いま、とてもつらい人へ
この記事を読む前に、話せる場所があります。あなたが悪いから休みたいのではありません。
- 24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(24時間・無料。名前を言わなくても大丈夫です)
- こどもの人権110番 0120-007-110(法務局・平日8:30〜17:15)
- チャイルドライン(18歳までの子どものための電話・チャット)(18歳まで・電話とチャット。話さずに聞いてもらうだけでも大丈夫です)
「学校を休みたい」と言ったのに、親が許してくれない。「甘えるな」「行けばなんとかなる」と言われて、それ以上言えなくなった。——この記事は、そう感じている子ども本人と、「休ませていいのか」で迷っている保護者の両方に向けて書いています。

結論:休みたいと思うのは、体からの合図です
| よく言われること | 実際のところ |
|---|---|
| 休みたいのは甘えだ | 「休みたい」は多くの場合、体と心が先に限界を知らせている合図です。気持ちより先に、腹痛・頭痛・吐き気として出ることもあります |
| 1日休むと癖になる | 国の通知は「登校という結果のみを目標にしない」と明記しています(文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日)。休むことと将来が閉じることは、別の話です |
| 親が許さないなら仕方ない | 親以外にも相談先があります。学校のスクールカウンセラー、24時間子供SOSダイヤル、こどもの人権110番——親を通さずに使えます |
| 理由をちゃんと説明できないと休めない | 理由が言葉にならないことは、よくあります。「わからないけどしんどい」も、立派な状態の説明です |
言えないとき、体のほうに先に出ます
「休みたい」と口に出せないとき、多くの子は体の症状としてサインを出します。本人も仮病だと思っていることがありますが、実際にはそうではないことがほとんどです。
| サイン | 特徴 | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| 朝の腹痛・頭痛 | 平日の朝に出て、休みの日には出にくい | 「仮病」ではありません。ストレスによる身体反応として実際に痛みます |
| 吐き気・食欲不振 | 登校前や日曜の夕方に強くなる | 「サザエさん症候群」と呼ばれる状態と同じ仕組み |
| 眠れない・起きられない | 夜になると目が冴え、朝は起き上がれない | 生活リズムの乱れとして片づけず、不安が背景にないかを見る |
| 言葉が減る | 学校の話をしなくなる/「べつに」が増える | 元気になったのではなく、諦めていることがあります |
| きょうだいや親に強く当たる | 外で抑えた分が、安全な家で出る | 「反抗期だから」で終わらせない |
保護者の方へ
「学校に行くと言えば痛くなくなる」ことがあるため、仮病を疑ってしまいがちです。しかしストレスによる腹痛や頭痛は、実際に痛みが生じています。行かなくてよいと決まった瞬間に緊張が解けて楽になるのは、仮病の証拠ではなく、原因がその場面にあることの証拠です。
親が許してくれない――その理由を分解する
親が「休ませない」と言うとき、その裏にあるのはたいてい怒りではなく、不安です。何を不安に思っているかがわかると、伝える言葉が変わります。
| 言われること | 親が本当に心配していること | 有効な返し方 |
|---|---|---|
| 甘えるな | このまま行けなくなるのではないか | 「明日行くために、今日休みたい」——期限を区切ると通りやすくなります |
| 行けばなんとかなる | 自分もそうやって乗り越えたから、と信じている | 「行ってみたけど、教室に入ると体がこうなる」——事実を具体的に伝える |
| 勉強が遅れる | 将来が不利になるのではないか | 「休んでる間、これはやる」と1つだけ決めて示す |
| 理由を言いなさい | 理由がわからないから、対処のしようがない | 「まだ言葉にできない。でもしんどい」でよい。無理に理由をつくらない |
| 先生に迷惑がかかる | 学校との関係が悪くなることを恐れている | 「スクールカウンセラーに相談したい」——第三者を挟む提案は通りやすい |
親に伝えるための言葉(そのまま使えます)

伝える順番
「気持ち」から入ると「気の持ちよう」と返されやすいので、「朝になるとおなかが痛くなる」のように体のことから話します。
「もう行かない」ではなく「今日だけ休ませてほしい」。全部か無かにしないほうが、親も判断しやすくなります。
「休んでる間に、ここまではやる」と1つだけ決めて言う。親の不安のかなりの部分がここにあります。
「スクールカウンセラーに話してみたい」。親を説得しきれなくても、この提案は通ることが多いです。
口で言えないなら手紙やメッセージでかまいません。face to faceで言えないことは、たくさんあります。
どうしても伝わらないときは
親を経由しない相談先があります。24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は24時間・無料で、名前を言わなくてもかけられます。学校のスクールカウンセラーにも、自分から予約できる学校が多くあります。チャイルドライン(18歳までの子どものための電話・チャット)は、電話でもチャットでも話せます。だれかに話すことは、親を裏切ることではありません。
保護者の方へ:休ませることは、甘やかしではありません
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日は、不登校児童生徒への支援について「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指す必要があると明記しています。これは国が出している通知です。
| 資料 | 要点 |
|---|---|
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日 | 登校という結果のみを目標にしない。学校外の施設での学習も、要件を満たせば校長判断で出席扱いにできる |
| 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育機会確保法/e-Gov法令検索) | 学校以外の場における多様で適切な学習活動の重要性に鑑み、支援を行うことを国と自治体の責務としている |
| 文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」 | 「誰一人取り残されない学びの保障」。学びの多様化学校の全国設置、校内教育支援センターの拡充などを進めている |
| 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」 | 令和6年度、小・中学校の不登校児童生徒数は約35万4千人(過去最多)。特別な家庭で起きていることではない |
休ませると決めたあとに、いちばん大事なこと
休ませた日に、理由を問い詰めないでください。本人も理由がわからないことが多く、追及されると「言えない自分が悪い」と感じてしまいます。
代わりに、「今日は休んでいい。何時に起きても怒らない」とだけ伝えてください。休みが「罰」や「気まずい時間」になると、回復に必要な安心が生まれません。
休んだ日を、どう過ごすか
| やらないほうがよいこと | 理由 | 代わりにできること |
|---|---|---|
| 1日じゅう理由を聞き続ける | 追及されるほど言葉が出なくなる | 同じ部屋で、別のことをしながら過ごす |
| 「明日は行くよね」と確認する | 翌日の朝が「約束を破る朝」になってしまう | 明日のことは、その日の夜に決める |
| ゲーム・動画を全面禁止にする | 唯一残っていた回復手段を取り上げることになる | 時間帯だけ一緒に決める(夜だけ、など) |
| 何もさせない | 「自分は何もしていない」という罪悪感が強まる | 家の手伝いを1つだけ頼む。役割があると気が楽になります |
| 家に閉じこもる | 昼夜逆転につながりやすい | 夕方に散歩、買い物に一緒に行く程度でも違います |
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休みが続いたときの選択肢
数日で戻れることもあれば、そうでないこともあります。戻ることだけを目標にしないほうが、結果的に早く落ち着きます。
| 選択肢 | 中身 | 費用 | 出席の扱い |
|---|---|---|---|
| 校内の別室・校内教育支援センター | 教室以外の場所で過ごす。COCOLOプランで設置が進んでいる | 無料 | 通常どおり出席 |
| 教育支援センター(適応指導教室) | 教育委員会が設置する公的な通所の場 | 原則無料 | 在籍校の校長判断で出席扱いになる運用が一般的 |
| フリースクール・オルタナティブスクール | 民間の学びの場。クラスという固定の集団がない | 月2万〜5万円程度が中心 | 要件を満たせば校長判断で出席扱いになりうる |
| オンラインの学びの場 | 自宅から参加できる | 月1万〜3万円程度が中心 | 同上 |
| 学びの多様化学校 | 不登校の子ども向けの特別の教育課程を編成した学校 | 公立なら無料 | 在籍そのものが学校 |
どれを選ぶにしても、いちばん最初にやることは「見学」です。決めてから行くのではなく、見てから決めてください。合わなかったら次を見ればいい、という前提で動くほうが、本人の負担が軽くなります。
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オンラインフリースクールおすすめ比較|外に出るのがまだ難しい時期に。
学校の外で学んでいる子どもたち
ここまでは制度の話でした。ただ、保護者の方がいちばん知りたいのは「実際にその子はどうなったのか」だと思います。NIJINアカデミーに通う子どもたちと保護者の話を、そのまま記事にしています。
実際に通っている子どもたち・保護者の話
校長・星野達郎が解説している動画
「行きたくない」の裏側で起きていること
NIJINアカデミー校長・星野達郎が、現場で見てきたことをもとに話しています。保護者の方に見ていただきたい内容です。
学校以外の場所を、見るだけ見てみたいなら
NIJINアカデミーには、朝起きられない時期を経て通いはじめた子が全国にいます。オンラインが中心なので、外に出るのがまだ難しくても参加できます。無料の体験・オンライン説明会は、入会を決めていなくても参加できます。
NIJINアカデミー
「ALL HAPPY」を掲げる小中一貫のオルタナティブスクール。累計1,000名以上が入学し、在籍校と連携した97%の出席認定率を公表しています。
相談できるところ(すべて公的・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(24時間・全国共通・無料。子ども本人からも保護者からもかけられます)— 文部科学省「子供のSOSの相談窓口」(24時間子供SOSダイヤル)
- こどもの人権110番 0120-007-110(法務局・平日8:30〜17:15)— 法務省「こどもの人権110番」
- チャイルドライン(18歳までの子どものための電話・チャット)(18歳まで・電話とチャット)
- 厚生労働省「こころもメンテしよう」困ったときの相談先(保護者・大人が使える相談先)
- 学校のスクールカウンセラー、市区町村の教育相談室、教育支援センター(適応指導教室)
よくある質問
1日休んだら癖になりますか?
そうとは限りません。むしろ、限界まで我慢して動けなくなるほうが、回復に時間がかかります。文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日も、支援の目標を「登校という結果のみ」に置かないよう求めています。1日休むかどうかより、休んだ日をどう過ごすかのほうが影響します。
親が絶対に休ませてくれません。どうすればいいですか?
親以外に相談できます。24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は24時間・無料で、名前を言わなくてもかけられます。学校のスクールカウンセラーにも自分から予約できる学校が多いです。こどもの人権110番(0120-007-110)もあります。だれかに話すことは、親を裏切ることではありません。
理由がうまく説明できません。それでも休んでいいですか?
いいです。理由が言葉にならないことは、よくあります。「わからないけどしんどい」も状態の説明です。無理に理由をつくると、あとでその理由に縛られてしまうことがあります。
休むと勉強が遅れませんか?
遅れることはあります。ただ、体調を崩したまま教室にいても、内容は入ってきません。「休んでいる間、これだけはやる」を1つだけ決めると、親も本人も安心できます。学校外での学習が出席扱いになる仕組みもあります(校長判断)。
保護者です。休ませたあと、いつ「行こう」と言えばいいですか?
こちらから期限を切らないほうが、結果的に早く動きます。「明日は行くよね」と確認すると、翌朝が「約束を破る朝」になってしまいます。本人が話し始めるのを待ち、そのあいだに学校外の選択肢を保護者のほうで調べておく、という進め方をおすすめします。
学校にはどう連絡すればいいですか?
「本人の体調がすぐれないため休ませます」で十分です。理由を細かく説明する義務はありません。休みが続きそうなときは、スクールカウンセラーとの面談を保護者から申し込むと、学校側との窓口ができて楽になります。
ずっと休んだら、進学できなくなりますか?
そうとは限りません。学校外での学習が出席扱いになる仕組みがあり、高校入試での欠席日数の扱いも都道府県によって異なります。不登校の生徒向けの選抜枠を設ける自治体も増えています。まずは在籍校と、志望する都道府県の入学者選抜実施要項を確認してください。
まとめ
- 「休みたい」は、多くの場合体と心が先に出している合図です。腹痛や頭痛として出るのは仮病ではありません。
- 親が許さないとき、その裏にあるのは怒りではなく不安です。体のことから話し、期限を区切り、学びを止めないと伝えると通りやすくなります。
- 親を通さずに相談できる場所があります。24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310、こどもの人権110番 0120-007-110、チャイルドライン。
- 国の通知は「登校という結果のみを目標にしない」と明記しています。休ませることは甘やかしではありません。
- 休みが続いたときの選択肢は、校内の別室/教育支援センター/フリースクール/オンライン/学びの多様化学校。まず見学から。
学校に行くことは、生きていくための手段のひとつです。手段のために、その子が壊れてしまっては本末転倒です。いま止まることは、この先を長く歩くための判断になりえます。
参考にした資料
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日
- 文部科学省「不登校の児童生徒等への支援の充実について(通知)」令和5年11月17日
- 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育機会確保法/e-Gov法令検索)
- 文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」
- 文部科学省「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」(PDF)
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」
- 文部科学省「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」及び文部科学大臣メッセージ
- 文部科学省「子供のSOSの相談窓口」(24時間子供SOSダイヤル)
- 法務省「こどもの人権110番」
- チャイルドライン(18歳までの子どものための電話・チャット)
- 厚生労働省「こころもメンテしよう」困ったときの相談先
- 文部科学省「いじめの問題に対する施策」
- 文部科学省「いじめ問題を含む子供のSOSに対する文部科学省の取組」
- いじめ防止対策推進法(e-Gov法令検索)
- 国立教育政策研究所
上記URLはすべて2026年8月25日にアクセスを確認しました。本記事は情報提供であり、個別の状況への助言や、診断・治療に代わるものではありません。
