不登校の中学生とどう話す?親の対応・声かけ|話してくれないときのコミュニケーション

不登校の中学生とのコミュニケーションや親の対応・声かけをイメージした親子とチャットの風景

「何を聞いても『別に』『わからない』しか返ってこない」
「学校のことを聞くと、怒ったり部屋に戻ったりする」
「何も聞かない方がいいの?」

中学生の子どもが不登校になると、親は状況を知りたくなります。

でも、心配して声をかけるほど会話が減り、「どう接したらいいのかわからない」と感じることもあります。

この記事の結論 不登校の中学生が話してくれないとき、無理に理由を聞き出す必要はありません。

まずは「話すこと」よりも、話しても否定されない・急かされない関係を残すことが大切です。

そしてコミュニケーションは、対面で話すことだけではありません。LINE、チャット、メモ、好きなことを一緒にする時間など、その子が負担なく使える方法を探していきましょう。
この記事でわかること
  • 不登校の中学生が親に話さなくなるときの考え方
  • 避けたい声かけ・使いやすい声かけ
  • 「理由がわからない」と言われたときの対応
  • LINE・チャット・メモを使ったコミュニケーション
  • 実際に「話す以外」の方法から人との関わりを広げた中学生の事例
  • 親子だけで抱え込まないための方法
目次

不登校の中学生が話してくれない…何も聞かない方がいい?

結論として、完全に放っておく必要はありませんが、話すことを強制する必要もありません。

思春期の子どもは、ただでさえ自分の気持ちを言葉にしにくい時期です。

さらに不登校になったときは、

本人にも理由が整理できていない 複数の負担が重なり、「なぜ行けないか」を自分でも説明できないことがあります。
話したら学校に戻されると思っている 親へ話すことが「登校させるための材料になる」と感じると、話さなくなる場合があります。
親を心配させたくない 「迷惑をかけている」と感じ、つらさを隠していることもあります。
何度も説明することに疲れている 先生や親、支援者などから同じことを聞かれ続け、話すこと自体が負担になっている場合もあります。

厚生労働省も、子どもが話したがらないときは無理に聞き出さず、「いつでも聞く」という姿勢を伝えながら待つことを案内しています。

「話してくれない」=「親を拒絶している」とは限りません。
今はまだ、言葉にする準備ができていないだけかもしれません。

不登校の中学生への声かけ|避けたい言葉と言い換え例

大切なのは、「正しい言葉」を一回言うことではありません。

この人には話しても否定されないという感覚を、日々のやり取りの中で積み重ねることです。

避けたい声かけ 言い換えるなら
「なんで学校に行けないの?」 「今、一番しんどいことってある?」
理由を一つに決めず、今の状態から聞く。
「明日は行けそう?」 「明日はどう過ごしたい?」
登校だけを選択肢にしない。
「このままでどうするの?」 「今すぐ将来を決めなくていいよ」
未来への不安を今の本人に背負わせない。
「ゲームする元気はあるんだね」 「今それが楽しいんだね」
できていることを責める材料にしない。
「ちゃんと話して」 「今話したくなかったら大丈夫。話したくなったら聞くよ」
厚労省は、子どもが話し始めたら、すぐにアドバイスや親の意見を返すのではなく、まず聞き役に徹し、本人の感じ方を理解しようとすることを勧めています。

会話が続かないときは「質問」より「実況」に変えてみる

親が会話をしようとすると、つい質問が増えます。

「今日は何してたの?」
「学校から連絡あった?」
「明日はどうする?」

質問ばかりになると、子どもにとっては「答えなければいけない時間」になってしまうことがあります。

そんなときは、質問を減らして、ただ自分の見たこと・感じたことを伝える方法もあります。

質問する
「今日何してたの?」
実況する
「そのゲーム、昨日より進んでるね」
質問する
「お昼食べる?」
選択肢にする
「おにぎりとパン置いておくね。好きな方どうぞ」
答えを求める
「どう思ってるの?」
余白を残す
「今すぐ答えなくていいけど、何かあったら聞くよ」

会話を成立させることより、話さなくても一緒にいられる関係を残すことが先になる時期もあります。

話すことだけがコミュニケーションではない

「ちゃんと顔を見て話してほしい」と思うかもしれません。

しかし、人によっては対面で即座に答えるよりも、文章にしたり、一度考える時間を持ったりする方が気持ちを伝えやすいことがあります。

💬 LINE・チャット 考えてから返せる。短い返事やスタンプだけでもいい。
📝 メモ・ノート 面と向かう必要がなく、言葉を整理する時間が持てる。
🎮 一緒に何かする ゲーム・料理・散歩など、会話そのものを目的にしない時間を持つ。

実例|「話すのが苦手」でも、チャットなら自分の意見を伝えられた中学生

NIJINアカデミー 中学生の実例 顔も声も出さないところからスタートした、パケロンさん
不登校を経験しNIJINアカデミーで自分に合ったコミュニケーション方法を見つけた中学生パケロンさん
NIJINアカデミーで学ぶ中学生・パケロンさん

パケロンさんは、小学生の頃から人間関係に負担を感じ、学校へ行くことが難しくなりました。

その後いくつかの学びの場を経験しましたが、グループ活動では「自分は何もできていない」と感じることもありました。

NIJINアカデミーへ入学した当初も、顔や声を出さずに参加していました。

そんなパケロンさんに合っていたのが、Slackや授業中のチャットです。

文章なら、考える時間がある。それが自分にはありがたかった。

対面の会話では、その場ですぐ答えなければならないことがあります。

一方、チャットなら自分の言葉を組み立てる時間があります。声を出さなくても、文字を書けば周囲が反応してくれる。

パケロンさんにとって、それが「人と関わる」ための入口になりました。

コミュニケーションは、話せる/話せないの二択ではありません。
文字、チャット、リアクション、好きなものを共有することも、人とつながる方法です。
パケロンさんがNIJINアカデミーで積み重ねたプレゼン活動の記録
安心できる環境の中で積み重ねた、パケロンさんのプレゼン活動

やがてパケロンさんは、声を出して発表するようになり、生徒会活動にも参加。 保護動物プロジェクトでは、大きな会場でプレゼンを行うまでになりました。

重要なのは、最初から「話せるようにさせた」ことではありません。

話さなくても参加できる場所があり、自分に合う伝え方を選べたこと。 そこから少しずつ、関われる範囲が広がっていきました。

パケロンさんのインタビューを全文読む →

子どもが「理由がわからない」と言ったときはどうする?

不登校の理由を聞いたとき、

「わからない」
「別に何もない」
「知らない」

と返されることがあります。

このとき、「本当は何かあるはず」と掘り下げ続ける必要はありません。

まず「わからない」をそのまま受け取る 本人にも整理できていない可能性があります。
原因より現在の状態を見る 「何が原因?」ではなく、「朝が一番しんどい?」「学校の連絡を見るのはどう?」など、具体的な負担を小さく確認します。
答えがなくても会話を終えていい その場で結論を出す必要はありません。「教えてくれてありがとう」で終わって構いません。
後から伝えられる方法を残す 「口で言いにくかったらLINEでもいいよ」と、別の伝え方を提示します。

親子だけで話そうとしなくていい

子どもが親に話せないことでも、別の大人なら話せる場合があります。

逆に、今は誰とも話したくない時期もあります。

大事なのは、親だけを唯一の相談相手にしないことです。

担任、養護教諭、スクールカウンセラー、教育支援センター、医療機関、フリースクールなど、「話せるかもしれない相手」を複数残しておきます。

文部科学省も、不登校支援では学校・家庭・関係機関が連携し、本人や保護者の意思を尊重しながら支援することを重視しています。

親がすべてを聞き出し、すべてを解決する必要はありません。
「自分以外にも、この子を見てくれる人がいる」という状態をつくることも、大切な支援です。

実例|部屋から出ない中学生。子どもを動かす前に「親がつながった」

NIJINアカデミー 保護者の実例 ほとんど部屋から出ない“な”さんと、お母さまが選んだ「つながりを切らない」という方法
部屋から出ない不登校の中学生と向き合う保護者の事例を紹介するNIJINアカデミー
中学生の“な”さんとお母さまの事例

中学生の“な”さんは、普段ほとんど自室から出ず、NIJINアカデミーのクラス活動にもあまり参加していません。

それでも、お母さまは「今すぐ参加させる」ことをゴールにせず、NIJINとのつながりを残しています。

担任は、お母さまとのオンラインミーティングを通じて本人の小さな変化を知り、会えたときには好きなキャラクターの話やカードゲームなどから関係をつくっています。

さらに大きかったのが、お母さま自身が一人で抱え込まなくなったことでした。

不登校の子どもを持つ保護者同士がオンラインで交流するNIJINアカデミー親カフェ
不登校に向き合う保護者同士がつながるオンライン親カフェ

NIJINアカデミーの保護者コミュニティや担任との面談を通して、同じような悩みを持つ保護者とつながれるようになりました。

親自身の気持ちが落ち着くことで、子どもにも笑顔で関われるようになった

子どもとのコミュニケーションを変えようとするとき、子どもだけを変えようとする必要はありません。

親が相談できる相手を持ち、余白を取り戻すことも、親子関係を支える方法の一つです。

“な”さんのお母さまのインタビューを読む →

不登校の中学生とのコミュニケーションで大切な5つのこと

理由を無理に聞き出さない 「話せない」「わからない」という状態も受け止める。
親の結論を先に出さない 話を聞きながら、すぐ「じゃあこうしよう」と解決策へ進まない。
学校以外の話をする ゲーム、音楽、動画、食べ物など、本人が安心して話せる話題を残す。
本人が選べる伝え方を増やす 会話、LINE、チャット、メモなど、「口で話す」以外も認める。
親も一人で抱えない 学校・専門機関・保護者同士など、家庭の外に相談先を持つ。

こんなサインがあるときは、コミュニケーションだけで抱え込まない

不登校だからといって、必ず医療機関が必要というわけではありません。

ただし、心身の状態によっては、家庭での声かけだけで様子を見るのではなく、早めに専門家へ相談した方がよい場合があります。

相談を急ぎたいサインの例
  • 「消えたい」「生きている意味がない」などの発言がある
  • 自分を傷つける行動がある
  • 食事や睡眠の大きな変化が続いている
  • 急激な体重変化など、これまでと明らかに違う状態がある
  • 本人や周囲の安全に関わる心配がある

厚生労働省は、自傷や自殺をほのめかす言葉などが見られる場合、本人を責めたり問い詰めたりせず、つらさを受け止め、必要に応じて専門家へ相談することを勧めています。

家族以外にも「自分のペースで話せる人」がいるという選択肢

不登校の中学生との会話が難しくなると、

「もっと親子で話さなければ」

と感じるかもしれません。

でも、親子だけですべてを解決する必要はありません。

パケロンさんは、対面での会話だけではなく、チャットという方法があったことで、人と関わる入口を見つけました。

“な”さんの家庭では、本人が積極的に参加できない時期にも、親と先生のつながりを残すことで「関係を切らない」形を続けています。

話せるようになってから居場所を探すのではなく、話せなくてもいられる場所を持つ。
それも、不登校の中学生にとって一つの選択肢です。
「ちゃんと話せるようになってから」でなくていい

顔を出さなくても、声を出さなくても。
つながれる場所があります。

家ではほとんど話さない。
知らない人と話すのはもっと難しい。

そんな時期からでも、NIJINアカデミーでは本人のペースに合わせて参加方法を選べます。

カメラ・音声OFF
見学からでもOK
チャット・リアクション
声以外でも参加できる
1対1の専任サポート
集団が難しい子にも

最初から会話や授業参加を求めるのではなく、
「ここならいられるかも」と思えるかを確かめてみてください。

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よくある質問

Q. 不登校の中学生が全く話してくれません。放っておいていいですか?

無理に話を聞き出す必要はありませんが、完全に関心をなくすという意味での放置はおすすめできません。

「今は話さなくても大丈夫」「話したくなったら聞くよ」と伝え、日常の短いやり取りや安心できる関係を残しておきましょう。

Q. 学校に行けない理由は聞かない方がいいですか?

一度尋ねること自体が問題なのではありません。ただ、本人が「わからない」「話したくない」と答えた後も何度も聞き続けると、負担になることがあります。

原因を特定するより、「今どんなことが一番しんどい?」など現在の状態を確認する方法があります。

Q. LINEでしか話してくれません。それでも大丈夫ですか?

対面よりLINEや文章の方が伝えやすい子もいます。コミュニケーションの目的は「口で話させること」ではなく、本人の気持ちや状態を伝え合えることです。

LINEが今の本人に合っているのであれば、無理に対面会話へ戻す必要はありません。

Q. 親以外の人とは話すのに、家では話しません。なぜですか?

家族には心配をかけたくない、学校について聞かれると思う、距離が近いからこそ話しづらいなど、さまざまな理由が考えられます。

親以外に安心して話せる相手がいること自体は、本人の支えになる可能性があります。

Q. フリースクールでも話せなかったら意味がありませんか?

最初から話せる必要はありません。カメラや音声をオフにして見学したり、チャットやリアクションから参加したりできる環境もあります。

パケロンさんのように、声を出さないところから始まり、自分に合う方法で人との関わりを少しずつ広げたケースもあります。

まとめ|「話させる」より、「話しても大丈夫な関係」を残す 不登校の中学生が話してくれないとき、親としては理由を知りたくなります。

でも、本人にもまだ説明できないことがあります。

今すぐ答えを聞き出すことより、否定されない・急かされない・話したくなったら話せるという関係を残すことを優先してみてください。

そして、コミュニケーションは会話だけではありません。

LINEでも、チャットでも、一緒にゲームをする時間でもいい。
家族以外に話せる人がいてもいい。

本人がつながりやすい方法を一つずつ増やしていくこと。
そこから、次の一歩が始まることがあります。
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