「最近、少し学校に行けるようになった。このまま復帰できるかもしれない」。 そう思った矢先に、また朝起きられなかったり、「今日は行けない」と言われたりすると、保護者は不安になります。
「せっかく戻れたのに、また不登校に戻ってしまうのでは?」 「いつから毎日行かせた方がいい?」 「また休んだ日は、何と声をかければいい?」
不登校からの復帰は、「明日から毎日、朝から教室へ戻ること」だけではありません。
本人の状態や希望に合わせて、短時間登校、別室、好きな授業だけ、学校と別の学び場の併用など、学校との接点を少しずつつくる方法もあります。
また、一度登校できたあとに再び休んだからといって、それまでの変化がなくなったわけではありません。 「戻れたか・戻れなかったか」だけではなく、本人が無理なく学びや人とのつながりを持てているかを見ることが大切です。
一律に決めない
戻さなくていい
残しておく
不登校からの復帰は「学校に戻ることだけ」がゴールではない
まず知っておきたいのは、国の不登校支援の考え方も「登校そのものだけ」を最終目標としているわけではないということです。
文部科学省は「不登校児童生徒への支援の在り方について」で、不登校の子どもへの支援について、 「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、本人が自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指す という考え方を示しています。
つまり、学校へ戻ることは大切な選択肢の一つですが、「毎日学校へ行けるようになったか」だけで回復や成長を判断する必要はありません。
本人が学校へ戻りたいと考えているなら、その希望を支えることも大切です。ただし、「戻ること」自体を目的にして本人の負担が大きくならないように、状態や意思を確認しながら進めます。
SCHOOL + ANOTHER PLACE
学校に行ったり行かなかったりでも利用できます
NIJINアカデミーでは、学校など別の場所と併用しながら通っている子どももいます。 「完全に学校を離れる」と決めてからでなくても、新しい居場所を持つことができます。
体験できる学び方を見る不登校から学校復帰するタイミングはどう考える?
「何週間休んだら戻す」「朝起きられるようになったら復帰」といった、すべての子どもに共通するタイミングはありません。
文部科学省も、不登校の子ども本人や保護者の意思を尊重し、それぞれの状況に応じた支援を行うことを求めています。
そのため、「復帰できるサインを探す」というより、次のような点を親子や学校で確認してみると考えやすくなります。
学校復帰にはいろいろな形がある
「復帰」と聞くと、朝からランドセルを背負い、クラスで一日過ごす姿を想像しがちです。
しかし、学校との接点のつくり方は一つではありません。たとえば、次のような始め方が考えられます。
復帰後また休んだら、振り出しに戻った?
一度学校へ行けたあとに、また休む日が出てくることがあります。
そのときに「また最初からだ」「せっかく復帰できたのに」と考えると、保護者だけでなく本人にも大きなプレッシャーがかかりやすくなります。
再び休んだ背景としては、たとえば次のようなことが考えられます。
復学したあと、もう一度NIJINを選んだ子どもの話
「学校へ戻れたら、それで終わり」とは限りません。 一度復学したあと、再びNIJINアカデミーへ戻った子どもが、 学校とNIJINアカデミーの違いを自分の言葉で話しています。
復学後に再びNIJINアカデミーを選んだ本人が、学校との違いを語っています
復帰後また休んだとき、親はどう対応する?
ポイントは、翌日の登校をすぐに決めることより、まず「今日何がしんどかったのか」「本人は次をどうしたいのか」を確認することです。
| 意識したい対応 | 避けたい対応 |
|---|---|
| 「今日はどうだった?」と状態を聞く | 「昨日は行けたのに、どうして?」と理由を迫る |
| 本人が話したくない日は待つ | その日のうちに原因を特定しようとする |
| 学校と負担を減らす方法を相談する | 本人だけに「もっと頑張ろう」と求める |
| 次回は短時間・別室なども選べるようにする | 一度行けたので毎日登校を前提にする |
| 学校以外にも居場所を残しておく | 「学校へ戻ったから」と他の居場所をすぐ手放す |
声かけは「次の登校」より「今の状態」を中心に
「今日は疲れた?」
「行ってみて、どんな感じだった?」
「次はどうしたい?」
「また休みたい日があっても大丈夫だよ」
「これでもう大丈夫だね」
「明日も行けるよね?」
「せっかく行けたのにもったいない」
「いつから普通に戻れるの?」
同じ言葉でも受け取り方は子どもによって異なります。 言葉を選ぶこと以上に、「行く・休むを本人と一緒に考えられる状態」にしておくことが大切です。
学校には何を相談すればいい?
復帰を考え始めたら、担任や学校と「毎日登校できるか」だけを話すのではなく、本人が参加しやすくなる条件を具体的に相談してみましょう。
- 本人が今、学校についてどう感じているか
- 負担になりやすい時間・場所・活動・人間関係
- 参加しやすい授業や活動
- 短時間登校や別室利用ができるか
- 休んだ翌日にどう対応するか
- フリースクールなど学校外での活動をどう共有するか
文部科学省は、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けている場合、一定の要件を満たせば指導要録上の出席扱いにできるとしています。
学校が民間施設や保護者と連携し、施設での活動内容などを確認したうえで出席扱いとするケースもあります。
「出席になるか」だけでなく、施設から学校へ活動内容をどのように共有できるのかも確認しておくと、学校との連携がしやすくなります。
学校に戻っても、別の居場所を残していい|こばてぃーさんの例
「学校に復帰したら、フリースクールは卒業しなければいけない」と考える必要もありません。
NIJINアカデミーには、学校とNIJINの両方を利用している子どももいます。
学校とNIJINアカデミー、2つの居場所を持つこばてぃーさん
学校とNIJIN、2つの居場所を持つ「こばてぃー」さん
こばてぃーさんは、小学2年生ごろから学校へ行かない日が出始め、年明けには約1か月学校へ行かない時期もありました。
オンラインだけでなく、NIJINアカデミーのリアルな体験やイベントにも参加
学校へ通えるようになったからといって、NIJINとのつながりを切ったわけではありません。
学校には学校での楽しさがあり、NIJINには安心して過ごせる仲間や、そこでしかできない経験があります。
「学校かフリースクールか」の二択ではなく、両方を自分に合う形で持つ という選択です。
NIJINアカデミーでは、学校など別の場所と併用しながら通っている子どももいます。 「完全に学校を離れる」と決めてからでなくても、新しい居場所を持つことができます。
体験できる学び方を見る学校復帰が難しいときも、学びを止める必要はない
本人が「まだ学校には戻りたくない」と感じている場合や、復帰を試してみても負担が大きい場合には、学校以外にも選択肢があります。
「学校へ戻る」「学校へ戻らない」のどちらかを今すぐ決める必要はありません。
今の子どもがどこなら安心して過ごせるのか、どこなら人や学びとつながれるのかを基準に、選択肢を持っておくことが大切です。
よくある質問
Q. 不登校から学校復帰するタイミングはいつですか?
すべての子に共通する「○週間休んだら復帰」といった基準はありません。 本人が学校との接点をどう感じているか、学校側で負担を減らせるか、登校後に休める余白があるかなどを確認しながら考えます。
Q. 一度登校できたのにまた休んだら逆戻りですか?
必ずしもそうではありません。 一度学校へ行ってみたからこそ、本人が「どこが負担だったか」「どのくらいなら参加できそうか」に気づくこともあります。 また休んだことだけで、それまでの変化を否定しないことが大切です。
Q. 復帰できたら毎日行かせた方がいいですか?
一度登校できたことと、毎日の登校を続けられる状態であることは同じではありません。 本人や学校と相談し、短時間や特定の曜日など、負担の少ない形から考える方法もあります。
Q. また休んだ日は何と声をかければいいですか?
すぐに「明日は行ける?」と聞くより、「今日は疲れた?」「学校に行ってみてどうだった?」など、今の状態を確認する声かけの方が本人が話しやすい場合があります。 話したくなさそうな日は、無理に答えを求めないことも選択肢です。
Q. フリースクールに通いながら学校復帰できますか?
できます。 学校とフリースクール等を併用している子どももいます。 学校へ行けるようになったからといって、学校外の居場所をすぐに手放す必要はありません。
Q. フリースクールは学校の出席扱いになりますか?
一定の要件を満たし、在籍校側が認めた場合には、学校外の民間施設で相談・指導を受けた日を指導要録上の出席扱いにできる場合があります。 施設利用前に学校と相談し、活動内容の報告方法なども確認してください。
まとめ|「戻れたか」ではなく、本人が無理なく前へ進めているかを見る
不登校からの復帰は、一度学校へ戻れば終わりというものではありません。
学校へ行けた日があっても、また休んでいい。
教室ではなく、別室や短時間からでもいい。
学校と別の学び場を両方持ってもいい。
「毎日学校へ行ける状態に戻す」ことだけをゴールにせず、 その子が安心して、人や学びとつながりながら、自分の次の一歩を選べているか を見ていきましょう。
学校に戻るか、戻らないか。
今すぐ一つに決めなくていい。
学校に行ける日も、行けない日も。
つながれる場所を一つ増やしてみませんか?
自宅から参加できるメタバース校舎と、全国のリアル教室があります。 体験会では、実際の授業や休み時間の様子を見ることができます。
学校と併用しながらの利用も可能です
・ 文部科学省「学校外の公的機関や民間施設における相談・指導の出席扱いについて」
・ NIJINアカデミー「学校とNIJINアカデミー、2つの居場所で過ごすこばてぃーさん」
※子どもの状態や学校側の対応は一人ひとり異なります。 強い心身の不調がある場合や、安全面に不安がある場合は、学校・教育相談機関・医療機関など適切な専門機関にもご相談ください。

