- 不登校のときにかかるお金を、5つの費目に分けた全体像
- 学校に通わないことで減る費用・増える費用
- 使える制度の一覧(就学援助・自治体の助成・通学定期・出席扱い関連)
- 費用を抑えるときに見る順番
この記事は、全国から900名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の知見も踏まえて構成しています。学びの場を決めるとき、多くのご家庭が最初につまずくのが「結局いくらかかるのか分からない」という点でした。
※本記事は2026年9月5日時点の情報です。金額は目安であり、制度の内容は市区町村によって異なります。実際の判断の前に、各記事と公的機関の最新情報をご確認ください。
まず全体像|お金は5つの費目に分けて考える
不登校のときの家計は、次の5つに分けると整理しやすくなります。
| 費目 | 中身 | 増えるか減るか |
|---|---|---|
| ①学校関係費 | 給食費、教材費、行事費、PTA会費など | 登校しない期間は減ることが多い(実費分) |
| ②学びの場の費用 | フリースクール・オルタナティブスクールの入会金と月謝 | 増える(公的機関を使う場合は原則無料) |
| ③家庭学習の費用 | 教材、タブレット等の端末、通信費 | 増える |
| ④交通費 | 通所先までの交通費、通学定期 | 通所先による |
| ⑤将来の進路費用 | 高校の学費、受験関連費 | 進路の選び方による |
よく見落とされるのが①です。登校していない期間、給食費や行事費は実費として発生しないため、家計から出ていく分は減ります。「学校に行かないと余計にお金がかかる」という印象は、増える分だけを見ているときの感覚であることが多いです。まずは差し引きで考えてみてください。
②学びの場の費用|無料から月5万円超まで幅があります
いちばん幅が大きいのがここです。選択肢はおおまかに3つあります。
- 教育支援センター(適応指導教室)…市区町村が運営する公的機関。利用料は原則無料
- フリースクール(民間)…月謝の全国平均は月あたり約3万3,000円、入会金の平均は約5万3,000円(文部科学省の調査による)。実際には月数千円のところから5万円を超えるところまで幅があります
- オンラインのスクール…通所型より抑えられることが多く、交通費もかかりません
順番としては、まず無料で使える教育支援センターを見学し、そのうえで民間の選択肢を検討する、という流れが費用の面では合理的です。出席扱いの要件にも「公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合」という条件があるため、この順番は制度上の考え方とも一致しています。
フリースクールの費用の内訳やタイプ別の相場、費用を抑える方法は別の記事に詳しくまとめています。
③家庭学習の費用|教材と通信費
自宅で学ぶ場合、教材費と通信費がかかります。出席扱いに対応した家庭学習教材は、月8,000円台から1万3,000円台のものが中心です(2026年9月時点・各社公式サイト)。端末を持っていない場合はその費用も加わります。
ここで知っておきたいのが、就学援助の費目に「オンライン学習通信費」が含まれていることです。認定されれば通信費の一部が援助の対象になる可能性があります。どの費目を実際に支給するかは市区町村が決めるので、窓口で確認してみてください。
④交通費|3つのルートがあります
通所型の場所を選ぶ場合、毎日の交通費が意外に大きくなります。使える制度は3つです。
- 通学定期乗車券…校長が出席扱いと認めた通所については、校長が交通事業者に申請することで発売されます(平成5年の文部省通知にもとづく仕組み)
- 就学援助の「通学費」…支給費目に含まれています。対象範囲は市区町村によります
- 自治体独自の助成制度…フリースクール利用料の助成に交通費を含めている自治体があります
使える制度の一覧
| 制度 | 何に使えるか | 窓口 |
|---|---|---|
| 就学援助 | 学用品費、給食費、通学費、オンライン学習通信費など14費目 | 在籍校または市区町村教育委員会 |
| フリースクール利用料の助成 | 民間フリースクールの月謝の一部 | 都道府県・市区町村(実施していない自治体もあります) |
| 通学定期乗車券 | 通所先までの交通費 | 在籍校の校長を通じて各交通事業者へ |
| 高等学校等就学支援金 | 高校の授業料 | 進学先の高校 |
就学援助は準要保護として100万人以上が利用している制度で、生活保護を受けていない家庭も広く対象になります。「うちは対象外だろう」と自己判断で見送るのがいちばんもったいないところです。
制度はそれぞれ窓口が違います。就学援助は教育委員会、フリースクール助成は自治体の担当課、通学定期は在籍校の校長。どこか1か所で「使えません」と言われても、他の窓口が残っていることが多いので、3つを別々に確認してみてください。
費用を考えるときの順番
- 1. 教育支援センターを見学する(原則無料。ここで合えば費用の問題は大きく減ります)
- 2. 就学援助の対象になるか、市区町村の基準を確認する
- 3. お住まいの自治体にフリースクールの助成制度があるか調べる
- 4. そのうえで、民間の選択肢を月あたりの総額(月謝+交通費+教材費)で比べる
- 5. 通所が難しい場合は、オンラインを含めて検討する
1と2を先にやるだけで、判断の前提がかなり変わります。逆に、いきなり4から始めると金額の大きさに驚いて選択肢を狭めてしまいがちです。
「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」——これは、公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長がNIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。お金の話は生々しいけれど、避けて通ると選択肢そのものが見えなくなります。数字を並べることは、あきらめないための作業でもあります。
よくある質問
まとめ
不登校の家計は、①学校関係費 ②学びの場の費用 ③家庭学習の費用 ④交通費 ⑤将来の進路費用の5つに分けると見通しが立ちます。登校しない期間は①が減り、②③④が増える、という構造です。そして②の部分は、教育支援センターという無料の選択肢から始めるかどうかで大きく変わります。就学援助・自治体の助成・通学定期という3つの制度は窓口が別々なので、それぞれ確認してみてください。金額を並べる作業は気が重いものですが、並べてしまえば「思っていたより手が打てる」と分かることのほうが多いはずです。
NIJINアカデミーは、全国から900名を超える子どもたちが通うオンラインのオルタナティブスクールです。現役教師の協力や企業連携により、通所型と比べて費用を抑えた設定にしています。まずは説明会で、どんな場所か見てみてください。
この記事の内容を確かめるための一次資料
- 文部科学省「就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)」
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日
- 文部省初等中等教育局中学校課長「登校拒否児童生徒が学校外の公的機関等に通所する場合の通学定期乗車券制度の適用について」平成5年3月19日(5初中30)
- フリースクールの月謝・入会金の平均は、文部科学省の民間施設に関する調査にもとづく数値です(詳細は費用の記事を参照)

