母子分離不安とは?原因・年齢別の特徴と対応法|「母親のせい」ではありません

母子分離不安について解説するNIJINアカデミー校長の星野達郎

📚 不登校の全体像を整理したい方へ

はじめの一歩から学びの選択肢まで、状況別に記事をまとめた「不登校の基礎知識」ガイドもあわせてご覧ください。お子さんに合う居場所探しの一歩にも。

この記事の要点

  • 母子分離不安とは、お母さん(主な養育者)と離れることに強い不安を感じ、離れる場面で泣く・体調をくずすなどの反応が出る状態のことです。
  • 乳幼児期に見られるのは発達の過程でごく自然なこと。愛着が育っている証でもあります。
  • 小学生以降も強く続き、生活に支障が出ている場合は分離不安症として相談・治療の対象になることがあります。
  • 原因は「母親の育て方」ではありません。気質・環境の変化・学校での出来事など、複数の要因が重なって起こります。
目次

結論:母子分離不安は「母親のせい」ではありません(早見)

いちばん知りたい答え:母親の育て方が原因、という根拠はありません

  • 分離不安そのものは、ほぼすべての子に起こる正常な反応です(とくに8〜24か月ごろ)。愛着の相手は母親に限らず、父親や保育者のこともあります。
  • きっかけとして挙げられているのは生活上のストレス(身近な人やペットの死、転居、転校など)。不安を感じやすい傾向が遺伝することもあるとされています。
  • 相談の目安は「年齢に比べて明らかに強い不安が1か月(4週間)以上」続き、本人がひどく苦しんでいる、または生活に大きな支障が出ているとき。
  • 親の不安と子の不安は影響し合うことがあります。だからこそ「母親を責める」のではなく「保護者を支える」ことが、子どもの支援になります。
  • 今日からできるのは3つ:別れ方を短く毎回同じにする/園や学校に安心できる大人を1人つくる/長期休み明けにぶり返しやすいので、休み中も短い「離れる時間」を予定に入れる。

※「母子分離不安」は診断名ではありません。医学的な診断名は「分離不安症」で、診断できるのは医師だけです。この記事は情報提供であり、診断・治療に代わるものではありません。いまつらい気持ちを話したいときは、24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(子ども本人からも保護者からも・文部科学省の案内)。

出典:MSDマニュアル家庭版「分離不安症」こころの情報サイト「不安症」

「母親のせい?」と悩んだときの誤解と事実(比較表)

「母親のせい」と検索するほど自分を責めているときに、よく耳にする言葉を6つ取り上げ、医学情報と国の調査で確かめられることを並べました。小学生の行き渋りとして出ている場合は、行き渋りとは?学年別のサインと朝の過ごし方もあわせてご覧ください。

よく言われること公的・医学情報で確認できること家庭でできること
「甘やかした・抱っこしすぎたから」分離不安は、愛着のある相手から離れるときに起こる反応です。ある程度の分離不安はほぼすべての子に起こり、とくに8〜24か月ごろに見られる正常な反応とされています(MSD)。求めてきたら応じてかまいません。離れる練習は「確実に成功する短さ」から始めます。
「仕事をしていて寂しい思いをさせたから」引き金として挙げられているのは、身近な人やペットの死、転居、転校などの生活上のストレスです(MSD)。保護者の就労が原因だとは書かれていません。環境が変わる前に、次に何が起こるかを具体的に伝えます。1日10分でも「その子だけの時間」をつくります。
「母親が心配性だから」親も不安を抱いていると子どもの不安も強まり、悪循環になることがあるとされています(MSD)。これは「原因」ではなく、悪循環を切れるポイントという意味です。保護者自身が相談先を持つこと自体が、子どもへの支援になります。
「母親にしかくっつかない=母親の問題」愛着の相手は通常は母親ですが、父親や別の保育者であることもあります(MSD)。「一番安心できる相手」に不安が向いているだけです。父親・祖父母・園や学校の先生など、「もう1人の安心できる大人」を少しずつ増やします。
「そのうち治るから様子を見ればいい」症状が1か月以上続き、子どもがひどく苦しんでいる/生活に大きな支障がある場合は診断の対象になり、長引くほど重くなりやすいとされています。治療では行動療法(認知行動療法)が用いられます(MSD)。4週間を目安に、小児科・児童精神科・スクールカウンセラーへ早めに相談します。
「学校に行けないのはうちの子だけ」令和6年度の小・中学校の不登校児童生徒は約35万4千人で過去最多です(文部科学省)。休むことも選択肢です。教育機会確保法は「休養の必要性」を踏まえた支援を定めています(e-Gov法令検索)。

出典:MSDマニュアル家庭版「分離不安症」(2025年10月レビュー)/国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」不安症文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」。2026年9月13日にアクセスを確認。

朝、教室に入れない日が続いているなら:付き添いOKで始められる学び場もあります

分離不安の強い時期は「離れる」ことを急がないのが基本です。家から参加できるオンラインの学び場なら、親子で安心できる場所から始められます。NIJINアカデミー(にじいろと同じ株式会社NIJINが運営)のよくある質問では、はじめは保護者が隣で付き添ってもよいこと、学費・プランでは顔出し・チャット・見るだけでも参加できることが案内されています。在籍校と併用することもできます。

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母子分離不安は「お母さんがすごい証拠」

母子分離不安の子にやさしく寄り添う親子のイメージ(玄関で安心させる様子)

|不安に敏感な子どもと、まず親子で安心するために

💡 敏感な子の気質についてもっと知りたい方は、HSPとHSCの違いもあわせてどうぞ。

「幼稚園や学校で離れると泣いてしまう」
「家では元気なのに、母親と離れる場面になると不安が強くなる」

そんな姿を見て、
「このままで大丈夫なの?」
「甘やかしすぎ?」
と不安になるお母さんは少なくありません。

母子分離不安は、決して珍しいことではなく、成長の中でとても自然な反応です。
そして実はそこには、子どもの繊細さだけでなく、お母さんの関わりの力も深く関係しています。

この記事では、

  • 母子分離不安とは何か
  • 年齢ごとの特徴と原因
  • 「分離不安症」との違い
  • そして、専門家の立場から伝えたい
    「まずは母も子も安心していい」という視点
    をお伝えします。

この記事の要点(30秒で分かる)

  • 母子分離不安は、多くの子どもが経験する自然な反応だと言われています。
  • あらわれ方は年齢によって違います。下の年齢別 早見表で今の様子と関わり方を確認できます。
  • 「母親のせい」ではありません。子どもの気質・環境の変化など複数の要素が重なって起こるとされています。
  • 強い不安が1か月以上続く/身体症状が頻繁に出る/生活に支障が出ているときは、一人で抱えず専門機関へ。

※この記事は一般的な情報です。診断や治療の判断は医療機関・専門機関で行われるものです。

母子分離不安とは?

母子分離不安とは、子どもが母親(または主な養育者)と離れることに強い不安を感じる状態を指します。

これは発達の初期段階では誰にでも見られる、ごく自然な反応です。

  • 生後8か月ごろから始まることが多い
  • 10か月〜1歳半頃に強くなる
  • 2〜3歳で徐々に落ち着いていく

多くの場合、

「離れても、また戻ってくる」
という経験を積み重ねることで、自然と和らいでいきます。

分離不安症との違いは?

母子分離不安が長期間続き、次のような状態が見られる場合、
「分離不安症」と診断されることがあります。

  • 1か月以上強い不安が続く
  • 腹痛・頭痛など身体症状が出る
  • 登園・登校ができない
  • 日常生活に大きな支障がある

ただし大切なのは、
「不安がある=すぐ病気」ではないということです。

不安そのものは、子どもが自分を守るために持っている大切なアンテナでもあります。

母子分離不安と分離不安症の一般的な違い(診断は医師が行います。目安としてご覧ください)
母子分離不安(発達の過程で見られるもの)分離不安症
見られる時期主に乳幼児期。小学校入学など環境の変わり目に一時的に強まることも年齢に不釣り合いなほど強い不安が続く
続く期間数日〜数週間で和らいでいくことが多い4週間以上続くことが一つの目安とされる
生活への影響登園をしぶるが、慣れると過ごせることが多い登校できない、ひとりで眠れないなど生活に支障が出る
体の症状出ないことも多い頭痛・腹痛・吐き気などをくり返す
対応見通しを伝え、安心して送り出す関わりを続ける小児科・児童精神科・スクールカウンセラーに相談する

年齢別に見る母子分離不安の特徴

時期よく見られる様子家庭でできる関わり方相談を考える目安
0〜3歳ごろ後追いが強い/夜中に起きて母を探す/抱っこを求める求めてきたときに応じ、「安心の土台」をつくる時期。無理に離す練習をしなくてよいと言われています発達上とても自然な時期。生活に大きな支障があるときは相談を
3歳〜就学前登園しぶり、朝の別れぎわに強く泣く別れ方を毎回同じにする/必ず迎えに来ると伝える/園と様子を共有する強い不安が1か月以上続くとき
小学校 低学年行き渋り、腹痛・頭痛など体調の訴え、母から離れたがらない体調の訴えを否定しない/登校の形(時間・付き添い)を一緒に決める身体症状が頻繁に出るとき
小学校 中〜高学年登校前の強い不安、母と離れる場面を避ける、学校以外でも不安が出る学校だけを目標にせず、安心して過ごせる居場所も含めて選択肢を広げる生活に大きな支障が出ているとき
※あらわれ方には個人差があります。年齢はあくまで目安で、同じ様子でも背景は一人ひとり違います。診断や治療の判断は医療機関・専門機関で行われるものです。

3歳ごろまでの母子分離不安

この時期の母子分離不安は、発達上とても自然な現象です。

  • 後追いが強い
  • 夜中に起きて母を探す
  • 抱っこを求める

これは、愛着がしっかり育っている証拠でもあります。

3歳以降・小学生で見られる母子分離不安

3歳以降や小学生になってから見られる場合、
背景に環境の変化があることが多いです。

  • 入園・入学
  • 進級
  • 転校
  • 人間関係の変化

「一人で頑張らなきゃいけない場面」が増えることで、
安心できる存在である母親と離れる不安が強くなるのです。

年齢別に見られやすいあらわれ方と、家庭でできる関わり(個人差があります)
年齢あらわれやすい様子家庭でできる関わり
0〜2歳ごろ姿が見えなくなると泣く、後追いする「行ってくるね、必ず戻るよ」と伝えて出る。だまって消えない
3〜5歳ごろ登園をしぶる、送りぎわに泣く別れの手順を毎回同じにする。短くきっぱり別れる
小学校低学年朝の腹痛・頭痛、教室に入れない前日に翌日の流れを一緒に確認する。保健室や別室の利用も選択肢に
小学校高学年〜中学生母親のそばを離れない、ひとりで眠れない、登校できない「甘え」と受け取らず、学校とスクールカウンセラーに早めに共有する

母子分離不安の原因は「環境」だけじゃない

母子分離不安の背景には、次のような要素が重なっています。

  • 子どもの気質(敏感・慎重)
  • 環境の変化
  • 家庭や学校での小さな不安
  • 親の不安を感じ取る力

ここで伝えたいのが、
**「不安に気づける子=アンテナが高い子」**だということ。

そしてそのアンテナが育った背景には、
お母さんが丁寧に関わってきた歴史があります。

母子分離不安への関わり方 5ステップ

1

まず「不安そのもの」を否定しない

「こわいよね」と気持ちを言葉にして返します。説得より先に受け止めることが近道です。

2

別れ方をいつも同じにする

同じ言葉・同じ手順で短く別れます。だまって離れると「またいなくなる」という不安が強まります。

3

見通しを具体的に伝える

「◯時にここでお迎え」と時間と場所を具体的に。時計や絵で見えるようにするとより安心します。

4

離れられた時間を一緒に喜ぶ

長さではなく「離れられた事実」を認めます。5分でも十分な成功体験です。

5

保護者自身の休む時間を確保する

付き添いが続くと保護者が消耗します。家族・学校・支援機関に早めに分担を頼んでください。

「母子分離不安症」「母子分離症」——名前の違いを整理する

検索では「母子分離不安症」「母子不安分離症」「母子分離症」といった言い方もよく使われます。まず、ここを整理しておきます。

「母子分離不安」まわりの言葉の整理
言葉位置づけ説明
母子分離不安日常語・教育現場の言葉保護者(多くは母親)から離れるときに強い不安が出る状態を、広く指す言い方。診断名ではありません。
分離不安症医学的な診断名不安症のひとつとして分類されている診断名です。医療機関で使われるのはこちらの呼び方です。
母子分離不安症/母子不安分離症/母子分離症正式な診断名ではない「母子分離不安」と「分離不安症」が混ざった言い方で、検索でよく使われます。意味としては上の2つのどちらかを指していることがほとんどです。
アタッチメント(愛着)発達心理学の用語特定の大人との間に結ばれる情緒的な結びつき。分離不安は、この結びつきがあるからこそ起きる反応でもあります。

国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」では、分離不安について「アタッチメントを生じている保護者から離れるときに、年齢などを考慮してもなお、不適切なほどに強い不安を感じる状態」と説明されています。「年齢などを考慮してもなお」という部分が大切です。2歳の子が母親と離れて泣くのは自然な反応で、これは分離不安症ではありません。

また同サイトでは、不安症全般について「成人の場合は6ヶ月、子どもの場合は4週間、続いている状態」という期間の目安が示されています。数日〜1〜2週間の行き渋りを、すぐに「症」と考える必要はありません。

ここだけは押さえたいこと

診断ができるのは医師だけです。この記事を読んで「うちの子は分離不安症だ」と決めつける必要はありませんし、その必要もありません。大切なのは病名をつけることではなく、目の前の子が今どのくらいしんどいかを見て、必要なら相談先につながることです。

母子分離不安はいつまで続く?年齢別の目安と「終わり方」

いちばん多い質問がこれだと思います。結論から言うと、「◯か月で終わります」と言える性質のものではありません。ただ、発達の流れとしての目安と、実際にゆるんでいくときのサインはあります。

分離不安の時期別の目安(一般的な発達の流れとして言われていること)
時期どんな状態が多いか見方
生後6か月〜1歳半ごろ親の姿が見えないと泣く、後追いする発達上ごく自然な反応。人を見分けられるようになった証拠として説明されます。
2歳〜3歳ごろ園の送りで泣く、離れぎわがつらい多くの子で見られる時期。慣れとともに少しずつ落ち着いていくとされています。
3歳〜就学前ふだんは平気でも、環境の変化があると戻る行きつ戻りつが普通。一直線に良くなるものではありません。
小学校低学年入学・進級・席替え・長期休み明けをきっかけに再び強く出るこの時期に強く出ると「行き渋り」として現れます。年齢を考えると強すぎる不安が続く場合は相談の対象になります。
小学校中学年以降年齢に比べて不釣り合いに強い不安が4週間以上続き、生活に支障が出ている医療機関や学校のスクールカウンセラーに相談する目安とされています。1人で抱えず、早めに相談先を持っておくほうが結果的に短くすみます。

「終わり」は、ある日ぱたっと来るというより、次のような小さな変化として現れることが多いと言われます。

  • 離れる直前に泣いても、離れたあとの立ち直りが早くなる
  • 「行きたくない」と言いながらも、行かない理由を言葉で説明できるようになる
  • 親以外の大人(先生、支援員、習い事のコーチ)に自分から話しかけられる場面が増える
  • 家で「明日どうする?」の話ができる(=先の見通しを持てる)

逆に、期間の長さそのものを心配しすぎる必要はありません。半年かかる子も、1年以上ゆっくり進む子もいます。MSDマニュアル家庭版「分離不安症」でも、正常な分離不安の時期と、支援が必要な状態とは区別して説明されています。

小学生の母子分離不安:原因として挙げられていること

「原因は何ですか」と聞かれることが多いのですが、ひとつに絞れないことがほとんどです。いくつかの要素が重なっているという見方のほうが実態に合います。よく挙げられるものを整理します。

小学生で母子分離不安が強く出るときに、背景として挙げられること
背景よくある具体例家庭でできること
環境の変化入学・進級・転校・クラス替え・担任の交代・席替え・長期休み明け変化の前に「次はこうなるよ」と先の見通しを具体的に伝える
学校での出来事友達とのトラブル、注意された経験、給食・体育・発表など苦手な場面「何があったの」と問い詰めず、時間割のどこがつらいかを一緒に見る
家庭の変化引っ越し、きょうだいの誕生、家族の病気、保護者の仕事の変化変化そのものは避けられなくても、1日のうち10分の「その子だけの時間」を確保する
もともとの気質慎重、初めての場面が苦手、感覚が敏感、完璧にやりたい「弱い」ではなくその子の持ち味として扱う。急がせない
体の不調朝の腹痛・頭痛・吐き気、眠れない、起きられないまず小児科で体の側から確認する。起立性調節障害などが背景にあることもあります
発達特性見通しが立たないと不安が大きい、切り替えが苦手特性そのものが原因というより、環境との相性の問題として考える

ここで強調しておきたいのは、「母親の育て方が原因」という説明には根拠がないということです。分離不安は、そもそも特定の大人と安心できる関係が結べているからこそ生じる反応でもあります。責める方向で原因を探しても、子どもの状態はよくなりません。

今日からできる対応|朝・日中・夜の3つの時間帯で考える

「何をすればいいか」を一度に全部やろうとすると、保護者のほうが先に消耗します。時間帯ごとに1つずつで十分です。

時間帯別・今日からできること
時間帯やってみることやらなくていいこと
(いちばんつらい時間)別れ方を毎日同じ手順にする(ハグ→「◯時に迎えに来るね」→振り返らずに離れる)。所要時間を短く一定に。こっそり抜け出す/「泣かないで」と説得を長引かせる/その場で理由を問い詰める
日中学校・園と連絡の取り方を決めておく(何時にどう伝えるか)。保健室・別室・支援員など、教室以外の居場所を先に確認しておく。1日中スマホを気にして待機する(保護者の消耗が最大の敵です)
翌日の予定を紙かホワイトボードに書き出す。「明日の給食は何か」など、具体的で小さいことでよい。「明日は行けるよね?」と約束を取り付ける/その日できなかったことを振り返る
週末親と離れる練習を成功する短さから始める(5分の留守番、祖父母宅で30分など)。いきなり長時間離す/「もう小学生でしょう」と年齢で説得する

ポイントは「離れる練習を、成功する短さから始める」ことです。失敗する長さで挑戦させると「やっぱりダメだった」という経験が積み上がってしまいます。短くて確実に成功する形を、少しずつ伸ばしていきます。

「うちの子だけ」ではありません(最新の国の調査から)

文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、小・中学校の不登校児童生徒数は353,970人で、児童生徒1,000人当たり38.6人と公表されています。小学校では1,000人当たり23.0人、おおよそ43人に1人という計算です。

同じ調査では、不登校の子について学校が把握した事実として「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」(30.1%)、「生活リズムの不調」(25.0%)、「不安・抑うつの相談があった」(24.3%)が上位に挙がっています。不安を抱えた状態で学校に行きづらくなっている子は、決して例外ではありません。

また、教育機会確保法(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)の第13条では、不登校の子が学校以外の場で行う多様な学習活動の重要性とあわせて、「個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ」と明記されています。休むことは、法律の側からも位置づけられている選択肢です。

📞 迷ったときの相談先(すべて公的・無料)

このセクションの参考資料:国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト」不安症MSDマニュアル家庭版「分離不安症」文部科学省 令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果e-Gov法令検索 教育機会確保法。いずれも2026年8月23日にアクセスを確認しました。本記事は情報提供であり、診断・治療に代わるものではありません。

専門家・星野達郎からのメッセージ

母子分離不安を持つ子どもを見ていると、
私はよくこう思います。

「このお母さん、すごいな」

それは、
子どもが不安を出しても大丈夫な関係性を築いてきたからです。

不安を出せるということは、
「ここなら安心して弱さを見せられる」
という信頼があるということ。

まず大切なのは、
不安をなくそうとすることではありません。

まずは「母も子も安心できる」こと

  • 泣いてもいい
  • 離れられない日があってもいい
  • 進み戻りを繰り返していい

安心は、急いで作るものではなく、積み重ねていくものです。

お母さんが

「この子は大丈夫」
と少しずつ思えること。

その安心が、
必ず子どもにも伝わっていきます。

相談したほうがいいタイミングは?

どこに相談すればいい?——無料で使える窓口から

① まず学校・園に

担任、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー。無料で相談でき、登校の形を一緒に調整できます。

② 自治体の相談窓口

教育相談ダイヤル、子ども家庭支援センター、保健センター。地域の支援につないでもらえます。

③ 医療・専門機関

身体症状が続く、生活に支障が出ているとき。小児科・児童精神科などで相談できます。

相談することは弱さではなく、お子さんを守る選択です。どこに相談すればよいか迷うときは、まず学校か自治体の窓口に「どこに相談できますか」と聞くところからで大丈夫です。

次のような状態が続く場合は、
一人で抱えず、専門機関に相談してみてください。

  • 強い不安が1か月以上続く
  • 身体症状が頻繁に出る
  • 生活に大きな支障が出ている

相談することは、
弱さではなく、子どもを守る選択です。

こんなときは相談を(小児科・児童精神科・スクールカウンセラー)

  • 強い不安が4週間以上続いている
  • 頭痛・腹痛・吐き気などの体の症状をくり返している
  • 登校・登園ができない日が続いている
  • ひとりで眠れない、ひとりで留守番できない状態が続いている
  • 保護者自身が疲れきってしまっている(これも十分な相談理由です)
  • 「離れよう」とすると強いパニックになる

「離れられない」のではなく、「安心が満ちるのを待っている」

一般的な学校は、集団行動、時間割どおりの動き、一斉指示、比較や評価が前提になっています。不安に対するアンテナが高い子ほど、この環境の中で自分を守るために動けなくなることがあります。登校しぶりや母子分離不安として表れるのは、その結果であることがあります。

つまり、学校に行けないことは「不安が強すぎる」ことの証明ではありません。その環境と、その子の感じ方が合っていないという状態です。ここを取り違えると、子どもを変えようとする方向に力がかかってしまいます。

「いつになったら離れられるのか」と気になるときは、見方を変えてみてください。離れられないのではなく、安心が満ちるのを待っているだけであることが多いのです。安心がたまると、子どもは自然と外に向かいます。

そのため、大人ができるのは離れる練習を急がせることではなく、「今日は一緒」「今日は少し離れる」を本人のペースで選べるようにすることです。学校以外の場を使う場合も、この原則は変わりません。オンラインで顔を出さずに参加できる場や、保護者が同席できる場から始める方法もあります。

不登校・発達特性のある子が全国から通っています

「安心」から始められる学びの場があります

母子分離不安や行き渋りのある子も多く在籍。まずは家庭から、安心できる関係づくりを大切にしています。

小学生・中学生

NIJINアカデミー

「ALL HAPPY」を掲げ、自分が幸せになる力・人を幸せにする力を育てる、日本最大級のオルタナティブスクール(小中一貫)。累計1,000名以上が入学。

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高校生

ニジ高(NIJIN高等学院)

ユニークな個性を持つ高校生のための、通信制・高校サポート校。自分のペースで高卒資格と進路をめざせます。

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💬 まずはLINEで気軽に相談する

入会前の相談・見学だけでも大丈夫です。まずはお子さんの様子をお聞かせください。

受診・相談の目安(専門機関の基準から)

「これは普通の甘えなのか、相談したほうがよいのか」——ここがいちばん迷うところだと思います。判断の助けになるよう、専門機関が示している目安を整理しました。これは診断ではなく、相談するかどうかを考えるための材料です。

見るポイント 発達の範囲内でよく見られること 相談を検討したい状態
年齢・時期 生後8〜24か月ごろは、ほぼすべての子に分離不安が見られます。入園・入学など環境が変わる時期の一時的な不安も自然な反応です。 年齢や発達段階から想定されるより、不安が明らかに強い状態が続いている。
続いている期間 数日〜数週間で、少しずつ落ち着いていく。 1か月以上続いている。
暮らしへの影響 登園・登校しぶりはあるが、行ってしまえば過ごせている。 本人が強く苦しんでいる、または生活に大きな支障が出ている。
体のサイン 時々おなかが痛いと言うが、休日は元気。 頭痛・腹痛・吐き気などが繰り返し続く。眠れない日が続く。

※ 右側にあてはまるからといって、すぐ「病気」ということではありません。判断できるのは診察をした医師だけです。気になるときは、かかりつけの小児科、学校のスクールカウンセラー、地域の子育て・教育相談窓口など、話しやすいところから相談してみてください。専門機関では、必要に応じて認知行動療法などの支援が行われています。

つらい気持ちを今すぐ話したいとき(全国共通・24時間)

24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310

お子さんからでも、保護者の方からでも相談できます。お住まいの地域の教育相談センターにつながります。

参考にした資料

  • MSDマニュアル家庭版「分離不安症」(正常な分離不安の時期、受診の目安、治療について/確認日2026-08-21)
  • American Psychiatric Association『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』——分離不安症は「不安症群」に分類され、18歳未満では症状が4週間以上持続していることが診断の要件とされています。
  • 文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」——不登校の状況に関する国の調査

本記事は、公開されている資料と教育現場での実践をもとに作成した情報提供であり、診断・治療の代わりになるものではありません。お子さんの状態は一人ひとり異なります。気になる症状があるときは、医療機関・学校・公的相談窓口にご相談ください。(にじいろの編集方針・監修について

公的な相談窓口・情報(無料で使えます)

「どこに相談すればいいかわからない」ときのために、国の機関が用意している相談窓口と情報をまとめました。いずれも無料で利用でき、まずは話を聞いてもらうところから始められます。

※ リンク先はいずれも各機関の公式サイトです(2026-08-21 時点でアクセスを確認)。掲載内容は各機関により更新される場合があります。

よくある質問|行き渋り・母子分離不安への対応

子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、無理に行かせるべき?

無理に登校させるより、まずは理由を否定せず受け止めることが大切です。行き渋りの背景には母子分離不安や環境の変化などさまざまな要因があり、原因を決めつけずに子どものペースへ寄り添う関わりが、長い目で見て回復の近道になります。休ませるかどうか迷うときは「学校を休みたい」と言われたらもあわせてご覧ください。

小学生の行き渋りは、いつまで続きますか?

続く期間には個人差が大きく、数日で落ち着く子もいれば数か月かかる子もいます。焦らず、家庭を「安心できる基地」にすることが最優先です。少しずつ元気が戻る回復期のサインが見えてきたら、登校以外も含めた次の選択肢を無理のない範囲で広げていきましょう。

母子分離不安は「甘え」なのでしょうか?

甘えではなく、子どもが安心を求める自然な発達過程のひとつです。安心の土台が育つほど、少しずつ自分から離れて行動できるようになります。不登校全体の見取り図と次の一歩は不登校の基礎知識ガイドで整理しています。

お子さんに合う「学びの場・居場所」を探しませんか?

NIJINアカデミーは、不登校の小中学生が「好き」から学びを広げるオンラインの居場所です。無料体験やLINEで気軽にご相談ください。

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学校に行けない毎日は、不安でいっぱいですよね。でも、その先の道はいくつもあります。今の気持ちに近いものから、そっとのぞいてみてください。

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まとめ|母子分離不安は「ダメなサイン」ではない

  • 母子分離不安は多くの子が経験する自然な反応
  • 不安は自己防衛の力
  • 不安に敏感なのは「感じる力」があるから
  • そしてそれは、お母さんのちゃんと子どもと関わってきた積み重ね

まずは、
母も子も安心していい。

そこから、少しずつ前に進けば大丈夫です。

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