「ぼくが、自分らしくいられる場所」――抹茶さんが見つけた“安心して学べる居場所”

こんにちは。ボランティアスタッフのコージーです。

今回は、NIJINアカデミー(以下、ニジアカ)で学ぶ中学1年生の抹茶さんにお話を伺いました。彼はかつて学校に行けなくなった時期を経て、いまではサークル活動のリーダーや大人の前でのプレゼンにも挑戦するほどに自信をつけています。そんな彼がニジアカで見つけた「自分らしくいられる居場所」についてお伝えします。

目次

学校に行けなくなった日々――「このままでいいのかな」と思っていた

抹茶さんが学校に通えなくなったのは、新型コロナウイルスによる全国的な休校があった頃、小学3年生のときでした。休校明けに一度は復帰したものの、どこか違和感があったといいます。

「学校に行っても、なんだか自分には合ってないなって感じていました。」

その後、「別のオンラインフリースクール」に通い始めました。そこではみんなで楽しく遊ぶ時間が多く、居心地は良かったそうです。ただ、次第に「このままずっとここにいるのは難しいかも」と感じるようになったといいます。

「勉強する環境ではなかったから、将来のことを考えると不安でした。」

今でも交流が続いている友達ができたことは嬉しかったものの、学びの面では物足りなさを感じていた抹茶さん。そんなとき、彼のお母様が見つけてくれたのがニジアカでした。

入学のきっかけは「明るい雰囲気」と「勉強できる場所」

ニジアカのことを知ったのは、まだ開校前。お母様がさまざまな学びの場を調べる中で、ニジアカを見つけてくれたそうです。

「どこでもいいと思っていたけど、母が見つけてくれたニジアカの体験入学に参加してみたんです。」

気軽に参加してみた体験入学で、抹茶さんはまず先生や生徒たちの明るさに驚いたといいます。そして何より、「ここなら勉強できそう」と感じられたことが、入学を決める大きなきっかけになりました。

「オンラインだけど、ちゃんと勉強する雰囲気があるって思いました。雰囲気も明るくて、ここに通いたいって思えました。」

自分の想いを形にできる場所――ゲームサークルの立ち上げ

ニジアカに入学してから、抹茶さんは「ゲームサークル」を自ら立ち上げました。

「普通の学校だと、生徒が部活をつくるなんて難しい。でもニジアカなら、自分のやりたいことを企画して仲間を見つけることで実現ができるんです。」

とはいえ、サークルを作るにはプレゼン資料を作り、100名以上の前で発表し、校長先生の許可を得る必要があります。当時の抹茶さんはまだ小学生。プレゼン資料など作ったこともなく、最初は何から始めればよいのか戸惑っていたそうです。それでも、「やってみたい」という気持ちを原動力に、先生と一緒に内容を整理し、発表の練習を重ねていきました。大勢の前で話すのはとても緊張しましたが、無事にやり遂げることができました。

「すごく緊張したけど、やり遂げたことで自信がつきました。」

サークル活動は、ただ遊ぶだけではありません。仲間と共に企画・運営を進める中で、自然と主体性や責任感が身につきます。抹茶さんはその中心メンバーとして、日々楽しみながら成長を続けています。

“大人の世界”に挑戦――ICCカタパルトでのプレゼンテーション

抹茶さんにとってさらに大きな挑戦だったのが、「ICCカタパルト」への参加です。

※ICCカタパルトとは、全国から起業家や経営者が集まり、自らの事業や構想をプレゼンテーションするビジネスイベント。アイデアを社会に発信する“本気の場”として、多くの大人たちが真剣に臨む舞台です。

そんなビジネスの世界で活躍する大人たちの前で、抹茶さんはニジアカの魅力を伝えるという機会に恵まれました。

「めちゃくちゃ緊張したけど、やってみて本当に良かったです。終わってから、“ああすればもっと良かったかも”って思ったところもあったけど、それくらいちゃんと本気で取り組めたってことかなって思いました。」

普通の中学生ではなかなか経験できない場に、自分の意思で立候補して挑戦できたことが、何よりの自信につながったと話してくれました。

「あんなに大人の人たちの前で話すなんて、前の自分だったら考えられなかったと思います。」

堂々と語る抹茶さんの姿に、大人たちもきっと刺激を受けたはずです。

好きなことから広がる世界――鉄道への愛と仲間とのつながり

抹茶さんのもうひとつの大きな「好き」は、鉄道です。時間をかけて一人で鉄道博物館に行くほどの熱意を持っており、ニジアカの鉄道研究部(鉄研)にも所属しています。

「電車に乗っている時間も楽しいんです。移動そのものが好きなんですよね。」

鉄道好きな仲間とは、オンラインで写真を共有したり、リアルで情報交換をしたりと、活動の幅がどんどん広がっています。5月には、全国から集まった友達と一緒に、大宮の鉄道博物館を訪れるリアル企画も実現しました。

このイベントでは、集合場所や当日の流れを鉄研部長と一緒に相談しながら、スケジュールを立てて準備を進めました。集合時間や移動経路、館内での過ごし方まで、細かい部分もしっかりと共有しておいたそうです。

「企画も自分たちで立てました。行き方もそれぞれが調べていて、誰かに教える必要もないくらい、みんな頼もしかったです。みんなでワイワイ電車の話をするのが本当に楽しいんです。」

自分の「好き」から始まったつながりが、仲間と協力しながら行動する経験へとつながり、抹茶さんの世界を大きく広げてくれています。

これからの目標――「勉強をがんばって、高校に進みたい」

この春から、抹茶さんは「学びの多様化学校」という新たなステージに進みました。
現在は平日に通学しつつ、引き続きニジアカでも学びを続けています。オンラインと通学、それぞれの良さを活かしながら、自分のペースで学習に取り組んでいます。

「社会の宿題は好きだから終わってるけど、数学はまだ1ページも手をつけてない(笑)」

ドリルや課題には苦戦しつつも、少しずつ取り組む意欲が育っています。
苦手な教科があっても、それを「苦手なままで終わらせない」と思えるようになったのは、ニジアカで学び続けてきた経験があるからこそ。

「不登校だった分、遅れている部分もあると思う。だから、これから勉強をがんばって、高校に進みたいです。」

最後に――ニジアカは「自分を信じられる場所」

抹茶さんにとって、ニジアカは「安心して学べる場所」であり、「自分らしくいられる場所」でもあります。学校の形式にとらわれず、自分のペースで学び、挑戦できる環境がここにはあります。

「リアルだと緊張して話せないこともあるけど、オンラインなら話しやすい。だから、自分の意見も言えるようになりました。」

学びの多様化が求められる今、「子どもが安心していられる場所」は、これからの教育にとって何よりも大切な価値なのかもしれません。

自分の「好き」や「やってみたい」を信じて一歩踏み出す。その積み重ねが、抹茶さんの今をつくってきました。自分らしく進むその姿に、私たちも励まされています。これからも応援しています!

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