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小学校のいじめ、学年・性別別の特徴と対応

2026 10/16
不登校の基礎知識 不登校のサイン 不登校の初期対応 学校を休ませる判断 人間関係
2026年7月21日2026年10月16日
いじめ 小学校

「うちの子、学校で何かあったのかもしれない」。そんな不安を感じたことはありませんか。

小学校のいじめは、実は低学年ほど多く起きています。「まだ小さいから大丈夫」という思い込みが、気づきを遅らせてしまうこともあります。

この記事では、文部科学省の調査データをもとに、学年別の傾向を整理しました。いじめのサインの見つけ方と、保護者ができる対応までまとめています。

📝 この記事でわかること

  • 小学校のいじめが学年別にどう違うか
  • 低学年でいじめが多い理由
  • 性別による現れ方の傾向
  • 見逃したくないサインのチェックリスト
  • 気づいたときに保護者ができること
公園で手をつなぐ親子
小さなサインに気づくことが、最初の一歩になります
目次

小学校のいじめは低学年がピーク

📊 いじめの認知件数は小学2年生前後が最も多い傾向

文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると。学年別のいじめ認知件数は小学校低学年で多く、学年が上がるにつれて減少していく傾向が見られます。全国的にいじめの認知件数自体は増加傾向にあり、過去最多を更新し続けています。「低学年だから大丈夫」ではなく、むしろ低学年ほど注意が必要というのが実態です。

「認知件数が増えている」と聞くと不安になりますが。これは悪いことばかりではありません。学校が小さなトラブルも見逃さず拾い上げるようになった、という側面もあります。大切なのは、件数の多さに驚くことより、家庭でもサインに気づける目を持つことです。

参考:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」

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学年による現れ方の違い

いじめは、学年によって現れ方が変わります。低学年と高学年では、気をつけるポイントが異なります。

学年現れ方の傾向
低学年「ふざけ合い」との境界があいまい。ささいなきっかけで手が出やすい
中学年仲間はずれや、からかいが増える。グループができ始める
高学年陰湿化・グループ化。無視やSNS上のトラブルなど、見えにくい形に

低学年では、まだ「いじめ」と「ふざけ合い」の境界を子ども自身がうまく区別できません。ささいなきっかけから、トラブルに発展しやすい傾向があります。

一方、学年が上がるにつれて、いじめは陰湿化・グループ化しやすくなります。大人からは見えにくい形(無視、SNS上でのトラブルなど)に変化していく傾向が指摘されています。学年によって「見え方」が違うため、保護者が気づきにくくなる時期があることを知っておきましょう。

性別による傾向の違い

いじめの現れ方には、性別による傾向の違いも指摘されています。もちろん個人差が大きく、あくまで一般的な傾向です。

  • 男子に多い傾向:たたく・ける・ものを隠すなど、目に見えやすい形
  • 女子に多い傾向:無視・仲間はずれ・悪口など、関係性の中で起きる見えにくい形

「見えにくいいじめ」は、周囲の大人が気づきにくいのが特徴です。表面的には仲良く見えても、本人がつらさを抱えていることがあります。表情や口数の変化にも、目を向けてみてください。

見逃したくないいじめのサイン

いじめは、本人が「言い出せない」ことがほとんどです。だからこそ、家庭で気づけるサインを知っておくことが大切です。

  • 持ち物がなくなる・壊れる・汚れていることが増えた
  • 体に、あざや傷がある
  • 「お腹が痛い」など、朝の体調不良が増えた
  • 元気がなく、口数が減った
  • 使うお金が急に増えた(おごらされている可能性)
  • 友達の話や、学校の話をしなくなった

いくつも当てはまる場合は、丁寧に話を聞くタイミングかもしれません。問い詰めず、「何かあったら味方だよ」という姿勢で寄り添ってみてください。いじめられやすい子の特徴について気になる方は、いじめられやすい子の親の特徴もあわせてご覧ください。

気づいたときに保護者ができること

いじめに気づいたとき、あわてて問い詰めるのは逆効果です。まずは、安心して話せる雰囲気をつくることが第一歩です。

  • 「学校で嫌なことはない?」と決めつけずに、日常会話の延長で聞いてみる
  • 持ち物の紛失・破損、体の傷、食欲や睡眠の変化に注意を向ける
  • 担任・スクールカウンセラーに、早めに相談する
  • 学校の対応に不安がある場合は、教育委員会の相談窓口も選択肢に入れる
  • 学校に行くこと自体がつらそうなら、無理に行かせず休養も選択肢にする
  • 記録を残す(いつ・何があったか、体の傷は写真も)

「大げさかな」と思うくらいで、ちょうどよいものです。早めに動くことで、選択肢を広く持てます。子どもには、「あなたは何も悪くない」と繰り返し伝えてあげてください。

いじめが原因で不登校になったら

いじめがきっかけで、学校に行けなくなることもあります。そんなときは、無理な登校を最優先にしないでください。まずは、お子さんの安全と心の回復が第一です。

学校に戻ることだけが、ゴールではありません。教育支援センターやフリースクールなど、学校以外の居場所も選択肢になります。安心できる場所で力を取り戻してから、次を考えても遅くありません。いじめを受けている今できることは、いじめを受けている今、今日からできることにまとめています。

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家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

学校に伝えるときの文例

言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。

① しばらく休むことを伝える

いつもお世話になっております。◯年◯組の◯◯の保護者です。
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。

毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

② 配慮をお願いする

◯◯は、教室の人数と音の多さで疲れてしまうことが多いようです。
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。

「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。

③ 出席扱いについて相談する

学校外での学びについてご相談させてください。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。

ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。

④ 面談のあとに送る確認メール

本日はお時間をいただきありがとうございました。
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。

口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

伝える相手の順番

担任で止まっていると感じたら、学年主任 → 生徒指導主事 → 教頭・校長 → 市区町村の教育委員会(教育相談室)の順に相談先を上げてください。感情的にならず、これまでの経緯と依頼内容を時系列で整理して伝えるのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

まぎらわしい用語の整理

不登校について調べていると、似た名前の制度がいくつも出てきて混乱しがちです。いちばん多い誤解は「教育支援センター」と「学びの多様化学校」を同じものだと思ってしまうことです。前者は在籍校に籍を置いたまま通う「施設」、後者は転校して在籍する「学校」で、まったく別物です。

似ているけれど別物の制度
用語正体在籍費用出席の扱い
教育支援センター
(=適応指導教室)
市区町村の教育委員会が運営する施設在籍校のまま原則無料要件を満たせば出席扱い
校内教育支援センター
(=校内の別室)
在籍校の中に置かれた部屋在籍校のまま無料出席として扱われる
学びの多様化学校
(旧・不登校特例校)
特別の教育課程を組める正式な学校(全国84校)その学校に転校公立は無償/私立は学費通常の出席
フリースクールNPOや民間企業が運営する民間施設在籍校のまま月1〜5万円程度要件を満たせば出席扱い
オンラインスクール自宅から参加する民間のスクール在籍校のままスクールにより異なる自宅ICT学習の要件を満たせば可
通信制高校・サポート校高校段階の学校と、その学習を支える施設その高校に在籍学校により異なる高校の在籍として扱われる

この表でとくに見ておきたいのは「在籍」の列です。転校が必要かどうかで、手続きも心の準備もまったく変わります。教育支援センターやフリースクールは在籍校に籍を残したまま通えるので、「合わなければ戻る」ことができます。

名前が違っても中身は同じことがあります

とくに教育支援センターは、自治体ごとに「適応指導教室」「ふれあい教室」「ゆうゆう広場」「チャレンジ学級」などさまざまな愛称がついています。お住まいの市区町村で見つからないときは「◯◯市 適応指導教室」「◯◯市 教育相談 不登校」でも検索してみてください。それでも出てこなければ、市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話するのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページにまとまっています。

この記事のテーマについて、よく寄せられる質問

同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。

Q. 学校に相談しても動いてくれません

A. いじめ防止対策推進法により、学校には調査と対応の義務があります。担任で止まっている場合は、学年主任・生徒指導主事・管理職へと相談先を上げてください。それでも進まないときは、市区町村の教育委員会に相談できます。

Q. 子どもが「言わないで」と言います

A. 本人の意思は尊重しつつ、安全に関わることは大人が動く必要があると伝えてください。「あなたを守るために、こういう形で伝えるね」と、何をどう伝えるかを本人と一緒に決めると、裏切られたと感じにくくなります。

Q. 休ませると逃げ癖がつきませんか?

A. つきません。むしろ限界まで我慢させることのほうがリスクです。教育機会確保法の第13条は「休養の必要性」を条文で明記しています。休むことは制度が想定している対応です。

Q. 転校は有効ですか?

A. 有効な場合があります。文部科学省の通知も、いじめが不登校の原因になっている場合に就学すべき学校の指定変更や区域外就学を認める柔軟な対応を求めています。市区町村の教育委員会に相談してみてください。

Q. 本人が「自分が悪い」と言います

A. いじめられる側に原因があるという考え方は誤りです。まず「あなたは悪くない」とはっきり言葉にすることが必要です。特徴やサインについてはいじめられやすい子に特徴はある?もご覧ください。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

低学年のいじめは様子を見ていて大丈夫ですか?

低学年は、自分の気持ちをうまく言葉にできないことも多いものです。様子見だけでなく、日々の小さな変化に注意を向けることが大切です。気になる様子があれば、早めに学校に相談しましょう。

学校に相談しても対応してもらえない場合は?

担任だけでなく、学年主任やスクールカウンセラー、教育委員会の相談窓口など、相談先は複数あります。一つの窓口で解決しない場合は、他の窓口も検討してみてください。記録を残しておくと、相談がスムーズになります。

いじめが原因で不登校になった場合、どうすればいいですか?

無理に登校させることを優先せず。まずはお子さんの安全と心の状態を最優先に考えてください。教育支援センターやフリースクールなど、学校以外の居場所も選択肢になります。

子どもが「言わないで」と言います。どうすれば?

本人の気持ちを尊重しつつ、「あなたを守るために必要」と丁寧に伝えましょう。学校に伝える際も、本人が不利にならない配慮を一緒にお願いすることができます。ひとりで抱え込ませないことが大切です。

わが子が加害側かもしれないときは?

頭ごなしに責めず、まず背景にある気持ちを聞いてみてください。子ども自身がストレスを抱えていることもあります。学校とも連携し、相手への謝罪と再発防止を一緒に考えていきましょう。

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まとめ

小学校のいじめは、低学年で多く見られる傾向があります。学年や性別によって、現れ方が異なることも知っておきましょう。表面からは見えにくいいじめもあります。

大切なのは、小さなサインを見逃さず、早めに相談することです。「あなたは悪くない」と伝えながら、お子さんの安全と心を第一に守っていきましょう。

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