- フリースクール等への通所で通学定期券が使える根拠(国の通知)
- 手続きをするのは誰か(保護者ではなく校長です)
- 就学援助の「通学費」という別ルート
- 窓口で断られたときに確認すべきこと
この記事は、全国から900名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の知見も踏まえて構成しています。通所型の場所を選ぶとき、月謝と同じくらい交通費が現実的な判断材料になることを、多くのご家庭から伺ってきました。
※本記事は2026年9月5日時点の情報です。鉄道・バス各社の取り扱いや自治体の制度は変わることがあります。実際の購入前には、在籍校と各交通事業者にご確認ください。
根拠になっているのは、平成5年の文部省通知
「登校拒否児童生徒が学校外の公的機関等に通所する場合の通学定期乗車券制度の適用について」(平成5年3月19日・5初中30/文部省初等中等教育局中学校課長)という通知があります。ここで示されているのは、次のような仕組みです。
- 対象は、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けている児童生徒
- そのうち、校長が「相談・指導を受けた日数を指導要録上出席扱いとすることができる」と判断した者
- 手続きは、その児童生徒の学校の校長が、各鉄道事業者・バス事業者の定めにもとづいて申請書を提出するなど、所定の手続きを行う
- これにより通学定期乗車券が発売される
ここで大事なのは、申請するのは保護者ではなく在籍校の校長だという点です。窓口に保護者が行っても「学校の証明がないと出せません」と言われるのは、この仕組みのためです。順番としては、まず在籍校に相談することになります。
出席扱いの認定が前提になっています
通知の文面は「校長が、当該相談・指導を受けた日数を指導要録上出席扱いとすることができることとした者」を対象としています。つまり、先に出席扱いの認定があり、その延長として通学定期券が発売されるという順序です。出席扱いについてまだ学校と話ができていない場合は、そちらの相談から始めるのが結果的に早い道になります。
なお、自宅でのICT学習で出席扱いになっている場合は、そもそも通所していないため通学定期券の対象にはなりません。この制度は「どこかに通っている」ことが前提です。

NIJINアカデミーは、全国から900名を超える子どもたちが通うオンラインのオルタナティブスクールです。通所の負担がない分、体調の波があっても続けやすいという声をいただいています。まずは説明会で、どんな場所か見てみてください。
もうひとつのルート|就学援助の「通学費」
交通費については、就学援助のほうにも道があります。文部科学省の就学援助ポータルサイトが示す支給費目には「通学費」が含まれています。
ただし、どの費目を実際に支給するか、どこへの通学を対象にするかは市区町村が決めます。教育支援センター(適応指導教室)への通所は公的機関への通所なので比較的認められやすい一方、民間のフリースクールへの通所を通学費の対象にしているかどうかは自治体によって差があります。「通学費という費目がある」ことを知ったうえで窓口に聞くと、話が具体的になります。
また、フリースクールの利用料を助成する自治体独自の制度の中に、交通費を含めているものもあります。お住まいの自治体の助成制度をあわせて確認してみてください。
交通費のルートは大きく3つあります。①在籍校の校長を通した通学定期乗車券、②就学援助の通学費、③自治体独自のフリースクール助成制度。どれが使えるかは、通う先が公的機関か民間施設か、そして自治体の運用によって変わります。ひとつ断られても、他の2つが残っていることがあります。
窓口で断られたときに確認したいこと
鉄道会社の窓口で「フリースクールは対象外です」と言われることがあります。多くの場合、担当の方が制度そのものを知らないか、学校からの申請書が届いていないかのどちらかです。次の3点を確認してみてください。
- 在籍校の校長が、その交通事業者に対して所定の手続きを済ませているか(学校に確認)
- その交通事業者が定める申請書の様式は何か(学校が事業者に問い合わせて取り寄せる)
- 出席扱いの認定が、書面として学校側に残っているか
保護者が交通事業者と直接交渉する場面ではありません。学校を経由して手続きが進んでいるかどうかを、学校側に確認するのが筋道です。もし学校がこの通知を把握していない場合は、通知名と日付(平成5年3月19日・5初中30)を伝えると、教育委員会に照会してもらいやすくなります。
「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」——これは、公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長がNIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。交通費という現実的な壁の向こうには、「行ってみたい場所がある」という子どもの気持ちがあります。その気持ちを、金額の問題だけで止めてしまわないようにしたいものです。
よくある質問
まとめ
フリースクールや教育支援センターへの通所に通学定期券を使える仕組みは、平成5年の文部省通知にもとづいて存在します。鍵になるのは、先に出席扱いの認定があること、そして申請するのは保護者ではなく在籍校の校長であることの2つです。あわせて、就学援助の「通学費」や自治体独自の助成制度という別ルートもあります。窓口でひとつ断られても他の道が残っていることが多いので、通う先を決める前に、この3つを学校と自治体に確認しておくことをおすすめします。

NIJINアカデミーは、全国から900名を超える子どもたちが通うオンラインのオルタナティブスクールです。通所の負担がない分、体調の波があっても続けやすいという声をいただいています。まずは説明会で、どんな場所か見てみてください。
この記事の内容を確かめるための一次資料
- 文部省初等中等教育局中学校課長「登校拒否児童生徒が学校外の公的機関等に通所する場合の通学定期乗車券制度の適用について」平成5年3月19日(5初中30)
- 文部科学省「就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)」

