不登校の「出席扱い」完全ガイド|フリースクール・自宅ICT学習の要件と申請の流れ【2026年版】

自宅のリビングでタブレットとノートを使って、自分のペースで学習している子どものイラスト

「学校に行けていない日が、ずっと欠席として積み上がっていく」——不登校の子を持つ保護者にとって、これはとても重い問題です。ですが、一定の要件を満たせば、学校外の施設での活動や自宅でのICT学習を、学校が「出席扱い」にできる仕組みがあります

この記事では、その根拠になっている国の通知を一次資料にあたって整理し、要件・申請の流れ・注意点・最新の実績データまでをまとめました。ネット上には古い通知番号のまま書かれた解説が多いので、そこも含めて正確に書いています。

30秒でわかる「出席扱い」

  • ルートは2つ。①学校外の施設(教育支援センター・フリースクール等)に通う ②自宅でICT等を使って学習する
  • 判断するのは在籍校の校長。文部科学省は全国一律の基準を示していません(自治体・学校ごとに運用が違います)
  • 令和6年度の実績:学校外の施設で出席扱い 42,978人/自宅ICT学習で出席扱い 13,261人
  • 「出席扱い」と「成績評価」は別の制度。成績のほうは令和6年8月に法令上のルールが整いました
  • まず相談する相手は在籍校(担任・学年主任・校長)。動かないときは市区町村の教育委員会へ

出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日・元文科初第698号)文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」

自宅のリビングでタブレットとノートを使い、自分のペースで学習している子どもの様子。自宅でのICT学習も要件を満たせば出席扱いになる
自宅のリビングでタブレットとノートを使い、自分のペースで学習している子どもの様子。自宅でのICT学習も要件を満たせば出席扱いになる
目次

不登校の「出席扱い」とは? 3つの制度を整理する

「出席扱い」と一口に言っても、実際には目的の違う3つの仕組みがあります。ここを混ぜて理解してしまうと、学校との話がかみ合わなくなります。まず全体像から。

不登校の子に関わる3つの制度(比較表)
①学校外の施設で出席扱い ②自宅ICT学習で出席扱い ③欠席中の学習の成績評価
何が変わるか 指導要録の出席日数に計上される 指導要録の出席日数に計上される 通知表・指導要録の評価に反映される
根拠 令和元年通知 別記1 令和元年通知 別記2 学校教育法施行規則の改正(令和6年)+文部科学省告示
形式 通知(行政指導) 通知(行政指導) 法令(令和6年8月29日公布・施行)
主な場所 教育支援センター(適応指導教室)、フリースクール等の民間施設 自宅(ICT教材・オンライン授業・郵送やFAXも含む) 自宅または学校外の機関
前提 その施設に通所または入所していること 訪問等による対面指導が定期的・継続的に行われていること 学習内容が在籍校の教育課程に照らして適切であること
決める人 校長(民間施設は教育委員会と連携して判断) 校長 学校
令和6年度の実績 42,978人 13,261人 81,467人

大切なのは「①②(出席扱い)」と「③(成績評価)」は別の要件で判断されるということです。文部科学省の別記2のQ&Aにも「出席扱いとした場合、必ずその成果を評価に反映しなければならないわけではありません」と書かれています。内申点まで意識するなら、③についても学校と話しておく必要があります。

【令和6年度】出席扱いになった子は何人? 最新データで見る

文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」から、実績の数字を見てみます。「制度はあるが実際には使われていないのでは」と不安になる方が多いので、まずここを押さえてください。

出席扱いとした児童生徒数の推移(小・中学校) 出典:文部科学省 令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
年度 学校外の機関等で出席扱い 自宅ICT学習で出席扱い
令和元年度 25,866人 608人
令和2年度 24,260人 2,626人
令和3年度 27,997人 11,541人
令和4年度 32,623人 10,409人
令和5年度 38,632人 10,467人
令和6年度 42,978人 13,261人

自宅ICT学習での出席扱いは、令和元年度の608人から令和6年度の13,261人へと、約21.8倍に増えています。学校外の施設での出席扱いも6年で1.66倍。ここ数年で、実際に運用される制度になってきたことがわかります。

なお、令和6年度の不登校児童生徒数は小・中学校で353,970人です。そのうち出席扱いになっているのは、まだ一部にとどまります。制度を知らないまま欠席が積み上がっている家庭が多い、というのが実情だと考えられます。

数え方の注意

文部科学省の資料には「学校外の機関等で出席扱いとした児童生徒と、自宅におけるICT等を活用した学習活動を出席扱いとした児童生徒は重複もあり得る」と注記されています。42,978人と13,261人を足して「56,239人」とするのは正確ではありません。

根拠になっている通知はどれ?(※「平成17年通知」はすでに廃止されています)

ここが、ネット上の解説でいちばん間違いが多いところです。「平成17年7月6日 17文科初第437号」の7要件という書き方をよく見かけますが、この通知は令和元年10月25日の通知によって正式に廃止されています

文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日・元文科初第698号)の本文には、平成4年・平成15年・平成17年・平成28年の各通知について「本通知をもって廃止します」と明記されています。内容は実質的に引き継がれていますが、学校や教育委員会と話すときは、現行の根拠である「令和元年通知の別記1・別記2」で話すほうが確実です。

出席扱い・成績評価の根拠になっている資料一覧
資料 発出日・番号 何が書いてあるか
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日・元文科初第698号) 令和元年10月25日/元文科初第698号 不登校支援の基本的な考え方。旧通知をすべて廃止し、出席扱いは別記1・別記2によると定めた現行の大もと
同 別記1「義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」 同 別記1 学校外の公的機関・民間施設で相談・指導を受けている場合の出席扱いの要件
同 別記2「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」 同 別記2 自宅でICT等を活用した学習活動を行った場合の出席扱いの要件(7項目)+文部科学省自身によるQ&A
文部科学省「民間施設についてのガイドライン(試案)」(令和元年通知 別添3・PDF) 同 別添3 民間施設についてのガイドライン(試案)。学校・教育委員会が民間施設を見るときの目安
文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」(令和6年8月29日) 令和6年8月29日/6文科初第1126号 欠席中の学習の成果を成績評価に反映するための3要件。学校教育法施行規則の改正で法令化
文部科学省「不登校児童生徒の指導要録上の出欠の取扱いに係る参考事例」 (関連ページ) 国が示す実際の運用イメージ(教育支援センター連携/民間教材活用の2事例)
文部科学省【保護者等向け】不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について(リーフレット・PDF) 2026年4月 保護者向けのリーフレット。いちばん読みやすい公式資料
文部科学省「高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について」(平成21年3月12日・20文科初第1346号) 平成21年3月12日/20文科初第1346号 高等学校の場合の取扱い(義務教育とは別のルール)
e-Gov法令検索「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(教育機会確保法) 平成28年法律第105号 教育機会確保法。第13条に「休養の必要性」が明記されている

よくある誤解

「教育機会確保法によってフリースクールが出席扱いになった」——これは正確ではありません。e-Gov法令検索「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(教育機会確保法)は、支援の理念や体制について定めた法律で、出席扱いの根拠ではありません。出席扱いの根拠は、あくまで令和元年通知の別記1・別記2です。

ただし同法第13条は「不登校児童生徒が学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性に鑑み、個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ」必要な支援を行うと定めています。学校と話すときに引用する価値のある条文です。

①学校外の施設(教育支援センター・フリースクール)で出席扱いになる要件

同 別記1「義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」では、まず前提として、その施設での相談・指導が「不登校児童生徒の社会的な自立を目指すもの」であり、かつ「自ら登校を希望した際に、円滑な学校復帰が可能となるよう個別指導等の適切な支援を実施していると評価できる場合」に、校長が出席扱いにできるとされています。そのうえで、次の3つが要件です。

学校外の施設で出席扱いになる要件(令和元年通知 別記1)
要件 内容 家庭側で準備できること
(1) 連携 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること 担任と定期的に連絡を取る手段を決めておく(電話・連絡帳・メールなど)
(2) 施設 原則は教育委員会等が設置する教育支援センター等の公的機関。公的機関での指導の機会が得られない、または通うことが困難で、本人・保護者の希望もあり適切と判断される場合は民間の相談・指導施設も考慮されてよい。民間施設の適否は校長が教育委員会と十分に連携して判断する まず自治体の教育支援センターを確認する。そのうえで民間施設を検討する場合、施設側に「学校・教育委員会向けの資料」があるか聞いておく
(3) 通所 その施設に通所または入所して相談・指導を受ける場合を前提とする 通所の記録(日時・活動内容)を施設から出してもらえるか確認する

(2)の書き方に注意してください。制度の想定は「まず公的な教育支援センター、それが難しければ民間施設」という順序です。いきなり民間施設だけを提案すると、学校側が判断に迷うことがあります。教育支援センターを見学したうえで「通うのが難しかった」という経緯があると、話が進みやすくなります。

民間施設を見るときの、国が示している目安

文部科学省「民間施設についてのガイドライン(試案)」(令和元年通知 別添3・PDF)には、実施主体・事業運営の透明性・相談指導の在り方・スタッフ・施設設備・学校との連携・家庭との関係、という7つの観点が挙げられています。特に保護者が確認しやすいのは次の点です。

  • 入会金・授業料(月額・年額)・入寮費が明確に示され、保護者に情報提供されているか(著しく営利本位でないこと)
  • 指導内容・方法・相談体制があらかじめ明示されている
  • 受け入れの際に面接等で子どもの状況の把握が行われているか
  • 学習支援や進路の状況について保護者に情報提供があるか
  • 体罰などの不適切な指導や人権侵害行為がないか
  • 学校・教育委員会との間に十分な連携・協力関係を持つ意思があるか

このガイドラインは、文部科学省自身が「個々の民間施設についてその適否を評価するという趣旨のものではない」と断っています。チェックリストとして機械的に使うのではなく、施設を見学するときの見どころとして使うのが本来の趣旨です。

保護者が子どもの手を取っている場面。出席扱いの手続きは、まず学校に相談するところから始まる
保護者が子どもの手を取っている場面。出席扱いの手続きは、まず学校に相談するところから始まる

②自宅でのICT学習で出席扱いになる「7つの要件」

同 別記2「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」が定めているのがこちらです。原文の7項目を、そのままの順序で載せます。

自宅でのICT等を活用した学習活動を出席扱いとする要件(令和元年通知 別記2/原文の要旨)
# 要件 実務上のポイント
1 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること ここが崩れると他がそろっていても認められません
2 ICT等を活用した学習活動とは、ICT(コンピュータやインターネット、遠隔教育システムなど)や郵送、FAXなどを活用して提供される学習活動であること オンライン教材に限りません。紙の通信教材も対象になり得ます
3 訪問等による対面指導が適切に行われることを前提とすること。対面指導は、学習支援や将来の自立に向けた支援などが定期的かつ継続的に行われるものであること ここが最大の関門。教材を契約しただけでは要件を満たしません
4 学習活動は、その子の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること。民間事業者が提供する場合は「民間施設についてのガイドライン(試案)」を参考に適切かどうか判断する 「毎日好きな動画を見ている」では通りません。計画があることが必要です
5 校長は、対面指導や学習活動の状況を、対面指導に当たっている者からの定期的な報告や、担任・保護者を含めた連絡会などで十分に把握すること 学習履歴を出力できる教材だと、この報告がしやすくなります
6 ICT等を活用した学習活動を出席扱いとするのは、基本的に学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること ICTは①が難しいときの選択肢、という位置づけです
7 学習活動の成果を評価に反映する場合には、学校が把握したその学習の計画や内容が、その学校の教育課程に照らし適切と判断される場合であること 成績評価まで求めるならこの要件も

対面指導は「誰が」担ってもいいのか

別記2のQ&Aでは、対面指導の担い手として、在籍校の教員のほか、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、教育支援センターの職員、教育委員会等の事前研修を受けたボランティアスタッフなどが想定されています。必ずしも担任が毎回来なければいけない、というわけではありません。

頻度について、文部科学省「不登校児童生徒の指導要録上の出欠の取扱いに係る参考事例」では「担任・学年主任・スクールソーシャルワーカーが週1回(必要に応じてそれ以上)家庭訪問」「教育支援センターから学校へ毎月報告書」という運用例が示されています。これが国が示している具体的なイメージです。

③「出席扱い」と「成績評価」は別の制度(令和6年に法令化されました)

令和6年8月29日、学校教育法施行規則が改正され(令和6年文部科学省令第24号)、あわせて文部科学省告示第127号が定められました。これにより、不登校の子が欠席期間中に行った学習の成果を成績評価に反映することが、法令上のルールとして明確になりました文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」(令和6年8月29日)に詳細があります。

成績評価に反映するための3要件(令和6年文部科学省告示第127号/すべて満たす必要があります)
# 要件
第1号 不登校児童生徒の学習の計画・内容が、在籍する学校の教育課程に照らし適切と認められるか、学校が確認すること
第2号 学校と保護者・教育支援センター等の公的機関や民間団体等の職員との間に十分な連携協力体制が保たれ、学校が保護者等を通じて学習活動の状況等を定期的・継続的に把握すること
第3号 学校が、訪問による対面指導やICTを活用したオンラインでの相談・指導等を通じて、本人の学習活動の状況等を定期的・継続的に把握し、本人と直接関わりを継続すること

把握の頻度は「最低限、学校における成績評価の通知の頻度(例えば学期ごと)に対応したタイミング」とされています。また、通知には「本改正は令和元年通知の内容を法令上明確化するもの」とも書かれており、改正前からできたことを法令に格上げした、という位置づけです。

記載の程度については、「必ずしもすべての教科・観点について観点別学習状況及び評定を記載することが求められるものではない」としつつ、「指導要録の所見欄にその学習状況を文章記述するなど、適切な記載に努めることが求められる」とされています。

令和6年度の実績では、欠席期間中の学習の成果を指導要録に反映した児童生徒は81,467人(各教科の観点別学習状況・評定等への反映が65,953人、「総合所見及び指導上参考となる諸事項」への反映が65,196人)でした。

出席扱いを相談するときの流れ|7つのステップ

文部科学省【保護者等向け】不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について(リーフレット・PDF)には、「その判断は学校が行うこととしていますので、在籍する学校やその設置者である教育委員会等にお問い合わせください」と明記されています。まずは在籍校が窓口です。実務の流れを整理すると次のようになります。

出席扱いまでの流れ(図解)

STEP 1

保護者から学校へ相談・申出

担任・学年主任・スクールカウンセラー、そして校長へ。「出席扱いについて相談したい」と言葉にして伝えます。

STEP 2

学校が施設・学習内容を確認

学校が民間施設を訪問する、またはICT教材の学習プログラムの内容を確認します。

STEP 3

校長から教育委員会へ報告・協議

民間施設の場合、校長は設置者である教育委員会と連携して判断すると通知に定められています。

STEP 4

対面指導の体制を決める

誰が・どのくらいの頻度で会うかを決めます。国の参考事例では週1回程度の家庭訪問の例が示されています。

STEP 5

校長が出席扱いを決定

出席扱いの日数の換算は、学校や教育委員会が対面指導の日数や学習時間などを基準とした規程等を作って判断することが想定されています。

STEP 6

記録・報告のサイクルを回す

施設や保護者から学校へ、定期的に活動報告・学習記録を出します。指導要録の備考欄に日数と施設名が記入されます。

STEP 7

(必要なら)成績評価につなげる

上の3要件を満たせば、学期ごと等のタイミングで成績評価に反映してもらえる可能性があります。

ひとつ、実務上とても大切なことがあります。茨城県教育委員会「不登校児童生徒を支援する民間施設に関するガイドライン」(令和5年3月・PDF)には「『出席扱い』については、原則として保護者からの申出があった日以降に認められるものとする」と書かれています。自治体によって運用は異なりますが、さかのぼっての認定は期待できないと考えて、早めに申し出るほうが確実です。

出席扱いにならなかった実例と、気をつけたいこと

別記2のQ&Aには、文部科学省が教育委員会への聞き取りで把握した「出席扱いとしなかった実例」が挙げられています。ここを避けるだけで、話がずいぶん通りやすくなります。

出席扱いにならなかった実例・注意点
起きたこと なぜ通らなかったか どうすればよかったか
学校が家庭訪問等の対面指導を設定したが、家庭の協力が得られず、子どもの状況や学習の様子が十分に確認できなかった 要件3(対面指導が前提)と要件1(連携)を満たせなかった 対面が難しい日があっても、代わりの方法(オンライン面談・短時間の玄関先など)を学校と相談して決めておく
無料のインターネット学習プログラムを使っていたが、その学習のねらいや内容が明確でなかった 要件4(計画的な学習プログラム)を満たせなかった 学習計画と学習履歴が残る教材を選ぶ。手書きの学習記録でも「何を・どれだけ」が残っていれば材料になる

そのほか、公的資料に書かれている注意点

  • 全国一律の基準はありません。別記2のQ&Aに「一人一人の児童生徒の状況や学校、地域の実態が違うため、文部科学省から一律の基準を示すことはしていません」と明記されています。「◯◯という教材を使えば出席扱いになる」という説明は正確ではありません。
  • 「文科省認定教材」という制度は存在しません。事業者側の「出席扱いに対応」「認定実績がある」という表現と、公的な認定とはまったく別のものです。
  • ICTでの出席扱いは補完的な位置づけです(要件6)。教育支援センターやフリースクールに通えるなら、まずそちらが想定されています。
  • 民間施設は「通所または入所」が前提です(別記1(3))。オンラインのみのサービスは、別記1ではなく別記2(自宅ICT)の枠組みで判断されることになります。
  • 通知には「出席扱いとすることにより不登校が必要な程度を超えて長期にわたることを助長しないよう留意すること」という一文もあります。制度は「学校に戻らないための仕組み」ではなく、社会的な自立に向けた選択肢として位置づけられています。
  • 成績評価については「保護者の教育に関する考え方に基づき、正当な事由無く登校していない児童生徒については、本省令に基づく成績評価の対象とはならない」とされています。
  • ICTを使う際は「個人情報や著作権の保護、有害情報へのアクセス防止など、必要な事前の指導を行う」ことが求められています。

高校生の場合はルールが違います

ここまでは義務教育(小・中学校)の話です。高等学校は別の通知文部科学省「高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について」(平成21年3月12日・20文科初第1346号))で扱われており、要件も意味合いも異なります。

義務教育と高等学校の違い
小・中学校 高等学校
根拠 令和元年通知 別記1・別記2 平成21年3月12日通知(20文科初第1346号)
自宅ICT学習の出席扱い あり(別記2) この枠組みはありません。代わりに学校教育法施行規則第88条の4により、自宅等での通信教育による単位修得が可能とされています
出席扱いの意味 指導要録上の出席日数に計上 指導要録上の出席扱い。科目の履修認定に当たって考慮される授業への出席とは異なります
単位認定との関係 —— 出席扱い=単位認定ではありません。履修の認定は在籍校の履修要件に照らして行われます
令和6年の成績評価の省令 対象 対象外

高校生の場合、「出席扱いになれば進級できる」と考えると行き違いが起きます。まず在籍校の履修・進級の要件を確認したうえで、通信制高校への転入・編入を含めて検討するほうが現実的なことも多くあります。

意外と知られていない:通学定期券が使えるようになります

指導要録上の出席扱いとなった不登校の子は、学校外施設への通所について通学定期乗車券制度が適用されます(鉄道は実習用通学定期乗車券制度、乗合バスは通学定期乗車券)。文部科学省「不登校児童生徒に対する通学定期乗車券制度の適用について」に案内があります。手続きは校長が行います。

毎日の通所となると交通費は無視できない負担です。出席扱いの相談をするときに、あわせて確認しておくとよい制度です。

自治体が公開しているガイドラインの例

運用は自治体ごとに違います。お住まいの市区町村教育委員会のサイトで「不登校 出席扱い ガイドライン」「民間施設 ガイドライン」を探してみてください。参考になる公開例を挙げます。

国はどういう姿勢なのか(COCOLOプランの一文)

文部科学省「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」(令和5年3月31日 文部科学大臣決定)にあわせて出された同 初等中等教育局長通知(4文科初第2817号・PDF)には、次のような一文があります。

我が国の義務教育制度を前提としつつ、不登校児童生徒が一定の要件を満たした上で、自宅等においてICT等を活用した学習活動については、可能な限り、指導要録上出席扱いとするとともに、本人の進学等の意向等を考慮し、学習評価を行い、その結果を評定などの成績評価に反映することが望ましいこと。

出典:同 初等中等教育局長通知(4文科初第2817号・PDF)

「可能な限り」「望ましい」という表現で、国は出席扱いを進める方向を示しています。学校に相談するとき、この一文を知っているかどうかで話の進み方が変わることがあります。遠慮する必要はありません。

自宅でオンラインの学びを楽しむ子どもの様子。オンラインでの学習も、要件を満たせば出席として認められる
自宅でオンラインの学びを楽しむ子どもの様子。オンラインでの学習も、要件を満たせば出席として認められる

動画で見る|不登校の子に何が起きているのか

実際に学校の外で学んでいる子どもたち

ここまでは制度の話でした。ただ、保護者の方がいちばん知りたいのは「実際にその子はどうなったのか」だと思います。NIJINアカデミーに通う子どもたちと保護者の話を、そのまま記事にしています。

実際に通っている子どもたち・保護者の話

不登校・発達特性のある子が全国から通っています

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出席認定の実績
学費とプラン
全国のリアル校

相談できるところ(すべて公的・無料)

【コピペ可】学校への依頼文テンプレート

そのまま使えるように2種類用意しました。〔 〕を埋めて、A4・1枚で提出してください。宛名は校長にします。

テンプレートA|自宅でのICT学習を出席扱いにしたい場合

〔○○立○○小学校〕
校長 〔○○ ○○〕先生

              〔2026〕年〔 〕月〔 〕日
         〔○年○組〕 〔児童生徒氏名〕
         保護者 〔氏名〕      印

自宅における学習活動の出席扱いについて(お願い)

 日頃より〔子の名前〕がお世話になっております。

 現在〔子の名前〕は登校が難しい状態が続いておりますが、
家庭では〔教材・サービス名〕を用いて学習を継続しております。

 つきましては、文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方
について(通知)」(令和元年10月25日・元文科初第698号)
別記2に基づき、自宅での学習活動を指導要録上の出席として
取り扱っていただけないか、ご検討をお願いしたく存じます。

 現在の状況は下記のとおりです。

1 学習の内容
  教材:〔     〕
  時間:1日〔 〕時間程度/週〔 〕日
  範囲:〔学年・単元など〕

2 学習の記録
  〔学習履歴のレポート/振り返りノート〕を
  〔週1回/月1回〕提出いたします。

3 対面指導について
  〔家庭訪問/別室での面談/オンライン面談〕を
  〔頻度〕でお願いできればと考えております。
  可能な範囲でご相談させてください。

4 学校外の機関の検討状況
  〔教育支援センター○○を見学しましたが、
   通所が難しい状況です〕

 ご多用のところ恐れ入りますが、ご検討のほど
よろしくお願いいたします。

テンプレートB|フリースクール等の施設利用を出席扱いにしたい場合

〔○○立○○中学校〕
校長 〔○○ ○○〕先生

              〔2026〕年〔 〕月〔 〕日
         〔○年○組〕 〔児童生徒氏名〕
         保護者 〔氏名〕      印

学校外施設における相談・指導の出席扱いについて(お願い)

 日頃より〔子の名前〕がお世話になっております。

 〔子の名前〕は〔2026年○月〕より〔施設名〕に通所し、
学習および他者との関わりの機会を継続的に得ております。

 つきましては、文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方
について(通知)」(令和元年10月25日・元文科初第698号)
別記1に基づき、当該施設への通所を指導要録上の出席として
取り扱っていただけないか、ご検討をお願いしたく存じます。

1 施設の概要
  名称:〔     〕/所在地:〔     〕
  運営:〔     〕/設立:〔  年〕

2 通所の状況
  週〔 〕日・〔 〕時〜〔 〕時

3 活動内容
  〔学習支援/体験活動/個別面談 等〕

4 報告について
  施設より〔月1回〕、出席状況および活動報告書を
  学校へ提出いたします。

5 公的機関の検討状況
  〔教育支援センター○○に相談しましたが、
   ○○の事情により通所が困難でした〕

 施設見学・担当者との面談等をご希望の場合は、
いつでも調整いたします。
ご検討のほどよろしくお願いいたします。

提出のコツ:コピーを1部手元に残し、提出日を記録しておいてください。担任・学年主任が替わっても話を最初からやり直さずに済みます。

断られたとき、どう再交渉するか

一度で通らないことは珍しくありません。よくある断られ方と、次の一手を整理します。

言われたこと 実際のところ 次の一手
「前例がないので」 前例の有無は要件ではない 通知の原文(別記1=通う人のルール/別記2=家で学ぶ人のルール)を印刷し、該当箇所に線を引いて一緒に読む
「教育委員会がダメと言うと思う」 判断するのは校長。教委とは"連携"と書かれている 「教育委員会にも一緒にご相談いただけませんか」と依頼する
「その教材では認められない」 通知に教材の指定はない 要件4(計画的な学習プログラム)を満たす説明を足す
「対面指導ができていないので」 これは正当な指摘 頻度・場所・時間を下げた対面案をこちらから提案する
「まず学校に来る努力を」 通知は登校を出席扱いの前提にしていない 感情的にならず、要件に沿って書面で再提出する

それでも動かないときは、市区町村の教育委員会(学校教育課・指導課)に保護者から直接相談できます。多くの自治体は独自の出席扱いガイドラインを公開しているので、「〔自治体名〕 出席扱い ガイドライン」で検索してみてください。自分の自治体の運用が分かると、学校との会話が具体的になります。

そして、忘れないでほしいことがひとつ。出席扱いは目的ではありません。目的は、子どもが安心して学べる場所を持つことです。交渉が長引いて親子が消耗するくらいなら、いったん置いて子どもの回復を優先していい。制度は逃げません。

出席扱いの依頼書を校長と学校職員に提出する保護者の様子。書面で申し出ると、学校側も検討の記録を残しやすくなる
出席扱いの依頼書を校長と学校職員に提出する保護者の様子。書面で申し出ると、学校側も検討の記録を残しやすくなる

よくある質問

フリースクールに通えば、自動的に出席扱いになりますか?

いいえ。判断するのは在籍校の校長です。民間施設の場合は、校長が設置者である教育委員会と連携して判断すると通知に定められています。施設側が「出席扱いの実績があります」と説明していても、それは過去に認められた例があるという意味で、お子さんについて自動的に認められるわけではありません。まず在籍校に相談してください。

出席扱いになると、成績もつきますか?

別の制度です。別記2のQ&Aに「出席扱いとした場合、必ずその成果を評価に反映しなければならないわけではありません」と書かれています。成績評価については、令和6年8月29日の省令・告示による3要件を満たす必要があります。内申点を意識するなら、出席扱いと成績評価の両方について学校と話してください。

さかのぼって出席扱いにしてもらえますか?

自治体によって運用は異なりますが、期待しないほうが安全です。茨城県教育委員会のガイドラインでは「原則として保護者からの申出があった日以降に認められるものとする」とされています。気づいた時点で早めに申し出るのが実務上いちばん大切です。

オンラインの授業を受けているだけでは、なぜダメなのですか?

令和元年通知の別記2が、「訪問等による対面指導が適切に行われることを前提とする」と定めているためです。対面指導の担い手は担任に限らず、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、教育支援センターの職員なども想定されています。まずは「誰が・どのくらいの頻度で会うか」を学校と決めるところから始めてください。

学校が「うちではやっていない」と言うのですが、どうすればよいですか?

文部科学省の保護者向けリーフレットには「その判断は学校が行うこととしていますので、在籍する学校やその設置者である教育委員会等にお問い合わせください」と書かれています。学校で話が進まない場合は、市区町村の教育委員会が次の相談先です。また、学校・教育委員会向けのリーフレットや、他自治体のガイドラインを一緒に見ながら話すという方法もあります。

高校生でも出席扱いはありますか?

あります。ただし根拠となる通知が違い(平成21年3月12日通知)、自宅でのICT学習を出席扱いにする枠組みは高校にはありません。また、通知に「この指導要録上の出席扱いは、科目の履修の認定に当たって考慮される授業への出席とは異なる」と明記されており、出席扱い=単位認定ではない点に注意が必要です。

出席扱いにすると、学校に戻りにくくなりませんか?

通知には「出席扱いとすることにより不登校が必要な程度を超えて長期にわたることを助長しないよう留意すること」という一文があります。一方で教育機会確保法の第13条は「個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ」と定めています。制度は、休むことと学びを続けることの両方を認めるためのものです。学校復帰だけをゴールにしないのが、令和元年通知の基本的な考え方です。

交通費の補助はありますか?

指導要録上の出席扱いとなった場合、学校外施設への通所について通学定期乗車券制度が適用されます(手続きは校長が行います)。あわせて、自治体によってはフリースクール利用料そのものの補助制度がある場合があります。お住まいの自治体の制度を確認してみてください。

まとめ|まず在籍校に「出席扱いについて相談したい」と言うところから

  • 出席扱いのルートは①学校外の施設に通う ②自宅でICT等を使って学習するの2つ。判断するのは在籍校の校長です。
  • 根拠は令和元年10月25日の通知(別記1・別記2)「平成17年通知」はすでに廃止されています。
  • ②のいちばんの関門は「訪問等による対面指導」。教材を契約しただけでは要件を満たしません。
  • 出席扱いと成績評価は別の制度。成績のほうは令和6年8月に法令化されました。
  • 令和6年度の実績は、学校外の施設で42,978人、自宅ICT学習で13,261人。制度は実際に動いています。
  • さかのぼっての認定は期待できません。気づいた時点で早めに相談してください。

欠席日数が増えていくのを見るのは、保護者にとって本当につらいことだと思います。でも、子どもが学んでいる時間は、制度の上でもきちんと数えられる可能性があります。まずは在籍校に「出席扱いについて相談したい」と伝えるところから始めてみてください。

参考にした一次資料

上記URLはすべて2026年8月23日にアクセスを確認しました。制度の運用は自治体・学校によって異なります。本記事は情報提供であり、個別の判断は在籍校および教育委員会にご確認ください。

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