不登校や引きこもりでも安心して楽しく学べるNIJINアカデミーの強みとは?

NIJINボランティアライターのグッチです。今回お話を伺ったのは、NIJINの事業のひとつ「NIJINアカデミー」で校舎長を務める松本真実さん(ハイジ先生)。不登校の児童・生徒らを対象としたオルタナティブスクール小中一貫校として、現在350名ほどの生徒が通うNIJINアカデミー(ニジアカ)。地域の学校やフリースクールとは違う、NIJINアカデミーの独自性についてお聞きしました。

目次

教員を辞めてNIJINへ

──本日はよろしくお願いいたします。まずは、簡単に自己紹介をお願いします。

NIJINアカデミーの松本真実です。ニジアカの中では、教育進路チームや自治体との営業チーム、さらにニジアカも規模が大きくなってきて、校舎を2つに分けることになり、そのうちの一つの校舎長をしています。 普段は担任としての仕事もあるので、本当にいろいろとやっている感じです。

──ハイジさんはニジアカが開校した当初から活動されているとか?

はい、もともと北海道で小学校の教員を7年、中学校の特別支援学級で1年、働いていました。2023年9月にニジアカが開校したのですが、その1か月前には参加していました。開校当初は忙しくて大変でしたが、貴重な経験させていただきました。

──8年も続けていた教員の仕事を辞めるのは、大きな決断だったのでは?

私は北海道で生まれ育って、就職も北海道だったので、ずっと本州に出たことがなかったんですね。井の中の蛙じゃないですけど、人生を考える起点になったというか、教員の仕事も子どもたちのことも好きだったのですが、今の心地よい世界から飛び出そうと思うようになりました。 私の事を知らない人たちがいる場所で、私という人間がどれだけ通用するのだろうという想いで、一旦教員を辞めることにしました。

NIJINアカデミーでの学び

──すごく強い意志で辞められたのですね。では、ハイジさんの今のお仕事、ニジアカのことについてお聞きします。ハイジさんが担任をされているニジアカのメタバース校の子どもたちは、毎日どういう生活を送っているのでしょうか?

朝の10時から体育や朝の会があったりするので、そこから参加して一日中メタバースで学んでいる子もいます。一方で、心や体の調子が良いときは在籍学校に行って、今日はちょっとしんどいなっていう日は、メタバースに通ったり、在籍学校と併用するという形で通っている子もいます。

※NIJINアカデミーでは、メタバースでの学びだけでなく、全国12都道府県32のリアル教室を展開しています。そのため、「メタバース」と「リアル教室」を組み合わせたハイブリッドな学び、通学が可能です。

──ホームページで見させていただきましたが、オンラインでの運動の時間を私は初めて見たのですごく新鮮でした。

曜日によって変わりますが、ニジアカでは運動の時間だけでなく、自由進度学習やプロジェクト活動など、様々な学びがあります。

──子どもたちはその中から自分が参加したいものにだけ参加するということですか?

はい。私たちは「自己選択」、「自己決定」というものを大切にしています。子どもたちに納得感を持たせた上で、活動に参加させることが重要だと考えていて、そこに繋がるような伴走アプローチをしています。

──不登校で困っている子どもたちが家にいながら、外の世界と繋がれるというのはすごいですね。

そこがニジアカの強みだと思っていまして、パソコン1台あればオンラインで質の高い教育を一番安心できる自宅から受けることができます。そうやって少しずつ外の世界と繋がることで、外の世界に興味を持ち、一歩外に出てみようかなと思える子どもたちが増えました。

NIJINアカデミーの独自性と専門性

──他にニジアカが力を入れていることはありますか?

ニジアカにはマインクラフトサークルやポケモンサークルなど、子どもたちが興味のあることを仲間と楽しむ場所がたくさんあります。私たちのスタンスとして、サークルを立ち上げる意義を子どもたちに考えさせています。

ただ集まって遊ぶだけだと、別にサークルじゃなくていいですよね。みんなで達成したい目標や目的意識をしっかりと考えた上で、子どもたちもサークル活動を頑張っています。

──私が見た動画では、子どもたちが好きなものをプレゼンしている場面がありましたが、あれはサークル活動の発表ですか?

そうです。9月から全校ホームルームをYouTubeの生配信で行っているのですが、まさに今日の全校ホームルームでもサークルの発表をしていましたね。

──発表を見ていて、自分の好きなことや個性を突き詰めているなぁと感心しました。

ニジアカの強みとして、子どもの独自性と専門性を高められるところがあります。例えばゲームや電車など、いわゆるオタクと呼ばれるものとかも、その子だけが持っている独自性、専門性と言えますよね。

ニジアカでの生活を通して、共通の仲間を見つけて互いに高め合うことができます。そして子どもの独自性、専門性を評価する場が与えられています。そういった場は地域の学校では難しいので、そこがニジアカの強みと言えます。

──たしかに地域の学校では、発表だけやって楽しかったよね、で終わることが多いですよね。

ニジアカの発表では、子どもたちの発表を見て「もっとこういうこともできそうだよね」といった提案をもらったり、他の人に認めてもらえる場所が保障されています。

NIJINアカデミーでの学びで子どもは変わる

──地域の学校では評価されなかったことが、ニジアカではしっかりと評価されるってことですよね。実際にニジアカでの経験を通して、子どもが成長したと感じた瞬間を教えてもらえますか?

もともと自分に自信が無く人前に出るのも苦手で、他者とかかわるとぶつかってしまう男の子がいたのですが、1年前に開催した関西のピクニックに参加したことでその子が大きく変わりました。

参加したピクニックが楽しかったみたいで、「今度は自分が企画するんだ」と言ってくれて、自分の地域の観光スポットとかを調べ始めたのです。その後、プレゼン資料なども自分で作り始めて、最後は全校生徒の前で勇気を出してプレゼンをやり遂げました。 それまでは顔出しも声出しもほとんどできなかった子が、全校生徒の前で楽しそうにプレゼンできるようになったのは本当に良かったです。

──全校生徒の前でプレゼンできるようになったことはすごいですね。でも、ピクニックの参加がどうしてそこまでその子を変えたのでしょう?

ピクニックで具体的に何があったのかは私も分からないので、これは推測になるのですが、今までは自分の思いを優先するところが彼にはあって、そういったことが原因で周りとぶつかってしまうことがありました。 でも、ピクニックから帰ってきてからは、自分が以前苦しい思いを経験してきたからか、他の子にはそういった思いをして欲しくないと思い始めたようです。以前は話す言葉が優しくなかったりすることもあったのですが、その後のクラス活動やサークル活動での彼の姿を見ていると、大きく様子が変わったと感じています。

関西ピクニックに参加したニジアカ生の記事は以下のリンクからお読みください。

https://note.com/nijin_academy/n/ne052fa4c1ae4?sub_rt=share_b

──最後に、ハイジさんの今後の目標などありましたら教えてください。

ニジアカに入って、いつも新しい壁にぶち当たっています。でもそれは教員のときには経験できなかったことで、そのときはすごく苦しいですが、何か一つやり遂げたときの充実感は本当に得難いものです。 ニジアカのスタッフは「二刀流人材」と呼ばれる、教育とビジネスの両方で活躍することを常に目指してやっています。私はビジネスの部分でぶつかることが多いですが、この経験はニジアカでしかできないことなので、これからも子どもたちの未来のために頑張っていきたいと思います。

教員時代と違い、今は自分の意思で行動できるようになった。歳を重ねてそうした自分になれたことは、人生にとってとても大きな意味がある——ハイジさんはそう繰り返し語ってくださいました。
私自身も13年間教員をしてきましたが、授業以外の仕事に関しては、必ずしも明確な目的意識を持って取り組めていたとは言い難いかもしれません。与えられた業務をただこなしていただけの自分が、未来を担う子どもたちの教育に関わっていてよかったのか、改めて考えさせられました。
ハイジさんやニジアカのスタッフの皆さんの活動によって、不登校などの悩みを抱える子どもたちが一人でも多く救われ、笑顔を取り戻していく姿を、これからも記事や動画を通して拝見できるのを楽しみにしています。本日はありがとうございました!

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