【令和6年度】不登校の理由・原因ランキング|1位「やる気が出ない」30.1%、小中高別の全15項目と親の対応

不登校は、特別な家庭だけに起こることではありません。文部科学省の最新データを見ると、不登校の背景には「学校への意欲がわかない」「不安やストレスが大きい」「生活リズムの乱れ」など、どの家庭でも起こり得る理由が重なっていることがわかります。

つまり、不登校は“誰にでも起こりうる変化”であり、正しく理解すれば必ずサポートの方法が見つかります。

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本記事では、不登校の主な原因をランキング形式でわかりやすく解説し、さらに「不登校になりやすい家庭の特徴」や「親が避けるべき行動」、原因ごとの正しい対応まで、今日から使える形でまとめています。


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目次

結論:不登校の理由ランキング1位は「やる気が出ない」30.1%(令和6年度・文部科学省/早見)

小・中学校の不登校 353,970人(過去最多)について、学校が把握した事実の上位5つ

  1. 学校生活に対してやる気が出ない等の相談…30.1%(106,436人)
  2. 生活リズムの不調に関する相談…25.0%(88,563人)
  3. 不安・抑うつの相談…24.3%(85,854人)
  4. 学業の不振や頻繁な宿題の未提出…15.6%(55,152人)
  5. いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題…13.2%(46,624人)

高校(不登校 67,782人)も上位4つは同じ顔ぶれです(やる気が出ない 26.9%/生活リズムの不調 26.2%/不安・抑うつ 16.0%/学業の不振 12.8%)。

読むときの注意

  • これは学校(先生)が把握した事実を、1人につき「当てはまるものすべて」選んだ集計です。合計は100%を超え、子ども本人に聞いた「原因」ではありません
  • 文部科学省の委託調査では、体調不良・不安・抑うつ・睡眠の乱れを子どもや保護者は約7〜8割が挙げたのに対し、先生は2割弱でした(くわしくは下で解説)。
  • 原因は1つに決まらないことがほとんどです。原因探しより、いま見えているサインに合わせた関わり方を選びましょう。

つらさが強いときは24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(無料・子ども本人も保護者も使えます)。出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要」(令和8年1月16日更新版)。小・中・高別の全15項目の表へ

【全15項目】不登校の理由を小学校・中学校・高校で比べた一覧表(令和6年度)

文部科学省の調査結果から、不登校の児童生徒について学校が把握した事実を、全15項目すべて並べました。順位は小・中学校を合わせた割合の順です。1人について当てはまるものをすべて選ぶ方式なので、縦に足すと100%を超えます。

不登校の児童生徒について学校が把握した事実(令和6年度/不登校の児童生徒数に占める割合)出典:文部科学省 令和6年度調査結果概要
順位学校が把握した事実小学校
137,704人
中学校
216,266人
小・中合計
353,970人
高校
67,782人
1位学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった30.1%30.1%30.1%
106,436人
26.9%
2位生活リズムの不調に関する相談があった26.2%24.3%25.0%
88,563人
26.2%
3位不安・抑うつの相談があった24.1%24.4%24.3%
85,854人
16.0%
4位学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた15.4%15.7%15.6%
55,152人
12.8%
5位いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった11.8%14.1%13.2%
46,624人
10.2%
6位親子の関わり方に関する問題の情報や相談があった16.9%9.9%12.6%
44,557人
6.7%
7位家庭生活の変化に関する情報や相談があった10.3%6.6%8.0%
28,398人
4.7%
8位障害(疑い含む)に起因する特別な教育的支援の求めや相談があった9.6%6.2%7.5%
26,665人
2.3%
9位個別の配慮(障害(疑い含む)以外)についての求めや相談があった8.1%5.2%6.4%
22,517人
2.2%
10位入学、転編入学、進級時の不適応による相談があった3.8%5.2%4.7%
16,581人
7.0%
11位教職員との関係をめぐる問題の情報や相談があった4.4%2.3%3.1%
11,115人
1.3%
12位あそび、非行に関する情報や相談があった1.8%3.8%3.0%
10,561人
4.6%
13位学校のきまり等に関する相談があった2.0%2.1%2.0%
7,226人
1.7%
14位いじめの被害の情報や相談があった1.8%1.1%1.4%
4,913人
0.9%
上記に該当なし6.0%4.9%5.3%
18,804人
11.9%

表から読み取れる3つのこと

  • 上位3つは小・中・高で共通。「やる気が出ない」「生活リズムの不調」「不安・抑うつ」は、どれも心と体のエネルギーが落ちているときに出やすいサインです。
  • 小学校は「親子の関わり方」が16.9%で、中学校(9.9%)より高い。ただしこれは、学校が家庭に関する相談や情報を把握した割合です。「親のせいで不登校になった」という意味ではありません。
  • 中学校は「友人関係」14.1%、高校は「入学・進級時の不適応」7.0%と「該当なし」11.9%が相対的に高い。年齢が上がるほど、学校が理由をつかみきれていないケースも増えます。

先生が把握した理由と、子ども本人が感じていた理由は同じではない(文部科学省の委託調査)

上のランキングは、あくまで「学校から見えている姿」です。文部科学省の委託で行われた「不登校の要因分析に関する調査研究」(公益社団法人子どもの発達科学研究所・浜松医科大学子どものこころの発達研究センター、令和6年3月公表)は、同じ不登校の子どもについて、担任の先生・子ども本人・保護者の三者に回答してもらい、答えを突き合わせました。

対象は大阪府吹田市・広島県府中市・宮崎県延岡市・山梨県。令和4年度に不登校と報告された子どもについて、先生の回答1,424人分、本人239人、保護者200人の回答が分析されています。

先生・子ども・保護者で回答がどう違ったか(報告書の記述をもとに整理)
項目三者の回答の傾向家庭でのヒント
学業の不振/宿題の提出先生・子ども・保護者の回答割合が比較的近い学校とも共有しやすいサイン。どの教科のどこでつまずいたかを一緒に確かめる
体調不良/不安・抑うつ/居眠り・朝起きられない・夜眠れない子ども・保護者は約7〜8割が回答したのに対し、先生は2割弱学校からは見えにくい。家で見える体調や睡眠の様子を、具体的に担任へ伝える
いじめ被害/教職員への反抗・反発/教職員からの叱責先生と、子ども・保護者の回答割合に違いがみられた学校の記録にないこともある。子どもの話を否定せず、日付と出来事をメモしておく

この調査の時点(令和4年度)の国の統計は、不登校の要因を「主たるものを1つ、従たるものを2つまで」選ぶ方式でした。委託調査は当てはまるものをすべて選ぶ方式で行われ、現在の国の調査(令和6年度)も「当てはまるものをすべて回答」する形になっています。

たとえば「いじめの被害」は国の統計では1.4%ですが、学校が把握していないケースもありえます。家庭で見えていることは、遠慮せず学校に伝えてください。それが、子どもに合った支援につながります。出典:文部科学省委託事業「不登校の要因分析に関する調査研究」報告書

原因TOP10を1つずつ解説|サインと背景(順位は令和6年度調査の数値どおり)

不登校の原因ランキングTOP10|文部科学省の最新データをもとに解説【令和6年度調査】

不登校と一言でいっても、その背景は子どもによって大きく異なります。

近年の不登校は、いじめのような分かりやすい出来事だけで起こるものではありません。

気づきにくい心の疲れや、学校生活との小さなズレが、少しずつ積み重なった結果として表れるケースが増えています。

ここでは、最新の公的データをもとに、不登校につながりやすい原因をランキング形式で整理していきます。

参考:令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要|文部科学省

▼不登校の原因ランキングTOP10(令和6年度・小中学校の割合。気になる順位をクリックすると詳細に飛べます)

1位:学校生活にやる気が出ない・意欲の低下(30.1%)

令和6年度調査:小学校 30.1%/中学校 30.1%/高校 26.9%(不登校の児童生徒に占める割合)

現在、不登校の理由として最も多く挙げられているのが意欲の低下です。授業についていけない状態が続いたり、努力が評価につながらなかったりすると、学校に通う意味を感じにくくなります。

多くの子どもは、すぐに不満を口にするわけではありません。我慢を続けた結果、ある日突然行けなくなる形で表面化してしまうのです。

怠けや甘えと受け取られやすいものの、実際には心身のエネルギーが尽きた状態です。登校そのものより、学校生活の負担に目を向ける必要があります。

2位:生活リズムの不調(25.0%)

令和6年度調査:小学校 26.2%/中学校 24.3%/高校 26.2%(不登校の児童生徒に占める割合)

生活リズムの乱れも、不登校と密接に関係しています。夜更かしや睡眠不足が続くと、朝の登校自体が大きな負担になります。また、集中力や意欲も下がりやすくなります。

一方で、生活リズムの乱れが結果として現れる場合も少なくありません。学校での緊張や不安が続き、眠れなくなるケースも見られます。

生活を立て直すには、責めるより休息を優先する姿勢が必要です。

3位:不安・抑うつなど心理的ストレス(24.3%)

令和6年度調査:小学校 24.1%/中学校 24.4%/高校 16.0%(不登校の児童生徒に占める割合)

心理的な不調が背景にあるケースも増えています。

朝になると体が重く感じる・理由は分からないが気分が落ち込む。こうした状態は、本人にも説明が難しいことが多くあります。

外から見て分かりにくいため、対応が遅れる傾向があります。無理に登校を続けると、不安や抑うつが強まることもあります。心の状態に配慮した関わりが欠かせません。

4位:学業の不振・宿題の未提出(15.6%)

令和6年度調査:小学校 15.4%/中学校 15.7%/高校 12.8%(不登校の児童生徒に占める割合)

授業の内容がわからない状態が続いたり、宿題を出せない日が重なったりすると、教室にいること自体がつらくなります。「勉強をさぼっている」ではなく、「わからないまま置いていかれている」状態であることが少なくありません。

文部科学省の委託調査(不登校の要因分析に関する調査研究)では、「学業の不振」「宿題の提出」は、先生・子ども本人・保護者の回答割合が比較的近い項目でした。家庭からも学校からも気づきやすく、いちばん学校と共有しやすいサインです。

一方で、学習のつまずきの背景に、読み書きや計算の苦手さ(学習障害)、不安や睡眠不足による集中の低下が隠れていることもあります。どの教科のどこでつまずいているのかを、担任の先生と一緒に確かめましょう。令和6年度には、自宅や学校外の機関等での学習の成果を指導要録に反映した児童生徒が81,467人いました(同調査)。休んでいる間の学びも、評価につなげる道があります。

5位:いじめ被害を除く友人関係の問題(13.2%)

令和6年度調査:小学校 11.8%/中学校 14.1%/高校 10.2%(不登校の児童生徒に占める割合)

はっきりとしたいじめがなくても、友人関係の悩みは不登校の原因になります。クラスやグループの中で居場所が感じられない状況は、毎日の負担になります。周囲の大人からは深刻に見えない場合もあります。

しかし、本人にとっては大きなストレスになることがあります。無理に解決を急がず、心が休まる環境を確保することが重要です。

6位:親子の関わり方(12.6%)

令和6年度調査:小学校 16.9%/中学校 9.9%/高校 6.7%(不登校の児童生徒に占める割合)

親の言葉や関わり方が、知らないうちに負担になる場合があります。励ましのつもりで伝えた言葉が、子どもには重く感じられることもあります。

親が忙しく、話を聞く余裕がなくなる時期は、子どもが気持ちを抱え込みやすくなるため注意が必要です。

不登校は親子関係が悪いから起こるわけではなく、気持ちを安心して出せる場が弱まったときに表れやすくなります。心の疲れを家庭で受け止められない状況が続くと、学校の負担が大きく感じられやすくなります。

7位:家庭生活の変化(8.0%)

令和6年度調査:小学校 10.3%/中学校 6.6%/高校 4.7%(不登校の児童生徒に占める割合)

引っ越しや転職、家族関係の変化も影響します。家庭環境の変化は、子どもにとって大きな負担になります。

大人が思っている以上に、日常の変化は心に影響を残します。家庭内の安定は、学校に向き合う力を支える要素です。

8位:障害(疑い含む)による特別な支援の求め(7.5%)

令和6年度調査:小学校 9.6%/中学校 6.2%/高校 2.3%(不登校の児童生徒に占める割合)

発達特性のある子どもは、学校環境そのものに疲れやすい傾向があります。音や人の多さ、授業の進め方が負担になることもあります。

努力不足と誤解されやすく、自己否定が強まるケースも見られます。環境や関わり方を調整することで、通学が安定する例も少なくありません。

本人の問題ではなく、環境との相性が影響しています。

9位:個別の配慮の求め(障害以外)(6.4%)

令和6年度調査:小学校 8.1%/中学校 5.2%/高校 2.2%(不登校の児童生徒に占める割合)

診断がなくても、学校環境が合いにくい子どもはいます。教室の音、人の多さ、授業の進行など、何気ない場面が負担になることがあります。

本人が理由を説明できないことも多く、我慢し続けるうちに疲れが蓄積します。席の配置や学習方法を少し変えるだけで負担が軽減することもあり、早い調整が登校継続につながる場合があります。

10位:入学・転編入学・進級時の不適応(4.7%)

令和6年度調査:小学校 3.8%/中学校 5.2%/高校 7.0%(不登校の児童生徒に占める割合)

学年の変わり目や転校は、子どもに強い緊張を生じさせます。新しい人間関係や生活リズムに慣れるまで、時間が必要な子も少なくありません。

最初のうちは、できていない部分に目を向けすぎず、疲れのサインを早めに受け止める姿勢が大切です。環境の変化に寄り添う支援が入るだけで、不登校の長期化を防げることもあります。

11位以下:教職員との関係(3.1%)・あそび/非行(3.0%)・学校のきまり(2.0%)・いじめの被害(1.4%)

令和6年度調査(小・中合計):教職員との関係 3.1%/あそび・非行 3.0%/学校のきまり等 2.0%/いじめの被害 1.4%。以前この記事では「遊び・非行」を8位としていましたが、令和6年度の数値では12番目のため、2026年9月に順位を改めました。

ゲームや外出が増える行動は、表面だけ見ると遊びに見えることがあります。しかし、多くの場合、学校生活から距離を置きたい気持ちが背景にあるのです。

校内で緊張が続くと、心を休ませる場所を求めるようになります。遊びを制限するだけでは問題が深まりやすく、行動の背景にある心理を理解することが欠かせません。

安心できる環境が整うことで、遊びに偏る状態が自然と落ち着く例もあります。

「いじめの被害」は1.4%と少なく見えますが、文部科学省の委託調査では、先生と子ども・保護者の回答に違いがみられた項目です。数字が小さいからといって、子どもの訴えを軽く見ないでください。いじめが疑われるときはいじめられやすい子の特徴と、親ができること、統計はいじめの原因・理由ランキングにまとめています。

不登校になりやすい家庭の特徴とは?

不登校になりやすい家庭の特徴とは?

不登校は、特定の家庭にだけ起こるものではありません。むしろ、子どもと真剣に向き合ってきた家庭ほど、結果として不登校に直面するケースもあります。

ここで紹介する特徴は、家庭に問題があるという意味ではありません。家庭の価値観や関わり方と、学校という環境との間に生じやすい「ズレ」を整理したものです。

今後の関わり方を見直すヒントとして参考にしてください。

▼不登校になりやすい家庭の特徴

  1. 新しい働き方をしている親
  2. 家庭内の対話が多い親
  3. 平均的ではない親
  4. 学歴・偏差値より「その子らしさ」を大事にする親
  5. 海外経験のある親

1. 新しい働き方をしている親

在宅勤務やフリーランスなど、柔軟な働き方をしている親は、家庭を大切にする意識が高い傾向があります。子どもの小さな変化に気づきやすく、安心できる居場所をつくってきた家庭も多くあります。

一方で、親が身近にいる時間が長い分、子どもが気を遣う場面が生まれることもあります。

少し距離を取れる時間を意識的につくることで、気持ちの余白が生まれます。

家庭の柔軟さは、回復期において大きな支えになります。

2. 家庭内の対話が多い親

家族の会話が活発で、家庭が安心できる場になっている一方で、その居心地の良さが際立つことで、学校との環境差を強く感じる子どももいます。

落ち着いて過ごせる家庭に比べ、集団生活の多い学校が負担に感じられ、登校へのハードルが高くなる場合があります。

3. 平均的ではない親

独自の価値観や生き方を大切にしてきた家庭では、子どもの視野も自然と広がります。多様な考えに触れて育った子は、感受性が豊かで思慮深い傾向があります。

学校という枠組みの中で、その感性が生かされにくい場面もあります。

家庭で育まれた価値観は、将来にわたって子どもの土台になります。

4. 学歴・偏差値より「その子らしさ」を大事にする親

子どもの個性を尊重してきた家庭では、自分なりの感覚を大切にする子が育ちます。周囲に流されにくく、違和感に気づける力も養われます。

評価の基準が限られる学校環境では、戸惑いが生まれることもあります。家庭が安心の軸になっていることで、揺れたときにも立ち戻れます。

その軸は、不登校を経験しても失われるものではありません。

5. 海外経験のある親

海外経験のある親は、多様な価値観を自然に家庭へ持ち込んでいます。正解が一つではない世界を知っていることは、子どもの安心感につながります。

そのため、日本の学校文化とズレを感じる場面もあります。その違和感に気づける感性は、子どもの視野を広げる力になります。

違いを否定せず、折り合いを探す姿勢が、長い目で見て大きな財産になります。

▼不登校になりやすい家庭の特徴についてさらに詳しく知りたい方はこちらもチェック

>>不登校になりやすい親の特徴5選|500家庭以上を見てきた現場から

親がやってはいけないNG行動3選

親がやってはいけないNG行動3選

子どもが不登校になると、どう関わればよいのか分からなくなる親は少なくありません。何とか状況を良くしたいという思いから、行動を起こそうとするのは自然なことです。

ただ、善意からの関わりであっても、かえって子どもに負担をかけてしまう場合があります。ここでは、多くの家庭で起こりやすい行動を整理します。

▼親がやってはいけないNG行動3選

① 無理に登校させようとする・責める
② 原因を1つに決めつける・問い詰める
③ 兄弟や他の子どもと比較する

① 無理に登校させようとする・責める

学校に行ってほしいという気持ちは、親として自然なものです。子どもの将来を心配するほど、その思いは強くなります。

しかし、登校できない状態の子どもは、すでに心の余力が少なくなっています。「行ってみよう」「少しだけ頑張ろう」という言葉も、重く受け止めてしまうことがあります。

登校を促され続けると、「行けない自分はダメだ」と感じやすくなります。まずは行動よりも気持ちを受け止める関わりが、回復への土台になります。

② 原因を1つに決めつける・問い詰める

理由を知りたいと思うのも自然な感情です。原因が分かれば解決できるように思えるからです。

ただ、不登校の背景は一つではないことがほとんどです。子ども自身も、うまく説明できない場合が多くあります。

理由を繰り返し聞かれることで、気持ちを話すこと自体が負担になることもあります。原因探しより、今感じているつらさに目を向ける姿勢が安心につながります。

③ 兄弟や他の子どもと比較する

励ましのつもりで、他の子の例を出す場面もあります。しかし、比較されることで、自分の状態を否定されたと感じる子もいます。

不登校の時期は、自己肯定感が下がりやすくなっています。そこに他人との違いを突きつけられると、さらに自信を失ってしまいます。

大切なのは、その子自身のペースや状態を見ることです。他人ではなく、今の様子を基準に関わることが支えになります。

子どもが不登校になった時、親がやるべき正しい対応

子どもが不登校になった時、親がやるべき正しい対応

子どもが学校に行けなくなったとき、親は戸惑いや不安を強く感じます。「このままで大丈夫なのか」「何かしなければ」と考えるのは自然な反応です。

大切なのは、すぐに正解を見つけようとしないことです。不登校は、立ち止まって状況を整えるための時間と捉えることもできます。

ここでは、子どもが不登校になった時、親がやるべき正しい対応を紹介します。

▼子どもが不登校になった時、親がやるべき正しい対応

  • 原因を追及しすぎず、まず“安心できる環境”を整える
  • 子どもの気持ちを否定せず、共感しながら話を聴く
  • 生活リズム・健康面を整えつつ、無理のない日常を作る
  • 学校と連携して、子どもに合った登校方法を相談する
  • 親だけで抱え込まず、専門機関や相談窓口を積極的に利用する

原因を追及しすぎず、まず“安心できる環境”を整える

理由をはっきりさせたい気持ちは、多くの親が抱きます。ただし、不登校の背景は複雑で、すぐに言葉にできない場合もあります。

原因を探すことよりも、今の生活が安心して過ごせる状態かどうかが重要です。自宅で落ち着いて過ごせることが、心の回復につながります。

学校に行けない状態を否定せず、今は休む時期だと認める姿勢が、子どもの緊張を和らげます。

子どもの気持ちを否定せず、共感しながら話を聴く

子どもの話を聞くとき、つい助言をしたくなる場面もあります。しかし、不登校の時期に求められているのは、正しい答えよりも理解です。

「そう感じているんだね」「つらかったね」と受け止められるだけで、子どもは安心します。言葉が少ない日があっても、無理に話させる必要はありません。

気持ちを出しても大丈夫だと感じられる関係が、回復の土台になります。

生活リズム・健康面を整えつつ、無理のない日常を作る

学校に行かない期間が続くと、生活リズムが崩れやすくなります。ただし、急に元に戻そうとすると負担が大きくなります。

朝起きる時間や食事のタイミングなど、できる範囲で整えていくことが大切です。完璧を目指す必要はありません。

体調が安定してくることで、気持ちにも余裕が生まれます。日常をゆっくり取り戻す意識が役立ちます。

学校と連携して、子どもに合った登校方法を相談する

不登校は、家庭だけで解決しようとしなくても問題ありません。学校側と情報を共有することで、選択肢が広がります。

別室登校や時間をずらした登校など、柔軟な対応が取れる場合もあります。無理に通常登校を目指さず、子どもに合った形を探していくことが大切です。

学校とのやり取りは、親が間に入ることで子どもの負担を軽減できます。

親だけで抱え込まず、専門機関や相談窓口を積極的に利用する

不登校への対応は、長期的になることもあります。親だけで向き合い続けると、疲れがたまりやすくなります。

スクールカウンセラーや相談窓口など、外部の力を借りる選択もあります。第三者が入ることで、状況を客観的に整理しやすくなります。

親自身が支えられることで、子どもへの関わりにも余裕が生まれます。

【一覧表】原因TOP10と、家庭でできる最初の一歩

ここまで見てきた10の原因を、「見えやすいサイン」と「親ができる最初の一歩」に対応させて1枚にまとめました。原因は一つに絞れないことがほとんどなので、当てはまりそうなものを複数見ていただいて構いません。

不登校の原因TOP10と対応の早見表(順位と割合は文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の小・中学校の数値)
順位・原因見えやすいサイン親ができる最初の一歩
1位 意欲の低下(30.1%)朝起きられない/「行く意味がわからない」と言う登校の可否より、学校生活の負担を一緒に洗い出す
2位 生活リズムの不調(25.0%)夜更かし・睡眠不足が続く責めずに休息を優先。まず起床時刻だけを整える
3位 不安・抑うつ(24.3%)理由が言えないまま気分が落ち込む/体が重い無理な登校を止め、早めにスクールカウンセラーへ
4位 学業の不振・宿題(15.6%)テストや宿題を嫌がる/「授業がわからない」と言う責める前に、どの教科のどこでつまずいたかを担任と確認する
5位 友人関係の問題(13.2%)クラスの話をしなくなる/休み時間の話題が減る解決を急がず、家が休まる場所であることを保つ
6位 親子の関わり方(12.6%)会話が減る/励ましに反応しなくなる助言より先に、話を最後まで聞く時間をつくる
7位 家庭生活の変化(8.0%)引っ越し・転職・家族関係の変化のあと不調が出る変化の内容を子どもにも言葉で伝え、見通しを持たせる
8位 障害による特別な支援の求め(7.5%)音や人の多さで疲れる/指示が入りにくい学校に配慮(席・課題量)を相談する
9位 個別の配慮の求め(6.4%)診断はないが教室環境がつらそう席の位置・学習方法など小さな調整から試す
10位 新しい環境への不適応(4.7%)入学・進級・転校の直後に崩れる慣れるまでの期間を長めに見積もり、負担を減らす

動画で見る|不登校の背景にあるもの

不登校専門家であり、オルタナティブスクールの校長でもあるタツロー校長が、家庭でよくある関わりのつまずきを現場の視点から解説しています。「うちが原因なのでは」と感じている方にこそ見ていただきたい内容です。

【不登校】になりやすい親の特徴|脱・学校のタツロー校長

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よくある質問

不登校の理由は、小学生と中学生で違いますか?

上位3つ(やる気が出ない・生活リズムの不調・不安や抑うつ)は小学校・中学校で共通で、どれも24〜30%台です。違いが大きいのは「親子の関わり方」(小学校16.9%、中学校9.9%)と「いじめ被害を除く友人関係」(小学校11.8%、中学校14.1%)です。親子の項目は学校が家庭に関する相談や情報を把握した割合で、「親のせい」という意味ではありません(文部科学省 令和6年度調査)。

いじめが原因の不登校は少ないのですか?

国の調査で学校が把握した「いじめの被害」は、小・中学校の合計で1.4%(4,913人)です。ただし文部科学省の委託調査では、いじめ被害について先生と子ども・保護者の回答に違いがみられました。数字が小さいからといって、お子さんの訴えを軽く見ないでください。すぐに話を聞いてほしいときは、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)が無料で使えます。

不登校の原因は1つに絞れますか?

多くの場合、原因は1つではありません。文部科学省の調査でも「無気力・不安」が最多の要因として挙げられていますが、実際には生活リズムの乱れや友人関係、学習面のつまずきなど複数の要因が重なって不登校につながるケースがほとんどです。「原因は1つのはず」と決めつけて探し続けるより、今のお子さんの状態に目を向けることが大切です。

子ども自身も原因がわからないことはありますか?

あります。子ども自身、なぜ学校に行けないのか言葉にできないことは珍しくありません。無理に理由を聞き出そうとすると、かえって本人を追い詰めてしまうこともあります。原因がはっきりしないまま様子を見守ることも、対応の一つとして間違いではありません。

原因がわかれば、すぐに学校に戻れますか?

原因が特定できても、すぐに登校再開につながるとは限りません。不登校からの回復には時間がかかることが多く、原因への対処と並行して、子どもが安心して過ごせる環境を整えることが優先されます。焦らず、子どものペースに合わせて対応していくことが望ましいとされています。

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「いじめの原因ランキング」を探している方へ——この記事は不登校の原因を扱っています。いじめの種類や件数の統計をお探しの場合は、文部科学省の調査にもとづくいじめの原因・理由ランキング|文科省調査で最も多い「いじめの態様」をご覧ください。加害の背景はいじめをする子の特徴と背景|「する側/される側」は入れ替わる、被害を受けやすい状況はいじめられやすい子の特徴と、親ができることにまとめています。

まとめ|不登校の原因を理解し、子どもに合ったサポートを

まとめ|不登校の原因を理解し、子どもに合ったサポートを

不登校は、特別な家庭や子どもだけに起こるものではありません。学校生活の中で感じた小さな違和感や疲れが積み重なり、あるタイミングで表に出ることが多くあります。

原因は一つではなく、意欲の低下や不安、生活リズム、人間関係、環境との相性などが複雑に関係しています。そのため、正しい対応も家庭ごとに異なります。

大切なのは、早く学校に戻すことを目標にするよりも、子どもが安心して過ごせる状態を整えることです。家庭が落ち着ける場所になることで、子どもは少しずつ前を向く力を取り戻していきます。

不登校の経験は、その子に合った生き方や学び方を見つける過程でもあります。周囲と比べず、その子の歩みを信じながら、無理のないサポートを続けていきましょう。

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