- 就学援助の「要保護」「準要保護」という2つの区分と、認定の考え方
- 支給される14の費目(オンライン学習通信費や通学費も含まれます)
- 不登校のときに扱いが分かれやすい費目と、その理由
- 学校に行かなくても申請を進める方法と、窓口で確認したいこと
この記事は、全国から900名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の知見も踏まえて構成しています。学びの場を選ぶとき、お金の見通しが立っているかどうかで動きやすさは大きく変わります。
※本記事は2026年9月5日時点の情報です。就学援助の認定基準・費目・申請方法は市区町村ごとに異なり、変更されることもあります。必ずお住まいの市区町村の最新の案内をご確認ください。
就学援助とは|対象になるのは「要保護」と「準要保護」
就学援助は、学校教育法にもとづき、経済的な理由で就学が困難な小中学生の保護者に対して、市区町村が学用品費や給食費などを援助する制度です。対象は次の2つに分かれます。
| 区分 | 対象 | 人数(令和6年度) |
|---|---|---|
| 要保護 | 生活保護法に規定する要保護者 | 約8万人 |
| 準要保護 | 市町村教育委員会が「要保護者に準ずる程度に困窮している」と認める者 | 約109万人 |
つまり、生活保護を受けていなくても、市区町村が定める基準に当てはまれば対象になります。実際に利用しているのは準要保護のほうが圧倒的に多く、100万人を超えます。「うちは対象外だろう」と自己判断で見送ってしまうのは、いちばんもったいない選択かもしれません。
認定基準は市区町村ごとに違います
準要保護の基準は各市区町村が定めるため、金額も条件も一律ではありません。参考までに名古屋市の例では、所得が基準額以下であること(2人〜6人世帯で322万8千円〜541万9千円、7人以上は1人増すごとに46万2千円加算)のほか、生活保護が停止・廃止された場合、児童扶養手当が支給された場合なども対象として示されています。
この基準は自治体によってかなり幅があります。他の市の情報を見て「うちは無理」と判断せず、必ずお住まいの市区町村の基準を確認してください。
支給される費目|オンライン学習通信費も入っています
文部科学省の就学援助ポータルサイトでは、支給対象の費目として次のものが挙げられています。
- 学用品費/体育実技用具費/通学用品費
- 新入学児童生徒学用品費等
- 通学費
- 修学旅行費/校外活動費
- 医療費
- 学校給食費
- クラブ活動費/生徒会費/PTA会費
- 卒業アルバム代
- オンライン学習通信費
不登校の家庭にとって見逃せないのが、「オンライン学習通信費」と「通学費」の2つです。自宅でのICT学習を続けている場合の通信費や、教育支援センターなどに通うための交通費が、この費目に該当する可能性があります。ただしどの費目を実際に支給するかは市区町村が決めるため、案内に載っているかどうかを窓口で確かめる必要があります。
不登校の場合、どう扱われるのか
出席日数は認定の要件ではありません
就学援助の認定は、あくまで家庭の経済的な状況にもとづくものです。文部科学省の資料でも市区町村の案内でも、出席日数を認定の条件として定めている規定は確認できません。学校に行けていないことを理由に申請をためらう必要はありません。
ただし「実際に発生していない費用」は扱いが分かれます
気をつけたいのは、実費に対して支給される費目です。たとえば給食を食べていない月の学校給食費は、そもそも費用が発生していないため支給されない、という運用をしている自治体があります。修学旅行費や校外活動費も、参加しなければ同じ考え方になります。
これは「不登校だから打ち切られた」のではなく、実費精算の仕組み上そうなる、という性質のものです。とはいえ運用は自治体ごとに違うので、思い込みで判断せず窓口に確認してください。
就学援助と、フリースクールの利用料を補助する制度は別物です。就学援助はフリースクールの月謝を対象にしていません。フリースクールの費用については、都道府県や市区町村が独自に設けている助成制度のほうを確認することになります。
学校に行けなくても、申請は進められます
申請の窓口は、在籍する学校か、市区町村の教育委員会です。年度当初に学校で申請書が配られる自治体が多いのですが、年度途中でも申請できる自治体がほとんどです。
子どもが学校に行けていない場合、申請書を受け取ること自体がハードルになります。その場合は、学校の事務室や教育委員会に電話し、郵送してもらえないか、あるいは窓口で直接受け取れないかを相談してみてください。担任の先生を通さずに手続きを進めたい事情がある場合も、教育委員会に相談すると別の方法を案内してもらえることがあります。
- 準要保護の所得基準はいくらか(世帯人数ごと)
- 年度途中の申請はできるか。認定された場合、いつからの分が支給されるか
- 登校していない期間の給食費・修学旅行費はどう扱われるか
- オンライン学習通信費・通学費は支給費目に入っているか
- 申請書を学校を通さずに受け取る方法はあるか
「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」——これは、公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長がNIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。制度の申請書は事務的なものですが、その先にあるのは「この子の学びを止めない」という、とても人間的な目的です。
よくある質問
まとめ
就学援助は、出席日数ではなく家庭の経済的な状況で認定される制度です。準要保護として100万人以上が利用しており、生活保護を受けていない家庭も広く対象になっています。費目にはオンライン学習通信費や通学費も含まれるため、自宅で学んでいる場合や教育支援センターに通っている場合にも関わってきます。基準も費目も市区町村ごとに違うので、まずはお住まいの市区町村の案内を取り寄せて、あてはまるかどうかを確かめるところから始めてみてください。
NIJINアカデミーは、全国から900名を超える子どもたちが通うオンラインのオルタナティブスクールです。8〜10人の少人数クラスで、カメラや音声をオフにしたままの参加もできます。まずは説明会で、どんな場所か見てみてください。
この記事の内容を確かめるための一次資料
- 文部科学省「就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)」
- 名古屋市「就学援助(未来まなび応援金)」(認定基準・支給費目の一例として)

