この記事でわかること
令和5年度、学校を長期に休んでいる小・中学生の数です。10年前と比べ、小学生は約5.4倍、中学生は約2.3倍に増えました。しかも学校が挙げた最も多い要因は「やる気が出ない」「不安・抑うつ」。つまり、多くの子が“理由をうまく言えないまま”心のエネルギーを切らしています。あなたの家だけの話ではありません。
出典:文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2024年10月公表)
こんなふうに迷っていませんか?
- 「これって、ただのずる休みかな?」
- 「一度休ませたら、クセになってしまわない?」
- 「甘やかすことになるんじゃ…」
- 「休ませたら、そのまま行けなくなりそうで怖い」
1. 「休みたい」は、がんばった後のサイン
子どもが「休みたい」と口にするのは、たいてい、すでにかなり我慢したあとです。行きたくない気持ちをしばらく抱えて、それでも通って、限界が近づいたときに、ようやく出てくる言葉であることが多いのです。前の晩から「お腹が痛い」「頭が痛い」と言い出したり、朝になると起きられなかったりするのも、心のしんどさが体に出ているサインです。
先ほどのデータで、不登校の最も多い要因が「やる気が出ない」「不安」だったことを思い出してください。これは、なまけているのではなく、心のエネルギーが底をつきかけている状態です。だから「休みたい」は、わがままではなく、SOSのサインとして受け取ってあげてください。
2. 「休むとクセになる」は本当か
「一度休ませると休み癖がつく」と心配される方は多いですが、実際は逆のこともよくあります。心のエネルギーを「コップの水」にたとえると分かりやすいかもしれません。水がほとんど空の状態で無理に動かし続ければ、コップは空っぽのまま。まず水をためる時間をとることで、少しずつ動けるようになっていきます。
しっかり休んで安心を取り戻すと、たまっていた気持ちが回復し、エネルギーが戻ってくる子は少なくありません。むしろ、無理に行かせ続けるほうが消耗し、こじれて長引いてしまうこともあります。休むことは、なまけではなく、立て直すための大事な時間だととらえてみてください。
3. 休ませ方の4つのコツ
- まず「休んでいいよ」と伝える子どもが罪悪感を抱えないように。「今日はゆっくりしよう」と、安心を先に手渡してあげましょう。安心できると、かえって早く元気が戻ることがあります。
- 理由を問い詰めない本人も理由がわからないことは多いです。「話したくなったら聞くね」くらいの距離感で。問い詰めると、子どもは口を閉ざしてしまいます。
- 休む日はしっかり休ませるゲームやゴロゴロを叱りすぎないこと。まずは心と体を休めるのが優先です。生活リズムは「朝ごはんは一緒に」など、ゆるく保てれば十分です。
- 学校へは事情に応じて連絡欠席の連絡を入れ、必要なら担任やスクールカウンセラーに状況を共有しておくと、その後が動きやすくなります。抱え込まず、早めに味方を作りましょう。
4. そのまま使える声かけ例(NG・OK)
同じ場面でも、言葉ひとつで子どもの安心はぐっと変わります。とっさに出やすいNGと、言い換えのOKをまとめました。
5. 学年・状況別のポイント
小学校・低学年
お腹や頭が痛いなど、体の不調で出やすい時期です。母子分離不安(親と離れる不安)が背景にあることも。スキンシップや「そばにいるよ」の安心を、いつもより厚めに。
小学校・高学年
友だち関係や自尊心が絡み、理由を言いたがらないことが増えます。プライドを傷つけないよう、問い詰めず、本人の言葉を待つ姿勢が大切です。
中学生
進路や周囲の目を気にして、将来への不安が強まりがち。「休んでも進路は選べる」と伝え、出席扱いの制度や多様な進路があることを一緒に知っておくと安心につながります。
五月雨(さみだれ)登校の場合
行けたり行けなかったりは、回復の途中でよく見られる自然な波です。行けた日を「明日も行けるね」と期待しすぎず、行けない日も責めず、波そのものを見守りましょう。
6. 休んでいる間の過ごし方
休みは「何もしない時間」ではなく、元気を貯める時間です。好きなことに触れて心が動くと、それが回復のきっかけになります。生活リズムは、朝の光を浴びる・食事の時間をそろえるなど、小さなところからゆるく整えれば十分です。
勉強の遅れが気になるときは、家庭でできる学びを少しずつ取り入れてもいいですし、一定の条件を満たせば、家庭や学校外での学習を「出席扱い」にできる制度もあります(下の関連記事で解説しています)。あわてず、その子のペースを大切にしてください。
7. よくある質問Q&A
何日くらい休ませていいですか?
ゲームや動画ばかりで心配です
昼夜逆転しそうで不安です
勉強の遅れが心配です
学校への欠席連絡は、どう伝えれば?
こんなときは相談を
数日休んでも元気が戻らない、休みが長引いている、食事や睡眠に大きな影響が出ている——そんなときは、担任やスクールカウンセラー、医療・相談機関に早めに声をかけましょう。ここに書いたのは一般的な情報で、診断に代わるものではありません。一人で抱え込まないことが何より大切です。
あわせて読みたい・見たい
休んだあとの「戻る場所」に選択肢を
「休ませたあと、どこに戻ればいいんだろう」と不安になったら、学校以外の選択肢も知っておくと安心です。NIJINアカデミーは、家から参加できるオンラインの学びの場です。無料の体験・相談会も行っていますので、気軽にのぞいてみてください。
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【参考・出典】
・文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(2024年10月)mext.go.jp
※本記事は一般的な情報をまとめたもので、医学的・専門的な診断や助言に代わるものではありません。

