「フリースクールやオンライン学習を、学校の出席として認めてもらいたい。でも、誰に何を伝えればいいの?」
お子さんが学校以外の場所で学び続けていても、保護者だけで申請の準備を進めるのは簡単ではありません。
フリースクールへの通所や自宅でのICT学習は、一定の要件を満たすと、在籍校の指導要録上の出席扱いとなる場合があります。ただし、教材や施設を利用すれば自動的に始まる制度ではありません。保護者から在籍校へ相談し、学校が学習内容や連携方法などを確認したうえで、校長が判断します。
この記事では、学校へ相談するときの流れ、必要な準備、そのまま使える依頼文、認められなかった場合の対応まで分かりやすく紹介します。
先に確認しておきたいこと
この記事は、主に義務教育段階(小学校・中学校)の出席扱いについて解説しています。高校は仕組みが異なるため、在籍校へ個別に確認してください。
制度や要件を先に確認したい方は、不登校の出席扱いとは?フリースクール・自宅学習が認められる要件をご覧ください。
まず準備しておきたい4つの情報
学校へ相談する前に、次の内容を簡単に整理しておくと話が進みやすくなります。
- どこで、どのように学んでいるか
- 週何日、1日何時間ほど活動しているか
- 学習記録や活動報告をどのように残せるか
- 学校と、どのような方法・頻度で連携できるか
フリースクールを利用している場合は、施設の概要、支援内容、通所記録、学校への報告方法が分かる資料を用意します。学校から求められた場合に備え、利用時間や料金などが分かる案内も手元に置いておくと安心です。
自宅学習の場合は、教材名、学習のねらいと計画、利用履歴、学習時間、確認テストの結果などを説明できるようにしておきましょう。加えて、学校などが本人の状況を定期的・継続的に確認できる「対面指導」の方法も相談します。
不登校の出席扱いを学校に相談する7つのステップ
STEP1 保護者から在籍校へ相談する
まず、担任や学年主任へ「学校外での学びを出席扱いにできるか相談したい」と伝えます。最終的な判断は校長が行うため、必要に応じて管理職を交えた相談の場をお願いしましょう。
この段階では、書類がすべて揃っていなくても構いません。「現在このような学びを続けている」「出席扱いを検討したい」と早めに共有することが第一歩です。
STEP2 学校が施設や学習内容を確認する
フリースクールの場合は、学校が施設の運営方針、相談・指導の内容、通所状況などを確認します。自宅でのICT学習の場合は、教材の内容、本人の理解度に応じた学習計画、学習記録の方法などを確認します。
STEP3 学校が必要に応じて教育委員会と連携する
民間施設での相談・指導が子どもにとって適切かどうかは、校長が学校の設置者である教育委員会と十分に連携して判断します。自治体独自のガイドラインや提出様式が設けられている場合もあるため、学校を通じて確認しましょう。
STEP4 連携と本人確認の方法を決める
誰が、どの程度の頻度で子どもの状況や学習内容を確認するのかを話し合います。
特に自宅でのICT学習では、訪問等による対面指導が適切かつ定期的・継続的に行われることが要件です。対面指導を行う人としては、在籍校の教員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、教育支援センターの職員などが想定されています。
家庭訪問が難しい場合も、本人の状態を伝えたうえで、学校の別室での短時間面談など、実施可能な方法を相談してみましょう。
STEP5 校長が出席扱いを判断する
学校が要件を確認し、校長が指導要録上の出席扱いにするかを判断します。文部科学省は全国一律の時間数や換算基準を示していないため、何時間の活動を1日の出席として扱うかなど、具体的な運用は学校や教育委員会によって異なります。
STEP6 活動記録を定期的に提出する
出席扱いとなった後も、施設や保護者から学校へ、通所日、学習時間、学習・活動内容などを定期的に報告します。報告頻度と様式を最初に決めておくと、継続しやすくなります。
STEP7 必要なら成績評価も相談する
出席扱いと成績評価は別です。出席扱いになっただけで、すべての教科に自動的に評定がつくわけではありません。
学校が学習計画や内容を教育課程に照らして適切と判断し、学習状況を定期的・継続的に把握できる場合は、成果を成績評価に反映できることがあります。学習履歴、作品、レポート、テスト結果など、評価に使える資料と提出方法を学校へ相談しましょう。
相談は早めに始めよう
国の通知には、出席扱いを必ず申出日にさかのぼって認めるという一律の定めはありません。過去の活動をどこまで出席扱いにできるかは、学校や自治体の運用によって異なります。
そのため、必要な書類がすべて揃っていなくても、まず「出席扱いを検討したい」と相談を始め、対象となる日、必要書類、判断までの流れを確認しておくことをおすすめします。
【コピペ可】自宅でのICT学習を相談する依頼文
以下の〔 〕を差し替えて使用してください。
〔○○立○○小学校・中学校〕
校長 〔○○ ○○〕先生
〔年〕年〔月〕月〔日〕
〔○年○組〕〔児童生徒氏名〕
保護者 〔氏名〕
自宅における学習活動の出席扱いについて(相談・お願い)
日頃より〔子どもの名前〕がお世話になっております。
現在、〔子どもの名前〕は登校が難しい状態が続いておりますが、
家庭では〔教材・サービス名〕を用いて学習を継続しております。
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」
(令和元年10月25日・元文科初第698号)別記2に基づき、
自宅での学習活動を指導要録上の出席として取り扱うことが可能か、
ご相談させていただきたく存じます。
1.学習内容
教材・サービス名:〔 〕
学習時間:1日〔 〕時間程度、週〔 〕日
学習範囲・計画:〔 〕
2.学習記録
〔学習履歴・振り返りノート・確認テスト等〕を
〔週1回・月1回〕提出できます。
3.本人との面談・対面指導
〔家庭訪問・学校の別室・その他〕による面談について、
本人の状態に合わせてご相談させてください。
4.学校外の機関の利用状況
〔教育支援センター等への相談・見学・利用状況を記載〕
5.確認をお願いしたいこと
・出席扱いの判断に必要な書類と手続き
・対象となる学習日と、出席日数への換算方法
・学習記録の提出方法と頻度
ご多用のところ恐れ入りますが、ご検討のほど
よろしくお願いいたします。
【コピペ可】フリースクールへの通所を相談する依頼文
〔○○立○○小学校・中学校〕
校長 〔○○ ○○〕先生
〔年〕年〔月〕月〔日〕
〔○年○組〕〔児童生徒氏名〕
保護者 〔氏名〕
学校外施設における相談・指導の出席扱いについて(相談・お願い)
日頃より〔子どもの名前〕がお世話になっております。
〔子どもの名前〕は〔年・月〕より〔施設名〕へ通所し、
学習や他者との関わりの機会を継続的に得ております。
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」
(令和元年10月25日・元文科初第698号)別記1に基づき、
当該施設への通所を指導要録上の出席として取り扱うことが可能か、
ご相談させていただきたく存じます。
1.施設の概要
名称:〔 〕
所在地・運営者:〔 〕
2.通所状況
週〔 〕日、〔 〕時から〔 〕時まで
3.主な相談・指導、活動内容
〔学習支援・体験活動・個別面談など〕
4.学校への報告
施設から〔月1回等〕、通所状況と活動内容を報告できます。
5.公的機関の利用状況
〔教育支援センター等への相談・見学・利用状況を記載〕
6.確認をお願いしたいこと
・出席扱いの判断に必要な書類と手続き
・対象となる通所日と、出席日数への換算方法
・施設からの報告方法と頻度
施設見学や担当者との面談が必要な場合は調整いたします。
ご検討のほどよろしくお願いいたします。
提出した書面はコピーまたはデータを手元に残し、提出日、提出先、話し合った内容も記録しておきましょう。担任や管理職が替わったときにも、これまでの経緯を共有しやすくなります。
学校から認められなかったときの対応
一度の相談で出席扱いにならないこともあります。まずは判断理由を具体的に確認し、満たしていない要件や追加で必要な資料を整理しましょう。
| 学校から言われたこと | 確認したいこと | 次の対応 |
|---|---|---|
| 前例がない | 前例の有無ではなく、今回のケースを要件に沿って検討したか | 文部科学省通知の別記1・別記2を一緒に確認してもらう |
| 教育委員会が認めないと思う | 教育委員会と正式に確認・協議した結果か | 教育委員会への確認を依頼し、担当部署も教えてもらう |
| その教材では認められない | 学習のねらい、計画、履歴など何が不足しているか | 学習内容・時間・進捗・確認テスト等を資料にする |
| 対面指導ができていない | 誰が、どの方法なら本人の状況を確認できるか | 家庭訪問や学校の別室など、本人の状態に合う方法を相談する |
| まず学校へ来る努力をしてほしい | 本人の現在の状態と、出席扱いの制度要件を分けて検討できるか | 本人に負担をかけない支援方法を含め、書面で再相談する |
話が進まない場合は、市区町村教育委員会の学校教育課や指導課などへ、保護者から相談することもできます。「自治体名+不登校+出席扱い+ガイドライン」で検索すると、自治体独自の資料が見つかる場合があります。
よくある質問
フリースクールに通えば自動的に出席扱いになりますか?
いいえ。施設に出席扱いの実績があっても、自動的に認められるわけではありません。保護者と学校の連携、施設での相談・指導の内容などを確認し、子どもごとに在籍校の校長が判断します。
出席扱いになると成績もつきますか?
自動的にはつきません。出席扱いと成績評価は別の判断です。評価も希望する場合は、学校が学習内容や成果をどのように確認できるかを相談しましょう。すべての教科に評定をつけることが難しくても、学習状況を所見欄などへ文章で記載する方法も示されています。
過去にさかのぼって認めてもらえますか?
学校や自治体によって取扱いが異なります。国の通知には全国一律の遡及ルールは示されていないため、対象となる開始日を早めに在籍校へ確認してください。
オンライン授業を受けているだけでは難しいのですか?
受講している事実だけで自動的に出席扱いになるわけではありません。自宅でのICT学習では、本人の理解度を踏まえた計画的な学習、学校による学習状況の把握、訪問等による定期的・継続的な対面指導などが要件です。学習履歴や計画を用意し、本人確認の方法も学校と相談してください。
オンライン型のフリースクールは「施設への通所」になりますか?
文部科学省の別記1は、学校外の施設へ通所または入所して相談・指導を受ける場合を前提としています。自宅からオンラインで参加する学びは、実態に応じて別記2のICT学習として検討される可能性があります。在籍校と教育委員会へ、どちらの要件で確認するのかを相談してください。
高校生も同じ依頼文を使えますか?
そのまま使うのはおすすめできません。高校には学校外施設での相談・指導に関する別の取扱いがあり、履修・進級・単位認定も学校ごとに確認が必要です。まず在籍校へ相談してください。
出席扱いより大切にしたいこと
出席扱いは、子どもが続けている学びを学校と共有し、その努力を記録するための一つの仕組みです。しかし、認めてもらうこと自体が最終目的ではありません。
文部科学省も、不登校支援は「学校に登校する」という結果だけを目標にするのではなく、子どもが自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指す必要があるとしています。
学校との調整が長引き、親子が疲れ切ってしまうときは、いったん立ち止まっても大丈夫です。まず優先したいのは、子どもが安心して過ごし、自分に合った形で学びを続けられることです。
あわせて読む:不登校の出席扱いとは?フリースクール・自宅学習が認められる要件
公的な相談先
- 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」
- 文部科学省「子供のSOSの相談窓口」
- お住まいの市区町村教育委員会
- 学校のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー
参考資料
※本記事は2026年8月時点の文部科学省資料をもとに作成しています。実際の判断や必要書類、日数の換算方法は、学校・教育委員会によって異なります。

