- 日本人が入学できるかどうかの考え方(学校の3つのタイプ)
- 学年別に求められる英語力の目安(各校の公表内容とグラフ)
- 選考で見られること(試験・面接・保護者)
- 出願から入学までの流れと、用意する書類
- 学年別の準備のしかた
- 親の英語力や国籍の条件
- 条件に届かないときの選択肢
結論:入学条件は「学校の方針」と「学年」で決まる
| 学年 | 英語が初めての場合 | 一般的な選考 |
|---|---|---|
| 幼児(2〜5歳) | 入りやすい | 面談、体験入園 |
| 小学校低学年 | 学校による | 面接、行動観察、保護者面接 |
| 小学校中学年〜高学年 | 難しくなる | 英語と算数の試験、面接 |
| 中学生・高校生 | ほぼ難しい | 学年相当の英語力が前提。試験と面接 |
早く始めるほど、英語力の条件は低くなります。ただし、空きがあるかどうか、学校が誰を優先するかによって、同じ学年でも結果は変わります。
入りやすさは「誰を対象にする学校か」×「何年生で入るか」
「入れるかどうか」は、子どもの英語力だけでは決まりません。まず学校の方針を確かめます。

日本人でも入学できるのか
入学できます。ただし、学校の成り立ちによって考え方が違います。
外国人駐在家庭を優先する学校
箕面市の関西学院大阪インターナショナルスクールは、優先順位を公式に示しています。①英語圏からの駐在員の子ども、②その他の国からの駐在員の子ども、③英語イマージョン教育を2年以上受けた日本人帰国生、④英語イマージョン教育の強い必要性を示せる日本人の子ども、の順です。日本の小学校に通ってきた子どもは、優先順位がもっとも低くなります。
日本人の子どもを主に受け入れる学校
日本人家庭を主な対象にしている学校もあります。藤沢市の湘南ホクレア学園は、入学前の英語力を問わないと明記しています。一条校の国際系(LCA国際小学校、幕張インターナショナルスクールなど)も、日本の小学校として日本人の子どもを受け入れています。
特定の背景を条件にする学校
沖縄県宜野湾市のアメラジアンスクール・イン・オキナワは、入学に「国籍又は出自上の国際児」であることという条件があります。箕面市の関西学院千里国際高等部は、帰国生だけを募集しています。
3つのタイプは、学校の公式サイトの「Admissions(入学案内)」のページを読むと見分けられます。優先順位や出願の条件が英語で細かく書かれている学校は、駐在家庭を主な対象にしていることが多く、日本語で募集要項を用意している学校は、日本人家庭の受け入れに慣れています。
どのタイプが良いということはありません。駐在家庭を優先する学校は、国籍の多様さや英語の環境が保たれやすい一方、日本人の子どもが入れる枠は限られます。日本人家庭を主な対象にする学校は入りやすい一方、在校生の多くが日本人になることがあります。何を求めて通わせるのかによって、合う学校が変わります。
学年別に求められる英語力【各校の公表内容】
英語力の基準を数字で示している学校は多くありません。公式に確認できた例を並べます。
| 学校 | 公表されている条件 | 地域 |
|---|---|---|
| 神奈川インターナショナルスクール 藤沢校 | 3歳児以下は英語が初めてでも可。小学生の日曜クラスは英語圏の子どもと同等の英語力 | 藤沢 |
| 湘南ホクレア学園 | 入学前の英語力は不問。家族面接(約45分) | 藤沢 |
| AICJ INTERNATIONAL SCHOOL 大阪校 | 随時募集は、インターナショナルスクールなどで複数年の英語教育を受けていること | 吹田 |
| オキナワインターナショナルスクール | 初等部は英検などの目安を挙げつつ、「本気で英語を身につけたい」という意欲を重視。中等部は英検3級以上が目安。高等部IBコースは英検2級以上が目安 | 那覇 |
| 沖縄クリスチャンスクールインターナショナル | 高校は学年相当の英語力、中学は1学年以内の差、小学校高学年は2学年以内の差、低学年は面接で確認 | 那覇 |
| 関西学院大阪インターナショナルスクール | 全員が言語・算数・認知のテストと面接。英語を母語としない子どもの受け入れは学年ごとに制限される場合あり | 箕面 |
沖縄クリスチャンスクールインターナショナルの基準は、わかりやすい目安になります。低学年は面接で様子を見るだけ、学年が上がるほど「同じ学年の英語圏の子ども」との差が小さいことを求められます。
学年が上がるほど許される差は小さくなる
沖縄クリスチャンスクールインターナショナルが公表している基準を、グラフにしました。「同じ学年の英語圏の子ども」との差が、何学年分まで認められるかを示しています。
同校の公表内容をもとに作成。低学年は数値の基準がなく面接で確認するため、棒の長さは目安です。
この基準は1校の例ですが、考え方は多くの学校に共通しています。低学年のうちは、入学後に英語を伸ばす時間があります。高校生になると、入学してすぐに英語で高度な内容を学ぶため、差があると授業についていけません。
日本の英語の検定で目安を示す学校もあります。オキナワインターナショナルスクールは、中等部で英検3級以上、高等部のIBコースで英検2級以上を目安として挙げています。ただし、これは「出願できる目安」であって、合格を約束するものではありません。同校は初等部について、検定の級よりも「本気で英語を身につけたい」という意欲を重視すると説明しています。
選考で見られること
英語力だけではない3つの視点
学校は、入学後に子どもと家庭が続けられるかを見ています。
01
子どもの様子
試験や模擬授業、行動観察で、英語力だけでなく集団での様子や意欲を見ます。LCA国際小学校は、日本語と英語の模擬授業で子どもの様子を観察します。
02
保護者の考え方
多くの学校が保護者面接を行います。湘南ホクレア学園は、指定された本を読むこと、説明会への出席、体験入学が出願の条件です。
03
空きと学年のバランス
編入は空きがなければ入れません。関西学院大阪インターナショナルスクールは、空席と学年の言語バランスを考慮すると明記しています。
選考の内容は学校ごとに違うので、募集要項で必ず確認してください。
選考で「英語力以外」が見られる理由は、入学後に続けられるかどうかが、家庭の理解に大きく左右されるからです。学校の教育方針と家庭の考えが合っていないと、入学後に行き違いが起きます。保護者面接では、「なぜこの学校なのか」「卒業後の進路をどう考えているか」「家庭で何語を使っているか」といったことを聞かれることがあります。
答えを暗記して臨む必要はありません。むしろ、家庭の方針を正直に伝え、学校から見て合うかどうかを判断してもらうほうが、入学後の後悔を減らせます。聞きたいことがあれば、面接の場で保護者から質問してかまいません。

出願から入学までの流れ
手続きの順番は学校によって違いますが、大まかな流れは共通しています。途中の学年から入る編入の場合も、基本は同じです。
出願から入学までの6ステップ
流れは一般的な例です。順番や内容は学校によって異なります。
| 用意する書類の例 | 内容 |
|---|---|
| 願書 | 学校の指定の様式。英語で書く学校が多い |
| 成績や在籍を示す書類 | これまで通った学校・園の成績表や在籍証明 |
| 先生からの所見・推薦 | 現在の担任などに記入を頼む様式がある学校も |
| 本人確認の書類 | パスポートなどの写し |
| 健康に関する書類 | 予防接種の記録や健康調査票 |
| 英語力を示す資料 | 検定の結果など(求められた場合) |
書類は学校ごとに違うので、必ず募集要項で確認してください。現在の担任に記入を頼む書類は、用意に時間がかかります。出願の締め切りから逆算して、早めに頼んでおくと安心です。
出願の時期と「空き」の考え方
インターナショナルスクールの多くは、8月や9月に新しい学年が始まります。出願の受け付けが、その前の年の秋や冬に始まる学校もあり、日本の学校の感覚で春に動き始めると、間に合わないことがあります。希望する学校の出願の時期を、1年以上前に確かめておいてください。
年度の途中でも、空きがあれば受け入れる学校があります。吹田市のAICJ INTERNATIONAL SCHOOL 大阪校は、随時募集を行っています。ただし、条件は「インターナショナルスクールなどで複数年の英語教育を受けていること」です。途中から入るほうが、条件は厳しくなる傾向があります。
空きの数は、学年によって違います。関西学院大阪インターナショナルスクールは、空席の数と、その学年の言語のバランスを考えて受け入れを決めると明記しています。英語を母語としない子どもの受け入れを、学年ごとに制限する場合もあります。同じ子どもでも、出願する年と学年によって、結果が変わることがあります。
学年別の準備のしかた
入学する時期によって、準備の中身は変わります。子どもの年齢ごとに、家庭でできることを整理します。
いつ入るかで準備が変わる
小学校中学年が、1つの境目です。それより前か後かで、求められる準備が大きく変わります。
小学校中学年以降に、英語が初めての状態で全日制のインターナショナルスクールに入るのは、簡単ではありません。入れたとしても、英語サポートを受けながら授業についていく期間が必要になります。その費用は年14万〜50万円と、学校によって差があります。
その場合は、いきなり全日制を目指すのではなく、放課後の英語クラスやオンラインで英語で学ぶ経験を積み、準備が整ってから出願する方法もあります。途中の学年から入る場合の注意点は、インターナショナルスクールの編入・転校で解説しています。
英語サポートの費用——年14万〜50万円
英語がまだ十分でない子どもは、追加の授業(EAL・ESL)を受けます。別料金の学校があります。
各校の公式サイトの金額。

親の英語力・国籍・在留資格の条件
親が英語を話せなくても入学できるか
親の英語力を出願の条件として明記している学校は、今回確認した範囲では見当たりませんでした。ただし、面談や学校からの連絡が英語で行われる学校はあります。入学後の連絡が何語で行われるか、日本語で相談できる窓口があるかを確かめておくと安心です。
国籍・居住の条件
沖縄クリスチャンスクールインターナショナルは、子どもが保護者(少なくとも1人)と一緒に日本に住んでいることを条件にしています。AICJ大阪校も、入学後に家族と共に生活できることを条件に挙げています。
両親そろっての面談
浦安市のPV International Schoolは、入園の前に子どもと両親そろっての面談を行い、定員に空きがあっても選考の結果入れない場合があると明記しています。
保護者の英語力について、もう少し具体的に考えます。出願の条件にはなっていなくても、入学後に英語を使う場面はあります。学校からのお知らせ、担任との面談、成績表、保護者会、行事の案内などです。
すべてを完璧に理解する必要はありません。翻訳の機能を使って読む保護者もいますし、日本語を話せる職員がいる学校もあります。大切なのは、困ったときに日本語で相談できる相手が学校にいるかどうかです。見学のときに、「英語が得意でない保護者は、どうやって学校とやり取りしていますか」と聞いてみてください。
| 保護者が英語を使う場面 | 確かめておくこと |
|---|---|
| 学校からのお知らせ | メールやアプリの連絡は英語だけか。日本語の案内もあるか |
| 担任との面談 | 通訳や、日本語を話せる職員の同席を頼めるか |
| 成績表 | 英語だけか。評価の見方を説明してもらえるか |
| 保護者会・行事 | 参加が必須か。保護者のボランティアがあるか |
| 急な連絡(けが・体調不良) | 日本語で電話のやり取りができるか |
英語が初めてでも入りやすい学校の探し方
| 探し方 | 理由 |
|---|---|
| 幼児のうちに始める | 幼児は英語力を条件にしない学校が多い |
| 一条校の国際系を探す | 日本の小学校として受け入れる。授業の一部が英語 |
| 英語サポート(EAL・ESL)のある学校を選ぶ | 入学後に英語を補える。ただし追加費用がかかる |
| バイリンガル型の学校を選ぶ | 英語と日本語の両方で学ぶため、入りやすい |
| オンラインのインターを検討する | 英語の条件を設けていない学校がある |
途中の学年から入る場合の注意点はインターナショナルスクールの編入・転校で、学校の比べ方はインターナショナルスクールの選び方で解説しています。
英語が初めての子どもの入りやすさ
| 幼児 | 小学校低学年 | 小学校中学年〜 | |
|---|---|---|---|
| 全日制インター(駐在家庭を優先) | △ | × | × |
| 全日制インター(日本人が主な対象) | ○ | ○ | △ |
| 一条校の国際系 | ○ | ○ | △ |
| オンラインのインター | △ | ○ | ○ |
○=入りやすい △=学校による ×=難しい。各校の公表内容をもとにした一般的な傾向で、実際の条件は学校ごとに異なります。
一条校の国際系は、日本の小学校として新入生を募集します。入学の時点で英語力を問わない学校もありますが、人気のある学校では選考があります。LCA国際小学校は、日本語と英語の模擬授業で子どもの様子を観察します。途中の学年からの転入は、空きがあるときに限られます。
条件に届かないとき・入れなかったときの選択肢
希望する学校に入れなかったとしても、英語で学ぶ道がなくなるわけではありません。次の3つの道があります。
入れなかったときの3つの道
01
時期を変えて再び出願する
空きは年によって変わります。待機の登録ができる学校もあります。そのあいだに、英語で学ぶ経験を積んでおきます。
02
対象の違う学校を探す
駐在家庭を優先する学校が難しければ、日本人家庭を主な対象にする学校や、一条校の国際系を調べます。
03
通い方を変える
地元の学校に通いながら、放課後の英語クラスやオンラインのインターナショナルスクールで学ぶ方法があります。
全日制に入ることだけが目的になっていないか、一度立ち止まって考えてみてください。
オンラインのインターナショナルスクールは、通学が必要なく、英語力の条件を設けていない学校もあります。地元の学校に在籍したまま使えるので、卒業資格の心配もありません。対面での体験が少ないことなどの弱点は、オンラインインターナショナルスクールのデメリットにまとめています。
面接の前に、家庭で話し合っておくこと
保護者面接は、学校が家庭を選ぶ場であると同時に、家庭が学校を確かめる場でもあります。面接の前に、次の5つを家族で話し合っておくと、当日の受け答えに迷いません。入学後の方針もそろいます。
- なぜインターナショナルスクールなのか。英語力をつけたいのか、海外への進学を考えているのか、学び方が合うと思うのか。理由を1つに絞る必要はありませんが、言葉にしておきます
- 何年生まで通わせるつもりか。小学校までか、高校卒業までか。途中で日本の学校へ移る可能性があるかも話します
- 家庭では何語を使うか。日本語を家庭でどう支えるかは、多くの学校が気にする点です
- 学費を高校卒業まで払い続けられるか。入学時の費用と、毎年の値上げも含めて確かめます
- 子ども本人はどう思っているか。年齢に合った言葉で説明し、見学や体験の感想を聞きます
子ども本人の気持ちは、見落とされやすい点です。保護者が熱心でも、本人が強く嫌がっている場合、入学後に続けるのは難しくなります。体験入学のあとに「また行きたい」と言うかどうかは、どの試験の結果よりも確かな材料です。

入学条件についてのよくある誤解
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| 外国籍でないと入れない | 日本人の子どもを受け入れる学校は多くあります。ただし優先順位が低い学校もあります |
| 親が英語を話せないと出願できない | 出願の条件にしている学校は、今回確認した範囲では見当たりませんでした |
| 英語さえできれば入れる | 空きの数、学年の言語のバランス、家庭の考え方も見られます |
| 幼児のうちに入れば、そのまま小学部に上がれる | 内部進学にも条件や選考がある学校があります。プリスクールは小学部を持たない施設も多くあります |
| 不合格は、子どもの力が足りなかったから | 空きがなかった、優先順位が低かった、という理由のこともあります |
| 定員に空きがあれば必ず入れる | 浦安市のPV International Schoolは、空きがあっても選考の結果入れない場合があると明記しています |
幼児のうちにプリスクールへ入れば、そのまま小学部へ進めると考える家庭は少なくありません。けれども、にじいろが調べた市の多くでは、「インターナショナルスクール」という名前の施設の大半が、幼児だけを対象にしていました。小学部を持たない施設を卒園したあとは、あらためて別の学校に出願することになります。違いはプリスクールとインターナショナルスクールの違いで解説しています。
入学が決まったあと、最初の1年に起きること
入学の条件を満たして合格したあとも、最初の1年は子どもにとって大きな変化の時期です。英語が初めての子どもは、言いたいことが伝わらないもどかしさを感じます。先生の話がわからず、黙って過ごす時期がある子どももいます。
この時期に保護者ができるのは、家庭を安心できる場所にしておくことです。家では日本語でたっぷり話を聞き、学校での出来事を責めずに受け止めます。心配なことがあれば、早めに担任に相談してください。英語サポートの先生と担任が、どのように連絡を取り合っているかも、聞いておくと安心です。
入学はゴールではなく、始まりです。条件を満たすことだけに力を使い切らず、入学後の生活まで見通して準備を進めてください。学校全体の比べ方は、インターナショナルスクールの選び方にまとめています。
出願の前に学校へ聞く10の質問
条件を正確に知るために
優先順位や空きの数は、公式サイトに書かれていないことがあります。直接聞くのが確実です。



