「うちの子、夏休みに入ってから昼夜が逆転してしまって…」
「朝起きられないし、夜は目が冴えてなかなか寝つけないんです」
「このままで大丈夫なのかな…?」
そんな風に感じている保護者の方、いませんか?
子どもの昼夜逆転についてのご相談は、NIJINアカデミーにも毎年、夏になると増えてきます。
特に、学校に通っていない子や、不登校の子どもたちの場合、もともと朝の登校時間に縛られていない分、生活リズムを保つのが難しくなりがちです。
今回は、子どもが夏休みに昼夜逆転しやすくなる理由や、そのリズムの整え方、そして、NIJINアカデミーの夏休みには“昼夜逆転しにくい仕組み”があるのかについて、ゆっくりとお伝えしていきます。

不登校の子が、なぜ夏休みに昼夜逆転するの?
「普段から学校に行ってないなら、夏休みもリズムは変わらないのでは?」と思う方もいるかもしれません。 けれど、実際には、夏休みに入ると昼夜逆転しやすくなる子がとても多いんです!
その背景には、こんな理由があります。
- “夏休み”という特別なムードが、気持ちをゆるめるから
学校に行っていなくても、世の中が「夏休みモード」になると、子どもも「ちょっと休んでいいんだ」と感じて緊張がゆるみます。その緩みが生活リズムの崩れにつながるんです。 - 家族とのリズムのズレが広がるから
普段は家族が日中いなかったり、一定のリズムで過ごしていたのが、夏休みに入ると家族も不規則に。子どもだけ早く起きていても意味がないと感じて、夜型へ…。 - 予定や居場所が一時的に減るから
活動の時間が変わったり、イベントが一段落したり。毎日の「起きる理由」が少し薄れるだけで、昼夜逆転のきっかけになります。 - 夜のほうが安心できる子もいるから
昼間は世の中が動いていて、少ししんどい。夜は静かで、誰にも干渉されず安心。そんな風に「夜の安心感」に惹かれていく子も少なくありません。 - 夏の暑さや疲れが影響するから
外出が減り、日中に活動しなくなって、夜に目が冴えてしまう。これは心と体の自然な反応でもあります。
「戻さなきゃ」じゃなく、「寄り添おう」と考えてみる
昼夜逆転が続くと、食欲がわかなくなったり、生活にメリハリがなくなったり、心が沈みがちになってしまうことがあります。
でも、「どうして起きられないの!」「早く寝なさい!」と叱るのではなく、まずはこんな声かけをしてみてください。
「夜の方が安心できるのかな?」
「眠れないとき、何をしているの?」
「今の生活、しんどいことはある?」
叱るのではなく、“理由を探る”こと。 そして、「なんとかしなきゃ」ではなく「一緒に考えよう」というスタンスが、子どもにとって安心になります。

少しずつ整えていく方法
急に早起きを目指す必要はありません。 「朝7時に起きる!」と決めてもうまくいかず、逆に自己嫌悪になることも…
例えば、こんなふうに少しずつリズムを取り戻してみるのはどうでしょうか?
「昼夜逆転を解消する3つの作戦」
作戦① 朝5分でもいいから光を浴びる
カーテンを開けて日差しを感じる。外に出て深呼吸をする。これだけでも体内時計が整いはじめます。
作戦② 朝ごはんは一口から始める
食欲がなくても、水分補給やフルーツ一口から。身体に「朝だよ」と伝えるサインになります。
作戦③ 「寝る前スマホ」は一緒にルールを考える
頭ごなしに「やめなさい」ではなく、「どうしたら眠れるか」を一緒に考える。音楽や読書など、リラックスする方法を一緒に試してみましょう。

NIJINアカデミーの夏休みは、リズムを整えるきっかけがいっぱい!
NIJINアカデミーでは、夏休み中もさまざまな活動があります。
・夏のお楽しみイベント(夏キャンプ など)
・平日 朝8時半〜の「ラジオ体操」

・週1回のクラス会議
・メタバースでの自主学習や友達とのおしゃべり
・サークル活動

「今日は誰かと会える」「参加したいイベントがある」
そんなちょっとした“目的”があることで、子どもたちは自然と昼間に顔を出し、生活のリズムを整えていきます。
最後に:夏は“調整期間”ととらえてみよう
昼夜逆転は、「乱れ」ではなく「調整」のサインかもしれません。
心や身体が、「今は休みたい」「もうちょっと自分のペースでいたい」と伝えてくれているんです。
この夏を、「整えなおすための時間」として一緒に過ごしてみませんか?
焦らず、比べず、子どもと一緒に、ゆるやかに。 NIJINアカデミーは、そんな親子のリズムを応援しています!
動画で見る|【危険信号】子どもの不登校SOSサイン|あなたは気付けていますか?
この記事の内容を確かめるための一次資料
「怠けている」ように見える状態の裏に、医学的な背景があることは珍しくありません。とくに起立性調節障害は思春期に多く、朝起きられないことが本人の意思とは無関係に起きます。判断を家庭だけで抱えず、医療の一次情報にあたってください。
下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 厚生労働省「こころの健康」 | 子どもと保護者のメンタルヘルスの基礎情報 |
| 厚生労働省「こころの耳」 | 相談窓口とセルフチェック |
| 日本小児心身医学会 | 起立性調節障害など、子どもの心身症に関する学会情報 |
| 文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」 | 小中の不登校353,970人。全国の最新の実数 |
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 | 「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針 |
| 同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合) | 教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件 |
| 同 別記2(自宅でICT等を活用した学習) | 自宅学習を出席扱いにする7つの要件 |
| 文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」 | 2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件 |
| 文部科学省「COCOLOプラン」 | 誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策 |
| 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 | 全国1,045市区町村の公式相談窓口 |
| 教育機会確保法(e-Gov法令検索) | 第13条が「休養の必要性」を条文で認めている |
| こども家庭庁「子育て支援」 | 子育て世帯が使える支援制度の全体像 |
| 国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」 | 研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料 |
学校に相談するときの進め方
① 支援の目標をすり合わせる
「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。
② 具体的な場所を挙げる
「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。
③ 出席扱いの要件を一緒に確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
④ 決めたことを記録に残す
面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら
よくある質問(FAQ)
Q. 夏休みに入ると、なぜ昼夜逆転しやすくなるの?
Q. 無理にでも早く元のリズムに戻したほうがいい?
Q. 少しずつリズムを整えるには、何から始めればいい?
Q. どんな声かけをすればいい?
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まず知っておきたい:子どもに必要な睡眠時間
「何時に寝かせればいいのか」の基準がないと、昼夜逆転が「どのくらいまずいのか」も判断できません。厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、次の時間が目安として示されています。
| 年代 | 推奨される睡眠時間 | 実際の平均(調査) |
|---|---|---|
| 小学生 | 9〜12時間 | 8時間56分(推奨をやや下回る) |
| 中学生・高校生 | 8〜10時間 | 7時間57分(推奨を下回る) |
ここで大事なのは、「何時に寝たか」よりも「合計で何時間眠れているか」です。昼夜逆転していても睡眠時間が確保できているなら、身体へのダメージは、睡眠時間そのものが足りていない場合より小さいと考えられます。まずは「眠れている時間」を数えてみてください。
昼夜逆転が起きる仕組み
「怠けているから」ではありません。体の仕組みとして、次のことが重なって起こります。
- 朝の光を浴びない。体内時計は朝の光でリセットされます。カーテンを閉めた部屋にいると、時計がずれ続けます。
- 日中の活動量が少ない。体が疲れないため、夜に眠気が来ません。
- 夜だけが安心できる時間。日中は「学校に行っていない自分」を意識させられる時間です。誰も起きていない夜のほうが、責められずに過ごせます。
- 不安で眠れない。横になると考えごとが始まり、寝つけない。結果として朝眠くなります。
特に3つ目は見落とされがちです。昼夜逆転は「原因」ではなく、つらさの「結果」であることが多いということを、頭の片隅に置いておいてください。
今日からできる、小さな整え方
いきなり「早く寝なさい」は、ほぼ効きません。体内時計は一気には戻らないからです。負担の少ない順に並べました。全部やろうとせず、一つだけ選んでください。
| やること | 具体的に | ねらい |
|---|---|---|
| 起きる時間だけ決める | 寝る時間は問わない。起きる時間を「今より30分だけ早く」にする | 体内時計の起点をつくる |
| 朝、光を入れる | 起こさなくてよい。カーテンを開けるだけ。目が覚めたら窓際で数分過ごす | 体内時計のリセット |
| 日中に体を動かす | 散歩、買い物の付き添い、家の手伝いでも十分 | 夜の眠気をつくる |
| 朝ごはんを少しでも | 一口でもよい。時間はずれてもよい | 体のリズムの合図 |
| 夜の光を弱める | 取り上げるのではなく、部屋の照明を落とす・画面を暗くする | 眠気を妨げない |
※ 一度に30分以上戻そうとすると、体がついていかず失敗しやすくなります。1週間で15〜30分くらいのペースが現実的です。戻った日を褒めるより、「戻らなかった日を責めない」ほうが続きます。
やらないほうがいいこと
- 無理やり起こす。関係が悪くなり、本人はさらに夜へ逃げます。
- ゲームやスマホを取り上げる。夜の安心を奪うだけで、リズムは戻りません。まず「夜が安心な理由」を考えてみてください。
- 「そんなことでは将来困る」と言う。本人がいちばん分かっていて、いちばん不安に思っています。
- 一気に元の生活に戻そうとする。失敗体験を増やすと、次に試すハードルが上がります。
医療機関に相談したほうがよい場合
次にあてはまるときは、生活習慣の工夫だけで抱え込まず、小児科やかかりつけ医に相談してください。睡眠に関わる病気が隠れていることもあり、その場合は本人の努力では改善しません。
- 本人が「眠りたいのに眠れない」と強く困っている
- 朝どうしても起きられず、頭痛・腹痛・立ちくらみを伴う(起立性調節障害などの可能性)
- 睡眠時間そのものが極端に短い、または長すぎる状態が続く
- 気分の落ち込みが強く、食欲や興味の低下が続いている
※ この記事は情報提供であり、診断ではありません。判断できるのは診察をした医師だけです。
つらい気持ちを今すぐ話したいとき(全国共通・24時間)
24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310
お子さんからでも、保護者の方からでも相談できます。お住まいの地域の教育相談センターにつながります。
参考にした資料
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」——小学生9〜12時間、中学・高校生8〜10時間という睡眠時間の目安(確認日2026-08-21)
- 博報堂教育財団こども研究所「子どもの睡眠調査」——小学生の平日平均8時間56分、中学生7時間57分
本記事は公開資料と教育現場での実践をもとにした情報提供であり、診断・治療の代わりになるものではありません。(にじいろの編集方針・監修について)

