不登校の期間があっても、学習の成果を学校が評価する仕組みはあります。ただし、記録を出せば通知表に評定がつくという一律の制度ではありません。何を確認し、どのような形で結果を受け取るのか、学校と相談する7項目を整理します。
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通知表を読む前に「何の記録か」を分ける
「通知表があるか」「指導要録に何を記録するか」「高校入試の調査書に何が載るか」は、目的も様式を決める主体も同じではありません。文部科学省のQ&Aでは、指導要録は学籍と指導の過程・結果を記録する原簿、通知表は子どもや保護者へ学習状況を伝えるため学校が作るもの、調査書は高等学校等の選抜資料として作成するものと説明しています。
| 書類・記録 | 主な目的 | 確認先 | 不登校時の確認点 |
|---|---|---|---|
| 通知表 | 学習状況を本人・保護者へ伝え、次の学びを支える | 在籍する学校 | 評定・文章記述・空欄等の記載方法、渡す時期 |
| 指導要録 | 学校が指導の過程や結果を記録し、引継ぎ等に用いる | 在籍する学校・設置者 | 欠席中の学習や出席扱いの記載方法 |
| 調査書 | 高校等の入学者選抜に提出する資料 | 中学校と志望先の高校等 | 地域・選抜方式の最新様式、欠席・学習資料の扱い |
通知表の記載内容や様式は各学校が判断して工夫するものと文科省は説明しています。したがって、友人やきょうだいの通知表と同じ項目があるとは限りません。「評定がない」「文章で説明された」「別紙が付いた」といった違いだけから、評価が行われたか、学校が本人をどう見ているかを推測せず、学校へ記載の意味を尋ねます。
中学3年生の通知表は、学習の状況を伝えるだけでなく、高校入試で使う調査書と関係する場合があります。ただし、通知表の評定と調査書の様式は同一の書類ではなく、都道府県教育委員会等が調査書の様式や記載事項を定めると文科省は説明しています。進路相談では「通知表の評価」と「調査書に記載する内容」を分けて質問しましょう。
通知表を受け取ったときは、記載が空いている箇所をすぐに「未評価」「成績がない」と読み替えないことも大切です。学校ごとに記号、文章欄、評定欄の使い方が異なることがあります。どの範囲を学校が確認できたのか、どの学習成果を評価資料として受け取ったのかを質問すれば、次の学期に用意できる資料も明確になります。
小中学校の相談内容を高校段階にそのまま持ち込まないようにします。2024年の通知は小学校・中学校など義務教育段階を対象とし、高校、中等教育学校後期課程、高等部の学習は同じ通知の対象ではないと明記しています。高校には自宅等での通信教育や単位取得について別の制度上の措置があります。高校生は在籍校の教務規程、単位認定、欠席中の学習に関する案内を確認してください。
文部科学省「確かな学力 Q&A」欠席中の学習も評価対象になり得るが、自動ではない
2024年の文科省通知は、要件を満たす場合に欠席中の学習成果を学校が成績評価へ反映できると明確にしましたが、個々の評定を自動で付ける制度ではありません。通知は義務教育段階を対象とし、学校が学習計画・内容を在籍校の教育課程に照らして適切か確認すること、学校と家庭・学校外機関の連携が保たれること、学校が本人との関わりを続けることなどを示します。
この変更は、フリースクールの記録を提出すればそのまま通知表の評定になるという意味ではありません。学校が確認する資料の内容、教科との関係、本人と学校がどうやり取りするかが関係します。大人の側が「記録があれば何か評価してもらえるはず」と先に結論を決めず、本人の希望や負担に配慮しながら、学校へどのような情報が役立つかを相談します。
通知には「年間30日以上の欠席」という調査上の目安が触れられていますが、不登校該当性の判断は学校又は設置者が行い、不登校傾向のある児童生徒も対象となり得ると説明されています。日数だけで家庭が対象・対象外を決めることはできません。本人の状況や学校の判断に関わるため、心配なときは相談の入口として学校へ状況を伝えてください。
学習成果を考慮するには、学校が学習活動の内容や成果を確認できることが大切です。活動記録、ノート、作品、本人の説明など、どれが必要かは学校へ聞きます。学校が評価資料を受け取る形式や頻度は一律でなく、家庭が用意した資料すべてを評定へ反映させる義務が学校にあると解釈しないようにします。
文科省は、全ての教科・観点について観点別評価や評定を記載しなければならないわけではなく、十分な評価資料がない教科等では学習状況を文章で記述するなどの方法も示しています。つまり、成績表に一部の評定がなくても、学校が何も見ていないとは限りません。どの情報を把握し、次年度の指導へどう生かすかを学校へ質問できます。
文科省の学校・教育委員会等向け資料も、成績評価で全教科・観点の評定を一律に求めず、学習状況を文章で記す方法を紹介しています。そこに掲載された記載例は、各学校で全員が同じ様式で評価されることを意味しません。資料の例を自校の通知表にそのまま当てはめず、記載方法を学校へ確認します。
出席扱いと成績評価は、関連して相談することはあっても同じ判断ではありません。出席扱いになったから評定が付く、評価されたから出席日数も変更される、とは限りません。学校へ連絡するときは、質問を「出席日数の扱い」「教科の学習評価」「通知表の表示」に分けると、担当部署や必要資料を確認しやすくなります。
文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について」(2024年8月29日)学校に確認したい7項目
「評価できますか」と一問だけ聞くより、対象となる学習、必要な資料、相談する人、結果の伝え方を7項目に分けると、次回までの準備が具体的になります。以下は編集部が学校へ相談するために整理した例で、文科省が定めた評価表や校内手続ではありません。
| 項目 | 質問例 | 回答を記録すること |
|---|---|---|
| 1. 対象となる学年・状況 | 今回の相談はどの学年・期間・状況を対象にしていますか。 | 相談の対象期間、学校側の窓口 |
| 2. 学習内容 | どの教科・教育課程との関係を確認しますか。 | 教科、単元、学校が参照する計画 |
| 3. 必要な資料 | ノート、作品、課題、施設報告、本人の説明のうち必要なのは何ですか。 | 資料の種類、提出方法、様式 |
| 4. 学校との連携 | 本人や家庭との面談・連絡はどのように行いますか。 | 担当者、頻度、連絡先 |
| 5. 評価の範囲 | 評定が難しい場合、学習状況を文章で伝える方法はありますか。 | 対象教科、通知表等での伝え方 |
| 6. 結果の時期 | いつ、どの書類や面談で結果を受け取れますか。 | 時期、返却資料、質問方法 |
| 7. 次の相談先 | 校内や教育委員会で確認が必要な場合、誰に相談できますか。 | 校長・設置者等への確認経路 |
面談で7項目を一度にすべて確認できなくてもかまいません。学期末が近い場合は、まず学校が結果をまとめる時期と、資料を出す期限があるかを聞きます。今の学習内容を学校が把握できていないなら、何を見せると分かりやすいか尋ねます。特定教科について相談したいときは、その教科の担当者が面談に参加できるかも確認します。
学校が「評価は難しい」と説明した場合は、その理由が学習内容の不一致なのか、資料が足りないのか、制度上の対象ではないのか、校内で検討中なのかを分けて聞いてください。理由を確認すれば、資料を追加するのか、次学期に相談を続けるのか、他の方法で学習状況を伝えるのかを考えられます。ひとつの教科で評定が難しいことを、すべての学習が評価されないという結論に広げないようにします。
相談のメモは、日時・出席者・確認したこと・未回答のこと・次回の連絡予定に絞ると見返しやすくなります。学校側の説明をその場で全部理解できなかったときは、書面や学校の案内をもらえるか尋ねてもよいでしょう。制度の言葉が分からない場合、「この言葉は通知表のどの欄に反映されますか」「評定が付かない場合、学習の様子はどこに記録されますか」と具体的な書類に沿って聞きます。
本人が学校との面談に参加するかは、本人の希望や状態を確かめて決めます。保護者だけで確認する場合でも、面談で扱う内容を事前に本人へ説明し、本人の言葉を共有するなら了承を取ります。学校へ伝える必要がある内容と、家庭内で大切にしたい情報を区別することで、本人が評価されるだけの場だと感じにくくなります。
学習記録・作品・本人の説明をどう使うか
評価を相談する資料は、たくさん出すより「何を学んだか」「どの教科や目標と関係するか」「本人がどう説明できるか」が伝わるものを選びます。学校が確認するのは、家庭が決めた達成度ではなく、在籍校の教育課程や評価の考え方に照らした学習状況です。
ノートや課題を提出する場合は、日付と学習テーマを付けます。本人が自分で考えた箇所と、家族やスタッフが手伝った箇所が分かると、学校は学習の進め方を把握しやすくなります。書き直しや未完成の課題も、本人が希望する場合には学びの過程を示す材料になり得ます。完成度だけを選んで並べる必要はありません。
作品やプロジェクトを教科の成果と結びつけるときは、保護者が無理に評価語を付けず、本人に「何を考えて作ったか」「どこで困ったか」「次は何をしたいか」を説明できる範囲で聞きます。その説明を学校へ共有するかどうかも本人と相談します。本人が言葉で説明するのが難しい場合、作品に短いタイトルやメモを添える方法もあります。
資料を選ぶときは「本人の学習を示す資料」「本人の参加条件を学校へ伝える資料」「次に学校へ相談する資料」を分けると、作品を何でも成績資料として提出する混乱を防げます。たとえば、本人が作った模型は学習内容の説明に、活動中の休憩や声かけの記録は支援方法の相談に使うことが考えられます。どちらも提出する必要があるとは限らず、学校が今回知りたいことと本人の同意を先に確かめます。
文科省の学習評価資料では、教科目標に照らして知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度を捉える考え方が示されています。家庭はこれを採点表にせず、学校が確認したい学習内容を尋ねる手掛かりにできます。たとえば理科の観察記録なら、用語を覚えたことに加えて、何を比べ、結果をどう説明したかを学校が見たいか聞きます。
本人が学び方を選んだり途中で計画を変えたりした場合は、「意欲が高い」と評価語でまとめず、何を選び、困った時にどうしたか、どんな助けが必要だったかを事実として記します。主体的に学習に取り組む態度は、出席日数や提出物の量だけから家庭が判定する項目ではありません。本人の活動を伝えたうえで、観点との関係や評定は学校の評価計画に沿って判断してもらいます。
一つの成果物が複数教科に関わることもあります。地域の生き物を調べたレポートに文章表現や観察、地域学習が含まれていても、各教科の目標と照らして確認できるかは学校によります。「どの目標に関係する資料として見られますか」と尋ね、本人が見てほしい箇所を選んで共有します。家庭が教科ごとの評定を先回りして付ける必要はありません。
説明方法は、本人が話しやすい形を選びます。口頭説明が負担なら、短い箇条書きや作品への一言メモでも学習の過程を示せるか学校へ聞けます。写真や録音を使う場合は、他の子どもや利用者、氏名、アカウント情報が写り込んでいないか確認し、本人が共有を望まない資料は出しません。提出先・形式・閲覧者・保存期間を先に尋ね、ログイン情報そのものは渡さず、必要な部分だけを安全な方法で共有します。
提出時には、学校が受け取った資料名、受領日、確認担当、追加資料の要否、次の連絡時期をメモしておくと、通知表の時期に「どれを提出したか」をたどれます。記録を出したこと自体は評価の約束ではありません。本人が疲れている時に毎日の記録作りを課題化せず、学校が必要とする時期と量を確認し、続けられない場合は提出方法や相談時期を調整します。空白期間も推測で埋めず、本人が共有を望む範囲だけを伝えます。
| 見る点 | 確認する質問 | 控えたいこと |
|---|---|---|
| 本人の学習 | 本人が取り組んだ内容・説明が分かるか。 | 大人がした作業を本人の成果と書かない |
| 教科との関係 | 学校が確認したい単元や内容に結びつくか。 | 教科名だけで学校の評価を推測しない |
| 日時・期間 | いつ頃の学習か、継続状況が分かるか。 | 記録がない期間を推測で埋めない |
| 共有許可 | 本人・施設・写り込む他の人の同意があるか。 | 不要な個人情報や他児童の名前を載せない |
記録の頻度や提出量を学校へ確認するのも大切です。文科省の通知は学校側が少なくとも成績評価を通知する頻度に対応して、学習状況を把握する考え方を示していますが、これは家庭に毎日の記録や作品の大量提出を求める規定ではありません。学校が必要とする時期と資料を聞き、本人や家庭が続けられる形を相談します。
文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について」(2019年)学校との相談を進める手順
評価の見通しを立てるには、通知表を受け取る直前だけでなく、学習の内容が変わった時や学期の早い段階にも学校へ相談しておくと確認時間を確保できます。学校の成績処理や面談の予定は校内で異なるため、相談時期を一律に決めず、在籍校へ聞きましょう。
- 本人と保護者で、学校に伝えたい学習内容や希望を整理する。
- 学校へ、相談を受ける担当者・必要資料・連絡方法を確認する。
- 学校が確認したい教科・学習内容と、提出資料の範囲を聞く。
- 本人の同意を得て、日付や活動が分かる資料を必要な分だけ用意する。
- 結果が通知表・面談・文章記述のどの形でいつ伝わるか確認する。
学校へ相談文を送るときは、学年・組、相談したい期間、学習の場、聞きたいことを短く書きます。病名や家庭の事情を最初から詳しく書き込む必要はありません。学校が必要とする情報がある場合は、何のために必要なのか、どの窓口へ伝えるかを確かめてください。
件名:欠席中の学習状況と通知表の記載について
〇年〇組の保護者です。現在の学習内容を学校と共有し、通知表の記載や今後の学習支援について相談したいと考えています。学校で確認したい教科・内容、参考となる資料、提出方法と時期を教えていただけますか。評定が難しい場合に学習状況を文章等で伝える方法があるか、また相談を担当する先生についても伺いたいです。本人と共有範囲を確認して、必要な資料を準備します。
文面は編集部の例であり、学校の指定様式ではありません。学校独自の相談シートや面談申込フォームがあればそちらを使います。送信前に本人が伝えたくない情報が含まれていないか、宛先が正しいか、添付に別の児童生徒の情報が写っていないかを確認します。
連絡を始める際は、相談の目的を一つか二つに絞ると、学校側も確認先を案内しやすくなります。たとえば「通知表の記載方法を知りたい」「今学期に学校が確認できる学習資料を相談したい」と分けます。出席日数の扱い、学習評価、進路用の調査書を一通の連絡でまとめて尋ねる場合も、それぞれ別の質問として箇条書きにすると回答を整理しやすくなります。
返信に「校内で確認します」とあったときは、いつ頃返答を受けられるか、確認中に家庭で準備するものがあるかを尋ねられます。年度末や学期末の成績処理には校内の締切があることも考えられるため、希望する回答日を一方的に決めるのではなく、学校側の予定を聞いて相談します。急いで資料を作る必要があるときも、本人が無理なく取り組める量かを見直しましょう。
担任へ話しにくい場合は、養護教諭、教育相談担当、学年主任など、校内の相談窓口を尋ねる方法があります。誰に相談するかは学校ごとに異なるので、連絡帳や学校サイトの案内を確認し、担当者が分からなければ担任へ「この内容を相談できる校内窓口を教えてください」と伝えます。学校の回答に制度上の疑問が残る場合は、教育委員会の教育相談窓口へ確認することも選択肢です。
学校の担当者から返答を受けたら、何が決定し、何が検討中かを分けて記録します。「評定は難しい」という返答であれば、その理由、文章記述や次学期の評価に向けて可能なこと、再相談の時期を聞きます。担当者の説明だけで分からない場合、校長や設置者に確認する手続があるか尋ねます。相談を一度で終えず、本人の状態や学習内容の変化に合わせて調整します。
家庭と学校で理解が違うと感じたときは、会話の記録や配布資料を見ながら、質問を具体的にします。「評価してほしい」だけでなく、「この学習内容を学校のどの教科・目標と照らして確認できますか」「次回はどの資料があると判断しやすくなりますか」と聞くと、学校側の説明も受け取りやすくなります。自治体の制度や運用が関わる場合は教育委員会へ相談します。
通知表を受け取った後に見る点
通知表の結果だけで本人の努力や今後の進路を決めず、記載の意味、学校が把握した範囲、次に必要な支援を確認します。評定欄、文章記述、未記載の箇所があれば、その理由と今後の扱いを学校に尋ねられます。
評定が付いた教科については、何を評価資料として確認したのか聞きます。本人が学習した内容が反映されているか、次学期へ引き継ぐための説明があるか、必要に応じて確認します。評定が付かなかった教科については、評価に使える資料が不足したのか、学校の教育課程との対応が難しかったのか、評価時期までに学校が状況を把握できなかったのかを分けて尋ねます。
通知表の「評定」と「観点別学習状況」も、学校がどのように記載しているか確認します。空欄、斜線、記号、文章欄のいずれも、表面だけで意味を判断できないことがあります。「この欄は未評価を示していますか」「文章記述は次学期の指導へどう引き継がれますか」「本人はどの資料を振り返るとよいですか」と、欄の名称を示して聞くと話し合いやすくなります。
欄の例を挙げるなら、教科ごとの評定欄、観点別の欄、出欠の記録、総合所見や文章記述欄などです。ただし、すべての通知表に同じ欄があり、同じ記号が使われるわけではありません。手元の通知表で実際の項目名を指し、「この『評価』欄はどの学習期間を表していますか」「文章欄に学習の様子が記載される場合、どのような情報を学校が確認しますか」と質問します。欄の名称を記事の例から探すのではなく、本人の通知表そのものを基準にするのがポイントです。
たとえば、ある教科は評定が記載され、別の教科は空欄だったとします。この見た目だけから、片方は学んでいない、もう片方は十分評価されたと結論づけず、学校が確認できた資料と評価の範囲を尋ねます。「提出した記録は受領されていますか」「この教科で学校が把握できた単元はどこまでですか」「次の学期に確認できる学習内容はありますか」と、事実・期間・次の相談を分ければ、本人にも説明しやすくなります。これは質問の組み立て例で、特定の記載結果や評定を予測するものではありません。
文章欄がある場合も、記載が短いことを直ちに否定的評価と受け取らず、学校の様式が何を伝えるための欄か確認します。本人が「自分の学びが伝わっていない」と感じた時には、まずどの記述をそう感じたのかを聞き、学校へ確認したい点を一緒に選びます。保護者が本人の説明を代わりに断定するのではなく、本人が話せる範囲の言葉や、共有に同意した作品・メモを用いて、次の面談で確かめる内容を整理します。
学校が評価資料を受け取った時期と、評価結果をまとめる時期が離れている場合、何をいつ確認したかを保護者が把握しておくと誤解を減らせます。記録を渡した日、担当者、資料の名称、受領の返事、学校が追加で求めた内容を簡潔にメモします。後で評定や記述について質問するときも、本人の学習全体を再説明するのではなく、確認してほしい期間や資料に絞って問い合わせられます。
評定の理由を尋ねるときは、特定の数値を求めるより、評価に使った資料と学校の目標との対応、本人へ伝えられる次の学習課題を確認します。学校の説明が「資料が足りない」なら、どの教科・期間・課題について不足しているか、「本人との関わりが必要」ならどのような方法で接点を持てるかを具体化します。これらは質問の例であり、学校が必ず追加評価を行うことを意味しません。
文章で学習状況が記載された場合は、その記述を本人と一緒に読み、本人が違うと感じる点や、今後どうしてほしいかを聞きます。通知表は子どもや保護者に学習状況を伝えるための資料でもあります。学校の記述が分かりにくければ、用語の意味を質問し、次の面談でどのような資料や支援が役立つか相談できます。
不登校の状態や学習の進み方は一人ひとり異なります。前学期の評定や他の子どもの通知表と比べて、本人に同じ進度を求めるのではなく、本人の希望や今の学習状況を踏まえます。進路の選択が近い場合は、中学校での評価と調査書の扱いを分け、志望先の募集要項や教育委員会の最新案内も確認しましょう。
学校が記録を受け取っていない、説明と通知表が異なるなど、事実関係を確認したい場合は、資料を持参し、いつどの窓口へ提出したかを伝えて確認します。必要に応じて校長や教育委員会に相談することもできます。個別の権利・法的判断をこの記事だけで行うことはできませんが、相談の記録と質問事項を整理することは次の話し合いに役立ちます。
評定や文章記述が希望と異なった場合でも、通知表だけで支援を止める必要はありません。学習支援、相談室、教育支援センター、フリースクール等、利用できる場を本人と一緒に確認します。今すぐ学校へ戻ることだけを目標にせず、本人が安心して相談できる方法や学びの選択肢について学校・家庭・関係機関で話し合います。
コピー・編集できる確認シート
面談に持っていく前に、回答済み・未確認・次に聞くことを同じ場所に整理すると、学校との相談を続けやすくなります。シートは編集部の整理例であり、学校・自治体の公式様式ではありません。
通知表・学習評価について学校へ聞くメモ
学校・学年:______ 対象期間:______ 相談日:______
| 確認項目 | 学校の回答・分かったこと | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 1 対象となる学年・状況 | ______ | ______ |
| 2 教科・学習内容 | ______ | ______ |
| 3 必要な資料・提出方法 | ______ | ______ |
| 4 本人・学校との連携 | ______ | ______ |
| 5 評価の範囲・記載方法 | ______ | ______ |
| 6 結果の時期・伝え方 | ______ | ______ |
| 7 次の相談先 | ______ | ______ |
本人が学校に伝えたいこと:________________
本人と保護者で共有してよいと確認した情報:____________
次回の連絡・面談予定:____________
※本人の負担や個人情報に配慮し、必要な項目のみ使用してください。学校指定の様式があればそちらを優先してください。
印刷・共有前に、本人が伝えたくない内容や、別の子どもの名前・作品が入っていないか確認します。回答がまだない項目は空欄のままにし、記憶や推測で埋めません。面談当日にシートを使わなくても、手元のメモとして質問を整理するだけで役立ちます。

よくある質問
評定の有無だけでなく、学校が確認した学習状況と次にできる相談を確かめることが大切です。本人の希望や疲れやすさに配慮し、必要な範囲で話し合いましょう。
1. 不登校でも通知表は必ず発行されますか?
通知表の取扱い・記載内容・様式は学校が工夫するものと文科省は説明しています。発行時期や形式、評定欄の記載を在籍校へ確認してください。通知表、指導要録、調査書はそれぞれ目的が異なります。
2. 欠席中に勉強したら評定がつきますか?
欠席中の学習成果を成績評価へ反映できる仕組みはありますが、資料を提出すれば自動で評定がつくものではありません。学習内容や学校との連携、本人との関わり等の要件が関係し、最終的には学校が状況を確認して判断します。
3. フリースクールの報告書を出せば評価されますか?
報告書は学校が活動状況を把握する材料になり得ますが、提出だけで評価が確定するわけではありません。学校が必要とする内容、教育課程との関係、本人との継続的なやり取りを確認してください。施設によって報告の有無や形式も異なります。
4. 通知表の評定欄が空欄なら、学校は評価していないのですか?
空欄の意味は学校の様式や記載方法によって異なるため、見た目だけでは判断できません。どの学習状況を把握したか、評定がない理由、文章記述など別の記載があるかを学校へ尋ねましょう。
5. すべての教科に評定を付ける必要がありますか?
文科省は、欠席中の学習成果を評価する場合でも、すべての教科・観点について評定を記載することが一律に求められるものではないと説明しています。評定が難しい場合に学習状況を文章で記す方法も示されています。
6. 小中学校と高校で同じ制度が使えますか?
2024年の成績評価通知の対象は義務教育段階です。高校段階の学習には別の制度上の措置があると文科省は説明しています。高校の出席、履修、単位、通知表については在籍校の教務規程や最新案内を確認してください。
7. 評定が付かなかった場合、次の学期にできることはありますか?
学校に理由を尋ね、次に確認したい学習内容や資料、相談の時期を聞くことができます。本人の負担を考慮しながら、学校が把握しやすい形を相談してください。次学期に評定がつくことを保証するものではありません。
8. 通知表と高校入試の調査書は同じものですか?
同じ書類ではありません。通知表は学校が本人・保護者へ学習状況を伝え、調査書は高校等の入学者選抜に提出される資料です。調査書の様式や記載事項は都道府県教育委員会等が定めるため、中学校と志望先の最新要項を確認してください。
9. 面談で本人も話さなければなりませんか?
面談の参加方法は本人の状態や希望を学校と相談できます。保護者のみで先に確認する方法や、本人が希望する範囲で参加する方法もあります。本人が伝えたくない内容を共有する前に、目的と共有先を説明してください。
10. 学校の説明が分からない場合は誰に相談できますか?
まず学校の担当者に、判断した基準や次の手続を具体的に尋ねます。必要に応じて校長や学校設置者、自治体教育委員会の相談窓口を案内してもらいましょう。学校・地域で運用が異なるため、本人の状況と該当年度を伝えて確認してください。
参考にした資料
- 文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」(2024年8月29日、2026年11月5日確認)
- 文部科学省「不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について」(学校・教育委員会等向け資料。公表日は確認できず、2026年11月6日確認)
- 文部科学省「確かな学力 Q&A」(2026年11月5日確認)
- 文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について」(2019年3月29日、2026年11月5日確認)
- NIJINアカデミー公式サイト(2026年11月5日確認)
- NIJINアカデミー「学費・プラン」(2026年11月5日確認)
- NIJINアカデミー「NIJINアカデミーとは」(2026年11月5日確認)
7項目表、質問文、シートは編集部が作成した相談補助の例で、公式評価様式ではありません。実際の評価方法や通知表の表示は、在籍校・自治体の案内で確認してください。

