不登校の基礎知識ガイド|定義・原因・4つの時期・学びの場と相談先【2026年版】

窓辺の机でギターやスケッチブックに囲まれ、好きなことに夢中になっている中学生のイラスト

 子どもが「学校に行きたくない」と言った日から、保護者の毎日は一変します。何が起きているのか、どこに相談すればいいのか、この先どうなるのか——調べれば調べるほど情報が多すぎて、かえって迷ってしまう。このページは、そんな方のための「不登校の基礎知識」の入口です。

 いま知りたいことから読めるように、状況別に整理しました。上から順に読む必要はありません。お子さんの状態にいちばん近いところから、必要な記事へ進んでください。

子どもが自分の「好き」に向き合っている場面。不登校のあいだも学びは止まらない
子どもが自分の「好き」に向き合っている場面。不登校のあいだも学びは止まらない

このページでわかること

  • 不登校の定義と、いま日本で何が起きているのか(公的な統計にもとづく事実)
  • 「行き渋り」から「回復」までの4つの時期と、時期ごとにやること
  • 学校を休んでいる間の学びの場(教育支援センター・フリースクール・学びの多様化学校・ホームスクール・オンライン)の違いと費用
  • 出席扱いの考え方と、学校との連携のしかた
  • 中学生・高校生の進路と、公的な相談窓口の一覧
目次

1. 不登校とは? 定義と、いま起きていること

 「不登校」は、文部科学省の調査上、「何らかの心理的・情緒的・身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席した者(病気や経済的な理由によるものを除く)」と定義されています(文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。つまり「30日」は統計上の線引きであって、子どもの苦しさの大きさを測る基準ではありません。

 この調査によると、小・中学校の不登校児童生徒数は長期にわたって増加が続いていることが公表されています。国も令和6年度の調査結果を受けて、各自治体・学校に対応の充実を求める通知を出しています(文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」)。いま起きているのは、一部の家庭の問題ではなく、社会全体の構造の話です。

よく混同される言葉の違い

言葉 意味 統計上の扱い
行き渋り(登校しぶり) 行きたくないと訴えるが、最終的には登校していることが多い状態 統計に表れない
五月雨(さみだれ)登校 行ける日と行けない日が混ざる状態 欠席日数によっては不登校に含まれる
不登校 年間30日以上欠席している(調査上の定義) 調査で計上される
不登校傾向 在籍・登校はしているが、心理的には教室から離れている状態 統計に表れない
ひきこもり 社会参加を避け、家庭にとどまる状態が続くこと。年齢を問わない 不登校とは別の概念

 最初のサインの見つけ方は行き渋りとは? 小学校で行き渋る理由と対応に、「休ませていいのか」で迷うときの判断軸は学校を休みたいと言われたときの考え方にまとめています。

2. 「なぜうちの子が」——原因を1つに決めないという原則

 保護者が最初にぶつかるのが「原因探し」です。しかし現場でも研究でも、不登校の背景は複数の要因が重なっていることがほとんどだと言われています。「いじめが原因」「甘やかしたせい」と一つに決めてしまうと、かえって必要な支援を見落とします。

背景として語られやすいもの 具体的な例 関連する記事
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家庭・生活 生活リズム、家庭の変化、きょうだい関係 不登校になりやすい家庭と言われるものの実際
身体の要因 起立性調節障害など。平日の朝だけ不調が出る場合は要確認 日本小児心身医学会

 特に見落とされやすいのが身体の要因です。朝の腹痛・頭痛・立ちくらみが平日の朝に集中し、休日は元気という形で続く場合は、「気持ちの問題」と決めつけず一度小児科に相談してください。また、発達特性が背景にある場合は特別支援教育の枠組みで学校に配慮を求められることがあります。

 「親のせいですか」と聞かれることがあります。断定できることではありませんが、少なくとも原因を家庭だけに求める見方は、国の通知の考え方とは違います文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)では、不登校を「問題行動」と捉えないこと、学校復帰のみを目標にしないことが示されています。

3. 不登校の4つの時期と、時期ごとにやること

 不登校には、おおまかな時間の流れがあると言われています。いまどの時期かが分かると、「今やるべきこと」と「まだやらなくていいこと」が分かれます。焦って先の段階のことをすると、かえって長引くことがあります。

時期 子どもの様子 この時期にやること やらないほうがいいこと
① 前ぶれ期 朝の不調、口数が減る、行事の前後で崩れる サインを記録する。学校に「気になっている」と早めに共有 問い詰める、原因を特定しようとする
② 混乱期 登校できない日が続く。昼夜逆転、感情の起伏が大きい 安全と休養を最優先。生活の最低ライン(食事・睡眠)だけ確保 登校刺激、将来の話、他の子との比較
③ 安定期 家では落ち着いて過ごせる。好きなことに手が伸びる 本人のペースで外の世界と少しずつつなぐ。居場所の見学 「そろそろ行けるよね」と期待を口に出す
④ 回復・前進期 外出できる、人と会える、先の話ができる 学びの場・進路の選択肢を一緒に並べて、本人に選ばせる 一度で完全復帰を求める(揺り戻しは普通に起きる)

 ②から③へ移るまでの期間は子どもによって大きく違い、数週間のこともあれば年単位のこともあります。揺り戻し(一度動き出したあとに、また止まること)はほぼ必ず起きます。詳しくは不登校の回復期に起きること揺り戻しへの向き合い方をご覧ください。

保護者が子どもの手を取る場面。混乱期にまず必要なのは、原因探しより安心できる時間
保護者が子どもの手を取る場面。混乱期にまず必要なのは、原因探しより安心できる時間

4. 学校を休んでいる間の「学びの場」を比べる

 学校の外にも、子どもが学べる場所は複数あります。費用も、出席扱いのされやすさも、通う頻度も違います。まず全体像を見てから、お子さんの状態に合うものを選んでください。

選択肢 運営 費用の目安 出席扱い 向いている時期
保健室・別室登校 在籍校 無料 認められることが多い 学校とのつながりが残っている時期
教育支援センター
(適応指導教室)
自治体 原則無料 認められることが多い 外に出られるようになってきた時期
学びの多様化学校
(不登校特例校)
国・自治体・学校法人 公立は無償 在籍校を移すため「出席」そのもの 通学圏に設置がある場合
フリースクール 民間(NPO・企業など) 月1〜5万円台 校長判断 本人に合う場所を選びたい時期
オンラインの学び場 民間 月1〜3万円台 要件を満たせば認められる場合がある まだ家から出るのが難しい時期
ホームスクール 家庭 教材費のみ 要件を満たせば認められる場合がある 家庭で学びを組み立てたい場合

 それぞれの詳細は、教育支援センター(適応指導教室)とは学びの多様化学校とはフリースクールとは?完全ガイドホームスクールとは費用を抑えたオンラインの選択肢にまとめています。費用の全国相場はフリースクールの費用相場、自治体の補助金は地域別の助成金をご覧ください。

 順番としては、費用のかからない公的な選択肢から当たるのが現実的です。そのうえで、合わなかった部分を民間やオンラインで補う、という組み立て方をおすすめします。

5. 「出席扱い」はどう決まるのか

 学校の外で過ごした日を、在籍校の出席として扱えるかどうか。これは在籍校の校長の判断で決まります。文部科学省は、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けている場合について、一定の要件のもとで指導要録上「出席扱い」とできるという考え方を示しています(文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日))。

確認されること 家庭・施設の側でやること
保護者と学校の間に、十分な連携・協力関係があるか 担任やスクールカウンセラーと定期的に連絡を取り、記録を残す
活動の内容が、学習指導要領に照らして適切と校長が判断できるか 施設の活動内容・時間割の資料を学校に渡す
定期的に学校へ報告があるか 施設から在籍校への報告書を、月単位で出してもらう
本人の状況にとって適切か 無理のない頻度から始め、通所記録を共有する

 あわせて、国は令和6年8月に「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」を出しています(文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」(令和6年8月29日))。休んでいる間の学習も、成績評価に反映しうるという考え方が示されたものです。学校と話すときの根拠になります。

 実務では、施設見学のときに「在籍校への報告書は出してもらえますか」「出席扱いの実績はありますか」の2つを必ず聞いてください。この2つが揃っている施設は、手続きが早く進みます。

6. 学校とどう話すか——連絡・面談・お願いのしかた

 保護者が消耗しやすいのが、学校とのやり取りです。ポイントは「お願いする」ではなく「情報を共有して、一緒に決める」形にすることです。

伝えるときの3つの型

場面 避けたい伝え方 通りやすい伝え方
朝の欠席連絡 「すみません、今日も休ませます」(謝罪だけ) 「本日はお休みします。朝に腹痛があり、○時に落ち着きました」(事実を短く)
配慮のお願い 「クラスを変えてください」(結論だけ) 「大人数の教室で音がつらいようです。別室で受けられる時間はありますか」(困りごと+選択肢)
出席扱いの相談 「出席にしてください」 「○○(施設名)に週2日通っています。報告書を出せるそうですが、指導要録上の扱いはご相談できますか」

 スクールカウンセラーや、自治体の教育相談窓口(文部科学省「教育相談」)を間に入れると、話が進みやすくなることがあります。学校との連携の具体例は学校とのやり取りで保護者が押さえておきたいこともご覧ください。

7. 中学生・高校生の進路——選択肢は一つではない

 中学生になると、出席日数・内申点・入試方式の3つが現実的な課題になります。ただし、内申点が足りない=進学できない、ではありません。調査書の比重が小さい入試方式、学力検査と面接で判定する方式、書類と面接で選考する通信制高校など、入口は複数あります。

進路 特徴 不登校経験者にとっての要点
全日制高校 毎日通学。学校数が多い 調査書の比重は学校・方式で差がある
定時制高校 夜間・昼間など時間帯を選べる 少人数で、働きながら通う生徒も
通信制高校 レポート+スクーリング。登校日数を選べる 書類・面接中心の選考が多い
高等専修学校 専門技能を学ぶ。高卒認定と組み合わせる形も 実技中心で合う子もいる
高卒認定試験 高校に通わず大学受験資格を得る 在学中でも受験できる

 詳しくは中学生の不登校と進路高校生の不登校|留年・転校・進路通信制高校の比較をご覧ください。3年生になる前に、在籍校の進路担当と「うちの子が使える入試方式はどれか」を具体的に相談しておくことをおすすめします。

8. 実際に不登校を経験した子どもと家族の話

 制度や選択肢を並べても、いちばん知りたいのは「その後どうなったのか」だと思います。にじいろでは、実際に不登校を経験した子どもと保護者に取材した記事を掲載しています。

ここまでは制度の話でした。ただ、保護者の方がいちばん知りたいのは「実際にその子はどうなったのか」だと思います。NIJINアカデミーに通う子どもたちと保護者の話を、そのまま記事にしています。

実際に通っている子どもたち・保護者の話

9. 校長が解説する動画で理解する

 文章より耳から入れたい方へ。オルタナティブスクール校長・星野達郎による解説動画です。

不登校・発達特性のある子が全国から通っています

外に出るのが難しい時期でも、始められる学びがあります

NIJINアカデミーは、全国どこからでも参加できる小中一貫のオルタナティブスクールです。在籍校と連携した出席扱いにも対応しています。まずはオンラインで話を聞くところからどうぞ。

小学生・中学生

NIJINアカデミー

「ALL HAPPY」を掲げる小中一貫のオルタナティブスクール。累計1,000名以上が入学し、在籍校と連携した97%の出席認定率を公表しています。

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高校生

ニジ高(NIJIN高等学院)

ユニークな個性を持つ高校生のための通信制・高校サポート校。自分のペースで高卒資格と進路をめざせます。

入学案内を見る ▶

📅 オンライン体験会の日程を見る(平日毎日開催)
💬 まずはLINEで気軽に相談する

入会前の相談・見学だけでも大丈夫です。
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10. 公的な相談窓口(24時間・無料のものを含む)

 いま危険を感じている場合は、迷わず下の窓口に連絡してください。保護者からの相談も受け付けています。

窓口 内容 連絡先・公式ページ
24時間子供SOSダイヤル 子ども本人・保護者からの、いじめや悩みの相談。24時間受付 0120-0-78310
文部科学省「子供のSOSの相談窓口」
こどもの人権110番(法務省) 人権に関わる相談。いじめ・体罰・虐待など 0120-007-110
法務省「こどもの人権110番」
チャイルドライン 18歳までの子どものための電話・チャット childline.or.jp
まもろうよ こころ(厚生労働省) 電話・SNSの相談窓口の一覧 厚生労働省「まもろうよ こころ」
自治体の教育相談センター 就学・不登校・発達の相談。多くは無料 文部科学省「教育相談」
いじめの相談(文部科学省) いじめに関する取組と相談先の案内 文部科学省「いじめ問題を含む子供のSOSに対する文部科学省の取組」
こども家庭庁 子ども・子育てに関する国の窓口 こども家庭庁

※ 医療・発達・制度の判断について

このページは、公表されている資料をもとに整理した一般的な情報です。診断や治療、個別の制度適用の可否については、必ず医療機関・在籍校・お住まいの自治体にご確認ください。統計や制度は更新されるため、数値は必ず出典元の最新版をご参照ください。

よくある質問(FAQ)

不登校は何日休んだらそう呼ばれますか?

文部科学省の調査上は、年間30日以上の欠席が目安とされています(文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。ただしこれは統計の線引きで、それ未満でも支援は受けられます。日数にこだわる必要はありません。

無理にでも学校に行かせたほうがいいのでしょうか?

国の通知では、学校復帰のみを目標にしないという考え方が示されています(文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日))。まず本人が安心して過ごせる状態に戻すことが優先されます。

勉強の遅れが心配です。

学びの場は学校だけではありません。教育支援センター、フリースクール、オンライン、家庭学習など複数あります(この記事の4章)。また、休んでいる間の学習を成績評価に反映しうるという通知も出ています(文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」(令和6年8月29日))。

フリースクールに通うと出席になりますか?

在籍校の校長の判断です。自動では認められません。要件と手続きは5章にまとめています。

費用はどれくらいかかりますか?

教育支援センターは原則無料、民間フリースクールは月1〜5万円台が中心です。自治体によっては利用料の補助があります(地域別の助成金)。

学校を休んでいることを、周囲にどう説明すればいいですか?

説明する義務はありません。伝える相手と範囲は保護者が決めて構いません。まずは家庭の中を安全にすることが優先です。

発達特性が関係しているかもしれません。どこに相談すれば?

在籍校のスクールカウンセラー、自治体の教育相談、発達障害者支援センターなどが窓口です。学校での配慮については特別支援教育の枠組みが使える場合があります。

朝だけ腹痛や頭痛があります。仮病でしょうか?

平日の朝だけ症状が出て休日は元気、という形が続く場合、起立性調節障害など身体の要因が重なっていることがあります。まずは小児科にご相談ください(参考:日本小児心身医学会)。

まとめ|「学校に戻すこと」だけを目標にしない

 不登校について調べていると、どうしても「どうすれば学校に戻れるか」という問いに引き寄せられます。しかし国の通知が示しているのは、登校という結果のみを目標にしないという考え方です(文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日))。子どもが安心を取り戻し、自分のペースで学びと社会につながっていくこと。そちらが本筋です。

 いま渦中にいる方へ。今日できることは、原因を突き止めることでも、明日の登校を決めることでもありません。子どもが安全に休める場所をつくること、そして保護者自身が一人で抱えないこと。この2つだけで十分です。

 このページは、状況が変わったときにまた戻ってこられる入口として置いています。次の一歩は、お子さんの時期に合わせて選んでください。

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