帰国後、日本の学校に入った子どもが「行きたくない」「話し方を笑われる」「授業が分からない」と言い始めたら、登校するか転校するかをその場で決める必要はありません。まずどの場面で負担が強いかを具体的に分け、在籍校と相談することから始められます。この記事は、帰国直後から学校生活が難しくなった家庭が、相談先と学び方を順に確かめるための案内です。
運営と比較方法:にじいろは株式会社NIJINが運営し、この記事で紹介するNIJIN GLOBAL ACADEMYも同社の事業です。候補は、帰国後に学校生活を調整する家庭が検討できる在籍校内の支援、自治体の教育支援センター、帰国生受入校、オンライン校から選びました。掲載順は「今の学校での調整→地域の公的な場→別の学校→開校予定のオンライン校」という検討の順で、優劣や人気を示しません。対象、場所、利用頻度、費用、開始時期、学籍・出席の扱いを同じ軸で比べ、地域や学校ごとに違う情報は「要問い合わせ」としています。一次情報の確認日は2026年10月21日です。
帰国後になじめないときは、困る場面を一つ決めて学校に伝える
「日本の学校が合わない」という言葉の中には、授業の日本語、友人との会話、給食や掃除、暗黙の決まり、転入時に受け取れなかった説明など、異なる困りごとが入っています。最初の相談で原因を一つに決めつけず、子どもが困った場面をそのまま伝えると、学校側も調整できることを考えやすくなります。帰国経験があるから必ず不登校になる、という全国統計は確認できません。ここでは個別の困りごととして扱います。
登校前から体調不良が続く、眠れない、いじめが疑われるなど、生活や安全に影響が出ている場合は、学校の相談担当や地域の適切な専門窓口にも早めにつないでください。欠席が増えても、本人が悪いと決めつける必要はありません。学校の調整で足りないときは、教育支援センターや別の学び方を並行して検討できます。
選択肢は次の表のとおりです。オンライン校のNIJIN GLOBAL ACADEMYは2027年9月開校予定で、いま直ちに通える在籍校や自治体の支援とは開始時期が異なります。海外で使ってきた英語や、国を越えた学びを続けたい家庭には検討材料になりますが、学費は未公表で、日本の一条校ではありません。就学義務や出席扱いは在籍校・教育委員会へ確認してください。
| 選択肢・対象 | 場所・方法 | 頻度・内容 | 費用・追加費用 | 相談・体験・開始 | 学籍・出席の確認 |
|---|---|---|---|---|---|
| 在籍校での調整 帰国後に編入した小中学生など | 現在の学校。教室・別室など具体策は学校と相談 | 授業・日本語面・生活面の調整を学校と決める。利用頻度は個別 | 学校種別で異なる。教材・交通などは学校に確認 | 担任、学年主任、相談担当に現在の困りごとを伝える。開始は学校と調整 | 現在の学籍を維持。欠席・評価の扱いは在籍校に確認 |
| 自治体の教育支援センター 学校生活が難しい学齢期の子 | 住所地の自治体が設置する場所。通所方法は自治体ごとに確認 | 相談・学習・居場所。利用日数と内容は要問い合わせ | 利用料・交通費・教材費は自治体へ要問い合わせ | 教育委員会に対象、見学、空き、開始時期を確認 | 学校とは別の場。出席扱いは条件に基づき校長が判断 |
| 帰国生受入校への転編入 学校を変える必要がある子 | 各校の所在地・通学圏、寮の有無等を確認 | 学校種別と教育課程で異なる。日本語支援の実施を個別確認 | 授業料・入学金・制服・通学費は学校ごとに要問い合わせ | 募集時期、帰国後年数、試験、見学を学校に確認 | 転編入先の学校種別と卒業資格を確認。手続きは教育委員会・学校と調整 |
| NIJIN GLOBAL ACADEMY 6〜18歳 | オンライン/自宅 | 週2回の対話型コア授業を計画。科目・時間帯は公式の最新案内を確認 | 学費・入学金等の具体額は未公表、要問い合わせ | 2027年9月開校予定。入学受付・体験の時期は公式情報を確認 | 日本の一条校ではなく、高卒資格を単独で発行しない。日本の学籍・出席は在籍校と相談 |
制度の根拠は各行の公式リンク、NGAの提供予定は公式FAQを参照。表は横にスクロールできます。自治体や学校が公表していない金額・条件は推測していません。
「なじめない」を言語・授業・人間関係・生活の四つに分ける
帰国後の違和感を「日本語が弱いから」「海外育ちだから」で片づけると、必要な支援を取り違えます。学校の授業で使う言葉と、家庭で使う日本語は別の力です。会話はできても教科書の言葉が難しい子もいますし、日本語の理解に問題がなくても、休み時間の距離感や学級の決まりがつらい子もいます。まず本人の表現を記録し、推測と事実を分けます。
- 言語:板書、作文、漢字、授業中の指示、友人の冗談のどれが分かりにくいか。
- 授業:海外校と内容・順番が違う教科、既習扱いになった単元、逆に繰り返しで退屈な単元は何か。
- 人間関係:特定の場面や人に負担が集中していないか。からかい・排除があれば、一般的な「文化差」として薄めず学校に具体的に伝える。
- 生活:時差や転居の疲れ、朝の準備、食事、騒音、集団活動など、学校以外の負荷も重なっていないか。
たとえば「国語だけ困る」なら教材や説明の調整、「休み時間がつらい」なら安全に過ごせる場所や見守り、「体育の着替えが苦しい」なら場面の調整を相談できます。何を実施できるかは学校ごとに違います。保護者が学校へ求めるのは一般論への同意ではなく、明日から試せる対応と連絡先です。
子どもが言葉にしにくいときは「今日は何点だった?」より「少し楽だった時間はあった?」と尋ね、登校だけを唯一の評価にしないでください。海外の友人や言語との接点を急に切る必要もありません。帰国は大人には戻ることでも、子どもには新しい環境に入る経験かもしれません。海外子女教育振興財団(JOES)の帰国準備案内も、家族で不安や期待を共有することを勧めています。
担任への相談は、出来事・影響・試したい調整の順に伝える
「帰国子女だから配慮してほしい」だけでは、学校側がどの場面を変えるべきか分からないことがあります。短いメモを作り、本人が同意する範囲で共有すると、面談の時間を具体策に使えます。本人の言葉と保護者の推測は分けて書くことが大切です。
- 事実:「今週は月曜と水曜の国語で、ノートを取る速さに追いつけなかった」。
- 本人の言葉:「授業中に質問すると目立つので怖い」。
- 生活への影響:「国語の前夜に眠りづらく、朝に腹痛を訴える」。
- 試したいこと:「授業のキーワードを事前に見せてもらう」「質問の仕方を決める」。
- 確認時期:「1週間試し、本人の負担を面談で再確認したい」。
日本語支援については、日常会話だけで判断せず、教科の理解・読み書き・試験形式も相談します。学年全体の授業についていく必要がある場合と、学校生活への参加を先に安定させる場合では優先順位が異なります。具体策を家庭だけで抱えず、担任、管理職、教育委員会の担当者と役割を決めてください。
友人関係に問題があるときは、いじめの有無を決めつける前に、日時・場所・言動・本人の反応を残します。安全に関わる場合は対応の期限と連絡方法も確認します。担任との相談だけで解消しないときは、学年主任や学校の相談担当、教育委員会へつなぐ道があります。

帰国後の学籍・編入は住所地の教育委員会から確認する
日本国籍の学齢期の子どもが外国から帰国した場合、保護者には日本での就学義務が生じます。文部科学省の就学事務Q&Aは、住所地の教育委員会が学校指定や編入学期日を通知すると説明しています。海外の学校に在籍していたこと、日本語が不安なことだけで、学校手続きを済ませたことにはなりません。帰国日・住所・年齢・海外校の在籍資料を持って、まず教育委員会に相談してください。
原則は年齢に応じた学年への編入です。同じQ&Aは、日本語能力等の事情により直ちに相当学年の教育を受けるのが適切でない場合、一時的に下学年で学ぶ措置なども説明しています。ただし家庭が自由に学年を選べる制度ではありません。本人の状態、学校の受け入れ、教育委員会の手続きを個別に確認します。高等学校段階は義務教育と制度・入試・単位認定が異なるため、希望校へ直接条件を確かめてください。
帰国生を受け入れる別の学校を探す場合、校名に「国際」や「英語」が入るだけで、日本の一条校か、卒業資格が何になるかは判断できません。出願前に、学校種別、授業言語、日本語支援、帰国生枠の条件、通学時間、初年度に払う費用、今の学校からの転出手続きを書面で確認します。JOESの帰国準備案内は公立校の編入と私立校の募集時期の違い、帰国生枠で海外滞在期間や帰国後年数が条件になる場合を案内しています。
学校の外で相談するときは、何を相談する場かを先に決める
「学校へ戻るか別の学校へ行くか」をすぐ結論にしないために、相談先を役割で分けます。いまの学校で調整できることは在籍校と教育委員会へ、帰国生としての進学や編入は学校の募集担当とJOESへ、欠席が続く中で日中の学びを作ることは自治体の教育支援センターへ、という順に整理すると話が進みやすくなります。
- 在籍校・教育委員会:学籍、就学手続、日本語面の支援、学級での調整、教育支援センターの対象・所在地・利用条件。
- JOESの教育相談:帰国後の学校選択、外国語の保持、教科の学習差、学校生活への適応など。公式案内では会員向け無料相談とされ、利用条件・空き・日時は予約前に確認。
- 転編入先の学校:募集学年、必要書類、帰国生枠、面接や試験、出願締切、学校種別、費用の支払先。
- 子どもの心身の相談窓口:眠れない、強い不安が続く、学校での安全が脅かされる等の場合に、学校の相談担当や地域の相談機関へ。
JOESは公式の教育相談ページで、帰国後の「学校生活等の適応問題」を相談例に挙げています。これは本人の診断や学校側の対応を代行するものではありません。相談したい内容を1〜2点に絞り、本人が話した内容、海外校で学んだ言語と教科、帰国後の学校からの連絡、希望する進路を整理してから申し込むと、次に何を確認すべきか見えやすくなります。
地域の教育支援センターは自治体ごとに名称、対象、場所、利用日数が異なります。通所が難しい場合の相談方法や、在籍校との情報共有の方法も確認してください。「センターへ行けば必ず出席扱い」という制度ではありません。判断の条件は次の節で説明します。
欠席が続く場合の出席扱いは、在籍校と先に手順を合わせる
学校外の施設で相談・指導を受ける場合、文部科学省の通知は、保護者と学校との十分な連携など一定の要件を満たした場合、校長が指導要録上の出席扱いとすることができると示しています。自宅でICT等を使う学習についても、別の通知に条件があります。オンライン授業を受けた回数を、そのまま学校の出席日数に換算できるという意味ではありません。
家庭で先に確認したいのは、利用する場の名前だけでなく、学習計画、学校と共有する記録、本人への対面での支援、誰がどの頻度で学校と連絡するかです。自治体や学校が独自の確認手順を持つ場合もあるため、在籍校の管理職と教育委員会に「どの書類を、いつ、誰に出すか」を聞きます。まだ利用先が決まっていない段階でも、出席扱いを望むなら事前に相談するほうが誤解を減らせます。
日本の就学義務と、個々の学習活動を出席として扱うかは別の話です。オンラインのNGAも一条校ではないため、NGAに参加すれば就学手続きや出席が自動的に成立するわけではありません。高校段階では卒業資格や単位認定がさらに別の確認事項になります。資格や出席を決めるのは、記事やサービスの宣伝文ではなく、所管する学校・教育委員会の手続きです。

NIJIN GLOBAL ACADEMYが合う場合と、別の選択肢を先に探す場合
NGAの公式FAQによると、対象は6〜18歳、2027年9月開校予定です。オンラインで週2回の対話型コア授業を中心にする計画が示されています。海外で得た言語や国際的な話題への関心を保ちながら、通学場所に縛られず学びたい家庭には検討材料になります。帰国後にすぐ参加できる学校ではなく、現時点の費用も公表されていません。公式FAQや説明会で時刻、科目、教員との関わり、入学受付、体験、総費用を確認してください。
- 合う可能性:通学先を検討しつつ、オンラインで海外の仲間と学ぶことに本人が関心を持てる。予定されている授業時間帯と家庭の生活が合う。
- 別の方法が先:今すぐ毎日通える居場所が必要、対面での細かな支援が必要、2027年9月より前に新しい在籍校を決めたい、日本の学校卒業資格をその教育サービス単独で得たい。
- 費用の確認:学費の具体額は未公表。入学金、追加プログラム、機器、通信環境なども公式案内で確認する。
- 制度の確認:日本の一条校ではなく、日本の高校卒業資格を単独で発行しない。在籍校と教育委員会に学籍・出席の扱いを相談する。
本人がオンラインの対話を負担に感じるなら、「通学が難しいからオンラインなら必ず合う」とは言えません。体験や説明会では、カメラの扱い、発言の仕方、欠席時の対応、学習記録の共有、困ったときの相談方法を聞いてください。帰国前に学んでいたカリキュラムとNGAの予定内容が同じかも、科目名だけで判断せず個別に確かめる必要があります。
小学生・中学生・高校生で、確認する制度を分ける
小学生:学校生活や日本語の授業への適応と、学籍・就学手続きを一緒に確認します。本人の負担が強い時間を一つ見つけ、担任に調整を相談します。休み時間、給食、掃除、行事のように教科以外の場面も忘れないでください。保護者が出席扱いを希望する場合は、学校と教育委員会に条件を早めに確認します。
中学生:教科内容の差に加え、定期試験、内申、進路との関係が気になる時期です。欠席日数だけに話を絞らず、どの教科に学習の空白があり、何を学校で評価できるかを聞きます。帰国生を受け入れる高校の出願条件は学校ごとに異なるため、希望校の今年度の要項を確認してください。
高校生:転校・編入できる学年、単位、卒業時期、卒業資格を希望校へ確認します。海外校の成績証明や在籍証明が必要になる場合があるので、書類を処分せず保管します。日本の高校卒業資格が必要な場合は、資格を出す学校本体を必ず特定してください。NGAのような民間のオンライン教育だけで日本の高校卒業資格が付与されると考えないでください。
JOESの帰国準備案内も、私立校等には編入学の時期指定や帰国生枠の条件があると説明しています。学校名だけで選ばず、募集要項の年度、海外滞在期間、帰国後年数、必要書類、試験日、費用を表にして比べると、候補を絞りやすくなります。
最初の二週間で確認すること
この期間は「二週間で登校を再開する」期限ではありません。手がかりを集め、次の面談で話せる材料を作るための目安です。欠席が長引く、学校での安全が損なわれる、心身の不調が強い場合は、この表の順番を待たずに学校や専門窓口に相談してください。本人が今の学校に残りたいか、別の場を試したいかは、落ち着いたときに何度でも聞き直せます。
学校との面談では、「次回の連絡日はいつか」「対応を誰が共有するか」「本人が言いにくいことをどう伝えるか」を決めておくと、話しただけで終わりにくくなります。見学先では、本人が無理なく参加できる時間、休憩できる場所、初日に必要なものを確かめましょう。オンライン候補なら、授業の時差、通信環境、発言や録画の扱いも確認項目です。
よくある質問
帰国後すぐ学校になじめないのは、本人の努力不足ですか?
そう決めつける根拠はありません。日本語の授業、学習進度、人間関係、生活の変化などを具体的に分け、本人が何に困っているかを確認します。原因の決めつけより、明日試せる調整を学校と探すことが先です。
日本語で会話できれば、授業の日本語も問題ありませんか?
同じとは限りません。教科書の語彙、作文、板書の速さ、試験問題の読み取りを分けて確認します。本人が答えやすい方法で、どの単元から困ったかを聞くと相談しやすくなります。
教育支援センターやオンラインの授業は出席になりますか?
自動的にはなりません。義務教育段階では文部科学省の要件を踏まえ、在籍校の校長が判断します。利用前に学校・教育委員会と、学習計画、対面での支援、記録の共有方法を確認してください。
NGAに入れば日本の学校への編入手続きは不要ですか?
不要にはなりません。NGAは日本の一条校ではなく、2027年9月開校予定のオンライン教育です。日本国籍の学齢期の子どもが帰国した場合の就学手続きは住所地の教育委員会に確認してください。
転校を考える時期はいつですか?
一律の時期はありません。学校内の調整、本人の安全と希望、候補校の募集時期を確認して判断します。希望校の受け入れ条件と費用を、現在の在籍校や教育委員会との手続きと並行して調べてください。
出典と確認日
以下の一次情報を2026年10月21日に確認しました。学校・自治体の条件は年度や住所地で変わるため、利用前に該当先へ直接確かめてください。
- 文部科学省:外国から帰国した学齢児童生徒の就学手続 — 学籍・編入と就学義務。
- 文部科学省:学校外の公的機関・民間施設での出席扱い — 在籍校との連携と校長判断。
- 文部科学省:自宅でICT等を活用した学習の出席扱い — 計画、対面指導、記録共有などの条件。
- 海外子女教育振興財団:帰国が決まったら、教育相談 — 帰国後の学校選択と相談内容。
- NIJIN GLOBAL ACADEMY:よくある質問 — 対象、開校予定、教育内容、費用と学校制度。
帰国後の学校生活が難しくなったときは、本人が困る場面を一つ具体化し、在籍校との相談から始められます。別の学校や公的な居場所、オンラインの学びは、そのあとで対象・時期・費用・制度を同じ軸で比べてください。本人が安心して学べる形を探す過程は、急いで一つに決める必要がありません。


