不登校支援と聞くと、学校や教育委員会をイメージしませんか?
学校に行けなくなった子ども達を、学校が支援する?
学びの場、社会とのつながりを子ども達に提供できるのは、本当に学校だけなのでしょうか?
NIJINアカデミーでは、「学び」は、地域や社会が担い手となることでこそ最大化されると考えます。
不登校という言葉は「学びから離れている状態」と誤解されがちですが、実際には学びの形が従来の枠組みと合わなくなっているだけなのです。
社会には人・仕事・文化・場といった多様な学習資源が存在しており、それらをどう教育的価値として子ども達とつなげていくかが、いま問われているのです。
この記事では、NIJINアカデミーが実践してきた地域企画をもとに、不登校支援を社会全体で引き受ける発想と、その具体的な価値をお伝えします。
この記事を読むことで、地域の企業や団体、自治体が「教育の担い手」としてどのように関われるのかを、実践ベースでご理解いただけます。
本記事は、地域での教育連携や社会貢献を検討している企業・団体・自治体の方に向けて執筆しています。
不登校支援を「社会で引き受ける」という発想
不登校の子どもたちは、学びから離れているわけではない
不登校の状態にある子どもは、学ぶ意欲や能力を失っているわけではありません。
多くの子どもの場合、学習内容や人間関係、環境との不一致が続いた結果、学校から距離をとっています。
実際には、興味関心のある分野には強い集中力を発揮したり、オンラインや対話的な場で深い思考を示したりする例も少なくないのです。
重要なのは、学んでいないと判断することではなく、どのような環境であれば学びが立ち上がるのかを見極める視点です。
不登校を「適合の問題」と捉え直すことで、社会には多様な学びの可能性が開かれます。
この認識の転換こそが、地域や社会が学びの担い手になるための出発点になります。
学びの場は、もともと社会の中に存在している
学びは教室や教材の中だけで完結するものではありません。
仕事の現場、地域の歴史、文化活動、人との対話など、社会そのものが学習環境として機能します。
子どもにとって意味のある学びは、知識の獲得だけでなく、社会との関係性の中で形成されます。
地域には、学校教育では扱いきれないリアルな問いや経験が数多く存在しています。
それらを学びとして設計し直すことで、子どもは自分と社会との接点を実感できます。
社会の中にある学習資源を可視化し、教育的価値として再構築することが、地域企画の本質です。
「支援」ではなく「共につくる」という関わり方
不登校支援という言葉は、支える側と支えられる側を固定化しがちです。
しかし地域企画において重要なのは、子どもを対象として扱うのではなく、共に場をつくる存在として位置づけることです。
大人が一方的に与える学びではなく、相互作用の中で生まれる学びこそが深い理解につながります。
共につくる姿勢が、社会にひらかれた学びを成立させます。
なぜNIJINアカデミーは地域での学びをひらいてきたのか
NIJINアカデミーは、学びを社会にひらくことで、子どもが自分らしく社会と関われる環境を構築してきました。
地域企画は、その思想を具体的な形にする実践の一つです。
オンラインでの学びの先に
オンライン環境は、不登校の子どもにとって心理的安全性の高い学習手段です。
この安心できる環境の中で、子ども達は学びに対する意欲を高め、再び社会とのつながりに前向きな気持ちをもちます。
地域・社会と出会うことの教育的意味
地域や社会との出会いは、知識を学ぶ以上の教育的価値を持ちます。
社会の中で人がどのように役割を担い、価値を生み出しているのかを体感し、教科書では伝わりきらない仕事の背景や、地域に根づく文化に触れる機会が生まれます。
これらの経験は、自己理解や将来像を描く材料にもなります。
地域企画により、子どもは自分が社会の一員であることを実感するのです。
社会の中で学ぶことが、教育の質を高めるのです。
子どもを「連れ出す」のではなく、社会と「つなぐ」
NIJINアカデミーの地域企画は、ただ体験することが目的のイベントではありません。
目的は、子どもを一時的に外へ連れ出すことではなく、社会との継続的な関係を築くことです。
子ども自身がなぜ行くのか、何をしたいのかを考えることで、地域との出会いが一過性で終わらず、学びとしての価値を生み出すのです。
実践事例① 東海地方遠足
東海地方遠足は「地域そのものが学びの場になる」ことを具体的に示した実践です。
子どもたちが主体となった関わり
東海地方遠足は、オンライン上だけでなはく、実際に仲間に会いたい、という子ども達の声で生まれました。
「東海地方」という地域をキーワードに、この遠足は回を重ね、仲間を増やしていきました。
子ども達同士で事前に話し合いを重ね、行き先ややりたいことをまとめ企画しています。
遠足の中で起きていた学び
東海地方遠足で起きていた学びは、評価や成果で測れるものではありません。準備や事前の話し合いはもちろん、当日は、初めて実際に会う仲間と話す経験や、自分の関心を言葉にし、他者と共有する姿も見られました。
遠足を通し、子どもは自分たちで考え、企画したものを実行することの楽しさや、地域のおもしろさの再発見、仲間との一体感を実感しました。
地域が学びの場になる可能性が、具体的に示された実践でした。
実践事例② 川越社会科見学
川越社会科見学は、地域の歴史や営みがそのまま学びとして機能することを示した実践です。
一人の子どもの「川越にみんなで行きたい」という気持ちが、仲間たちの学びをつくりました。
社会科見学という形を選んだ理由
川越社会科見学では、遠足ではなく社会科見学という形式をあえて選びました。
子ども達が川越を「観光地」としてだけではなく「学びの場」として捉えていたからです。
事前の対話と学びの設計
企画立案した子どもは、事前の準備に時間をかけ、行き先や行程を考えました。
そして自らプレゼンを行い、仲間を集い、社会科見学を実現させました。
仲間が何に興味をもつか、どうしたら全員が楽しめるか、どのように人を集めるかを考えることによって、学びが深まりました。
決められた行程をただひたすら巡る一般的な社会科見学とは大きく異なります。
地域の歴史・仕事・営みに触れる時間
当日は、川越の街並みや施設を通して地域の歴史に触れました。
古くから続く商いの工夫や、街を守り続けてきた人々の営みを知ります。
子どもたちは、地域が時間をかけて形成されてきたことを実感しました。
地域そのものが教材となる時間でした。
地域が学びの場になるときに生まれる価値
地域が学びの場になることで生まれる価値は、子どもだけに限定されません。
学びは相互作用によって深まり、地域・企業・団体にとっても新たな意味を持ちます。
子どもたちに起きている変化
地域と出会う学びの中で、子どもたちには内面的な変化が起きました。
学習意欲の向上という単純な変化ではなく、社会への見方が広がります。
自分の関心を言葉にして他者に伝えることや、初対面の相手と対話する経験が、自己肯定感の土台になります。
評価や正解を求められない環境こそが、思考の深まりを支えているのです。
地域との関係性が、学びを自分事として捉える力を育てています。
地域・企業・団体側に生まれる気づき
地域企画に関わった大人側にも、明確な変化が生まれています。
子どもと関わることで、日常の仕事や活動の意味を捉え直す機会になり、自分たちの営みが、学習資源として機能することに気づきます。
こうして、社会貢献としてではなく、相互に学び合う関係性が形成されます。
教育連携が、組織の価値を広げる契機となっているのです。
「支援する側/される側」を超えた関係性
地域が学びの場になると、支援という構図は自然と薄れていきます。
子どもは一方的に守られる存在ではなく、学びの担い手になります。
大人もまた、教える側ではなく学ぶ側として関わります。
この対等な関係性が、継続的な学びを可能にし、率直な対話を生み出すのです。
共につくる関係性こそが、地域企画の本質的な価値です。
事後の振り返りと学びの共有
企画は当日だけでは終わらず、事後に振り返りの時間を設け、学びを言語化します。
子ども自身が感じたことを共有する場をつくるプロセスが、経験を学びとして深めるのです。

地域が担い手になるという選択
教育は今や学校だけが担うものではありません。地域やそこで暮らす人々が関わることで、学びも広がるのです。
むしろこの学びは教科書や学校の授業から得ることは難しいものです。
地域の大人が学びに関わる意味
地域の大人が関わることで、子どもは多様な生き方に触れ、一つの価値観に縛られない視点が育ちます。
教育という言葉は専門的な領域と捉えられがちですが、社会で生きる経験そのものが学習素材になるのです。
大人自身も自分の役割や仕事を振り返る機会になり、この相互作用が、地域全体の学習環境を豊かにします。
地域が担い手になることで学びは現実と結びつきます。
関わりは特別な支援である必要はなく、日常の延長線上に学びは存在します。
小さな関わりから始められる共創
地域連携は大規模である必要はなく、一度の受け入れや、短時間の対話から始められます。
小さな実践の積み重ねが、信頼関係を育て、共創は段階的に深まっていきます。
地域が担い手になる入口は、すでに身近にあります。
社会が学びの場になる未来へ
不登校支援は特別な取り組みではない
不登校支援は特別な取り組みではなく、社会が学びを引き受けることで、教育の可能性は広がります。
学びを社会にひらくことは、本来すべての子どもに関わる課題です。
不登校は、その必要性を可視化しているに過ぎません。
社会にひらかれた学びの可能性
社会にひらかれた学びは、固定された形をもたず、地域や人によって多様な実践が生まれます。
重要なのは、学びを閉じない姿勢です。
変化する社会に応じて、学びも更新されます。
可能性は、すでに社会の中に存在しているのです。
この実践が投げかけている問い
地域企画の実践は、一つの答えを示すものではありません。
むしろ、問いを社会に返しています。
学びの場を誰がつくるのか、どうつくるのか、という問いです。
その答えは、地域ごとに異なります。
重要なのは、考え続けることです。
社会が学びを引き受ける未来は、選択の積み重ねで形づくられます。

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動画で見る|【不登校】夏休み明けに増えるのは「子どもが急に行きたくなくなる」からではありません。子どもが学校に行けなくなるまでの本当の理由
この記事の内容を確かめるための一次資料
学校とのやりとりは、担任個人の考え方に左右されやすい部分です。だからこそ国が学校に何を求めているかを知っておくと、話が噛み合いやすくなります。「認めてください」ではなく「要件を満たすには何を用意すればよいですか」と聞くのが、実務上いちばん通ります。
下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 文部科学省「生徒指導提要」 | 学校の生徒指導の基本方針(改訂版) |
| 文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業」 | SC・SSWの役割と配置の考え方 |
| 文部科学省「就学援助」 | 学用品費・給食費などの経済的支援 |
| 文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」 | 小中の不登校353,970人。全国の最新の実数 |
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 | 「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針 |
| 同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合) | 教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件 |
| 同 別記2(自宅でICT等を活用した学習) | 自宅学習を出席扱いにする7つの要件 |
| 文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」 | 2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件 |
| 文部科学省「COCOLOプラン」 | 誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策 |
| 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 | 全国1,045市区町村の公式相談窓口 |
| 教育機会確保法(e-Gov法令検索) | 第13条が「休養の必要性」を条文で認めている |
| こども家庭庁「子育て支援」 | 子育て世帯が使える支援制度の全体像 |
| 国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」 | 研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料 |
学校に相談するときの進め方
① 支援の目標をすり合わせる
「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。
② 具体的な場所を挙げる
「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。
③ 出席扱いの要件を一緒に確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
④ 決めたことを記録に残す
面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら
この記事のテーマについて、よく寄せられる質問
同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。
Q. 担任と話が噛み合いません
A. 「認めてください」ではなく「要件を満たすために何を用意すればよいですか」と聞き方を変えると通りやすくなります。それでも動かない場合は、学年主任・管理職・市区町村の教育委員会(教育相談室)へ相談先を上げてください。
Q. 毎日の欠席連絡がつらいです
A. 連絡方法は相談できます。「しばらく休むので、こちらから連絡がない日は欠席とみなしてください」と最初に合意しておくと、毎朝の負担がなくなります。多くの学校が対応してくれます。
Q. 保健室登校や別室登校は出席になりますか?
A. なります。校内で過ごした時間は在籍校の判断で出席として扱われるのが一般的です。保健室登校についてもあわせてご覧ください。
Q. 学習の遅れが心配です
A. 学校外での学習も、計画や内容が教育課程に照らし適切と判断されれば成績評価に反映できることが2024年8月の制度改正で明確になりました。詳しくは教育機会確保法の記事にまとめています。
Q. 面談で何を話せばいいですか?
A. ①いまの状態、②してほしい配慮を具体的に、③出席扱いの取り扱い、の3点に絞ると進みます。面談後に「本日確認したこと」をメールで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

