「覚えられない子」はいない。
私は、幼児教室で6年間、多くの子どもたちと関わる中で、そのことを何度も実感してきました。
子どもには、一人ひとりに合った学び方があります。
「勉強が苦手な子」と言われる子
教育現場では、そんな言葉を耳にすることがあります。けれど、本当にその子は「勉強が苦手な子」なのでしょうか。
子どもたちは、一人ひとり違う個性を持っています。苦手なものが違えば、得意なことも違う。
興味を持つことも、心が動く瞬間も、それぞれ違います。
それなのに「学び方」だけは、みんな同じでよいのでしょうか。
教育現場で多くの子どもたちと関わる中で、私はそうは思いません。
同じ内容を教えていても、すぐに理解できる子もいれば、なかなか理解につながらない子もいます。しかし、教え方や伝え方を少し変えるだけで、それまで「勉強が苦手」と思われていた子が、生き生きと学び始まる姿を何度も見てきました。
子どもは、「覚えられない」のではありません。一人ひとりに合った学び方があるのです。
では、子どもたちは、どのような違いを持っているのでしょうか。
目次
- 学び方は、一人ひとり違う
- 発達特性を理解すると、学び方が見えてくる
- 子どもには、様々な学び方がある
- 大切なのは「その子を見ること」
- 「できた!」の積み重ねが未来を変える
- まとめ
学び方は、一人ひとり違う
幼児教室で、何度数字を教えても覚えられないお子さんがいました。ところが、お店屋さんごっこを始めると、「300円のをください」・「おつりは200円です」と、楽しそうに計算をしていたのです。机の上では難しかったことが、遊びの中で、具体物を使うことで、自然とできていました。その時、「この子は数字が苦手なのではなく、学び方が違うんだ」と気づきました。
発達特性を理解すると、学び方が見えてくる
ある子は、何度口で説明しても理解できませんでした。でも、絵を描いて説明すると、「あ!そういうことか!」と理解したのです。その子に必要だったのは、もう一度説明することではなく、「見える形」にすることだったのです。
子どもには、様々な学び方がある
漢字や九九が苦手だった子。ただ何度も書かせるだけでなく、漢字をイラストやストーリーと結びつけたたり、九九はフラッシュカードで視覚と聴覚から記憶の定着をアプローチして覚えてもらいました。
「先生、覚えられた!」その笑顔は今でも忘れられません。
大切なのは、「その子を見ること」
同じ発達特性があると言われている二人の子。一人は図形が好き。もう一人は言葉遊びが好き。得意も苦手もまったく違いました。「診断名」で見るのではなく、「この子は何が好きなんだろう」や「何が得意なんだろう」と考えることの大切さを教えてもらいました。
「できた!」の積み重ねが未来を変える
最初は「できない」が口癖だった子がいました。そこで、課題を細かく分け、「今日はここまでできたね!」そう声を掛け続けました。数か月後、その子は自分から「次もやってみる!」と言えるようになっていました。
まとめ
グループレッスンをしていると、迷路やタングラムなどの課題で、「一番最初に終わりたい!」と一番にこだわる子がいます。
その一方で、思うように進まず、「できない!」と涙を流してしまう子もいます。そんな時、私は必ずこう声をかけます。
「一番のお友達と比べるのではないよ。先週の自分と比べよう」
「前より早くできるようになったね」
「最後まで諦めずに取り組めたね」
子どもたちに比べて欲しいのは、周りの誰かではありません。昨日の自分、先週の自分、少し前の自分です。
一人ひとり、成長するスピードは違います。
だからこそ、「できた!」を積み重ねながら、自分自身の成長を喜べる子になって欲しいと願っています。
その子に合った学び方が見つかった時、子どもは本来の力を発揮し始めます。私はこれからも、一人一ひとりの子どもと向き合いながら。「できない理由」を探すのではなく、「できる方法」を一緒に探していきたいと思っています。
監修 原祥子(幼児教育アドバイザー)
鎌倉市で幼児教室「みらい塾」運営。幼児教育・小学校受験指導・学習支援に携わり、一人ひとりに合った学び方を大切にした指導を実践。現在は、NIJINアカデミー鎌倉深沢校の教室長として、不登校支援にも取り組んでいる。

