こんにちは。ボランティアスタッフのみっちーです。
今回は、現在小学4年生のけいごくんのインタビューをお届けします。
「勉強する時間を楽しい時間にまわして、人生楽しんだ方がええやんって思ったの」
そう語るけいごくんは、小学2年生の3月にニジアカへ入学しました。
現在はタイピングが上達し、Canvaでプレゼン資料が作成できるまでになりました。また、習字にも意欲的に取り組むなど、「やりたい」を原動力に日々成長しています。
この記事では、学校へ通えなくなってからどのように自分の気持ちを取り戻していったのか、という歩みをお届けします。
学校に行けなくなった頃のこと
「1年生の頃にちょっとお腹が痛くてさ、多分学校に行くのが嫌だったのかな。それで休んでて、他の日も休んでたら、なんか気づいたら不登校になってたな」
そう語るけいごくんが学校に行けなくなったのは、小学1年生の頃でした。
「幼稚園の頃からちょっと嫌だったんだよね。小学校に入ってからさ、勉強とかするじゃん。幼稚園と違って、それがもうすっごく嫌だったの」
やりたくない勉強をすること。間違えたときに、恥ずかしさを感じてしまうこと。けいごくんにとって学校での勉強は、心の負担であったようです。
「勉強する時間を楽しい時間にまわして、人生楽しんだ方がええやんって思ったの」
とも話してくれました。
もう一つの心の負担が、毎日の給食でした。苦手なものが多く、いつも少なめにしてもらっていたけれど、それでもつらかったそうです。
ただ、友だち関係に問題があったわけではありません。「みんな優しいんだよ、クラスの子たちが。だからめっちゃ恵まれている」「いじめとかも全くないし、みんなクラス仲いいから」とこのように話すけいごくん。つらさの根っこにあったのは人間関係ではなく、何かを「やらされること」そのものでした。
お母さんは1年生の頃を、こうふり返ります。
「2学期の夏休み明けくらいから『行きたくない』は言っていた」「無理に連れていって、泣きながら校門まで行く、校門へ入ればがんばって行っていた」「途中で友達に会えば泣くのを我慢して一緒に行ったりとか、頑張ってたんですけど……やっぱりお腹が痛いって言うようになって、3学期ぐらいからはもうなかなか行けなくなってしまった」
学校へ登校したとしても、帰宅すると「疲れた疲れた」とぐったりする毎日。
当時はけいごくん自身も何が嫌なのかを、うまく言葉にできなかったそうです。
そんなけいごくんが最近になって、1年生の頃の自分の気持ちを家族の前でこう表現しました。
「船が転覆してた」
お母さんもあらためて「その話を聞いてそれぐらい大変だったんだ、と分かった」と語ってくれました。
小さな体で抱えていた苦しさが、この一言に凝縮されているように感じました。

臨床心理士さんからの一言が、ニジアカとの出会いのきっかけに
けいごくんが学校へ行かなくなっていた2年生の頃、お母さんが知り合いの臨床心理士さんに相談した際に「ニジアカに通っている子がいて、すごく楽しんでいる」と教えてもらったそうです。
全くどこにも通っていなかったので、とにかくつながりが欲しい、と感じていたお母さん。そして、体験会があることを調べて、けいごくんに声をかけました。
けいごくん自身も体験会が楽しかったので、2年生の3月にニジアカへ入学することにしました。お母さんが探してくれた「つながれる場所」が、けいごくんの転機になったのです。
「やらされる」がなくなった生活環境
ニジアカに入ったけいごくんの第一印象は、「人がいっぱいいるから、いろんな人と仲良くできるし、いろんな学年の人と仲良くできる」ということでした。
「クラス会議で意気投合して。”後でゲームやろう”って言って」
こんな会話から、友だちも一週間くらいですぐにできました。
やらされる勉強も給食もないニジアカ。このことが、大きな安心につながったようです。
「家でできる、短めの、優しめの学校みたいな感じ」
こう話すけいごくんには、自分のペースで関われる環境が合っていたのかもしれません。
ニジアカの好きなところを聞くと、次々と言葉が出てきました。
「いろんな先生がいて、授業の内容も毎回違う」
「自分の好きな授業を探すことができるのがいい」
学校では決められた時間割に従うしかありませんが、ニジアカでは自分で授業を選択でき、それがけいごくんにとって大きな魅力となっています。週に一度の全校ホームルームも、楽しみの一つだと話してくれました。

▲けいごくんがクラスで企画した、オリジナル恵方巻づくりの写真
友だちがいつも近くに感じる
インタビュー中、何度も出てきた言葉が「友だち」でした。
ニジアカに入学して一週間ほどで友だちの輪が広がり、今ではほぼ毎日友だちとオンラインで遊んでいるそうです。
「やっぱり仲いい人が増えるほどいいからね。友だちは増えた方がいい」
「学校だとクラス以外の人と仲良くなりにくいじゃん。会う機会がないから」
「ニジアカだとほぼいつも会える」
お母さんも「友だちができて、いろんな子と遊んだりして、時にはちょっとケンカっぽくなったりもするんですよ。でもそういう経験ができるのは、私はすごく安心だし、嬉しかったりしています」と話してくれました。家にいるとつくりにくい横や縦のつながりが、ニジアカを通じて自然に生まれているそうです。このことが、ご家族の安心にもつながっています。
適応指導教室にも週2日通っています。そこでの友だちに対しても「みんな一緒じゃん、みんな不登校仲間」と安心感を感じているけいごくん。いくつもの場所に仲間がいることが、日々を安心してすごすエネルギー源であると感じました。
「やりたい」から始まる学び!
ニジアカへ入学してから、友だちと連絡をとりたい一心でタイピングを覚えて、今では自在に使いこなしているけいごくん。なかでもお母さんが驚いたのは、Canvaを使ったプレゼンでした。
「”けいごくんの好きなゲームをお母さんにプレゼンして”って言ったら、Canvaで資料をバーッて作って、私にプレゼンしてくれたんです」
けいごくん自身も、こう言い切ります。
「やらされるのが嫌い、でもやりたいなって思ったら、本気でできる」
現在は習字も習っていて、けいごくんの妹と「級」を競い合っているそうです。
ここでも「やりたい」が原動力になっています。

▲タイピングの練習に取り組むけいごくん

▲完成した習字の作品を手に持つけいごくん
転覆した船が、少しずつ浮上してきた
かつて自分の状態を「船が転覆してた」と表現したけいごくん。今は「斜めにはなってるけど、戻ってきた。ちょっとずつ復帰してきてる気がする」と話してくれました。
お母さんはニジアカの先生たちに対して「無理のない範囲で挑戦させてくれて、様子をすごく見てくださる。”今なら行けそうかな”というタイミングでやらせてくれるので、子どもをのびのびとさせてくれる感じがして、すごくありがたいです」と感謝の気持ちを語っています。
けいごくんの気持ちに寄り添い、背中をそっと押してくれる環境が、かつて「転覆してた」と語った心を少しずつ浮上させていったのでしょう。
今不安なこと、悩んでることは?と聞くと、けいごくんは「まあ特にない。困ってることはないな」と教えてくれました。インタビュー中も温かく見守っていたお父さん、お母さんの存在が、安心して挑戦できる基盤になっていると感じます。

▲日本オーガニックでの社会見学の記念写真
(左:けいごくん/中央:日本オーガニック社長/右:けいごくんの妹)
これから挑戦したいこと
今年の目標を聞くと、すぐにこう答えてくれました。
「貯金と全校ホームルームでの発表とプレゼンをすること!」
プレゼン大会にも「勇気が出たらやってみたい」と、前向きです。
さらに「いっぱい遊ぶこと、旅行に行くこと」とも。
学校には「週に1〜2回行けたらそれで満足」と話してくれました。理由は、「友だちと遊びたいから」だそうです。復学を目指しているというより、友だちに会える場所の一つとして学校があるようです。
最後に、これからニジアカに入りたい人へのメッセージを聞きました。
「ニジアカ、いいよ。友だちができるから。ニジアカ最高!」
と飾らない素直な言葉が返ってきました。
けいごくんだからこそ、この一言に重みがあります。
おわりに
「やらされる」が嫌だったけいごくんは、ニジアカで自分から「やりたい」と思える環境と仲間に出会いました。先生や友だちとのつながりの中で着実に自信を取り戻し、挑戦の幅も広がっています。これからもけいごくんが「やりたい」を見つけて成長していく姿を、私たちはずっと応援しています。

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動画で見る|【不登校】夏休み明けに増えるのは「子どもが急に行きたくなくなる」からではありません。子どもが学校に行けなくなるまでの本当の理由
この記事の内容を確かめるための一次資料
学校とのやりとりは、担任個人の考え方に左右されやすい部分です。だからこそ国が学校に何を求めているかを知っておくと、話が噛み合いやすくなります。「認めてください」ではなく「要件を満たすには何を用意すればよいですか」と聞くのが、実務上いちばん通ります。
下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 文部科学省「生徒指導提要」 | 学校の生徒指導の基本方針(改訂版) |
| 文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業」 | SC・SSWの役割と配置の考え方 |
| 文部科学省「就学援助」 | 学用品費・給食費などの経済的支援 |
| 文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」 | 小中の不登校353,970人。全国の最新の実数 |
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 | 「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針 |
| 同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合) | 教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件 |
| 同 別記2(自宅でICT等を活用した学習) | 自宅学習を出席扱いにする7つの要件 |
| 文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」 | 2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件 |
| 文部科学省「COCOLOプラン」 | 誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策 |
| 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 | 全国1,045市区町村の公式相談窓口 |
| 教育機会確保法(e-Gov法令検索) | 第13条が「休養の必要性」を条文で認めている |
| こども家庭庁「子育て支援」 | 子育て世帯が使える支援制度の全体像 |
| 国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」 | 研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料 |
学校に相談するときの進め方
① 支援の目標をすり合わせる
「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。
② 具体的な場所を挙げる
「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。
③ 出席扱いの要件を一緒に確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
④ 決めたことを記録に残す
面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら
この記事のテーマについて、よく寄せられる質問
同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。
Q. 担任と話が噛み合いません
A. 「認めてください」ではなく「要件を満たすために何を用意すればよいですか」と聞き方を変えると通りやすくなります。それでも動かない場合は、学年主任・管理職・市区町村の教育委員会(教育相談室)へ相談先を上げてください。
Q. 毎日の欠席連絡がつらいです
A. 連絡方法は相談できます。「しばらく休むので、こちらから連絡がない日は欠席とみなしてください」と最初に合意しておくと、毎朝の負担がなくなります。多くの学校が対応してくれます。
Q. 保健室登校や別室登校は出席になりますか?
A. なります。校内で過ごした時間は在籍校の判断で出席として扱われるのが一般的です。保健室登校についてもあわせてご覧ください。
Q. 学習の遅れが心配です
A. 学校外での学習も、計画や内容が教育課程に照らし適切と判断されれば成績評価に反映できることが2024年8月の制度改正で明確になりました。詳しくは教育機会確保法の記事にまとめています。
Q. 面談で何を話せばいいですか?
A. ①いまの状態、②してほしい配慮を具体的に、③出席扱いの取り扱い、の3点に絞ると進みます。面談後に「本日確認したこと」をメールで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

