中学卒業後の進路は、全日制・定時制・通信制の高校だけではありません。高等専修学校は、中学を出てすぐ入れる、職業に直結した学びが中心の学校です。調理、美容、看護、情報、デザイン、自動車整備など分野はさまざまで、勉強そのものより「やりたいことがはっきりしている」子に合うことがあります。ただし卒業しても高校卒業資格にはならないという、知っておくべき点があります。
このページでわかること
- 高等専修学校の法律上の位置づけ(学校教育法の条文つき)
- 高校との違い(卒業資格・大学受験資格)
- 大学入学資格付与指定校とは何か
- 高校卒業資格も取れる「技能連携制度」
- 高等学校等就学支援金の対象になるか
高等専修学校とは
法律上は「専修学校」のうち、高等課程を置くものにあたります。学校教育法の条文はこうです。
学校教育法 第125条第2項
高等課程は「中学校若しくはこれに準ずる学校を卒業した者」を対象とし、中学校における教育の基礎の上に、職業もしくは実際生活に必要な能力を育成する課程とされています。
学校教育法 第126条第1項
「高等課程を置く専修学校は、高等専修学校と称することができる。」
つまり「高等専修学校」は、高等課程を置く専修学校の呼び名です。令和7年度学校基本統計(令和7年5月1日現在)では、高等課程の在学者数は約3万2千人です。
高校との違い
| 高等学校 | 高等専修学校 | |
|---|---|---|
| 入学資格 | 中学校卒業など | 中学校卒業など(同じ) |
| 学びの中心 | 普通教科が中心(普通科の場合) | 職業に直結した実習が中心 |
| 卒業したら | 高等学校卒業資格 | 高卒資格にはならない |
| 大学受験資格 | 得られる | 大学入学資格付与指定校なら得られる |
| 就学支援金 | 対象 | 対象(専修学校高等課程) |
「卒業しても高卒資格にならない」というのが、いちばん誤解されやすいところです。ただし、次の2つの仕組みで補うことができます。
1. 大学入学資格付与指定校
修業年限3年以上の課程のうち、文部科学大臣が指定した高等専修学校があります。この指定校を卒業すると、高校を卒業していなくても大学・短大の受験資格が得られます。指定校の一覧は文部科学省が公表しています。
ただし、得られるのは受験資格であって、高校卒業資格そのものではありません。就職のときに「高卒以上」を条件とする求人に応募できるかどうかは、個別に確認が必要です。
2. 技能連携制度
高等専修学校に通いながら通信制高校などにも在籍し、両方のカリキュラムを修了することで、高等専修学校の卒業資格と、連携先の高校の卒業資格の両方を得られる仕組みです。技能連携を行っているかどうかは学校によって違うので、志望校に直接確認してください。
学校を見るときに確認したいこと
- 大学入学資格付与指定校ですか(進学の可能性を残したい場合)
- 技能連携で高校卒業資格も取れますか(取れる場合、連携先はどこか)
- 修業年限は何年ですか(1年制・2年制・3年制があります)
- 高等学校等就学支援金の対象校ですか
- 実習の時間や通学の負担はどれくらいですか(体調に波がある場合、ここが現実的な判断材料になります)
よくある質問
不登校だった子でも入れますか。
入学資格は中学校卒業などであり、出席日数の要件は法令上ありません。ただし各校の入試や選考基準は学校ごとに違います。調査書の扱いを含め、志望校に直接確認してください。
高等学校等就学支援金は受けられますか。
受けられます。文部科学省のよくある質問のページで、専修学校(高等課程)が支援金の対象校種に含まれることが示されています。高校生等奨学給付金も対象です。
専門学校とは違うのですか。
違います。一般に「専門学校」と呼ばれるのは専修学校の専門課程で、入学資格は高校卒業などです。高等専修学校は高等課程で、中学卒業後に入れます。同じ専修学校でも、対象となる年齢層が異なります。
全国にどれくらいありますか。
令和7年度学校基本統計では高等課程の在学者数は約3万2千人と公表されています。学校数については、今回確認した資料の間で読み取りに食い違いがあったため、確かな数字として書くことは控えます。お住まいの地域にどの学校があるかは、都道府県の私学担当課や文部科学省の指定校一覧でご確認ください。
