就学支援金を差し引いた「卒業までの実質負担額」を自動で計算します。サポート校の費用が就学支援金の対象外であることや、交通費・教材費など見落としやすい費用も含めて出せます。
- 受験できるのは「その年度の終わりまでに満16歳以上になる人」。高校在学中でも受験できること
- 令和8年度から「情報」が加わり、合格に必要な科目数が9〜10科目になったこと
- 文部科学省は合格点を公表していないこと(「40点程度」は公式情報ではない)
- 一度に全科目に合格する必要はなく、科目ごとに積み上げられること
- 合格しても最終学歴は「高校卒業」にはならないこと(文科省が明言)
すべて文部科学省の公表資料(実施要項・規則・公式Q&A)で確認しています。令和8年度から試験科目が変わりました。古い解説記事の科目数と食い違う場合は、文部科学省の最新ページをご確認ください。
高卒認定試験とは何か
文部科学省の説明では、高認は「様々な理由で、高等学校を卒業できなかった方等の学習成果を適切に評価し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験」です。
年2回(8月・11月)実施され、合格すると大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。
受験資格——16歳から、在学中でも受けられる
令和8年度の実施要項には、こう定められています。
「令和9年3月31日までに満16歳以上になる者とする。ただし、大学入学資格を有している者は除く。」
注意したいのは「16歳の誕生日から」ではなく「16歳になる年度から」だという点です。中学3年生でも、その年度中に16歳になる人は受験できます。
そして、文部科学省のQ&Aには次のようにあります。
「高等学校(全日制、定時制、通信制)に在籍中でも受験できますので、休学中でも受験可能です。」
高校を辞めなくても受けられる——ここは誤解の多いところです。逆に、すでに高校を卒業しているなど大学入学資格を持っている人は受験できません。
【重要】令和8年度から、必要な科目数が9〜10科目になった
ここが、いま最も情報が古いまま出回っている部分です。従来は8〜9科目でしたが、令和8年度第1回試験から「情報」が加わり、合格に必要な科目数は9〜10科目になりました。
「合格に必要な科目数は、選択した科目により9科目から10科目とする。」
内訳はこうなります。
| 区分 | 科目 | 数 |
|---|---|---|
| 必ず受ける科目 | 国語/地理/歴史/公共/数学/英語/情報 | 7科目 |
| 理科(選び方A) | 「科学と人間生活」1科目 + 「基礎」を付した科目1科目 | 2科目(合計9科目) |
| 理科(選び方B) | 「基礎」を付した科目3科目 | 3科目(合計10科目) |
理科の選び方で1科目分変わる、という仕組みです。「8〜9科目」と書かれた記事を見かけたら、令和7年度以前の情報だと考えてください。
合格点は公表されていない
「1科目40点くらいで合格」という説明をよく見かけますが、これは文部科学省の公式見解ではありません。規則には「試験科目の全てについて合格点を得た者」とあるだけで、合格点の数値や基準は、実施要項にも規則にも概要資料にも記載がありません。
予備校や体験談として語られている数字であって、国が「◯点で合格」と示している事実はない——これが正確なところです。目標設定の目安として使うのは自由ですが、「公式に決まっている」とは考えないほうがよいでしょう。
一度に全部受からなくていい
高認のいちばん現実的な特徴がこれです。規則では「二回以上にわたり、それぞれ一以上の試験科目について受けることができる」と定められています。
文部科学省のQ&Aにも「第1回試験で合格した科目は第2回試験では免除されますので、第1回試験で合格していない残りの科目を第2回試験で受験することができます」とあります。全科目に合格する前の段階では「科目合格通知書」が交付されます。
体調に波がある場合、1回の試験で2〜3科目ずつ、2年かけて積み上げるという進め方ができます。これは高認の設計として認められたやり方です。
高校で修得した単位があれば、科目が免除される
高校に在籍していた期間がある場合、修得した単位に応じて試験科目の免除を受けられます。たとえば数学は「数学Ⅰ」3単位、英語は「英語コミュニケーションⅠ」3単位、公共は「公共」2単位で免除、といった要件が定められています(令和4年4月以降の入学者の場合)。
ただし全科目を免除にすることはできません。文部科学省のQ&Aは「全ての科目の免除を受けて、高卒認定試験の合格者となることはできません。最低1科目は受験し、合格する必要があります」と明記しています。手続きには、文部科学省の様式による単位修得証明書が必要です。
日程と受験料(令和8年度)
| 区分 | 出願期間 | 試験日 | 結果通知 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 令和8年4月6日〜5月13日 | 令和8年8月6日・7日 | 9月1日 |
| 第2回 | 令和8年7月21日〜9月11日 | 令和8年11月7日・8日 | 12月8日 |
受験料は、7〜10科目で8,500円、4〜6科目で6,500円、1〜3科目で4,500円(収入印紙で納付)。出願書類・受験料は返却されません。
合格すると、何ができるのか
ここも正確に押さえておきたい部分です。
できること:大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。また「高等学校卒業者と同等以上の学力がある者」と認定され、就職や資格試験で活用できます。文部科学省は、高認合格者を高校卒業者と同等とみなしている採用試験・国家資格の一覧も公表しています(ただし「全ての試験・資格を網羅しているわけではない」との注記付きです)。
できないこと:最終学歴が「高校卒業」になるわけではありません。文部科学省のQ&Aに、はっきり書かれています。
Q:高卒認定試験に合格すると、最終学歴は高等学校卒業になるのですか?
A:「なりません。合格者は高等学校を卒業した方と同等以上の学力があると認められますが、高等学校を卒業しなければ最終学歴は高等学校卒業とはなりません。」
「高認=高卒扱い」という説明は、この点で不正確です。得られるのは大学入学資格であって、高校卒業という学歴ではありません。大学に進学して卒業すれば、最終学歴は大学卒業になります。
16歳・17歳で合格した場合は
規則には「十八歳に達していないときは、その者は、十八歳に達した日の翌日から認定試験合格者となる」とあります。ただし文部科学省のQ&Aは、実務上の扱いをこう説明しています。
「満18歳未満の合格者は、満18歳の誕生日から合格の効力が生じます。ただし、満18歳の誕生日を迎える前でも年度内に満18歳になるのであれば、大学受験は可能です。」
よくある質問
まとめ
高卒認定試験は、16歳になる年度から、高校に在籍したままでも受けられる試験です。令和8年度から「情報」が加わり、必要な科目数は9〜10科目になりました。一度に全部受かる必要はなく、科目ごとに積み上げられます。
合格して得られるのは大学入学資格であって、高校卒業という学歴ではありません。ここを正確に理解したうえで、「高校に行かない/行けない場合でも、進学の道は閉じない」という一点を、選択肢の地図の中に置いておいてください。
この記事の内容を確かめるための一次資料
通信制サポート校「NIJIN高等学院」は、オンラインで日々の学習と居場所をつくる学校です。中学生の段階から学びを立て直したい場合は、オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」もあります。

