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- 定時制の修業年限は法律上「3年以上」で、4年と決まっているわけではないこと
- 三部制(午前・午後・夜間)の具体的な時間帯
- 3年で卒業できる仕組み(他の部の科目の履修、高卒認定の合格科目の単位認定)
- 公立定時制の授業料は全日制よりかなり安く、就学支援金の対象でもあること
- 夜間定時制の給食は今もあるが、実施しているのは全体の約半数だということ
制度は学校教育法・同施行規則と文部科学省の資料、時間帯や学費は東京都教育委員会の資料で確認しています。授業料の額は都道府県の条例で定められるため、地域によって異なります。
定時制は「4年制」ではなく「3年以上」
まず法律の条文から確認します。学校教育法第56条は、高等学校の修業年限について次のように定めています。
「高等学校の修業年限は、全日制の課程については、三年とし、定時制の課程及び通信制の課程については、三年以上とする。」
「3年以上」であって「4年」ではありません。かつては4年制が一般的でしたが、法律上は最初から3年での卒業が想定されているのです。
東京都教育委員会は、定時制の課程を「夜間、その他定められた時間帯に授業を行う課程のことで、修業年限は3年以上です」と説明しています。「夜間」だけでなく「その他定められた時間帯」が含まれている点が重要です。
三部制なら、生活に合う時間帯を選べる
いま定時制の中心になりつつあるのが三部制(昼夜間定時制・単位制)です。東京都の場合、1日の区切りは次のようになっています。
| 部 | 時間帯(東京都の例) | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 1部(午前部) | 8:50〜12:30 | 朝は起きられるが、1日6時間の授業は負荷が大きい |
| 2部(午後部) | 13:15〜16:55 | 朝が苦手/午前は通院や別の活動にあてたい |
| 3部(夜間部) | 17:20〜21:05 | 日中に仕事や活動がある |
| 夜間定時制(従来型) | 17:30頃〜21:00頃・1日4時間授業 | 働きながら学ぶ |
※東京都教育委員会「令和8年度 東京都立高等学校 定時制課程・通信制課程 入学案内」より。四部制の学校(新宿山吹高校)もあります。
東京都教育委員会は、昼夜間定時制高校(6校)について「単位制で昼夜開講多部制の高校である。様々な進路希望に対応した多様で弾力的な教育を行っており、3年での卒業も可能である」と説明しています。
また、都立のチャレンジスクール(7校)については「小・中学校時代に不登校経験を持つ生徒や長期欠席等が原因で高校を中途退学した者等を主に受け入れる総合学科・三部制(午前部・午後部・夜間部)の高校で、他部履修により3年での卒業も可能とする」と明記されています。チャレンジスクールは、制度上は定時制の一種です。
3年で卒業できる仕組み
ではどうやって1年短縮するのか。東京都の入学案内には、こう書かれています。
「高等学校卒業程度認定試験の合格科目や、昼夜間定時制高校における他部の科目の履修による単位認定等の方法により、3年で卒業する道が開かれています。」
方法は大きく2つです。
① 他の部の授業も履修する。たとえば1部(午前)に在籍しながら、2部(午後)の授業も一部受ける。1年あたりに取れる単位数が増えるので、3年で卒業単位に届きます。体力と相談しながら、途中から増やすこともできます。
② 高等学校卒業程度認定試験(高認)の合格科目を、高校の単位として認めてもらう。学校教育法施行規則第100条により、校長が教育上有益と認めるときは、高認で合格点を得た試験科目を高校の科目の履修とみなして単位を与えることができます。ただし、こうした学校外での学修による単位認定は合計36単位までが上限です。
いずれも「必ず3年で卒業できる」という保証ではなく、選べる仕組みがあるという理解が正確です。4年かけて無理なく進む選択も、同じ制度の中にあります。
学費は、全日制よりかなり安い
公立高校の授業料は都道府県の条例で定められています。東京都の場合(令和7年4月1日現在)は次のとおりです。
| 課程 | 授業料 | 入学料 |
|---|---|---|
| 全日制 | 年額 118,800円 | 5,650円 |
| 定時制(学年制) | 年額 32,400円 | 2,100円 |
| 定時制(単位制) | 1単位につき 1,740円 × 履修単位数 | 2,100円 |
| 通信制 | 1単位につき 336円 × 履修単位数 | 500円 |
※東京都教育委員会の公表額(令和7年4月1日現在)。都道府県によって異なります。
さらに高等学校等就学支援金の対象です。令和8年度(2026年度)から所得制限が撤廃され、保護者等の収入の状況を問わずに支給されることになりました。東京都は定時制の入学案内で、就学支援金を「生徒の授業料が無料になる制度」と説明しています。
夜間定時制の給食は、今もある
「夜間定時制には給食がある」というのは本当です。根拠になっているのは「夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律」(昭和31年法律第157号)で、現在も有効な法律です。実施基準も令和3年に改正されています。
ただし、すべての学校にあるわけではありません。文部科学省の学校給食実施状況調査(令和5年5月1日現在)によれば、夜間定時制高等学校539校のうち、完全給食を実施しているのは277校(51.4%)。給食費の平均は月額5,344円(年間177回)です。
東京都は「給食の時間は、始業前又は第1時限終了後に設定している学校がほとんどです」と案内しています。夕食を確保できるという意味は、生活面で小さくありません。志望校にあるかどうかは、学校のページで確認してください。
検討するときに確認したいこと
① どの部があるか。三部制なのか、夜間のみなのかで生活が大きく変わります。
② 3年卒業に対応しているか。他部履修ができるか、高認の単位認定を行っているかは学校によります。
③ 入試の方法。定時制の入試は学力検査の教科数が少ない場合があります。東京都の夜間等定時制は「国語、数学、外国語(英語)、社会及び理科の5教科のうち、3教科を下らない範囲で各都立高校が定める」とされています。チャレンジスクールのように学力検査も調査書もない選抜もあります。
④ 給食の有無と、通学の時間帯の安全。夜間部の場合、帰宅時間が21時を過ぎます。通学経路も含めて確認しておくと安心です。
よくある質問
まとめ
定時制の修業年限は法律上「3年以上」で、三部制なら午前・午後・夜間から生活に合う時間帯を選べます。他部履修や高認の単位認定を使えば3年での卒業も可能で、授業料は全日制より大幅に安く、就学支援金の対象でもあります。
「夜に働きながら通う学校」という古いイメージのままだと、実際の選択肢を1つ丸ごと見落とすことになります。まずはお住まいの都道府県に三部制の学校があるかを調べる——ここから始めてみてください。
この記事の内容を確かめるための一次資料
- 文部科学省「定時制・通信制課程に係る主な関連法令等について」(学校教育法第54条・第56条、同施行規則第102条・第103条ほか) ページ
- 東京都教育委員会「令和8年度 東京都立高等学校 定時制課程・通信制課程 入学案内」 PDF
- 東京都教育委員会「都立高校のタイプ」(昼夜間定時制高校・チャレンジスクール) ページ
- 東京都教育委員会「都立高等学校の授業料等」(令和7年4月1日現在) ページ
- 文部科学省「学校外における学修の単位認定について」(上限36単位) ページ
- 文部科学省「夜間学校給食実施基準」 ページ/「学校給食実施状況調査」(令和5年5月1日現在) PDF
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度」 ページ
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