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場面緘黙症の子は天才?「頭がいい」と言われる理由と、才能を伸ばすために親と学校ができること

2026 10/16
専門家コラム タツロー校長
2026年7月13日2026年10月16日
場面緘黙症の子どもの才能を伸ばす!親ができることは「できること」に目を向けた支援

この記事は「場面緘黙症の子どもの才能を伸ばす!親ができることは「できること」に目を向けた支援」と題してお届けしていきます。

場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)の子どもは、家族や親しい友人とは気軽に話せるのに、特定の場面で言葉が出なくなるということがあります。

誤解されることも多いのですが、自分の意思で「話さない」のではなく、話したくても「話せない」という状態です。

一方で、話し言葉以外の場面で力を発揮する子どももいます(得意・不得意は一人ひとり違います)。

大切なのは、「話せないこと」に注目するのではなく、「できること」を伸ばしていくことです。

本記事では、場面緘黙症の子どもの特徴を理解しながら、親ができることについて詳しく解説します。

▲不登校オルタナティブスクール小中一貫校『NIJINアカデミー』星野達郎が解説!▲

星野達郎

本人も基本的には喋りたいのに、言葉が出ないんだよね。

目次

結論:場面緘黙症の子は「天才」なのか(早見)

答え:「場面緘黙症の子には天才が多い」という医学的な根拠はありません。ただし、話せないことと、その子の力や可能性は別のものです。

  • 場面緘黙は「話す力がない」状態ではありません。家では話せるのに、学校など緊張が強い場面で話せなくなる状態で、文部科学省の資料では不安症の一つ(選択性かん黙)として整理されています。
  • 「頭がいい」「天才」と言われやすいのは、①話さない分まわりをよく見ていて、気づきが鋭く見える ②絵・文章・工作・プログラミングなど、話し言葉以外で力を出しやすい ③家での姿と学校での姿のギャップが大きい、といった理由が考えられます。
  • 「天才だから大丈夫」も「話せないから何もできない」も、どちらも子どもを苦しめます。見るべきは、その子が安心して力を出せる場面です。
  • 学校で受けられる支援があります。国の通知(25文科初第756号)は、通級による指導(情緒障害)と自閉症・情緒障害特別支援学級の対象に「選択性かん黙等」を明記しています(対象基準の表へ)。

※「場面緘黙症」の診断は医師が行います。家庭以外の場面で話せない状態が1か月以上続き、生活に支障がある場合は、担任・スクールカウンセラー・医療機関に相談を。つらさが強いときは24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(無料)。

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「天才」「頭がいい」と言われる理由と、実際に分かっていること(比較表)

ネットでは「場面緘黙の子は天才」「頭がいいから話さない」といった言葉が見られます。よく言われることと、国の資料で確かめられることを並べました。

場面緘黙症についてよく言われることと、実際に分かっていること
よく言われること実際に分かっていること家庭・学校でのヒント
場面緘黙の子は天才が多い「天才が多い」という医学的な根拠はありません。得意・不得意は一人ひとり違います。「天才かどうか」より、その子が夢中になれることを具体的に見つける
頭がいいから、わざと話さない話したくても話せない状態です。文部科学省の「教育支援の手引」は、不安症の一つとして選択性かん黙を挙げています。「なんで話さないの」と問い詰めない
話せない=わかっていない話せるかどうかと、理解しているかどうかは別です。発語だけで理解や学力を判断しないことが大切です。筆談・タブレット・うなずき・指さしで確かめる
話せるように練習させればよい同じ手引は、周囲が「話さないこと」だけに着目し過ぎると、何とか話させようという働きかけが多くなることに注意を促しています。まず緊張をやわらげる。話すことをゴールにしない
学校では特別な支援は受けられない通級による指導(情緒障害)と自閉症・情緒障害特別支援学級の対象に、「選択性かん黙等」が国の通知で明記されています。担任・特別支援教育コーディネーター・教育委員会の就学相談へ
発達障害の制度とは関係ない発達障害者支援法の対象は、国の通知でICD-10の「F80〜F89」「F90〜F98」に含まれる障害とされ、選択性緘黙(F94.0)はF90〜F98の群に含まれます。地域の発達障害者支援センターにも相談できる

出典:文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」情緒障害の章(令和3年)/文部科学省「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」25文科初第756号/発達障害者支援法の施行についての通知(文部科学事務次官・厚生労働事務次官)

場面緘黙症とは?

場面緘黙症

まずは場面緘黙症についての基本を押さえておきましょう。

場面緘黙症の定義と特徴

場面緘黙症とは、特定の場面において話したくても話せなくなる症状のことを指します。

これは単なる「恥ずかしがり屋」や「内気」とは異なり、心理的な要因によって言葉が出なくなる状態です。

場面緘黙は、以下のように定義されています。

場面緘黙は、脳の損傷や先天的異常などの不可逆的・恒久的な器質障害ではなく、社交不安症 (social anxiety disorder) の一つとして考えられる症状である。

引用:日本場面緘黙研究会

場面緘黙の診断基準としては、まず家庭などでは話すことができるが、学校などの社会的な場で1ヶ月以上にわたって話すことができず、社会生活に影響を及ぼしている状態

引用:リタリコジュニア場面緘黙(選択性緘黙)とは?

場面緘黙症の子どもには、以下のような行動が見られます。

  • 家庭では普通に話せるが、学校では無言になる
  • 先生に質問されても答えられない
  • 特定の友達とは話せるが、大勢の前では話せない

場面緘黙症の発症時期

場面緘黙症(選択性緘黙症)は、主に2~5歳ごろに発症する傾向があります。

ただし、小学校や中学校以降に症状が現れるケースもあります。

なぜ学校では場面緘黙症が目立ってしまう?

場面緘黙症

場面緘黙症の子どもは、家庭外での社会的な活動が増える幼児期から小学校低学年の頃に気付かれることが多い疾患です。

それでは、なぜ学校では場面緘黙症が目立ってしまうのかについて解説していきます。

学校は口頭的コミュニケーションが非常に多いから

学校は会話によるコミュニケーションが重要視されています。

本来コミュニケーションには、表情やジェスチャーなど様々なものがあります。

にもかかわらず、学校では「うまく喋れる」「人と会話ができる」ことを最上位のコミュニケーションとして位置付けていることがあげられます。

先生の質問に口頭で答えられないことは、とても恥ずかしいことのように感じられてしまう学校特有の文化があります。

同質性が高い集団の中で目立ってしまうから

学校のクラスメイトは、同じ年齢、同じ地域で集まったという同質性の高い集団です。

そこで話せる子がほとんどの中で話せない子がいると、「なんで話さないの?」と思われてしまう傾向にあります。

人間には本能的に違いを見つける能力があるので、違いに気づくことは子どものせいではありません。

もし仮に、場面緘黙症の子が40人いて、話せる人が1人だったら、話せる子の方が目立つでしょう。

話せる子は、話せないことが理解できないこともしばしば。

親切に話しかけているつもりだったのに、返事がないと無視されたと傷ついてしまうこともあるかもしれません。

例えばクラスメイトが色んな地域の人、異年齢の人など色々な特徴を持っていると、自分と違うことが当たり前ととらえることができるようになります。

このように日本の学校は同質性が高いので、どうしても目立ってしまうということがあるようです。

場面緘黙症の子どもが持つ才能と伸ばし方

場面緘黙 音楽

場面緘黙症の子どもの中には、言葉以外の面で力を発揮する子もいます。「場面緘黙だから才能がある」という意味ではなく、話せないことに隠れて見落とされやすい力に目を向けよう、ということです。

親は「話せないこと」ではなく、「できること」に目を向け、子どもの可能性を広げるサポートをしていくことが大切です。

観察力や分析力が高い

話さない分、周囲の状況をよく観察し、細かい変化に気づく子もいます。

この能力は、研究や分析が求められる分野で活かせる可能性があります。

また、物事をじっくり考えることが得意な子もいます。

創造的な表現が得意

言葉ではなく、絵や文章、音楽などを通じて自己表現するほうが気持ちを出しやすい子もいます。

例えば、自由にイラストを描いたり、物語を書いたりすることで、自分の気持ちを伝えやすくなることがあります。

音楽やダンスを通じて感情を表現することも、心の安定につながるでしょう。

集中力があり、一つのことに没頭できる

好きなことに対して強い集中力を発揮することが多く、プログラミングやアート、デザインなどの分野で才能を伸ばせる可能性があります。

特に、細かい作業が得意な子どもは、ゲーム制作やプログラミングに興味を持つ子もいます。

場面緘黙症の子どもの才能を伸ばすために親ができること

場面緘黙 アート

場面緘黙症の子どもの才能を伸ばすために、親ができる具体的な支援方法を紹介します。

創造力を活かす活動を取り入れる

自由に絵を描いたり、日記や物語を書くことで自己表現を促せます。

また、音楽やダンスなど、言葉を使わない表現方法を取り入れることで、自己肯定感を高めることができます。

得意なことを伸ばす機会を増やす

アートやデザインに興味がある場合は、コンテストへの参加を促すのも良い方法です。

文章を書くのが好きなら、創作活動をサポートしたり、オンラインで作品を発表する機会を作るのも効果的です。

また、プログラミングやゲーム制作が得意な場合は、ロボット教室やオンライン講座を活用すると良いでしょう。

言葉以外のコミュニケーションを大切にする

ジェスチャーやアイコンタクトを活用したり、絵カードや手紙を使ったやりとりを取り入れることで、子どもが自信を持てるようになります。

無理に話させようとせず、子どものペースを尊重することが何よりも重要です。

安心できる環境を整える

子どもが安心して過ごせる環境を作ることで、自己表現の幅が広がります。

家庭ではリラックスできる空間を整え、学校では先生と連携して適切なサポートを受けられるようにしましょう。

学校で受けられる支援:通常の学級・通級・特別支援学級の対象基準(文部科学省)

場面緘黙(選択性かん黙)は、学校の「特別支援教育」の対象に含まれています。どの学びの場が合うかは、話せない場面の広さや、生活への影響の大きさで変わります。国の通知が示している対象の基準は次のとおりです。

選択性かん黙のある子どもの学びの場(25文科初第756号・教育支援の手引より)
学びの場国の通知が示す対象(選択性かん黙の場合)受けられる支援の例
通常の学級(配慮)通常の学級に在籍しながら、学校に合理的配慮を相談する発表を筆談・録音・作文で代える、指名の仕方を工夫する、話せる相手を介して伝える
通級による指導(情緒障害)「主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので,通常の学級での学習におおむね参加でき,一部特別な指導を必要とする程度のもの」普段は通常の学級で学び、週に数時間、別の教室で緊張をやわらげる指導や、話す以外の伝え方の練習を受ける
自閉症・情緒障害特別支援学級「主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので,社会生活への適応が困難である程度のもの」少人数の学級で、安心できる関係づくりから段階的に学ぶ

手引は、選択性かん黙のある子どもにとって学級担任の存在そのものが大きな環境因子になること、かん黙の状態になった時期や要因によって中心となる指導課題が変わることにも触れています。担任の先生と「どんな場面なら少し安心できるか」を具体的に共有しておくと、支援が進みやすくなります。

学校や社会でのサポート:場面緘黙症の子どもが安心できる環境づくり

場面緘黙 タブレット

学校や社会では「話すこと」が重要視されがちですが、場面緘黙症の子どもが安心できる環境を作ることが何より大切です。

そのために、親や周囲の大人ができることを考えましょう。

学校の先生と連携して支援を考える

学校の先生と連携し、子どもに無理のない支援を行うことが大切です。

例えば、先生が「話さなくてもいい環境」を作ることで、子どもが安心して授業を受けられるようになります。

最近では、タブレットでの文字での書き込みなど、話す以外のコミュニケーションも可能になりつつあります。

発表の方法を工夫し、負担を減らす

授業で発表が必要な場合は、本人に合った方法を考えましょう。

例えば、口頭ではなく、事前に録音した音声を流す、作文を提出するなどの工夫ができます。

子どもに合った友人関係のサポートをする

子どもにとって安心できる友人関係を作ることも重要です。

無理に多くの友達を作るのではなく、理解のある友達と関係を深めることが大切です。

学校に頼める配慮の具体例(そのまま伝えられる言い方つき)

場面緘黙の子が学校でつまずくのは、能力が足りないからではなく「声を出す」ことが評価の前提に組み込まれている場面です。逆に言えば、その前提を1つずつ外せば力は出せます。下の表は、保護者から実際によく挙がる場面ごとに「何を頼めばよいか」と「先生にどう言えば通りやすいか」をまとめたものです。配慮は特別扱いではなく、学校教育法や特別支援教育の枠組みのなかで検討されるものです(文部科学省「特別支援教育」)。

つまずく場面起きていること頼める配慮の例先生に伝える言い方の例
音読・発表内容は分かっているが声が出ない家庭で録音した音声の提出、書面での提出に代える「内容は理解できています。声以外の形で確かめていただけませんか」
出席確認の返事毎朝ここで固まり、1日中こわばる挙手・うなずき・カードを出すなど声以外の合図にする「返事の代わりに手を挙げる形にしていただけると助かります」
国語・英語の口頭評価実力より低く評価されてしまう筆記・録音・個別の場での実施に代える「評価の方法を変えることはできますか。実力を見ていただきたいです」
トイレ・体調不良を言えない我慢して腹痛や欠席につながる黙って渡せるカードを決めておく「カードを見せたら通してもらう、と決めさせてください」
グループ活動役割分担の話し合いに入れない記録係・作図係など書く役割を先に割り当てる「役割を先に決めておいていただけると参加しやすいです」
面談・相談本人が困りごとを言えない事前に本人が書いた紙を渡し、先生はそれを読む「本人が書いたものをお渡しします。これを本人の言葉として扱ってください」
場面別に頼める配慮と、担任に伝えるときの言い方の例。

相談先が学校内で行き詰まったときは、通級指導教室や特別支援教育コーディネーターに話をつなげてもらえます。制度上の位置づけは文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」、情緒面の困難に関する研究資料は国立特別支援教育総合研究所で公開されています。場面緘黙は「わがまま」でも「性格」でもなく、不安に関連する状態として医学的に扱われます(国立精神・神経医療研究センター)。診断や治療の判断は医療機関で行われるもので、この記事は診断を行うものではありません。保護者どうしで情報を得たい場合はかんもくネットのような当事者・家族の団体もあります。

話さないままでも力を出せる場面のつくり方

「話せるようになってから」を待つと、力を見せる機会そのものが何年も失われます。先に力を出せる場をつくり、そこで自信がついた結果として声が出る、という順番のほうが現実的です。

出し方向いている子のサイン家庭でできる第一歩
書く(作文・日記・チャット)家では饒舌、文字にすると長く書ける親子のやりとりを1日1往復だけ文字にしてみる
描く・つくる黙々と手を動かす時間が長い完成物を家族以外の誰か1人に見せる機会をつくる
オンライン(チャット中心)画面越しだと反応が早い顔と声を出さずに参加できる場を1つ試す
録音・録画その場では無理でも、一人なら声が出る家で撮ったものを提出物として学校に渡す
1対1相手が1人だと少し声が出る人数を増やさず、同じ相手で回数を重ねる
声を使わずに力を出す5つの方法と、家庭での第一歩。

とくにオンラインは、場面緘黙の子にとって最初の一歩になりやすい環境です。NIJINアカデミーのメタバース校舎は顔や声を出さずにチャットだけで参加できるため、「教室には入れないが、学ぶことはしたい」という段階の子が通い始める例が多くあります。在籍校と連携して出席扱いを相談することもできます。どんな雰囲気かは無料の相談・体験会で実際に見ていただくのが早く、高校段階を考えている場合はニジ高(NIJIN高等部)もあります。

いますぐ誰かに聞いてほしいときは、24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(文部科学省)が子ども本人でも保護者でも無料・匿名で使えます。保護者自身がつらいときは厚生労働省「まもろうよ こころ」へ。

まとめ:場面緘黙症の子どもの才能を伸ばすために親ができること

ハートの花束

この記事は「場面緘黙症の子どもの才能を伸ばす!親ができることは「できること」に目を向けた支援」と題してお届けしてきました。

場面緘黙症の子どもは「話せない」ことで誤解されがちですが、話せないことと、その子の力や可能性は別のものです。

親ができることは、子どもの才能に目を向けること。

子どもの自己肯定感を高めるサポートをしていきましょう。

NIJINアカデミーでは、下記のような理由で場面緘黙の子どもものびのびと過ごせています。

  • 異なる特性を持つ子どもが多く集まるため、多様性が当たり前になっている。
  • 違いを受け入れる環境が整っているため、場面緘黙症の子が特別視されにくい。
  • 文字でのコミュニケーションも多いため、場面緘黙症の子が特別視されにくい。

学校では目立って、委縮してしまう…という場合は、お子さんが輝ける他の居場所を探してみるのも良いかもしれません。

お子さんの素晴らしい才能を潰すことなく、ぜひ大切に育てていきましょう!

家庭での関わり方を整理:やってみたい関わり/避けたい関わり

ここまでお伝えしてきた「できることに目を向ける」「子どものペースを尊重する」という考え方を、家庭での関わり方として表に整理しました。あくまで一般的な目安であり、お子さんの様子に合わせて調整してください。うまくいかない日があっても、親御さんの関わり方が悪いわけではありません。

場面 やってみたい関わり 避けたい関わり
話すこと 話せるペースを尊重し、話さなくてもよい安心できる雰囲気をつくる 無理に話させようとしたり、「なんで話さないの」と問い詰める
気持ちの伝え方 ジェスチャー・アイコンタクト・絵カード・手紙など言葉以外のやりとりを取り入れる 口頭での返事だけを求める
得意なこと 絵・文章・音楽・プログラミングなど「できること」に目を向けて伸ばす 「話せないこと」ばかりに注目してしまう
まわりとの比較 その子自身のペースや成長を見る 話せる子と比べて焦らせる

※本文で紹介した関わり方を整理した一般的な目安です。合う・合わないには個人差があります。

場面別サポート早見表

場面 サポートの例(本文より)
家庭 リラックスできる空間を整える。絵・日記・物語・音楽・ダンスなど言葉を使わない自己表現の機会をつくる
学校(授業) 先生と連携し「話さなくてもよい環境」を用意する。タブレットでの文字入力など話す以外の方法も取り入れる
発表の場面 事前に録音した音声を流す、作文を提出するなど、本人に合った方法で負担を減らす
友人関係 無理に友達を増やそうとせず、理解のある友達との関係をゆっくり深める

※学校での配慮は、担任の先生やスクールカウンセラー、専門機関と相談しながら、お子さんに無理のない範囲で進めてください。

この記事の内容を確かめるための一次資料

発達障害の話は、ネット上に断定的な情報があふれています。診断や支援の枠組みは公的機関が定義しているものなので、判断に迷ったときは一次資料に戻るのがいちばん確実です。とくに支援級・通級の仕組みは自治体で運用が違うため、制度の原文を知っておくと学校との話が具体的になります。

下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。

このテーマに関わる公的資料
資料何がわかるか
国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害情報・支援センター」特性の定義と支援の基本。全国の支援センター一覧
文部科学省「特別支援教育」通級・支援級・支援学校の制度と対象の考え方
国立精神・神経医療研究センター医学的な情報と研究の一次情報
文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」小中の不登校353,970人。全国の最新の実数
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針
同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合)教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件
同 別記2(自宅でICT等を活用した学習)自宅学習を出席扱いにする7つの要件
文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件
文部科学省「COCOLOプラン」誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策
文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」全国1,045市区町村の公式相談窓口
教育機会確保法(e-Gov法令検索)第13条が「休養の必要性」を条文で認めている
こども家庭庁「子育て支援」子育て世帯が使える支援制度の全体像
国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料

学校に相談するときの進め方

1

① 支援の目標をすり合わせる

「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。

2

② 具体的な場所を挙げる

「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。

3

③ 出席扱いの要件を一緒に確認する

「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。

4

④ 決めたことを記録に残す

面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

制度をもっと詳しく

教育支援センター(適応指導教室)とは|教育機会確保法とは|学びの多様化学校とは(全84校)|フリースクールとは|どこに相談すればいい?5つの相談先

「話さなくても参加できる」学び場という選択肢

学校で話せない状態が続き、教室にいること自体が大きな負担になっているときは、在籍校に籍を置いたまま、学校の外で学ぶ方法もあります。

にじいろを運営する株式会社NIJINのオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」のメタバース校舎は、公式FAQによるとカメラをオフにしたままでも、チャットだけでも、見ているだけでも参加できます。はじめは保護者が隣で付き添う形でも問題ないとされています。活動を在籍校の出席扱いとして認められた割合は97%(2026年4月時点・公式サイト)です。

無料の相談・体験会を予約するLINEで気軽に相談する

通える場所で探したい方は全国のリアル教室一覧、高校生はニジ高(NIJIN高等学院)も。

場面緘黙についてよくある質問(FAQ)

Q. 場面緘黙症の子は、本当に天才が多いのですか?
「天才が多い」という医学的な根拠はありません。話さない分まわりをよく観察していたり、絵や文章など話し言葉以外で力を出しやすかったりするため、「頭がいい」と感じられることはあります。ただ、得意・不得意は一人ひとり違います。「天才かどうか」ではなく、その子が安心して力を出せる場面を増やすことを大切にしてください。
Q. 場面緘黙で、通級や特別支援学級は利用できますか?
利用を検討できます。文部科学省の通知(25文科初第756号)は、通級による指導(情緒障害)と自閉症・情緒障害特別支援学級の対象に「主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもの」を明記しています。どちらが合うかは生活への影響の大きさで変わるため、担任の先生や教育委員会の就学相談で相談してください。
Q. 場面緘黙は「甘え」や「わがまま」なのでしょうか?
いいえ、甘えやわがままではありません。本文でも触れたとおり、自分の意思で「話さない」のではなく、話したくても「話せない」状態です。社交不安症の一つとして考えられており、お子さん本人にも、育て方にも原因を求めるものではありません。「なんで話さないの」と責めず、話せない気持ちをそのまま受けとめてあげてください。
Q. どのくらいの状態になったら相談したほうがよいですか?
診断は専門家が行うものですが、一般的な目安として、家庭では話せるのに学校など特定の場面で1か月以上話せない状態が続き、生活に影響が出ている場合は、一人で抱え込まず相談することがすすめられています。まずは担任の先生やスクールカウンセラー、お住まいの地域の相談窓口や、記事末尾に挙げた支援団体・研究会の情報を活用してみてください。早い・遅いを気にしすぎる必要はありません。
Q. 学校にはどんな配慮をお願いできますか?
本文で紹介したように、「話さなくてもよい環境」をつくってもらう、タブレットでの文字入力など話す以外の方法を認めてもらう、発表を録音音声や作文で代替してもらう、といった工夫が考えられます。まずは先生と連携し、お子さんに無理のない方法を一緒に相談していくとよいでしょう。
Q. 家では話せるのに学校で話せないのはなぜですか?
学校は口頭でのコミュニケーションが多く、同じ年齢・地域の同質性が高い集団のなかで「話せないこと」が目立ちやすい場です。家庭という安心できる場では話せても、緊張しやすい場面では言葉が出にくくなる、と本文では説明しています。話せないのはお子さんのせいでも、家庭のせいでもありません。

相談先・信頼できる情報源(一次情報)

📖 場面緘黙について、支援団体や公的機関の情報も確認できます

  • かんもくネット「場面緘黙とは」(当事者・家族の支援団体。保護者向けの資料やリーフレットも公開)
  • 日本場面緘黙研究会「場面緘黙について」(研究者による場面緘黙の解説)
  • 文部科学省「特別支援教育」(学校での配慮・支援を考えるときの制度情報)

診断や治療、具体的な支援の判断は、医療機関・専門家や学校とご相談ください。上記は情報収集の入り口としてご活用ください。

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