- 面接は全員に課されるものではなく、選抜の種類によって有無が分かれること
- 神奈川県は令和6年度入試から、全員一律の面接を廃止したこと(その理由も公表されている)
- 神奈川県では「面接の評価の観点」が学校ごとに公表されていること
- 公表されている観点は「志望理由」「意欲」「態度」が中心で、欠席の説明を求めるものではないこと
- 欠席のことを聞かれたときの、答えの組み立て方
東京都・神奈川県の実施要綱・要領・選考基準にあたって確認しています。面接の有無も観点も、都道府県と学校によって異なります。志望校の公表資料を必ず確認してください。
面接は、どの入試で課されるのか
「高校入試には面接がある」と思われがちですが、実際は選抜の種類によって分かれます。東京都を例に見ると、次のようになります。
| 選抜の種類 | 面接 | 公表資料の記載 |
|---|---|---|
| 学力検査に基づく選抜(いわゆる一般入試) | 原則なし | 学力検査と調査書点で選考。全日制は原則7:3 |
| 推薦に基づく選抜(一般推薦) | 志願者全員に個人面接 | 「一般推薦の志願者全員に個人面接を実施する」。集団討論は学校の判断で実施できる |
| 文化・スポーツ等特別推薦 | 全員に個人面接または集団面接 | 面接と実技検査を実施する |
| チャレンジスクール | 面接と作文(学力検査なし) | 「面接及び作文を実施する」。調査書の提出は不要で、志願申告書を提出する |
| エンカレッジスクール | あり(学力検査なし) | 調査書、面接、小論文または作文の得点を総合して選考 |
※令和8年度(2026年春)入試の実施要綱・募集案内に基づきます。
つまり一般入試を受けるなら面接はない、推薦やチャレンジスクールを受けるなら面接が中心になる——という整理です。面接が不安なら受けない道もあり、逆に学力検査が不安なら面接中心の選抜を選ぶ道もあります。
神奈川県は、全員一律の面接をやめた
神奈川県は令和6年度入学者選抜から、それまで全員に課していた面接を廃止しました。県の説明資料には、理由がはっきり書かれています。
「共通の検査は学力検査のみとし、面接は特色検査に位置付け、必要な学校が実施する」
廃止の理由:「10分程度で実施している面接において、新学習指導要領で求められる日頃の学習に向かう姿勢(『学びに向かう力』)を適切に評価することは困難」
短い面接で人となりを評価することの難しさを、県自身が認めたということです。現在は「実技検査、自己表現検査及び面接」のうち、学校が定めるものを特色検査として実施する形になっています。
「面接で何を見るか」は公表されている
神奈川県は、面接を実施する学校について「面接の評価の観点」を選考基準として公表しています。たとえば、不登校経験のある生徒を主に受け入れるクリエイティブスクール5校の観点は、次のとおりです(令和9年度)。
| 学校 | 公表されている面接の評価の観点 | 形式 |
|---|---|---|
| 県立釜利谷 | 入学希望の理由/学習、生活、部活動に対する意欲/物事に対して地道に努力をする姿勢/誠実な態度 | 個人面接・10分 |
| 県立横須賀南 | 入学希望の理由/高校での学習活動、学校生活に対する意欲/面接の態度 | 個人面接・10分程度 |
| 県立小田原北 | 入学希望の理由/これまでの生活や活動に対する意欲と積極性/高校での教科・科目等に対する学習意欲/面接の態度 | 個人面接・10分程度 |
| 県立大和東 | 入学希望の理由/高校生活に対する意欲と積極性/これまでの活動に対する意欲/面接にのぞむ姿勢 | 個人面接・10分 |
| 県立青葉総合 | 入学希望の理由/高校生活に対する意欲と積極性/面接への取組姿勢 | 個人面接・10分程度 |
並べてみると、共通しているものが見えてきます。「なぜこの高校を選んだか」「これから何をしたいか」「これまで何に取り組んできたか」「面接に向かう態度」の4つです。
ここに「欠席の理由」も「不登校だった経緯」も入っていません。観点として公表されていないことを、点数の材料にすることは制度上できません。面接は、過去を審査する場ではなく、これからを聞く場として設計されているということです。
東京都も、推薦選抜で提出する自己PRカードについて「自己PRカードは、点数化しない。なお、個人面接に当たっては、自己PRカードを面接資料として活用する」と定めています。書類は話のきっかけであって、採点表ではないという位置づけです。
面接の重みはどれくらいか
神奈川県は、選考の計算式と比率の範囲を公表しています。第1次選考は「学力検査 × f + 調査書 × g(+特色検査 × i)」で、f と g はそれぞれ2以上で合計10となる整数、特色検査(面接を含む)の係数 i は1以上5以下の整数と定められています。つまり面接だけで合否が決まる設計にはなっていません。
東京都の推薦選抜については、配点を各校が別表で定める仕組みで、割合の上限を示す規定は実施要綱の条文からは確認できませんでした。志望校の配点は、募集案内の別表で確認してください。
欠席のことを聞かれたら、どう答えるか
観点に入っていないとはいえ、話の流れで「中学校ではどう過ごしていましたか」と聞かれることはあります。そのときのために、答えの形をひとつ持っておくと安心です。
おすすめは「事実 → 今 → これから」の3ステップです。長く話す必要はありません。
「中学2年の秋から、学校に行けない日が増えました。(事実)
3年生になってからは市の教育支援センターに週3日通っていて、国語と数学を中心に勉強しています。(今)
この学校を選んだのは、少人数で学べると説明会で伺ったからです。まずは毎日通うことを目標にしたいです。(これから)」
ポイントは3つあります。
① 理由を細かく説明しようとしない。「なぜ行けなくなったか」を分析して話す必要はありません。事実を一言で伝えれば十分です。
② 「今やっていること」を必ず入れる。公表されている観点はどれも「意欲」「積極性」「努力する姿勢」です。学校の外で続けてきたことは、まさにこの観点に答える材料になります。
③ 志望理由を用意しておく。5校すべての観点に「入学希望の理由」が入っていました。面接でいちばん確実に聞かれるのは、欠席のことではなく志望理由です。説明会で聞いたこと、パンフレットで見て気になったことを1つ挙げられれば十分です。
よくある質問
まとめ
面接は、すべての高校入試で課されるわけではありません。東京都なら推薦選抜とチャレンジスクール・エンカレッジスクールで、神奈川県なら特色検査として面接を実施する学校で課されます。
そして、多くの学校が何を見るかを事前に公表しています。並んでいるのは「志望理由」「意欲」「態度」で、欠席の経緯ではありません。だからこそ準備すべきは、休んでいた理由の説明ではなく、「この学校を選んだ理由」と「今やっていること」です。この2つが言葉になっていれば、面接は乗り切れます。
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