- 指定校変更と区域外就学の違い(根拠条文つき)
- それぞれ誰が決めて、どこに出すのか
- 不登校を理由にできるかどうか、文部科学省の通知に書かれていること
- 自治体に確認すべきこと
2つの制度の違い
| 指定校変更 | 区域外就学 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 学校教育法施行令 第8条 | 学校教育法施行令 第9条 |
| どこへ | 同じ市区町村の中の別の学校 | 住んでいる市区町村の外の学校 |
| 決めるのは | 住所地の市町村教育委員会 | 就学先の設置者(受け入れ側)が承諾 |
| 保護者がすること | 住所地の教育委員会に申立て | 受け入れ側の承諾を得たうえで、住所地の教育委員会に届出 |
| 条文上の条件 | 教育委員会が「相当と認めるとき」 | 承諾を証する書面を添えること |
指定校変更(第8条)
「市町村の教育委員会は、…相当と認めるときは、保護者の申立てにより、その指定した小学校、中学校又は義務教育学校を変更することができる。」
「相当と認めるとき」という書き方がポイントです。何が相当かは法律には書かれておらず、各市区町村が「指定校変更の許可基準」などの名前で基準を定めています。つまり、認められるかどうかは自治体によって違います。
区域外就学(第9条)
第9条は、住所地以外の市区町村の学校に通う場合の手続きです。受け入れ側の教育委員会(私立等の場合は就学を承諾する権限を持つ人)の承諾を証する書面を添えて、住所地の市区町村教育委員会に届け出ます。
条文で必要書類として明記されているのは、この承諾を証する書面だけです。それ以外にどんな書類が要るかは、自治体の規則によります。
不登校を理由にできるのか
ここが、いちばん知りたいところだと思います。正直に書きます。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日 元文科初第698号)には、次の記載があります。
「いじめや教員による不適切な言動や指導等が不登校の原因となっている場合には、市区町村教育委員会においては、児童生徒又は保護者等が希望する場合、学校と連携した適切な教育的配慮の下に、就学すべき学校の指定変更や区域外就学を認めるなどといった対応も重要であること。」
読み取れることは2つです。
- いじめ、または教員の不適切な言動や指導が原因の場合は、国が明確に後押ししています。この一文は、教育委員会との話し合いでそのまま示せます
- 一方で、原因を問わず不登校一般について指定校変更・区域外就学を認めるべきとした国の通知は、今回調べた範囲では確認できませんでした
ただし、第8条の「相当と認めるとき」の判断は各市区町村に委ねられています。国の通知に書かれていないことが、自治体の基準で認められないとはかぎりません。不登校や、いじめ以外の事情を理由として認めている自治体もあります。
調べるべきは、お住まいの自治体の基準
実務上、次の順番で確認するのが確実です。
- 1. 自治体の許可基準を見る:市区町村のサイトで「指定校変更 許可基準」「区域外就学」を検索すると、認められる事由の一覧が公表されていることが多いです
- 2. 該当しそうな事由を探す:「いじめ等」「教育的配慮」「その他教育委員会が特に必要と認める場合」といった項目があるかを見ます
- 3. 教育委員会に相談する:基準に書かれていなくても、個別に相談できる場合があります。学校教育課・学務課などが窓口です
- 4. 期限を確認する:年度途中でできるのか、申請の締切がいつかは自治体によって違います
学校を変えれば通えるようになる、とはかぎりません。転校先で合わなかったときに戻れるのか、通学の距離が本人の負担にならないかも、あわせて考えておきたいところです。同じ通知には「不登校児童生徒への支援は、『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく」という一文もあります。
