ヤングケアラーとは?中学2年生の5.7%が「世話をしている家族がいる」

遅刻や欠席が増えている。宿題が手つかずのまま。部活をやめた。その背景に、家族の世話があることがあります。本人は「うちではふつうのこと」と思っていて、困っているとすら認識していないことも珍しくありません。2024年の法改正で、国の支援対象としてはっきり位置づけられました。
このページでわかること
  • ヤングケアラーの定義(こども家庭庁)
  • 法律上どう位置づけられたか
  • 中学生・高校生でどのくらいいるのか
  • 相談できる窓口

ヤングケアラーとは

こども家庭庁は、ヤングケアラーを「本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこども・若者」と説明しています。

たとえばこういう状態
  • 障害や病気のある家族に代わり、家事(買い物・料理・洗濯・掃除)をしている
  • 家族に代わって、幼いきょうだいの世話をしている
  • 障害や病気のあるきょうだいの世話や見守りをしている
  • 日本語が第一言語でない家族のために通訳をしている
  • 家計を支えるために働き、その収入を家族に渡している
  • アルコール・薬物・ギャンブルの問題を抱える家族に対応している

法律にどう書かれているか

令和6年6月12日に公布・施行された改正で、子ども・若者育成支援推進法の基本理念に、支援の対象として書き込まれました。

子ども・若者育成支援推進法 第2条第7号

「修学及び就業のいずれもしていない子ども・若者、家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者その他の社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者に対しては、その困難の内容及び程度に応じ、当該子ども・若者の意思を十分に尊重しつつ、必要な支援を行うこと。」

条文に「ヤングケアラー」という語そのものは使われていません。「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」という書き方で、支援対象として明記されています。こども家庭庁も同様の説明をしています。

どのくらいいるのか

厚生労働省の事業として三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施した「ヤングケアラーの実態に関する調査研究」(令和2年度/調査は令和2年12月21日〜令和3年1月26日)では、「世話をしている家族がいる」と答えた割合が次のようになっています。

対象「世話をしている家族がいる」
中学2年生5.7%
全日制高校2年生4.1%
定時制高校2年生相当8.5%
通信制高校生11.0%

中学2年生で5.7%は、35人学級で2人にあたります。そして定時制・通信制で割合が高くなる点に注目してください。家庭の状況が、通える学校の形を先に決めてしまっている可能性を示しています。

読み方の注意

これは「世話をしている家族がいる」と答えた割合であって、支援が必要な状態にある子どもの割合ではありません。また調査時点が令和2年度である点にもご注意ください。

相談できるところ

窓口どういうところか
学校のスクールソーシャルワーカー福祉の専門職。家庭の状況を福祉の窓口につなぐのが仕事です
市区町村のこども家庭センター子どもと家庭の相談を一体で受ける窓口。児童福祉と母子保健の両方を扱います
地域包括支援センター介護を担っている場合。介護サービスの利用につながることがあります
こども家庭庁のヤングケアラー特設ページ国の支援策と、相談先の一覧が載っています
学校に伝えるとき

「怠けている」「家庭の問題だから」で終わらせないために、具体的に何をどのくらいの時間やっているのかを書き出して伝えると、話が通じやすくなります。スクールソーシャルワーカーがいる学校なら、まずそこへ。いない場合は特別支援教育コーディネーターや教育相談担当の先生に相談してください。

よくある質問

家の手伝いをしているだけで、ヤングケアラーと言えますか。
こども家庭庁の説明は「本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている」です。法律の書き方も「過度に行っていると認められる」となっています。線引きの基準が示されているわけではないので、本人の生活や学びに支障が出ているかどうかで考えるのが現実的です。
相談すると、家族が責められませんか。
支援の目的は、家族から子どもを引き離すことではなく、家族全体が使える福祉サービスにつなぐことです。心配であれば、最初の相談の段階で「どこまで誰に伝わるのか」を確認したうえで話してください。
不登校と関係がありますか。
家族の世話で朝起きられない、通学時間が取れない、という形で欠席が続くことがあります。学校に行けない理由が本人の中にあると決めつける前に、生活の全体を見てみることが役に立ちます。
  1. こども家庭庁「ヤングケアラーについて」(ページ)
  2. 三菱UFJリサーチ&コンサルティング「ヤングケアラーの実態に関する調査研究」(令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業)(PDF)
  3. 子ども・若者育成支援推進法(平成21年法律第71号)第2条(条文)
  4. こども家庭庁「ヤングケアラー支援の強化に係る法改正の経緯・施行について」(PDF)

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文責:にじいろ編集部(編集部について/訂正・修正に関する方針)
公開日:2026年9月24日 / 最終更新:2026年9月24日
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