日本で「ホームスクールをしたい」と考えたとき、家庭で学ぶことそのものと、義務教育の就学義務や在籍校での出欠扱いは分けて考える必要があります。制度上の扱いを確認しながら、本人にとって負担の少ない学び方や支援先を探す手順を整理します。
にじいろは株式会社NIJINが運営し、この記事で紹介するNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)も同社の事業です。NGAはオンライン国際教育の候補の一つとして、他の学び方と同じく対象・場所・頻度・費用・確認事項を記載します。
ホームスクールを考え始めたら、学びと制度の確認を分ける
ホームスクールは、家庭を主な学びの場にする方法を指して使われますが、日本では全国共通の学校制度上の選択肢として定義されていません。家庭で本を読んだり、オンライン教材を使ったりすることと、それが義務教育の就学として認められることは別です。
国内に居住する日本国籍の学齢児童生徒について、保護者には学校教育法に基づく就学義務があります。文部科学省は、就学義務の猶予・免除を限られた事由について教育委員会が個別判断する仕組みとして説明しています。ホームスクールを始める場合は、学校を独自に退学・休学させたり、連絡を止めたりせず、住所地の教育委員会と在籍校に学籍・出欠・利用できる支援を相談してください。
①いまの在籍校と自治体の窓口 ②本人が避けたい負担と安心できる時間 ③家庭学習・施設利用・オンラインのどれを試すか。出席扱い、成績評価、進級・卒業はそれぞれ別に質問しましょう。
文部科学省の不登校支援の考え方は、登校だけを唯一の目標とせず、本人の意思や休養の必要性を尊重しながら社会的自立を支えるものです。家庭で過ごす時間をつくるか、学校内外の支援を使うかは、子どもの状態と制度上の手続きを一緒に見て考えます。
比較の基準:選択肢の種類を並べ、順位は付けない
以下は「ホームスクールに合う順」のランキングではありません。学びの場と支援の役割が異なるため、学校とのつながりを残す方法、公的な相談・通所先、民間施設、家庭中心の学び、オンラインスクールの順に紹介します。
比べる軸は、対象・役割、学ぶ場所、利用頻度、活動内容、費用、見学・体験、在籍校との連携と記録です。自治体や施設が公表していない利用条件・料金は「要問い合わせ」とし、出席扱いになると断定しません。各家庭がまず確認する窓口は住所地の教育委員会と在籍校です。
| 選択肢 | 対象・役割 | 場所・頻度 | 内容・費用 | 体験・連携・記録 |
|---|---|---|---|---|
| 在籍校の校内支援・別室 | 在籍を続けながら学校内での負担を調整したい子ども | 在籍校。実施日・時間は学校に確認 | 別室、相談、個別支援等。内容・追加費用は要問い合わせ | 在籍校に担当者、出欠・評価の扱い、利用開始・変更手続きを確認 |
| 自治体の教育支援センター | 学校以外の公的な相談・学習支援を探す子ども | 自治体の施設等。通所日・開室時間は自治体に確認 | 相談・学習・活動の内容は地域ごと。費用、対象、送迎は要問い合わせ | 在籍校との連携や報告方法、見学・体験、出欠情報の扱いを双方に確認 |
| 民間のフリースクール | 居場所や個別・協働の学びを求める子ども | 通所・オンライン・併用など施設による。頻度も異なる | 支援方針・活動・月謝・入会金・教材費は運営元ごとに確認 | 見学・体験、学校との連携、利用記録の有無を施設と学校へ確認 |
| 家庭学習・オンライン教材 | 家庭中心に過ごしながら学習を進めたい子ども | 自宅等。利用時間・頻度は家庭と教材による | 教材、個別指導、ライブ授業など。料金は提供元に要問い合わせ | 学習計画・記録を在籍校と共有できるか、出席扱いの条件を事前相談 |
| オンラインの学校・スクール | 対話やカリキュラム、海外との交流を含む学びを求める家庭 | 自宅から受講。授業時間・頻度・時差対応は各サービスで異なる | 教科・国際教育・日本語など目的が異なる。費用は公式案内を確認 | 学校認可・学籍・修了資格・体験・開始時期を運営元に確認。出席扱いは在籍校が判断 |
学校内の別室や校内教育支援センターを使う
教室で過ごすことが難しい場合、在籍校の別室や校内教育支援センター、保健室、相談室などが利用できるかを学校に尋ねます。設置状況は学校ごとに異なり、利用できる時間や担当者、学習支援の内容も一律ではありません。本人が校舎に入るだけでも負担なら、電話・オンライン面談・家庭訪問などの相談方法があるか確認しましょう。
在籍校の校内支援
対象・役割:在籍校とのつながりを保ち、別室、相談、学習内容の調整などを相談したい子ども。
場所・頻度:在籍校内。利用できる曜日・時間・担当者は学校に要問い合わせ。
内容・費用:提供可能な支援、教材や給食等の扱い、追加費用を学校に確認。
体験・連携:事前見学、短時間の利用、出欠記録、課題・評価の共有方法を担任や教育相談担当者に尋ねる。
自治体の教育支援センター
対象・役割:教育委員会等が運営する教育相談や、学校外での活動・学習支援を検討する家庭。
場所・頻度:居住する自治体の施設。対象学年、利用曜日、通所条件は自治体ごとに確認。
内容・費用:相談、学習、集団活動など提供内容は施設により異なる。費用、交通支援、給食の有無は要問い合わせ。
体験・連携:文科省の地域相談窓口一覧から自治体窓口を探し、見学、申込手続き、在籍校への報告、出席扱いの相談方法を確認。
民間のフリースクールや地域の居場所を比較する
フリースクールは民間等が運営する多様な居場所・学びの場で、全国共通のカリキュラムや利用料が決まっているわけではありません。小規模な対面活動、学習サポート、オンライン利用、自由な過ごし方など、施設によって方針が異なります。見学では施設の印象だけでなく、本人の希望と日々の運営内容が合うかを確かめます。
通所型フリースクール
対象・役割:家庭以外の居場所、対人交流、個別の学習支援などを求める子ども。
場所・頻度:各施設へ通所。週の利用回数、滞在時間、送迎の有無は要問い合わせ。
内容・費用:活動内容や支援方針は運営元による。月謝、入会金、教材費、交通費等を確認。
体験・連携:見学・体験の条件、利用記録や学校への報告、在籍校との連携、本人が休みたい日の扱いを確認。
家庭訪問・オンライン型の民間支援
対象・役割:通所の移動や集団環境が負担で、家庭やオンラインから支援を受けたい子ども。
場所・頻度:訪問・オンライン・併用など提供元による。訪問地域、時差、面談頻度は要問い合わせ。
内容・費用:学習、相談、交流など内容はサービスごとに異なる。月額、交通費、教材費を確認。
体験・連携:担当者、個人情報の扱い、支援記録、在籍校との共有、無料相談や体験の有無を確認。
施設を利用した日が在籍校の出席扱いになるかは自動的には決まりません。文部科学省の通知には、公的機関・民間施設での相談や指導について一定要件の下で校長が出席扱いにできる枠組みがあります。利用前に施設へ「記録や報告書を出せるか」を聞き、在籍校へ具体的な利用先と活動内容を伝えて確認します。
家庭学習やオンライン教材を使うときの記録と連携
家庭学習は、本人のペースを守りながら教材・読書・制作・休養を組み合わせられます。一方で、学習を続ける負担が強い、親子で教える側・学ぶ側の役割が固定する、学習の記録を共有しにくいなどの悩みが出ることもあります。「毎日何時間」と決める前に、本人が取り組めそうな短い活動を選び、疲れや達成感を見ながら調整しましょう。
義務教育段階の不登校児童生徒が自宅でICT等を使った学習をする場合、文科省は学校との連携、計画的な学習プログラム、対面指導、校長が学習の有効性・適切性を判断することなどを示しています。これはオンライン教材やフリースクールへ入れば一律に適用される仕組みではありません。利用する教材の記録を学校が確認できるよう、学習内容・時間・課題・振り返りを簡潔に残す方法を相談します。
- 利用する教材・サービスと運営元
- 週あたりの活動内容、学習時間、本人の振り返り
- 対面支援・面談・家庭訪問の方法
- 学校と保護者・施設の連絡担当者
- 出席扱いと成績評価を別々に確認した内容
日本でホームスクールを選ぶ家庭の割合は分かる?
「日本のホームスクール家庭は何%か」という全国の公的な割合は確認できません。ホームスクールの定義が統一されておらず、家庭中心の学び、学校に在籍しながらの不登校、フリースクール・オンライン利用をどう区分するかが調査ごとに異なるためです。
文部科学省の令和6年度調査では、小中学校の不登校児童生徒は約35万4千人でした。この数字は学校が把握した不登校児童生徒数であり、家庭学習をする子ども全体の人数でも、ホームスクールの参加率でもありません。統計を使う際は、調査対象・年度・定義を併記し、別の概念と混同しないようにしましょう。
アメリカなど海外の制度を日本へそのまま当てはめない
「ホームスクール」という言葉は国によって法制度や定義が異なります。文部科学省の国際比較資料でも、国・地域によりホームスクールを就学義務の例外として扱うか、家庭で教育する手続きや監督を求めるかに違いがあります。海外での経験や記事を参考にする場合は、その国の制度・学齢・登録要件を確認し、日本国内に住む子どもの就学義務とは切り分けてください。
海外から日本に帰国する予定がある家庭も、在籍校・教育委員会と早めに連絡し、在学記録、学習内容、学年判定、転入手続きを確認します。海外制度での「ホームスクール修了証」等が日本の学校の卒業資格や進級判断を自動的に決めるものではありません。
オンラインの国際教育スクールNGAを検討するとき
オンライン国際教育を比較したい家庭向けに、NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)の公式FAQで確認できる範囲を整理します。NGAは国内の義務教育学校やフリースクールではなく、オンラインで国際教育を提供する計画のスクールです。利用の検討と、日本の学籍・就学義務・出席扱いの確認は別に行ってください。
NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)
対象・役割:公式FAQでは6〜18歳を対象とし、海外在住者も対象。オンラインの国際教育スクールとして案内されています。
場所・頻度:オンライン。公式FAQは対話型の授業や世界探究・プロジェクト学習等を紹介しています。週の時間割、授業時間、時差対応は募集案内で要確認。
費用・開始:2027年9月開校予定。学費の具体額や申込開始時期は公式FAQで開校情報への登録者へ案内予定とされています。現時点で料金は要問い合わせ。
体験・確認点:入学試験・英語要件は設けないと案内されています。開校前のため、途中入学、定員、学籍、修了時の証明、返金規定、出席扱いは最新の公式情報で確認してください。
英語要件がないことは、すべての子どもに負担がないという意味ではありません。ライブ授業の時間、画面を使う長さ、対話の頻度、学習の進め方が本人に合うかを相談し、最新の対象・費用・開始時期を公式情報で確認しましょう。日本の学校の出席・成績に関する扱いは在籍校が判断します。
始める前のチェックリスト
- 本人に確認する:今は休みたいか、誰となら話せるか、避けたい活動は何か。
- 制度を確認する:住所地の教育委員会と在籍校に就学・学籍、出欠、成績、進級・卒業の手続きを聞く。
- 候補先を比較する:対象、場所、頻度、内容、費用、体験、学校との連携・記録を同じ表に書き出す。
- 小さく試す:見学、相談、短時間体験など本人にとって負担の少ない方法を候補先に尋ねる。
- 見直す日を決める:続けるか休むかを本人と振り返り、学校や支援者とも必要に応じて計画を更新する。
ホームスクールを考えることは、保護者だけで学習を抱えることと同じではありません。自治体の教育支援センター、在籍校、民間施設、オンラインの支援者など、家庭が使える相談先を確認し、本人に合う環境を一緒に探してください。
よくある質問
家庭で学ぶ時間をつくること自体はできます。ただし、国内に住む日本国籍の学齢児童生徒には学校教育法に基づく就学義務があり、家庭学習だけで就学義務を履行したことになる制度ではありません。在籍校と自治体の教育委員会に、学籍や出欠、利用できる支援を相談してください。
学齢期の子どもの学籍・就学手続きは自治体と学校に確認します。民間サービスや家庭学習を始めただけで学校の在籍が自動的に終了したり、別の学校へ移ったりするわけではありません。手続きを独自に止めず、住所地の教育委員会と在籍校へ連絡してください。
自動的にはなりません。義務教育段階の不登校児童生徒について、学校との連携、計画的な学習、対面指導、校長による有効性・適切性の判断など一定要件を満たす場合に、指導要録上の出席扱いとすることができます。利用前に在籍校へ相談してください。
出席扱いと学習成果の評価は別です。評価に反映する場合は、学校が学習計画や内容を把握し、自校の教育課程に照らして適切と判断する必要があります。評価方法は在籍校に確認してください。
ホームスクールを全国一律に定義した公的な参加率は確認できません。文部科学省の不登校統計は学校で把握された不登校児童生徒数等を集計しており、家庭で学ぶすべての子どもの人数を示す統計ではありません。
同じものとして扱えません。不登校の状態にある子どもの学び方は、学校内外の支援機関、休養、家庭学習、オンライン学習など多様です。文科省の統計上の不登校数をホームスクールの参加人数や割合に置き換えないでください。
欠席中の連絡方法、学習計画、オンライン学習や民間施設との連携、出席扱いの要件、成績評価、教育相談や校内別室の利用、進級・卒業の見通しを確認します。相談内容や決定事項を記録し、見直し時期も決めると整理しやすくなります。
高校進学の要件や選抜方法は進学先ごとに異なります。義務教育段階の在籍校での卒業・成績記録、受験資格、出願書類、選抜方法を、志望校と在籍校に確認してください。オンライン教材の受講だけで高校卒業資格を得るものではありません。
教育支援センターは自治体の教育委員会等が設置する公的な相談・支援の場で、利用方法や活動内容は地域ごとに異なります。フリースクールは民間等が運営する多様な学び・居場所で、対象、活動、費用、学校との連携は運営元ごとに異なります。住所地の教育委員会と各施設に確認してください。
NGAは6〜18歳を対象とするオンラインの国際教育スクールとして2027年9月開校予定です。日本の学校への在籍、就学義務、出席扱い、卒業資格を自動的に置き換えるものではありません。対象・時間割・費用・修了時の証明など最新の公式情報を確認し、学齢期の手続きは自治体や在籍校へ相談してください。
確認に使った一次情報
法令や支援制度、統計は更新されることがあります。確認日:2026年10月25日。個別の学籍・出欠・進路は住所地の教育委員会と在籍校に確認してください。
- 文部科学省「就学義務の猶予又は免除について」:就学義務と猶予・免除の考え方
- 文部科学省「自宅でICT等を活用した学習活動を行った場合の出欠の取扱い」:出席扱い・評価の要件
- 文部科学省「学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けている場合の出欠の取扱い」:学校外施設との連携と出席扱い
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について」:本人の意思・休養・社会的自立を含む支援方針
- 文部科学省「教育機会確保法の概要」:学校以外の学びの場と教育機会の確保
- 文部科学省「各国の義務教育制度の概要」:国・地域ごとの就学義務とホームスクーリングの制度比較
- 文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」:令和6年度の不登校統計と調査資料
- 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」:地域の教育相談窓口を探す一覧
- NIJIN GLOBAL ACADEMY公式FAQ:対象、海外居住者、開校予定、費用等の現行案内
まとめ
日本で家庭を中心に学ぶ時間をつくることはできますが、それだけで学校教育法上の就学義務を履行したことになるわけではありません。在籍校・教育委員会と相談し、出席扱いと成績評価、学籍と学習内容を分けて確認します。公的センター、フリースクール、家庭学習、オンラインスクールは対象・場所・費用・支援内容が異なるため、本人と一緒に条件を比べてください。


