はじめに
2025年7月19日、愛知県名古屋市で開催された「愛知サマーセミナー2025」。このイベントにて、NIJINアカデミーの小学生・かずくんとゆづくんが講師となり、サッカー講座を開催しました。
不登校経験のある2人が、自ら企画・準備・進行までを担当。当日は、真夏の太陽が照りつけるグラウンドで、小学生4人とともにサッカーを楽しむ時間が広がりました。
講座をやることになったきっかけ
5月の全校ホームルームで、「愛知サマーセミナーで講座を出したい人はいますか?」という呼びかけがありました。その時、手を挙げたのがかずくん──でも、最初から講師をやろうと思っていたわけではなかったそうです。
「面白そうなイベントだね〜」「行ってみたいかも」と、お母さんと一緒に“参加者として”検討していたのが最初の気持ち。ところが、ホームルームでの話し合いの場に参加していたかずくんは、その場の流れで気づけば講師として名乗りをあげていて…。
後からお母さんに、「講師やることになったよ」と伝えると、お母さんは「えっ!?」とびっくり。
でも、彼の中には確かに「サッカーをもっと知ってほしい」「興味を持ってもらえたら嬉しい」という気持ちがありました。だからこそ、自然と「じゃあ、自分でやってみようかな」と思えたのかもしれません。
その姿に刺激を受けたのが、同じくサッカーが大好きなゆづくん。
きっかけは、担任のいっさ先生の何気ない声かけでした。
「愛知やし、ゆづチャレンジしてみる?」
その言葉に、ゆづくんは「ちょっと考えます」と一度保留にしたものの──
その後、自分から動き出します。誰にも言わずに、担当のあいあい先生にコンタクトを取り、「やってみたい」と自分の言葉で伝えたのです。
声をかけてくれた先生、そして隣で動き出していたかずくんの存在が、ゆづくんの背中をそっと押し、そして本人の中にあった「やってみたい」の火が、本当に動き出すことになりました。
こうして2人は、サッカーの楽しさを誰かに届けるために、チームを組んで講座づくりに挑戦していくことになります。

準備の日々
5月に「やってみたい!」と決めてから、本番までは約2ヶ月。最初はまだイメージもふわっとしていて、話し合いが止まってしまうこともありました。
「やりたいことは何か?」「どんな人が来てくれるだろう?」「その人たちに、どうなってほしい?」
そんな問いを立てながら、2人で少しずつ形にしていきました。
Canvaで講座の内容をまとめ、全校HRで何度も告知もしましたが、なかなか一緒にやってくれる仲間が集まらず、正直ちょっと落ち込んだこともありました。
でも2人は諦めませんでした。
週に1回のミーティングを欠かさず続け、「どうしたら楽しくなるかな?」「こういう風にしたら伝わりやすいかも!」とアイデアを出し合う時間を、何より大切にしていました。
「周りに思いを届けるって、こんなに大変なんだ」
そんな気づきも乗り越えて、講座の輪郭が少しずつはっきりしていきました。




やってみた。だから気づけた
「本番の前に、一度やってみよう!」ということで、ホームルームの体育の時間(30分)に風船を使った体育を実施。
さらに、NIJINアカデミー全体に向けたサッカー授業も実施するなど、アウトプットの機会を自分たちで作っていきました。
授業では、「声が届かない」「進行のテンポが難しい」といったリアルな課題に直面。
想定外のこともたくさん起きましたが、それでも「なんか、大丈夫そう!」と笑い合う2人の姿がそこにはありました。
「どうすれば、より楽しんでもらえるか」
「役割分担ってどうする?」
「次はもっとテンション上げていこう!」
実際にやってみたからこそ生まれた問いと学びが、講座をブラッシュアップする力になっていきました。
本番が近づくにつれ、2人の表情には少しの緊張と、それ以上のワクワクがにじんでいました。

ふたりで考えた講座内容
講座名は「小学生がサッカーコーチ!みんな集まれ!」
内容は以下の流れで構成されていました。
1 ウォーミングアップ
2 パス自己紹介
3 ドリブル競争(コーンドリブル)



4 シュート練習
5 リフティング
6 ゲーム(試合)







7 感想発表
8 記念撮影
また、雨天時に備えた風船を使った室内トレーニング案も準備。「サッカーが初めての子も楽しめるように」と、「手を使ってもOK」「“なるべく”足で蹴る」など、柔軟なルールを考えたのも2人の工夫でした。


当日の様子
講座当日、名古屋の空は真夏の日差しが照りつける晴天でした。暑さの中、講座開始前に2人が集合したのは、近くの喫茶店。
「参加してくれた人に、サッカーボールの折り紙を渡したい」──
そんな想いから、講座前にもかかわらず、折り紙を折っていました。どれも丁寧に折られたサッカーボールには、「楽しんでくれるといいな」という気持ちが込められていました。

その後、会場となるグラウンドに到着した2人は、まるでずっと前からの仲間のように息ぴったり。実際にはこの日が“初対面”だったにもかかわらず、2人の間にはあたたかな空気が流れていて、笑顔で言葉を交わす姿に、周りもつい微笑んでしまうような瞬間でした。
午前中の講座を終えたあしたちゃんも駆けつけ、ニジアカの仲間も集まってきました。
いざ講座が始まると、参加してくれた小学生たちに向けて、かずくんとゆづくんは大きな声でルールを説明。
「手を使ってもいいよ!」「できなくても大丈夫だからね!」
そんな優しい声がけに、初めてサッカーをやる子も自然と笑顔になっていました。


試合中には、「ナイスシュート!」「上手だったね!」と、2人からのポジティブな言葉が飛び交い、ボールを蹴る一人ひとりの背中をそっと押していくようでした。


最後にはみんなで円になって感想をシェア。「楽しかった!」「またやりたい!」という声に、2人も照れながらも満足そうな表情を見せていました。笑い声と汗が混じり合う真夏の午後。
あの日のグラウンドには、ただサッカーをするだけじゃない、「自分の“好き”で人とつながれる喜び」があふれていました。

担任・スタッフの目から見たふたり
ハイジ先生(かずくんの担任)
かずくんは、「まずはやってみる」と挑戦し、「これでいいか」と妥協することなく、「もっとできる」と努力を続けるお子さんです。今回のサマーセミナーでは、自分の好きなことを他者に伝える力、周りの人々を楽しませようと企画する力、そして周りを巻き込む力が存分に発揮されていました。その結果、かずくんの素敵な笑顔が溢れる数か月間となっていました。
いっさ先生(ゆづくんの担任)
入学して1年がたったゆづ。メタバース校舎での全校を前にしたプレゼンに始まり、リアルイベントへの参加。少しずつ挑戦の機会を増やしていったゆづには本来とても強い好奇心と決めたことをやりきる力があることに今回のサマセミで改めて気付かされました。たくさん準備して、やりきったゆづ、かっこいいぞ!自分に合った環境で輝くゆづの姿は本当に眩しく見えています。

ぱるる(スタッフ)
「できなくても大丈夫!」「いいよいいよ〜!」と優しい声かけがグラウンドに響いていて、2人とも本当に講師そのものでした。何より印象的だったのは、2人ともが常に満開の笑顔で、楽しんでいる様子が伝わってきたことです。できる人も初めての人も講師の自分さえも楽しめる、そんなサッカー講座でした。参加者からは「楽しかった!」と声があがり、大成功でした!暑い中でも水分補給を促す姿がとても頼もしかったです。
あいあい(スタッフ)
長い準備期間を、熱を絶やすことなく走り抜けたかず&ゆづ。メタバースから飛び出し、リアルの場で堂々と挑戦する姿に胸を打たれました。はじめは緊張していた2人も、“好き”をきっかけにすぐに打ち解け、笑顔であふれる時間に。
学校が合わなくてしんどかった日々があったとしても、その経験ごと力に変えていく姿がとてもまぶしかったです。
そして今は、次の挑戦「スポーツ大会」へ。その一歩一歩が未来につながっていくのを、これからも楽しみにしています!
本人たちの声

かずくん
「ゴールを移動する時に手伝ってくれた高校生や大学生、社会人のお兄さんたちと関われたことがとても嬉しかった。みんなも楽しそうでよかった。」
ゆづくん
「試合が楽しかったかな。楽しかったよりも嬉しかった。来てくれた子が楽しんでくれとって嬉しかった。みんなで喋って仲良くなっていた。楽しそうだった。」
次の挑戦へ
「次はスポーツ大会やりたい!」「サッカー以外のスポーツもやってみたい!」
講座を終えた2人は、すでに次の“やってみたい”に向けて動き出していました。
「1人だったら不安だけど、2人ならできる気がする」
そう語った2人は、今回の挑戦を通じて、仲間との絆と“できた”という自信を手に入れました。
「好きなことを自分で形にできる」
「学校じゃない場所で、社会とつながれる」
それがNIJINアカデミーの教育であり、子ども発のプロジェクトがもつ力です。
2人の次の一歩に、ぜひ注目してください。
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