)
つらい気持ちを今すぐ話したいとき(全国共通・24時間)
24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310
お子さんからでも、保護者の方からでも相談できます。お住まいの地域の教育相談センターにつながります。


