スクールカウンセラーは知っていても、スクールソーシャルワーカーは聞いたことがない、という方は多いと思います。ひとことで言えば、スクールカウンセラーは「心」の専門職、スクールソーシャルワーカーは「環境」の専門職です。子どもの気持ちを聴くのではなく、学校・家庭・行政の間に入って、状況そのものを動かすのが仕事です。略してSSWと呼ばれます。
このページでわかること
- スクールソーシャルワーカーの専門性と5つの職務
- スクールカウンセラーとの役割の違い
- 令和6年度の配置状況(中学校区の約85.9%)
- どういうときに頼るとよいか、どこに言えばつないでもらえるか
スクールソーシャルワーカーとは
文部科学省の「生徒指導提要」(令和4年12月)は、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーをそれぞれこう定義しています。
| 資格・専門性(生徒指導提要より) | |
|---|---|
| スクールカウンセラー(SC) | 「公認心理師や臨床心理士、精神科医及び児童生徒の心理に関して高度に専門的な知識及び経験を有する者」 |
| スクールソーシャルワーカー(SSW) | 「社会福祉士や精神保健福祉士等及び福祉や教育の分野において専門的な知識及び経験を有する者」 |
心理か、福祉か。ここが決定的な違いです。どちらも「校長の指揮監督の下」で、不登校・いじめ・暴力行為・子どもの貧困・児童虐待などの未然防止、早期発見、支援を、教職員と連携して行うとされています。
5つの職務
「スクールソーシャルワーカー活用事業実施要領」(平成25年4月1日 初等中等教育局長決定)は、職務内容を次の5つとしています。
- 問題を抱える児童生徒が置かれた環境への働き掛け
- 関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整
- 学校内におけるチーム体制の構築、支援
- 保護者、教職員等に対する支援・相談・情報提供
- 教職員等への研修活動
注目してほしいのは4つめです。保護者への支援・相談・情報提供が、正式に職務として書かれています。子ども本人が会いたがらなくても、保護者が相談してよい相手だということです。
スクールカウンセラーとの使い分け
| こういうとき | 向いているのは |
|---|---|
| 子どもの気持ちを聴いてほしい/本人の不安が強い | スクールカウンセラー |
| 保護者が、子どもへの接し方に迷っている | スクールカウンセラー |
| 使える制度や支援を知りたい/申請の窓口がわからない | スクールソーシャルワーカー |
| 学校と家庭で話がかみ合わない/間に入ってほしい | スクールソーシャルワーカー |
| 医療・福祉・行政と学校をつないでほしい | スクールソーシャルワーカー |
| 家庭の事情(経済・家族の状況など)が背景にある | スクールソーシャルワーカー |
迷ったら、どちらでもかまいません。先に会えるほうに話せば、必要に応じてもう一方につないでもらえます。
どのくらい配置されているか
文部科学省の令和6年度調査によると、配置の実績は次のとおりです。
| 職種 | 配置実績 |
|---|---|
| スクールソーシャルワーカー | 中学校区の約85.9% |
| スクールカウンセラー | 小学校 約97.9% |
| 中学校 約99.1% | |
| 高等学校 約96.2% |
スクールカウンセラーはほぼ全校にいますが、スクールソーシャルワーカーはまだ全域ではありません。また、常に学校にいるとはかぎらず、複数校を受け持ったり、教育委員会から派遣されたりする形もあります。
どうやって会うか
配置先が学校か教育委員会かによって入口が変わるため、順番に確認するのが確実です。
- まず在籍校に聞く:担任、養護教諭、教頭、スクールカウンセラーのいずれでもかまいません。「スクールソーシャルワーカーに相談したい」と伝えます
- 学校に配置がない場合:市区町村の教育委員会(学校教育課・教育相談担当など)に問い合わせます。派遣の形で対応している自治体があります
- 予約が必要なことが多い:常駐ではない場合、来校日が決まっています。日程を確認してください
相談のあと、通う先をどうするか
スクールソーシャルワーカーは家庭と制度をつなぐ役割ですが、「では、どこに通うか」は別に決める必要があります。NIJINアカデミーは自宅から参加できるオンラインの学び場で、送り迎えも必要ありません。相談と並行して、実際の様子を見ていただけます。
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よくある質問
相談すると、家庭の事情を根掘り葉掘り聞かれませんか。
スクールソーシャルワーカーの職務は「環境への働き掛け」なので、状況の把握は必要になります。ただし、話したくないことを話す義務はありません。何のために聞いているのかがわからないときは、その場で尋ねて大丈夫です。
相談したことは、担任に伝わりますか。
生徒指導提要では、SC・SSWとも「校長の指揮監督の下」「教職員と連携して」活動するとされています。学校の中で情報が共有される前提の職種です。担任に伝えてほしくないことがある場合は、はじめにその旨を伝えて、どこまで共有されるかを確認してください。
費用はかかりますか。
国の事業として実施されているもので、保護者が費用を負担するという記載は文部科学省の資料に見あたりません。実際の運用はお住まいの自治体にご確認ください。
