NIJINアカデミーは、花王株式会社と連携し、家庭科の新しい授業プログラムを共同開発しました。
不登校の子どもたちが抱えやすい課題に向き合いながら、
「家事」を通して自己肯定感と親子関係の回復を目指した共創事例です。
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社員の想いから生まれた共創

この取り組みの出発点は、
我が子の行き渋りに悩んでいた花王社員の方の、ひとつの実感でした。
「このままでいいのだろうか」
「家で過ごす時間が長くなった子どもに、何ができるのだろうか」
そんな悩みをきっかけに、
花王社内で長年培われてきた“家事を通して人の暮らしを支える知見”と、
不登校の子どもたちの学びを支えてきたNIJINアカデミーの実践が結びつきました。
企業の中にある一人の「親としての想い」が、
教育の現場と出会うことで、新しい学びのかたちへと発展していったのです。
不登校の子どもたちが抱えやすい、家庭での課題

不登校になると、子どもたちは自宅で過ごす時間が長くなります。
その中で、次のような悩みや不安が生まれやすくなります。
- 家にいる時間が増え、親子関係がぎくしゃくしてしまう
- 「このままでいいのかな」と感じる保護者の不安
- 「何をしたらいいのか分からない」と立ち止まってしまう子ども
特に大きな懸念となるのが、子どもたちの自己肯定感の低下です。
保護者は日々、
「このままでいいのだろうか」と思いながら過ごし、
子ども自身も、「自分には何ができるのだろう」と答えを見失っていきます。
家事が「自己肯定感」と「親子関係」をつなぐ

NIJINアカデミーが着目したのは、家事という日常の営みでした。
家事を担うことは、
「誰かの役に立っている」と実感できる体験につながります。
そして、「ありがとう」という言葉が、
親子関係を少しずつほぐしていくきっかけにもなります。
こうした考えから生まれたのが、「こども家事名づけ親プログラム」です。
花王×NIJINだからこそ生まれたプログラム
130年以上にわたり家事と向き合い続けてきた花王と、
不登校の子どもたちの学びを支えてきたNIJINアカデミー。
両者が協働し、
まだ名前のない家事を「見つける」「名づける」「やってみる」「自信にする」
というプロセスを、家庭科の授業として設計しました。
ユニークな名前を付けることで、
子どもたちは自分の力に気づき、家事に愛着を持って取り組むようになります。
全7回のオンライン家庭科授業

本プログラムは、家庭科教員とともに、全7回のオンライン授業として開発されました。
- おうちの人と調査!苦手な家事・めんどうな家事ランキング(実践あり)
- 家事って何!?(オリエンテーション)
- よく使う場所を素早くキレイに(実践あり)
- キッチン周りピカピカ大作戦(実践あり)
- 名前のない家事を見つける!
- 社会科見学&家事を名づける!発表会
- 年末大掃除チャレンジ発表会
授業を通して、子どもたちからは次のような声が聞かれました。
- 楽しかった
- みんなにほめてもらえた
- 自信になった
- 家事について詳しくなった
- もっと名前のない家事を見つけたい
最終回:花王本社での社会科見学と発表会
最終回となる8回目の活動では、花王本社を訪問し、社会科見学と発表会を実施しました。
子どもたちは「見えない家事」に名前を付ける
「こども家事名づけ親プログラム」を行い、
授業を通して見つけた家事について、自分の言葉で発表しました。
参加した親子からは、次のような声が寄せられています。
- 子どもにとって自信につながる機会だった
- 「やってみよう」と思えたことが何よりよかった
- 家事は面倒くさいけれど、やりがいのあることだと感じた
- 「役に立てた」と思えたことが嬉しかった
活動の様子は花王公式YouTubeでも公開
家庭科がひらく、新しい不登校支援のかたち
この共創事例は、
家庭科という教科が、子どもの自己肯定感や親子関係を支える力を持っていることを示しています。
花王とNIJINアカデミーの協働は、
企業の知見と教育を結び、不登校支援の可能性を日常生活の中に広げる、新しいモデルとなりました。
NIJINアカデミーについて
NIJINアカデミーは、学校に通わない・通えない子どもたち一人ひとりの状況に寄り添いながら、
「その子の主体を約束する」ことを大切にしているオルタナティブスクールです。
オンラインとリアルの学びを組み合わせ、
子どもたちが安心して自分らしさを発揮できる居場所づくりと、
社会とつながる実践的な学びの機会を提供しています。
また、企業・自治体・教育機関と連携し、
地域・家庭・仕事・文化など、社会そのものを学びのフィールドにした共創プロジェクトにも取り組んでいます。
今回ご紹介した事例のように、
一つひとつの連携は、子どもたちの学びの可能性を広げると同時に、
社会に新しい価値を生み出す取り組みとして発展しています。
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学校以外にも、その子に合う学びの場があります
「ALL HAPPY」を掲げる小中一貫のオルタナティブスクール。不登校・発達特性のある子どもたちが全国から通っています。在籍校と連携した97%の出席認定率を公表しています。
NIJINアカデミー
「ALL HAPPY」を掲げる小中一貫のオルタナティブスクール。累計1,000名以上が入学し、在籍校と連携した97%の出席認定率を公表しています。
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学校以外の学びの場は、この10年で制度が大きく変わりました。いまは「学校復帰だけがゴールではない」というのが国の公式な立場です。選択肢の全体像と、それぞれが制度上どう扱われるかを押さえておくと、進路の話が現実的になります。
下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 文部科学省「学びの多様化学校の設置者一覧」 | 全国84校。旧・不登校特例校の全リスト |
| 文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」 | 高校に通わずに大学受験資格を得る制度 |
| 文部科学省「就学援助」 | 学用品費・給食費などの経済的支援 |
| 文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」 | 小中の不登校353,970人。全国の最新の実数 |
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 | 「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針 |
| 同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合) | 教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件 |
| 同 別記2(自宅でICT等を活用した学習) | 自宅学習を出席扱いにする7つの要件 |
| 文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」 | 2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件 |
| 文部科学省「COCOLOプラン」 | 誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策 |
| 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 | 全国1,045市区町村の公式相談窓口 |
| 教育機会確保法(e-Gov法令検索) | 第13条が「休養の必要性」を条文で認めている |
| こども家庭庁「子育て支援」 | 子育て世帯が使える支援制度の全体像 |
| 国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」 | 研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料 |
学校に相談するときの進め方
① 支援の目標をすり合わせる
「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。
② 具体的な場所を挙げる
「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。
③ 出席扱いの要件を一緒に確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
④ 決めたことを記録に残す
面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら
学校に伝えるときの文例
言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。
① しばらく休むことを伝える
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。
毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。
② 配慮をお願いする
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。
「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。
③ 出席扱いについて相談する
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。
ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。
④ 面談のあとに送る確認メール
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。
口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
伝える相手の順番
この記事のテーマについて、よく寄せられる質問
同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。
Q. 欠席が多いと高校に行けませんか?
A. 行けます。出席日数を選抜に使わない高校は増えており、通信制高校では欠席日数を問わないところがほとんどです。中学校卒業程度認定試験や高等学校卒業程度認定試験という道もあります。
Q. フリースクールに通うと出席扱いになりますか?
A. 要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできます。ただし文部科学省の通知では教育支援センター等の公的機関が第一に想定されており、民間施設は「公的機関に通えない場合」に考慮される位置づけです。詳しくは教育支援センターとはをご覧ください。
Q. 費用が心配です
A. 教育支援センターは原則無料です。民間のフリースクールについては、利用料の補助制度を設けている自治体が増えています。就学援助もあわせて教育委員会に確認してください。
Q. 学校に戻ることを目標にしなくていいのですか?
A. はい。文部科学省の通知が「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す」と明記しています。学校復帰は選択肢のひとつであって、唯一のゴールではありません。
Q. 近くに通える場所がありません
A. ①校内の別室、②教育支援センターの訪問型支援、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)、④オンライン——の順で確認するのが現実的です。地域に選択肢がないことは、家庭の責任ではありません。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
参考にした公的資料
本記事は公開資料と教育現場での実践をもとにした情報提供であり、診断・治療の代わりになるものではありません。(にじいろの編集方針・監修について)
つらい気持ちを今すぐ話したいとき(全国共通・24時間)
24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310
お子さんからでも、保護者の方からでも相談できます。お住まいの地域の教育相談センターにつながります。

