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「不登校はずるい」と言われても、本人に理由の説明を強要する必要はありません。同時に、きょうだいや同級生が実際に負担を引き受けているなら、その不公平感も見過ごせません。誰が何に困っているかを分け、負担とルールを大人が調整することが第一歩です。
「ずるい」と感じる理由を4つに分ける
同じ言葉でも「自分も休みたい」「自分だけ家事が増えた」「係を代わっている」「本人は楽しそうに見える」では必要な対応が違います。感情そのものを禁止するより、背景にある負担を確認します。休む必要性と、周囲の負担は両方とも扱えます。
| 見えている言葉 | 確かめたいこと | 大人ができる調整 |
|---|---|---|
| 学校を休めてずるい | 言った子自身も学校がつらくないか | その子の困りごとを別に聞く |
| ゲームばかりでずるい | 睡眠・食事・学校で受ける負担はどうか | 家庭のルールと生活全体を見直す |
| 行事だけ来てずるい | 準備・役割の負担が誰にあるか | 先生が役割を事前に再配分する |
| 兄弟だけ特別扱い | 親の時間、家事、外出、端末利用の差 | 一対一の時間と役割分担を作る |
文部科学省は不登校支援について、登校という結果だけを目標にせず、本人が進路を主体的に考え社会的に自立することを目指すとしています。一方で学業や進路の不利益にも留意すると示しています。休ませればすべて解決、登校させればすべて解決、という単純な話ではありません。文科省の2019年通知
不登校の本人が「ずるい」と言われた直後の対応
本人が傷ついているとき、理由の説明や反論をすぐ求めないでください。まず「嫌だったね」「何が一番つらかった?」と聞き、話したくなければ今は話さなくてもよいと伝えます。保護者や先生が関わるか、誰に何を伝えるかは本人と相談します。
本人が短く返すなら:「今は詳しく話したくない」「その言い方はつらい」「先生に相談する」。返事をしない・場を離れる選択もあります。
- 安全を確認。暴言や無視が続くか、本人が学校・SNSで孤立していないか聞く。
- 事実を記録。日時、場所、発言、見ていた人、本人への影響をメモする。
- 学校へ相談。本人の事情を広めず、発言の再発防止と係・課題の調整を依頼する。
暴言やいじめが続くときは、担任だけでなく管理職やスクールカウンセラーにも相談できます。夜間などにすぐ話したい場合、こども家庭庁が案内する24時間子供SOSダイヤルは 0120-0-78310 です。本人が強い危険を感じる場面では、身近な大人に今すぐ知らせてください。

きょうだいが「不登校の子だけずるい」と言うとき
「休んでいる子はつらいのだから、あなたは我慢して」と返すと、きょうだい自身の負担が残ります。まず学校生活、家事、親と過ごす時間、ゲーム・外出のルールについて、何が一番不公平に感じるか聞きます。そのうえで、休養が必要な子への配慮と、もう一人への配慮を同時に考えます。
- 家事やきょうだいの世話が一方に偏っていないか。
- 親と一対一で話す時間をそれぞれに確保できるか。
- 端末や外出のルールを、理由と見直し時期を含めて説明できるか。
- きょうだい自身が休みたいと言ったとき、別の困りごととして聞けるか。
年齢別の声かけや「自分も休みたい」と言われた場合は、不登校の兄弟が「ずるい」と言うときの親の対応で詳しく扱っています。本稿は家族以外から言われた場合も含む全体の対応に絞ります。
同級生が「学校休んでるのにずるい」と言うとき
同級生が掃除、係、共同制作や行事の準備を代わっているなら、それは先生が調整すべき実際の負担です。「言った子が悪い」と決めるだけでは解消しません。一方、欠席している子の事情をクラスに詳しく共有する必要もありません。
- 係・課題・発表の役割を、在籍している子で無理なく再分担する。
- 不登校の子の健康や家庭事情を許可なく話さない。
- 差別的な言葉が出たときは、その場で止め、必要な話し合いを大人が行う。
- 行事だけ参加する場合は、準備と当日の役割を事前に決める。
もし同級生のあなたが負担を感じているなら、本人を責める前に先生へ「係が増えて困っている」と具体的に伝えてよいのです。不公平感を口にすることと、相手を傷つけることは別です。
ゲームができるなら学校にも行ける?
家庭でゲームをすることと、大勢の教室で決まった時間に過ごすことでは求められる力や負担が違います。ゲームをしている一場面だけで「学校に行けるはず」と判断できません。同時に、昼夜逆転で本人が困っている、食事や睡眠が崩れているなら、責めるより生活の全体を見て調整します。
| 避けたい言い方 | 代わりに聞くこと |
|---|---|
| ゲームできるなら学校に行けるでしょ | 学校で何が一番しんどい? ゲームをすると気持ちはどう変わる? |
| 休んでいるのに遊ぶな | 今日は休めた? 睡眠と食事はどう? |
| 明日からゲーム禁止 | 夜の端末利用を一緒に決め直そうか |
端末の時間を決めるなら、他の家族も守れるルール、例外、見直し日を一緒に決めると、罰としての取り上げになりにくくなります。画面越しに学びたい時期なら、不登校の小学生向けオンライン授業の選び方も参考になります。

行事だけ参加するのはずるい?準備と当日の役割を調整する
本人には普段の教室が難しくても、文化祭や遠足なら参加できる場合があります。参加できたことを責めず、負担が少ない形を本人・保護者・学校で相談します。その一方、準備を同級生だけに任せて当日だけ同じ役割を担うなら不公平感が出ます。先生が事前に役割を整理する必要があります。
- 本人の希望を聞く。参加したい場面、避けたい場面、途中で帰る選択を確認。
- 準備の分担を決める。参加できる作業と、当日だけの役割を分ける。
- クラスへの説明範囲を決める。本人の事情は公表せず、役割分担だけ共有する。
- 当日後に振り返る。本人と同級生の両方の負担を確認し、次回に生かす。
文科省の行事参加に関する実践例でも、本人や保護者と困る場面・支援内容を相談することが示されています。これは個々の不登校家庭への一律のルールではなく、事前に調整する考え方の参考です。
親自身が「ずるい」と思ってしまうとき
親が仕事や家事で疲れているのに、子どもがゲームをしている姿を見ると、複雑な気持ちになることがあります。その感情を持った自分を責める必要はありません。ただし、子どもの人格を責める言葉にする前に、親自身の負担を具体的に分けてみてください。
- いま私が一番困っているのは、仕事、家事、お金、将来の不安のどれ?
- 子どもに頼みたい具体的な行動は何? 休養を妨げずにできる?
- 学校や家族、相談窓口に分担できることはある?
「みんな頑張っているのに」ではなく、「夕食の片づけを一緒にできる?」「私は今夜30分休みたい」と具体的に話す方が、家庭の負担を調整しやすくなります。声のかけ方は不登校の子に避けたい言葉と伝え方も参照してください。
学校へ相談する文例|本人の事情を広めず、負担を調整する
学校へ伝えるときは「事実・影響・お願い」を分けます。保護者と先生で合意した範囲を超えて、健康や家庭の事情をクラスへ伝えないように依頼します。
「子どもが『不登校はずるい』と言われ、傷ついています。○月○日に○○の場面で言われたと聞いています。本人の事情をクラスに詳しく説明することは望みません。発言が続かないよう見守り、係や行事準備の負担が偏っている場合は学校で調整いただけますか。面談で相談したいです。」
同級生の保護者なら「うちの子に係が増え、負担を感じています。個別の子を責めたいわけではなく、役割の分担を見直していただけますか」と伝えられます。連絡文に「不登校の子が悪い」「言った子が悪い」と結論を書かず、学校が動ける事実と希望を示します。

保健室登校・別室登校が「ずるい」は別に考える
「保健室だけ行って特別扱い」「別室でテストを受けるのはずるい」といった疑問は、学校内での別の学び方と配慮が論点です。保健室登校・別室登校がずるいと言われた場合の対応で詳しく扱っています。本記事は、学校を休む場合の言葉と負担の調整が中心です。
休む時期のあと、本人が学びたくなったら
休養が必要な時期には新しい学び場を急いで決めなくて大丈夫です。本人が少しずつ学びや人との接点を求めたら、在籍校、教育支援センター、家庭学習、民間のフリースクールなどを比べられます。公的な相談先は不登校の居場所・相談施設の選び方で整理しています。
NIJINアカデミーの公式の一日の流れでは、家からオンラインで参加し、朝からでも午後からでも活動を選ぶ例が紹介されています。これは民間の一例で、すべての子に合うという意味ではありません。画面負担や本人の気持ちを確認し、実際の授業と参加方法を見て検討できます。

よくある質問
Q1. 不登校はずるいことですか?
一律にそう決められません。本人が休む理由と、周囲に実際に生じている負担を分けて考え、後者は大人が調整します。
Q2. 「ずるい」と言う人は悪い人ですか?
負担や不安から出た言葉かもしれません。ただし相手を傷つける発言は止め、困りごとは別に聞く必要があります。
Q3. 不登校の子だけゲームをするのはずるいですか?
ゲームができることだけで登校可能とは判断できません。睡眠、食事、本人の困りごと、家族の端末ルールを一緒に確認します。
Q4. 行事だけ参加してよいですか?
参加を一律に否定しません。本人の安全、準備と当日の役割、同級生への負担を学校が事前に調整しましょう。
Q5. 不登校の兄弟だけ特別扱いに見えます。
その感覚を否定せず、家事、親の時間、外出、端末利用のどこが不公平か聞きます。詳しい年齢別の対応はきょうだい専用記事で扱います。
Q6. 同級生に係の負担が回ってきたら?
担任に事実として伝え、役割の再分配を依頼してください。不登校の子の個人事情を知る必要はありません。
Q7. 本人に言い返させるべきですか?
強要しなくて大丈夫です。「その言い方はつらい」と短く返す、離れる、先生に相談するなど本人が選べます。
Q8. 親自身がずるいと思ってしまうときは?
その感情を責めず、親が何に疲れているかを具体化します。家事や時間の分担を相談し、必要なら学校や外部窓口を頼ります。
Q9. 保健室登校・別室登校も同じですか?
学校内の別の学び方と配慮が論点です。保健室・別室登校の専用記事をご覧ください。
Q10. どこに相談すればよいですか?
在籍校の担任、管理職、スクールカウンセラー、自治体の教育相談窓口があります。いじめなどで急いで話したい場合は24時間子供SOSダイヤルを利用できます。
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一次資料:文部科学省・不登校支援通知/同・基本的な考え方/こども家庭庁・相談窓口。確認日:2026年10月2日。


