「学校から帰ってくると、なにも話さない」「教科書を開いたまま、じっと座っているらしい」——日本語がまだよくわからないまま日本の学校に通いはじめた子どもは、まわりが気づかないうちに、少しずつ疲れをためていきます。文部科学省の調査では、日本語の指導が必要な小中高校生などは84,759人(令和7年度)で過去最高になりました。この記事では、外国にルーツのある子どもが「学校に行けなくなる前」にできることを、学校で使える公的な支援と、家庭でできることの両方から整理します。むずかしいことばには、かんたんな言いかえをつけました。
目次
この記事の結論
- 日本語の指導が必要な子どもは84,759人(文部科学省・令和7年度)。9年間で約2倍に増えていて、あなたの家だけの問題ではありません。
- 「日常会話ができる」と「授業がわかる」は別のことです。文部科学省も「日常会話ができても、学年相当の学習言語能力が不足し、学習活動への取組に支障が生じている児童生徒」を日本語指導の対象としています。
- 学校には「特別の教育課程」による日本語指導(=授業の一部を、別の教室での日本語の勉強に替えられる制度。平成26年から)があります。年間10〜280単位時間まで受けられます。
- ただし、日本語指導が必要な子どものうち9,699人(11.4%)は特別な配慮に基づく指導を受けられていません(令和7年度)。学校だけに任せず、教育委員会や地域の国際交流協会にも同時に相談するのが早道です。
- 家庭では、母語(うちで話すことば)を手放さないことが、日本語にとってもマイナスになりません。母語は親子の会話と、子どもの自信を守ります(→6章)。
「日本語がわからない子ども」は、めずらしくありません
文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」(令和7年度/基準日 令和7年5月1日)によると、日本語の指導が必要な児童生徒は84,759人。前回の令和5年度調査は69,123人でしたから、2年で15,636人増え、9年間でおよそ2倍になりました。
内訳は外国籍が73,313人、日本国籍が11,446人です。「日本国籍なのに日本語の指導が必要」というのは、国際結婚のご家庭や、日本で生まれ育ったけれど家の中では別のことばを使っているご家庭などが当てはまります。名字や見た目では、その子が日本語で困っているかどうかはわかりません。母語(家庭でよく使われていることば)の上位は、外国籍では中国語17,821人・ポルトガル語11,933人・フィリピノ語9,709人・ベトナム語6,014人、日本国籍では日本語3,166人・英語2,110人・フィリピノ語1,997人・中国語1,862人です。
「うちの学校には、前例がない」はふつうのこと
同じ調査では、日本語指導が必要な子どもが在籍する学校は12,668校。うち在籍が5人未満の学校が8,339校と3分の2近くを占め、「1人だけ」の学校も3,776校あります。つまり多くの学校にとってあなたのお子さんが「はじめてのケース」です。先生が冷たいのではなく、経験がないだけ、ということが少なくありません。保護者から状況を伝えると、学校は動きやすくなります。
学校に行けなくなる前に出る、小さなサイン
日本語がわからないことは、すぐに「不登校」というかたちでは出てきません。まず出るのは家での小さな変化です。次のようなことが続いていたら、動くタイミングです。
- 朝の支度がだんだん遅くなる。日曜の夜になると元気がなくなる
- 「おなかが痛い」「頭が痛い」が増える(月曜と、テストの前が多い)
- 連絡帳やプリントを、かばんから出さなくなる
- 宿題を見せたがらない。「わかった」と言うのに、手が止まっている
- 学校の友だちの名前が、家の会話に出てこない
- 母語(うちで話すことば)でも、口数が減る
とくに最後のサインは見落とされがちです。日本語で説明できないことを、家でも話さなくなる。これは「わからない」と伝える手段そのものが足りていない状態です。「わからない」と言うためにも、日本語がいります。
小・中学校の不登校児童生徒は約35万4千人(353,970人)で過去最多ですが(文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)、この調査に「日本語がわからないから」という項目はありません。数字に出てこない理由だからこそ、早めに言葉にしておくことに意味があります。
「話せている」のに授業がわからない、いちばんの理由
「うちの子は友だちと日本語でしゃべっているから、もう大丈夫」——ここで支援が止まってしまうことがよくあります。文部科学省は、日本語指導の対象となる児童生徒をこう書いています。
文部科学省「日本語指導の対象となる児童生徒」
「日常会話ができても,学年相当の学習言語能力が不足し,学習活動への取組に支障が生じている児童生徒」
あそぶときのことばと、勉強するときのことばは、別の力です。「昨日なにした?」に答えられることと、「この2つを比べて、理由を書きなさい」に答えられることのあいだには、大きな差があります。
| 生活のことば | 学習のことば | |
|---|---|---|
| 使う場面 | 休み時間、給食、友だちとの会話 | 授業、教科書、テスト、発表 |
| ことばの例 | 「かして」「いっしょにやろう」 | 「たとえば」「したがって」「面積」「主人公の気持ち」 |
| 身につくはやさ | 比較的はやく身につきやすい | 時間がかかる。学年が上がるほど内容が難しくなる |
| まわりの見え方 | 「もう日本語ができる」と見られる | 「勉強が苦手な子」「やる気がない子」と誤解されやすい |
| 必要な支援 | 友だちとの関係づくり | 日本語指導+教科の内容をつなぐ支援 |
この差を見立てる(=どのくらいできるか確かめる)ために、文部科学省は対話型アセスメントDLAを用意しています。テストの点ではなく、先生と子どもが話しながら日本語の力を確かめるものです。面談では「日本語の力を一度みてもらえますか」と聞いてみてください。無理なお願いではなく、公的に用意されている方法です。
学校にある制度①「特別の教育課程」による日本語指導
「日本語がわからないから、学校では何もしてもらえない」と思っている保護者の方がいますが、そうではありません。公立の小中学校には、日本語を教えるための正式な制度があります。
「特別の教育課程」とは(=授業の一部を日本語の勉強に替えられる制度)
文部科学省は「必要な日本語の指導を、在籍学級の教育課程の一部の時間に替えて、在籍学級以外の教室で行う教育の形態」と説明しています。学校の現場では「取り出し授業」と呼ばれることが多い形です。
根拠は学校教育法施行規則第56条の2などで、平成26年(2014年)4月1日から始まった、もう10年以上続く制度です。
- 対象:海外から帰国した子ども、外国籍の子ども、家庭で主に外国語を使っている子どものうち、学校生活や教科の学習に必要な日本語の力が足りない子ども
- 時間:年間10単位時間から280単位時間までが標準(1単位時間=小学校45分・中学校50分の授業1コマ)
- だれが教えるか:教員免許を持つ教員(常勤・非常勤の講師を含む)が指導計画をつくり、評価も行います。必要に応じて補助する人がつきます
- どこで:原則は在籍している学校の中。指導できる人が確保できない場合は、ほかの学校で受けることも認められています
令和7年度の調査では、義務教育段階で52,725人がこの日本語指導を受けています。
学校でこう聞いてみてください
「うちの子は、『特別の教育課程』による日本語指導を受けられますか? むずかしければ、日本語の支援員さんに入ってもらえますか?」
制度の名前を出すだけで話が早く進むことがあります。担任の先生が知らない場合は、教頭先生・校長先生に相談してみてください。
学校にある制度② 支援員・母語支援員と、相談の窓口
もう一つが「人」の支援です。令和7年度の調査では、日本語指導の支援者が8,706人、母語支援員が7,301人配置されています。
母語支援員とは、その子の母語がわかる大人のことです。授業中の通訳だけでなく、入学の説明、三者面談、学校からの手紙の翻訳など、保護者と学校をつなぐ役割も担います。「日本語がわからないから面談に行きにくい」という方こそ、この存在を知っておいてください。
支援が受けられていない子どもも、1割以上います
正直な数字も書いておきます。令和7年度の調査で、日本語指導が必要な84,759人のうち特別な配慮に基づく指導を受けているのは75,060人(88.6%)。残る9,699人(11.4%)は、必要とされているのに指導を受けられていません。これは保護者のせいでも子どものせいでもなく、学校に日本語を教えられる人がいないという事情が多くを占めます。だからこそ学校ひとつで止まらず、外の窓口にも同時に相談することが大切です。
| 相談先 | 相談できること | 探し方 |
|---|---|---|
| 在籍している学校 (担任・教頭・校長) | 取り出し授業、支援員の配置、宿題やテストの配慮、保健室や別室の利用 | 連絡帳・電話。日本語が不安なら「通訳をお願いしたい」と最初に伝える |
| 市区町村の教育委員会 (=公立学校を管理する役所) | 日本語指導の体制、就学の手続き、日本語支援教室(拠点校)の案内、通訳の手配 | 「〇〇市 教育委員会 日本語指導」で検索、または市役所・区役所の窓口 |
| 地域の国際交流協会 | 子ども向けの日本語教室、学習支援ボランティア、多言語での生活相談 | 自治体国際化協会(クレア)「多文化共生ポータルサイト」の全国の相談窓口一覧 |
| 出入国在留管理庁 外国人生活支援ポータルサイト | 生活・就労ガイドブック(多言語・やさしい日本語)、各種の相談先 | 公式サイトから言語を選んで閲覧 |
| スクールカウンセラー・ スクールソーシャルワーカー | 子どもの気持ち、家庭の生活面の困りごと、関係機関との橋渡し | 学校に「相談したい」と伝えると日程を調整してもらえる |
家庭でできる4つのこと
制度を待つあいだにも、家でできることがあります。どれも「勉強をたくさんさせる」ことではありません。
① 母語(うちで話すことば)を手放さない
「日本語が伸びないのは、家で母語を使っているからでは」と心配される方は多いのですが、母語をやめる必要はありません。母語は、子どもが考えたり、気持ちを説明したりするための土台です。なにより母語を失うと親子で本音を話せなくなり、学校でのつらいことを相談できる相手が家からいなくなってしまいます。
② 「学校のことば」を、家で少しだけ通訳する
時間割、給食当番、上履き、家庭訪問、参観日——学校特有のことばは、日常会話が上手な子でもつまずきます。文部科学省の「かすたねっと」(外国につながる子どもの学習を支援する情報検索サイト)では、多言語の教材・保護者向け文書・学校用語を検索できます。お知らせを母語で確認できるのは大きな助けです。
③ 「わからない」と言う練習をしておく
「すみません、もう一度お願いします」「ゆっくり話してください」「ここがわかりません」。この3つを言えるだけで、教室での孤独はかなり減ります。紙に書いて筆箱に入れておく、という方法も有効です。わからないことは、悪いことではないと家で何度も伝えてあげてください。
④ 学校からの書類をためない
日本の学校は紙のお知らせが多く、読めない書類がたまると行事や提出物を逃し、それがさらに子どもの居心地を悪くします。文部科学省の「外国人児童生徒のための就学ガイドブック」は英語・韓国朝鮮語・ベトナム語・フィリピノ語・中国語・ポルトガル語・スペイン語・ウクライナ語の8言語で公開されています。まずはここから。
「がんばれ」より、「今日はどうだった?」
日本語がわからない教室で1日座っているのは、大人が思うよりずっと消耗します。帰ってきたときに勉強の話から入らず、まず母語で「今日はどうだった?」と聞くだけでも、回復のはやさは変わります。うまくいかない日があっても、それは親の育て方の問題ではありません。
学校の外にある「もうひとつの居場所」
学校での支援には限りがあります。「学校だけがすべて」にならないよう、外にも通える場所をひとつ持っておくと、子どもも保護者もぐっと楽になります。
まず探したいのは、地域の日本語教室
多くの自治体・国際交流協会が、子ども向けの日本語教室や学習支援の場を運営しています。ボランティアが中心で、無料または低額のところが多いのが特徴です。同じように日本語で苦労している子や、母語が同じ子に出会えることが、いちばんの価値かもしれません。探すときは自治体国際化協会(クレア)の多文化共生ポータルサイトにある全国の相談窓口一覧から、お住まいの地域の窓口に問い合わせるのが確実です。
オンラインで日本語を学ぶという選択肢
近くに日本語教室がない、送迎ができない、平日は仕事で難しい——そういう家庭のために、オンラインで日本語を学べる場も出てきています。株式会社NIJINが準備している「ともだちじゃぱん」は、年長〜高校3年生を対象にした子どもの日本語オンラインスクールです。年齢ではなく「今どのくらい話せるか」でクラスを分け、ひらがなが読めない状態からでも参加できる設計で、1クラス8名の少人数。日本の現役の教員が担任を務めます。2026年12月にパイロット開校の予定で、料金は現時点で公表されていません。
日本語だけの環境に戻すことが正解とは限らない
家庭の言語が英語などで、「日本語も大事にしたいけれど、いま持っている力も手放したくない」という場合もあります。同じく株式会社NIJINが2027年9月開校予定のオンライン・インターナショナルスクール「NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)」は、6〜18歳が対象で、入学試験・選考・英語要件がなく、日英バイリンガルのメンターが伴走します。1クラス8名で、「学校に行きづらかったお子さんも対象」と明記されています。
正直にお伝えしておきたいこと
ともだちじゃぱん(2026年12月パイロット開校予定)もNGA(2027年9月開校予定)も、まだ開校していません。学費も公表されていません。今日困っている子の「今日の居場所」にはなりません。いま急いで動く必要があるなら、まずは在籍校・市区町村の教育委員会・地域の国際交流協会に相談してください。また、NGAは日本の「一条校」ではないため日本の高校卒業資格は出ません。在籍校での「出席扱い」についても、NGAの公式サイトに記載は確認できませんでした。出席扱いの可否は在籍校の校長先生の判断になりますので、必ず学校・教育委員会にご確認ください。
NIJIN GLOBAL ACADEMY|6〜18歳
英語でも日本語でも、「話せる」が増える学校
世界の同世代と学ぶオンライン・インターナショナルスクール。入学試験・英語要件はなく、日英バイリンガルのメンターが伴走します。2027年9月開校予定。
開校の最新情報を受け取る ▶入会前の相談・見学だけでも大丈夫です。
学校・教育委員会に相談するときの伝え方
「相談したいけれど、日本語でうまく説明できない」——その不安は当然です。以下のやり方なら、日本語に自信がなくても伝わります。
母語で書いて、翻訳して、両方持っていく
まず母語で困っていることを書き、翻訳アプリで日本語にします。母語と日本語の両方を先生に見せてください。口で説明するより正確に伝わります。
「いつ・どの授業で・どんな様子か」を具体的に書く
「困っています」だけでは学校も動きにくいものです。「算数の文章問題で手が止まる」「6月ごろから月曜の朝に頭が痛いと言う」のように場面と時期を書くと、必要な支援が決まりやすくなります。
「通訳をお願いできますか」と最初に伝える
母語支援員や通訳を手配してもらえる自治体は少なくありません。面談の日程を決める段階でお願いするのがコツです。子どもに通訳をさせるのは負担が大きいため、避けられると安心です。
学校で止まったら、教育委員会に同じ話をする
学校に人がいない場合、市区町村の教育委員会が支援員の配置や拠点校での指導を調整できることがあります。相談はクレームではなく、「制度を使いたい」という当然の依頼です。
学校の先生や自治体の職員の方には、文部科学省の「外国人児童生徒受入れの手引【改訂版】」(2019年3月改訂)が役に立ちます。学校管理職、日本語指導担当教師、在籍学級担任、教育委員会と立場ごとに章が分かれているため、「はじめてで、なにから始めればいいかわからない」という学校ほど使いやすい構成です。
中学生で、すでに高校進学が視野に入っている場合は事情が少し変わります。令和7年度の調査では、日本語指導が必要な中学生等の高校等への進学率は91.5%(全中学生等は98.9%)で、差が残っています。不就学や高校受験については外国につながる子どもの不就学と進路の壁で詳しくまとめています。また、子どもが日本語の勉強そのものを嫌がるようになってしまった場合は、子どもが日本語を嫌がる・やりたがらない…もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
日本語がわからない子どもでも、日本の公立小中学校に通えますか?
通えます。日本語の力を理由に受け入れを断られることは想定されていません。手続きや必要な書類は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の教育委員会(公立学校を管理する役所)にご相談ください。文部科学省の「外国人児童生徒のための就学ガイドブック」は8言語で公開されており、就学の流れを母語で確認できます。
「特別の教育課程」による日本語指導は、どうすれば受けられますか?
まず在籍している学校に相談してください。制度の名前を出して「特別の教育課程による日本語指導を受けられますか」と聞くと話が早く進みます。担任の先生が制度をご存じない場合は、教頭・校長、それでも進まない場合は市区町村の教育委員会に同じ内容を伝えてください。年間10単位時間から280単位時間までが標準とされています。
取り出し授業に出ると、その時間の教科の授業は受けられないのですか?
「特別の教育課程」は、在籍学級の教育課程の一部の時間に替えて、別の教室で日本語の指導を行う形です。そのため、その時間の在籍学級の授業には参加しないことになります。どの時間を替えるか、どの教科を優先するかは学校が指導計画をつくって決めるため、心配な点は事前に担任・日本語指導担当の先生と共有しておくと安心です。
日本語ができるようになったのに、成績が上がりません。なぜですか?
日常会話ができることと、授業を理解する日本語の力があることは別です。文部科学省も「日常会話ができても、学年相当の学習言語能力が不足し、学習活動への取組に支障が生じている児童生徒」を日本語指導の対象としています。「やる気がない」と判断される前に、学校に日本語の力を見立ててもらう(対話型アセスメントDLAなど)ようお願いしてみてください。
家では日本語で話したほうがいいですか?母語をやめるべきでしょうか?
母語をやめる必要はありません。母語は子どもが考えたり気持ちを説明したりするための土台であり、なにより親子が本音で話すための言語です。母語が使えなくなると、学校でつらいことがあったときに家で相談できなくなってしまいます。日本語は学校や日本語教室で伸ばし、家庭では母語を大切にする、という分担で問題ありません。
面談のとき、子どもに通訳させてもいいですか?
できれば避けられると安心です。子どもは自分自身の評価や家庭の事情を訳すことになり、心理的な負担が大きくなります。多くの自治体で母語支援員や通訳の手配が可能で、令和7年度の調査では母語支援員が7,301人配置されています。面談の日程を決める段階で「通訳をお願いできますか」と学校に伝えてみてください。
学校に相談しても「うちには支援できる人がいない」と言われました。
残念ながら、実際にそうした学校はあります。令和7年度の調査でも、日本語指導が必要な児童生徒84,759人のうち9,699人(11.4%)は特別な配慮に基づく指導を受けられていません。その場合は、市区町村の教育委員会に同じ内容を相談してください。支援員の配置や、日本語指導の拠点校での指導を調整できることがあります。あわせて地域の国際交流協会にも問い合わせると、日本語教室や学習支援ボランティアにつながることがあります。
学校からの手紙が読めません。どうすればいいですか?
文部科学省が運営する「かすたねっと」で、多言語の教材・保護者向け文書・学校用語を検索できます。学校行事、保健、費用、進路などの一般的なお知らせは、母語版が見つかることがあります。あわせて、学校に「やさしい日本語で書いてほしい」「ふりがなをつけてほしい」とお願いすることもできます。出入国在留管理庁の「外国人生活支援ポータルサイト」でも、多言語とやさしい日本語の生活情報が公開されています。
子どもがすでに学校を休みがちです。もう手遅れでしょうか?
手遅れということはありません。休んでいる期間も、日本語の力や人とのつながりは育てられます。在籍校とは別に、地域の日本語教室、教育支援センター(適応指導教室)、フリースクールなど、通える場所を並行して探してみてください。在籍校とのつながりは切らずに、スクールカウンセラーや教育委員会にも状況を共有しておくと、戻るときの選択肢が残ります。
オンラインの日本語スクールは、学校の「出席扱い」になりますか?
出席扱いになるかどうかは、在籍している学校の校長先生の判断によります。自治体や学校ごとに運用が異なるため、利用を検討する段階で必ず在籍校と教育委員会に確認してください。なお、本記事で紹介した「ともだちじゃぱん」は2026年12月パイロット開校予定、「NIJIN GLOBAL ACADEMY」は2027年9月開校予定で、いずれもまだ開校していません。NGAの公式サイトに出席扱いに関する記載は確認できませんでした。
この記事の内容を確かめるための一次資料
日本語指導の制度は、自治体や学校によって運用に差が出やすいテーマです。学校や教育委員会と話すときは、下記の一次資料を手元に置いておくと話が進みやすくなります。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」(令和7年度) | 84,759人という総数と国籍別・母語別の内訳、指導を受けている/受けていない児童生徒数、支援員・母語支援員の配置状況 |
| 文部科学省「『特別の教育課程』による日本語指導の位置付け」 | 取り出し授業の定義、対象となる学校種、根拠となる学校教育法施行規則の条文 |
| 文部科学省「学校教育法施行規則の一部を改正する省令等の施行について(通知)」 | 年間10〜280単位時間という指導時数、指導者の要件、他校での指導の扱い、平成26年4月1日施行 |
| 文部科学省「日本語指導の対象となる児童生徒」 | 「日常会話ができても、学年相当の学習言語能力が不足し…」という対象の考え方 |
| 文部科学省「外国人児童生徒受入れの手引【改訂版】」 | 学校管理職・日本語指導担当教師・在籍学級担任・教育委員会それぞれの役割(2019年3月改訂) |
| 文部科学省「かすたねっと」 | 多言語の教材、保護者向け文書、学校用語の検索 |
| 文部科学省「外国人児童生徒のための就学ガイドブック」 | 8言語で読める就学の案内 |
| 自治体国際化協会(クレア)多文化共生ポータルサイト「全国の相談窓口」 | 全国の自治体・国際交流協会の外国人相談窓口の一覧 |
| 出入国在留管理庁「外国人生活支援ポータルサイト」 | 多言語・やさしい日本語の生活情報、生活・就労ガイドブック |
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