近年、日本でも多様な教育機会を求める家庭が増え、オルタナティブスクールやフリースクールといった選択肢が注目を集めています。
しかし、この2つの学校にはどのような違いがあるのでしょうか。
結論から言うと、フリースクールは学校に行っている時間帯で活動している全てのスクールを指す言葉です。
しかし、現在ではフリースクールとは多くの場合、不登校の子どもが安心して過ごせる居場所としての意味合いが大きくなっています。
オルタナティブスクールは、フリースクールのうちの一つですが、「学校と同等か、それ以上の教育力を有した
学校に代わる教育機関」として、居場所だけではない教育機能を有しているものとなっています。
本記事では、両者の違いをさらに細かく説明し、それぞれの特徴や教育方針、選び方のポイントについて詳しく解説します。
どちらの学校が子どもに合っているのかを考える際の参考にしてください。
オルタナティブスクールとフリースクールの違いとは?
オルタナティブスクールとフリースクールは、その教育目的や対象、認可の有無、学費といった面で異なります。
ここでは、それぞれの違いを具体的に見ていきましょう。
項目 | フリースクール | オルタナティブスクール |
教育目的 | 不登校の子どもたちに、安心して学べる場所を提供 | 既存の教育とは異なる新しい教育を提供 |
認可 | 認可外が多い | 公的な認可のあるスクールもある |
学費 | スクールによるが、寄付や助成金で行う場所や学費のかかる場所も。 | 学費が高めに設定されている。 |
教育目的と対象の違い
フリースクールは、不登校の子どもたちに対して、安心して学べる場所を提供することを主な目的としています。
フリースクールでは、学びの形やペースが自由であることが多く、子どもたちが自分のペースで学べる環境が整えられています。
一方オルタナティブスクールは、伝統的な学校教育の枠にとらわれない、新しい教育方法を模索する学校です。
一般的には、子どもたちの自主性や創造性を育むことを目的とし、特定の教育哲学や方法論に基づいて教育が行われます。
認可の有無と法的地位
フリースクールは基本的に認可外の学校が多く、公的な教育機関とは異なる立場にあります。
このため、フリースクールを卒業しても、公的な学歴として認められない場合があります。
一方、オルタナティブスクールは、公的な認可を受けている学校もあれば、認可外の学校も存在します。
認可を受けている場合、その学校の卒業生は公的な資格を取得できることが多いですが、認可外の場合はそうした資格が取得できないこともあります。
学費と運営資金の違い
フリースクールは、比較的低価格で運営されることが多く、運営資金は寄付や助成金に依存している場合が多いです。
そのため資金面での不安定さが課題となることがあります。
また、運営資金として思ったよりも多額の費用が必要になることもあります。
一方でオルタナティブスクールは、一般的に学費が高めに設定されていることが多く、運営資金は主に学費や寄付によって賄われています。
また、独自の教育プログラムを提供するために、専門の教員やスタッフを雇用していることも多く、これが学費に反映されています。
フリースクールの特徴と教育方針
フリースクールは、特に不登校の子どもたちに焦点を当てた教育機関です。
以下では、フリースクールの特徴とその教育方針について詳しく見ていきます。
不登校の子どもへの対応
フリースクールは、不登校の子どもたちが再び学びの場に戻ることができるよう、個別対応を重視しています。
学校に通うことが難しい子どもたちにとって、フリースクールは心のよりどころとなる場所であり、子どもたちが自分のペースで無理なく学べる環境が整っています。
教師やスタッフは、子どもたちが抱える問題や不安を理解し、サポートすることに重点を置いています。
自由な学びの環境
フリースクールでは、子どもたちが自分の興味や関心に基づいて学びを進めることが奨励されています。
固定されたカリキュラムや時間割がない場合が多く、子どもたちは自分で学びの計画を立て、それに従って学習を進めます。
これにより、子どもたちは自発的に学ぶ力を身につけることができます。
また、教室の外での学習活動も盛んで、自然の中での体験学習や、地域社会との交流を通じた学びが重視されることもあります。
一方で居場所としての機能だけのフリースクールでは、自分のやりたいことだけをやって自由に過ごして良いという、安心感を与える場所もあります。
勉強はやりたくなったらやったらいい、それまでは傷ついた心を回復させるのが先決と考えるフリースクールも少なくありません。
出席扱いにならないことも
フリースクールはしっかりとした教育カリキュラムに沿って学習を行うというよりも、子どもの意思に沿って自由に過ごすことを重視しているスクールが多いです。
そのため学校の出席扱いにならない場合もあるので、進学に不利になる場合があります。
長い目で見た時にお子さんの可能性の幅を狭めないためにも、出席扱いになるところを選ぶことをおすすめします。
フリースクールの中には出席扱いになる場所もありますので、確認しておきましょう。
校則や学習内容の柔軟性
フリースクールでは、校則や学習内容が非常に柔軟に設定されていることが多いです。
子どもたちが自分の意志で行動し、自分のペースで学習を進めることができるよう、校則は最低限に抑えられていることが一般的です。
また、学習内容も、子どもたち一人ひとりの興味や関心に合わせて自由に選択できる場合が多く、学校全体としても固定されたカリキュラムに縛られることなく、柔軟に対応しています。
オルタナティブスクールの特徴と教育方針
オルタナティブスクールは、独自の教育哲学や方法論に基づいて教育を行うことが特徴です。
ここでは、オルタナティブスクールの教育方針や、その具体的な特徴について解説します。
子どもの自主性を尊重する教育
オルタナティブスクールでは、子どもの自主性や個性を最大限に尊重する教育が行われます。
子どもたちは、自分で学びたいことを選び、自分のペースで学ぶことが推奨されており、教師はそのサポート役に徹します。
このような環境では、子どもたちが自己表現を通じて、自分自身をより深く理解し、自信を持って成長していくことが期待されます。
また、教室内での学びにとどまらず、日常生活の中での学びや実体験を重視することが多いです。
少人数制と個別対応
オルタナティブスクールでは、少人数制のクラス編成が一般的です。
これにより、教師と生徒の距離が近く、一人ひとりに対してきめ細やかな指導が可能となります。
また、個別対応が重視されるため、各生徒の学習進度や興味に合わせて、柔軟に教育内容が調整されます。
このような環境では、子どもたちが自分のペースで無理なく学べるため、学びに対する意欲が高まることが期待されます。
具体的な教育法(シュタイナー教育、モンテッソーリ教育など)
オルタナティブスクールでは、特定の教育哲学や方法論に基づいて教育が行われることが多いです。
代表的なものとして、シュタイナー教育やモンテッソーリ教育が挙げられます。
シュタイナー教育では、芸術や創造活動を通じて子どもたちの感性や想像力を育むことが重視されます。
また、モンテッソーリ教育では、子どもたちが自分で考え、行動する力を養うことが目的とされ、子どもたちが自発的に学べる環境が整えられています。
これらの教育法は、子どもたちの全人的な成長を促進することを目指しています。
オルタナティブスクールとフリースクールの選び方のポイント
オルタナティブスクールとフリースクールを選ぶ際には、家庭の価値観や教育方針に加え、卒業後の進路や実際の学校訪問などが重要なポイントとなります。
ここでは、選び方の具体的なポイントについて説明します。
教育理念と家庭の価値観との一致
学校を選ぶ際には、その学校の教育理念が家庭の価値観や教育方針と一致しているかを確認することが重要です。
オルタナティブスクールは特定の教育哲学に基づいて運営されていることが多いため、その理念が家庭の考え方と合致しているかを慎重に見極める必要があります。
一方、フリースクールの場合は、自由な学びを重視する方針が家庭の教育方針と合致しているかが重要なポイントとなります。
卒業後の進路と認定資格の確認
オルタナティブスクールやフリースクールを卒業した後の進路も重要な考慮事項です。
特に、オルタナティブスクールが公的な認可を受けているかどうか、またその学校で取得できる資格がどのようなものかを確認することが必要です。
フリースクールの場合、認可外であることが多いため、卒業後に他の教育機関に進学する際の選択肢や課題についても事前に理解しておくことが重要です。
実際の学校訪問と体験入学の重要性
学校選びにおいて、実際に学校を訪問し、子どもがその環境でどのように感じるかを確認することは非常に重要です。
また、多くの学校では体験入学を実施しているため、これに参加してみることで、子どもがその学校に適応できるかどうかを判断する材料とすることができます。
学校の雰囲気や教育方針を肌で感じ、子どもにとって最適な学びの場を見つけるために、実際の訪問は欠かせません。
不登校の子どもに最適!オルタナティブスクールとフリースクールのいいとこどりのスクールとは
不登校が希望に変わる!
NIJINアカデミー(ニジアカ)は、不登校の小中学生対象のオルタナティブスクールです。
オンラインに校舎があるため、全国どこからでも参加でき、家から出ることに不安を感じるお子さんにも最適です。
日本のトップ教師陣による対話型授業は「学校の授業よりも楽しい!」と高評価で、学校全体の満足度は91.4%、担任への満足度は96%となっています。
これまでに約200名の生徒が在籍しており、発達に個性のあるお子さんも多数在籍。
個々の特性を大切にし、伸ばせる環境が整っています。
また、在籍校での出席扱いにもなるため、将来を考えた時にも安心ですよね。
フリースクール、オルタナティブスクールの中でも群を抜いて学費が安いのは、全ての不登校の子どもたちを救いたいという校長の思いからです。
そのため、金銭的にゆとりのないひとり親の方からも喜ばれていますし、むしろ全ての家庭にとって学費が安いのはありがたいことですよね。
オンライン説明会を平日は毎日開催しているので、ぜひHPものぞいてみてください。
まとめ:オルタナティブスクールとフリースクールの違いと選び方
この記事では、オルタナティブスクールとフリースクールの違いと選び方について解説してきました。
- フリースクールは学校に行っている時間帯で活動している全てのスクールだが、不登校の子どもが安心して過ごせる居場所の機能
- オルタナティブスクールは、フリースクールのうちの一つだが、「学校と同等か、それ以上の教育力を有した学校に代わる教育機関」
フリースクールは、不登校の子どもたちに安全で自由な学びの場を提供することを目的としています。
一方、オルタナティブスクールは、特定の教育哲学に基づき、子どもの自主性や創造性を育むことを重視しています。
両者を選ぶ際には、家庭の価値観や子どもの特性に合った学校を選ぶことが重要です。
また、実際に学校を訪問し、体験入学を通じて子どもに合う環境を見つけることが成功の鍵となります。
この記事を参考に、ぜひ最適な教育環境を見つけてくださいね。