高校の転入と編入はどう違う?単位の引き継ぎと、募集の時期【2026年版】

ノートパソコンとダンボール箱が置かれた机。高校の転入学・編入学について解説する記事のアイキャッチ
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入学した高校が合わなかったとき、学び直す道は制度として用意されています。ただ「転入」と「編入」は別のもので、募集の時期も条件も違います。この記事では、2つの違い、修得した単位がどうなるか、そしていつ動けばいいのかを、法令と教育委員会の資料で整理します。
この記事でわかること
  • 転入学は「在籍したまま移る」、編入学は「退学したあとに入り直す」こと
  • 前の高校で修得した単位は引き継げること(法令に根拠がある)
  • 卒業に必要なのは74単位以上、そして在学3年以上だということ
  • 公立高校の転入学の募集は年に数回で、時期が決まっていること
  • 「通信制は随時転入できる」は公立には当てはまらないこと
この記事について

制度は学校教育法・同施行規則と文部科学省のQ&A、募集の時期は東京都・神奈川県・大阪府立桃谷高校の公表資料で確認しています。私立の広域通信制高校は運用が異なります。志望校の募集要項を必ず確認してください。

目次

転入と編入は、どう違うのか

大阪府立桃谷高校(通信制の課程)のQ&Aが、いちばん端的です。

大阪府立桃谷高等学校 通信制の課程 Q&Aより

転入学:「現在いずれかの高等学校に在学中の方が、転学照会状によって別の高等学校に籍をかえようとすること」
編入学:「かつて高等学校で学習をしていた方が、卒業に至らずに退学し、のちに別の高等学校に入学しようとすること」

東京都教育委員会も同じ整理をしています。転学は「高校に在学している生徒が、引き続き他の高校の相当学年に入学すること」、編入学は「1学年以上の課程を修了し、一度退学した後に改めて高校に入学する場合」。

実務上いちばん大きな違いは「在籍が切れるかどうか」です。転入は籍がつながったまま移るので、空白期間が生まれません。編入は一度退学しているため、次の募集まで待つことになります。

だから、辞めるかどうか迷っている段階で相談したほうが、選べる道は広い——これがこの記事でいちばん伝えたいことです。

それまでの単位は、引き継げる

「辞めたら今までの分がゼロになる」と思われがちですが、そうではありません。学校教育法施行規則に、はっきり定められています。

学校教育法施行規則 第92条第2項

全日制の課程、定時制の課程及び通信制の課程相互の間の転学又は転籍については、修得した単位に応じて、相当学年に転入することができる。

中途退学した場合についても、文部科学省の「高等学校入学資格Q&A」に説明があります。

前籍校における修得単位に応じて、相当する学年に編入学することとなります。前籍校において修得した単位を、編入学する高等学校において、全課程の修了を認めるに必要な単位数のうちに加えることができます。

在籍していた期間についても、桃谷高校のQ&Aは「前籍校の在籍期間や修得単位が加算されます」と説明しています。1年通っていれば、その1年は残ります。

卒業に必要なのは「74単位以上」と「在学3年以上」

ここを押さえておくと、見通しが立てやすくなります。

要件内容根拠
単位74単位以上の修得学校教育法施行規則 第96条第1項
在学期間全日制は3年、定時制・通信制は3年以上学校教育法 第56条(修業年限)

この2つを満たせば卒業です。「同級生と同じ時期に卒業できるか」は、残りの期間で残りの単位が取れるかどうかで決まります。だから転校先の学校では、必ず単位の照合が行われます。東京都は転学の手続きについて「志願先の都立高校において、転学前に修得済みの単位と自校の教育課程などを照合し、転学後に卒業に必要な単位が修得できるかどうかの確認をすること」と定めています。

なお、他の高校で修得した単位を卒業に必要な単位数に加えられることは施行規則第97条に、高卒認定試験の合格科目を単位として認定できることは第100条に定められています(学校外の学修による単位認定は合計36単位まで)。

いつ募集があるのか

ここが最も見落とされがちな点です。公立高校の転入学・編入学は、いつでも受け入れているわけではありません。

東京都:年3回、ただし編入学は1学期のみ

都立高校の転学・編入学の募集は「年に3回、学期ごとに実施」されます。ただし編入学については「第一学期募集に限り、編入学の機会を設けている」とされ、第2・3学年相当が対象です(海外帰国生徒は第二・三学期も出願可)。

検査は「原則として、国語、数学、英語及び面接」。出願資格は、全日制なら保護者とともに都内に住所を有すること、定時制・通信制なら本人が都内に住所または勤務先を有することです。在学中の生徒の転学出願は「1年度に1回を原則」とされ、在学校長と志願先校長の承認が必要です。

神奈川県:年5回

神奈川県は年5回(4月1日付け、4月11日・4月当初付け、9月1日付け、10月1日付け、1月1日付け)実施しています。対象は「県外などからの一家転住による転入学者や海外帰国生徒等のための編入学者の選抜」とされています。

「通信制なら随時」は、公立には当てはまらない

ここは特に注意が必要です。大阪府立桃谷高校のQ&Aには、こうあります。

大阪府立桃谷高等学校 通信制の課程 Q&Aより

Q「年度途中の入学はできますか」
A「令和8年度はできません。令和9年度から秋季入学者選抜を実施します。

東京都立の通信制課程も、第2学年相当以上の募集は「転学・編入学募集」として実施され、出願資格は「高等学校等中途退学者又は高等学校在籍中の者で、在籍していた期間が1年以上、かつ、高等学校における修得単位数が当該都立高校で定める修得単位数以上の者」と定められています。

「通信制高校は随時転入できる」というのは、主に私立の広域通信制高校の運用です。公立の通信制には募集時期と出願資格があります。どちらを検討しているのかで、動き方がまったく変わります。

動くときの順番

① 今の在籍を切らない前提で考える。転入なら空白期間が生まれません。退学の手続きを取る前に、次の行き先を探すのが原則です。

② 修得済み単位を確認する。在籍校で、現時点で何単位修得しているかを聞いてください。この数字が、転校先での学年の判断材料になります。

③ 志望先の募集時期を調べる。公立なら教育委員会のサイトに「転入学・編入学」のページがあります。私立の通信制なら学校ごとの募集要項です。

④ 単位の照合を依頼する。「今の単位で、いつ卒業できますか」を志望先に確認します。ここが曖昧なままだと、卒業時期の見通しが立ちません。

よくある質問

1年生の途中で辞めた場合、単位は残りますか?
単位は「学年末に修得が認定される」のが一般的なため、学年の途中で退学すると、その年度の単位が付かない場合があります。一方、在籍期間は加算されます。実際にどうなるかは在籍校での認定状況によるため、退学の手続きを取る前に「現時点で何単位修得しているか」を必ず確認してください。
同級生と同じ時期に卒業できますか?
残りの期間で、卒業に必要な74単位に届くかどうかで決まります。単位制の学校では年間に履修できる単位数が多く設定されていることがあり、追いつける場合があります。志望先に単位の照合を依頼し、「いつ卒業になるか」を数字で確認するのが確実です。
今の学校を辞めずに、別の学びの場を併用することはできますか?
在籍を続けたまま、学校外の場で学ぶという形は実際にあります。学校教育法施行規則第97条・第100条は、他の高等学校での学修や高卒認定試験の合格科目を単位として認められる仕組みを定めています(認めるかどうかは校長の判断、学校外の学修は合計36単位まで)。まずは在籍校に相談してみてください。

まとめ

転入は在籍したまま移ること、編入は退学後に入り直すこと。前の高校で修得した単位も在籍期間も引き継がれ、卒業の条件は「74単位以上」と「在学3年以上」です。

ただし公立高校の募集は年に数回で、時期が決まっています。公立の通信制も「随時」ではありません。だからこそ、辞めるかどうかを決める前に、募集時期と単位の状況を確認する。この順番を守るだけで、選べる道はかなり変わります。

この記事の内容を確かめるための一次資料

  1. e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」(第91条・第92条・第96条・第97条・第100条) ページ
  2. e-Gov法令検索「学校教育法」(第56条 修業年限) ページ
  3. 文部科学省「高等学校入学資格Q&A」 ページ
  4. 文部科学省「学校外における学修の単位認定について」 ページ
  5. 東京都教育委員会「都立高等学校の転学・編入学について」 ページ
  6. 東京都教育委員会「令和8年度東京都立高等学校通信制課程入学者選抜実施要綱」 PDF
  7. 神奈川県「公立高等学校への転入学・編入学について」 ページ
  8. 大阪府立桃谷高等学校 通信制の課程「Q&A」 ページ
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文責:にじいろ編集部(編集部について訂正・修正に関する方針
公開日:2026年9月7日 / 最終更新:2026年9月7日
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