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文部科学省が2026年8月26日に公表した令和8年度学校基本調査(速報)で、通信制高校に通う生徒が31万2千人と過去最多になりました。一方、小学校と中学校の児童生徒数はどちらも過去最少です。
子どもの数そのものは減り続けているのに、通信制高校だけが増えている。この「ねじれ」が、いま高校選びをしているご家庭にとって何を意味するのかを整理します。
何が発表されたのか
学校基本調査は、全国の学校の数・在学者数・教職員数などを毎年調べる、文部科学省の基幹統計です。今回公表されたのは令和8年度の速報値で、確定値はのちほど公表されます。
在学者数の主な結果は次のとおりです。数値と「過去最多/過去最少」の表現は、いずれも文部科学省の公表資料の記載どおりです。
| 学校の種類 | 在学者数 | 前年度との差 | 記録 |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 565万4千人 | −15万8千人 | 過去最少 |
| 中学校 | 306万人 | −4万5千人 | 過去最少 |
| 高等学校(全日制・定時制) | 284万5千人 | −2万9千人 | — |
| 高等学校(通信制) | 31万2千人 | +7千人 | 過去最多 |
| 義務教育学校 | 9万5千人 | +8千人 | 過去最多 |
| 中等教育学校 | 3万5千人 | +3百人 | 過去最多 |
| 特別支援学校 | 16万3千人 | +4千人 | 過去最多 |
| 幼稚園 | 62万7千人 | −6万2千人 | — |
| 幼保連携型認定こども園 | 88万2千人 | +6千人 | 過去最多 |
出典:文部科学省「令和8年度学校基本調査の公表について(速報)」(2026年8月26日公表)。数値・表現は同資料の記載どおり。
この数字をどう読むか
減っている学校と、増えている学校がはっきり分かれている
小学校・中学校・幼稚園・全日制高校は減り、通信制高校・義務教育学校・中等教育学校・特別支援学校・認定こども園は増えました。
子どもの数そのものが減っているなかで増えている、ということは、単に人が増えたのではなく、選ばれ方が変わっているということです。同じ数の子どもを、これまでとは違う学校が受け止めはじめている、と読むほうが実態に近いでしょう。
全日制・定時制と通信制を合わせた高校生は315万7千人になります。そのうち通信制は約1割です(この割合は公表値からにじいろ編集部が計算しました)。10人にひとりが通信制、という水準は、もう「例外的な進路」とは呼びにくい規模です。
★ここは誤解されやすい:この調査は不登校の数を数えていません
「通信制が過去最多=不登校が過去最多」ではありません
学校基本調査は、どの学校に何人在籍しているかを数える調査です。その子が不登校かどうかは、この調査では調べていません。
不登校の児童生徒数を調べているのは、文部科学省の別の調査「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」です。こちらは同省の資料に「例年10月の調査結果の公表」と記載があり、例年秋に公表されています。
通信制高校を選ぶ理由は、不登校の経験だけではありません。働きながら学ぶ、競技や表現活動と両立する、自分のペースで進みたい——理由はさまざまです。ひとつの数字にひとつの原因を当てはめないでください。
速報値であることも押さえておく
今回の数値は速報値です。確定値では数字が動くことがあります。学校選びの判断材料にするぶんには十分ですが、「31万2千人」という数を厳密な根拠として何かを主張する場面では、確定値を待つのが安全です。
「うちの子」にとって、何が変わるのか
通信制は、もう珍しい進路ではない
高校生の約1割が通信制、という規模は、進路相談の場で「特別な選択」として説明される段階を越えつつあります。中学校の進路指導で通信制の話が出にくいと感じているご家庭も、「うちだけが変わった選択をしている」という受け止め方はしなくて大丈夫です。
増えているぶん、学校ごとの差も大きくなっている
ここは正直に書きます。在籍者が増えるということは、学校の数も、学校ごとのやり方の幅も広がるということです。サポート体制、面接指導(スクーリング)の頻度と場所、卒業までの費用、進路実績——同じ「通信制高校」でも中身はかなり違います。
実は国もこの点を課題として動きはじめており、2026年7月には通信教育に関する法律が改正され、国が守るべき指針をつくる検討会議が2026年8月末に始まったばかりです。制度が整うのはこれからで、いまはご家庭側で見比べる必要があります。この動きは別の記事で詳しく扱います。
義務教育学校・特別支援学校が増えていることの意味
義務教育学校(小中一貫の9年制)と特別支援学校も過去最多でした。中学校進学のタイミングで環境が大きく変わることがしんどい子、個別の配慮が要る子にとって、通える場所の選択肢が実際に増えているということです。お住まいの自治体にどんな学校があるかは、一度確認しておく価値があります。
いま、できること/しなくていいこと
- お住まいの都道府県に、通える通信制高校・サポート校がどれだけあるかを一覧で把握しておく
- 学校見学の予約が動き出す前に、費用・スクーリングの場所と回数・卒業実績の3点を比較する項目として決めておく
- 義務教育段階なら、自治体の教育支援センター(適応指導教室)の場所と申し込み方法を調べておく
この発表を受けて、いますぐ進路を決め直す必要はありません。今回わかったのは全国の在籍者数であって、お子さんに合う学校がどこかは、この数字からは決まりません。
また、10月ごろには不登校に関する別の調査結果が公表される見込みです。数字を見て気持ちが揺れやすい時期が続きますが、統計は「自分たちだけではない」と知るために使うもので、焦るために使うものではありません。
あわせて読みたい
- 通信制高校おすすめ比較|学費・選び方・不登校からの進学を一覧で解説
- 不登校でも高校には行ける|進路5つの選択肢と、中学生のうちにやること全部
- 教育支援センター検索|郵便番号で近くの適応指導教室をさがす
- フリースクール情報
- 文部科学省「学校基本調査-令和8年度 結果の概要-」
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/k_detail/2026_00001.htm - 文部科学省「令和8年度学校基本調査の公表について(速報)」(2026年8月26日公表)
https://www.mext.go.jp/content/20260826-mxt_chousa01-000050842_01.pdf - 文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査-調査の概要」(公表時期に関する記載)
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/shidou/gaiyou/chousa/1267368.htm
公開日:2026年9月7日 / 最終更新:2026年9月7日
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