構音障害とは?発音のつまずきの原因と家庭でできる関わり方

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「サ行がタ行になってしまう」「ラ行がうまく言えない」「話す言葉が聞き取りにくいと言われる」——お子さんにこうした発音の様子はありませんか。

これは「構音障害(こうおんしょうがい)」と呼ばれる、音を作る舌や唇の動きに関わる特性かもしれません。「舌足らずなだけ」「そのうち治る」と見過ごされがちですが、原因やタイプによって必要な関わり方が異なります。

本記事では、構音障害の主なタイプと原因、家庭や学校でできる関わり方、オンラインオルタナティブスクールNIJINアカデミーでの実際のサポート事例まで解説します。


自宅でリラックスして過ごす子どものイメージ
目次

構音障害とは?主なタイプと原因

構音障害とは、特定の音を正しく発音することが難しい状態を指します。舌や唇、あごなどの動かし方の癖によって起こる「機能性構音障害」、口蓋裂など器官の形態が原因の「器質性構音障害」、聴覚に原因がある「聴覚性構音障害」など、原因によっていくつかのタイプに分けられます。

子どもの発音は成長とともに発達していくため、幼児期の発音の未熟さの多くは自然な発達過程の一部です。文部科学省の特別支援教育に関する資料でも、言語障害(構音障害を含む)は通級による指導の対象として位置づけられており、専門的な言語指導によって改善が期待できる特性とされています。

構音のつまずきによく見られるパターン

構音障害では、特定の音の置き換えや省略が見られることが多く、パターンを知ることが対応の第一歩になります。

つまずきのタイプ よく見られる例 今日からできる関わり方
置換「さかな」が「たかな」になるなど、別の音に置き換わる。発音を訂正せず、正しい言い方をさりげなくお手本として返す。
省略「ぼうし」が「おうし」になるなど、音が抜け落ちる。ゆっくり大きな口の動きで話しかけ、聞き取りやすいお手本を見せる。
歪み音は出ているが、正確な音とは違って聞こえる。無理に何度も言い直させず、内容を受け止める。
聞き取りにくさ全体的に発音が不明瞭で、初対面の人には伝わりにくい。本人が伝えたい内容を推測しすぎず、最後まで聞く姿勢を持つ。

家庭でできる関わり方への対策をもっと詳しく

  • 発音そのものを直接訂正するのではなく、「そうだね、さかなだね」と正しい発音でさりげなく返す。
  • 絵本の読み聞かせや歌など、楽しみながら言葉に触れる機会を増やす。
  • 焦らず本人のペースを尊重し、話すこと自体を楽しい経験にする。

学校生活での関わり方への対策をもっと詳しく

  • 発音のつまずきについて、担任の先生に事前に共有しておく。
  • 音読や発表の際、発音の間違いを指摘されて自信をなくさないよう配慮を依頼する。
  • 必要に応じて、通級指導教室(ことばの教室)の利用を学校や教育委員会に相談する。

構音障害が学校生活・学習に与える影響と対策

構音障害のあるお子さんは、発音そのものより「うまく伝わらない」経験の積み重ねが、発言への自信に影響することがあります。

【影響1】音読や発表で発音を指摘され、発言に消極的になる

教室で過ごす子どものイメージ
  • 原因: 発音の間違いを友達や大人に指摘される経験が重なると、発言そのものへの苦手意識が強まるため。
  • 対策:
    • 音読や発表の場面で、発音より内容の理解を評価するよう学校と共有する。
    • からかいにつながらないよう、必要に応じてクラス全体への理解を広める。
    • 本人が話しやすい相手・場面から少しずつ発言の機会を増やす。

【影響2】初対面の人に言葉が伝わりにくく、コミュニケーションを避けがちになる

子どもの様子を見守る保護者のイメージ
  • 原因: 聞き返される経験が続くと、本人が話すこと自体を避けるようになってしまうため。
  • 対策:
    • 家庭では聞き返す際も、否定せず穏やかに確認する。
    • 通級指導教室(ことばの教室)など専門的な支援の利用を検討する。
    • 本人の得意なコミュニケーション方法(文字、絵など)も併用する。

構音障害のある子への学びの取り組み

対面の教室では、発音を指摘される経験から発言そのものを避けてしまうお子さんもいます。NIJINでは、発音そのものを評価しない学びの環境を提供しています。

事例1:チャットや文字でも参加できる授業スタイル

自宅でオンライン授業を受ける子どものイメージ

オンラインフリースクールNIJINアカデミーでは、音声だけでなくチャット機能でも発言・質問ができます。発音を気にする場面でも、自分に合った方法で授業に参加できます。

事例2:メタバースキャンパス「NIJIN CITY」でのマイペースな交流

メタバース空間「NIJIN CITY」のイメージ

バーチャル空間NIJIN CITYでは、アバターを通じて他者と繋がることができます。発音を指摘される不安を感じることなく、自分のペースでコミュニケーションイベントに参加できます。

事例3:専門スタッフによる特性理解のサポート

スタッフが子どもを見守るイメージ

NIJINでは、発音のつまずきを含む特性を事前にヒアリングし、発音を訂正したり急かしたりしません。「伝えたい内容」に注目してもらえる安心感の中で、発言への自信を積み重ねられます。

【場面別】学校や家庭で今日からできる合理的配慮の依頼

構音障害は、発音より内容に注目してもらえる環境かどうかで本人の自信が大きく変わります。事前に担任の先生と情報を共有し、合理的配慮を依頼することが大切です。

✉️ 学校・担任への相談メモ例文
◯◯(お子さんの名前)の学校生活についてご相談がございます。 ◯◯には「構音障害」の特性があり、特定の音の発音が難しく、聞き取りにくいことがある状態があります。 わざとやっているわけではなく、発音の機能に関わる特性ですので、学校生活を安心して送るために以下の配慮をご検討いただけないでしょうか。 1. 音読・発表の際、発音の間違いを指摘せず内容を中心に評価していただくこと 2. 通級指導教室(ことばの教室)の利用について、可能であればご相談させてください 本人が安心して学校生活を送れるよう、協力して対策を考えていけますと幸いです。

この記事の内容を確かめるための一次資料

発達特性の話は、ネット上に断定的な情報があふれています。診断や支援の枠組みは公的機関が定義しているものなので、判断に迷ったときは一次資料に戻るのがいちばん確実です。とくに支援級・通級の仕組みは自治体で運用が違うため、制度の原文を知っておくと学校との話が具体的になります。

下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。

このテーマに関わる公的資料
資料何がわかるか
国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害情報・支援センター」特性の定義と支援の基本。全国の支援センター一覧
文部科学省「特別支援教育」通級・支援級・支援学校の制度と対象の考え方
国立精神・神経医療研究センター医学的な情報と研究の一次情報
文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」小中の不登校353,970人。全国の最新の実数
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針
同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合)教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件
同 別記2(自宅でICT等を活用した学習)自宅学習を出席扱いにする7つの要件
文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件
文部科学省「COCOLOプラン」誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策
文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」全国1,045市区町村の公式相談窓口
教育機会確保法(e-Gov法令検索)第13条が「休養の必要性」を条文で認めている
こども家庭庁「子育て支援」子育て世帯が使える支援制度の全体像
国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料

学校に相談するときの進め方

1

① 支援の目標をすり合わせる

「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。

2

② 具体的な場所を挙げる

「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。

3

③ 出席扱いの要件を一緒に確認する

「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。

4

④ 決めたことを記録に残す

面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター全国1,045市区町村の窓口一覧

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

構音障害に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 構音障害は自然に治りますか?

幼児期の発音の未熟さの多くは成長とともに自然に改善しますが、学齢期になっても特定の音の間違いが続く場合は、言語聴覚士などの専門的な指導によって改善が期待できます。

Q2. 何歳ごろから相談すればよいですか?

気になる場合は年齢にかかわらず、まずは自治体の乳幼児健診や学校の相談窓口、耳鼻咽喉科などに相談することをおすすめします。早めの相談が安心につながります。

Q3. 通級指導教室(ことばの教室)とはどんな場所ですか?

通常の学級に在籍しながら、週に数回、発音や言葉の専門的な指導を受けられる教室です。利用には学校や教育委員会への相談・申請が必要です。

Q4. 学校の先生には、どのように伝えればよいですか?

「構音障害があります」とだけ伝えるより、「発音より内容を評価してほしい」「通級指導教室を利用したい」など、具体的な配慮内容をセットで伝えると、学校側も対応を検討しやすくなります。

Q5. 家庭でまず取り組める関わり方はありますか?

発音を直接訂正するのではなく、正しい発音でさりげなく返してあげることが基本です。絵本の読み聞かせなど、楽しみながら言葉に触れる機会を増やすことも役立ちます。

まとめ:構音障害は「伝わる経験」を積み重ねることが大切

構音障害は、本人の努力不足や性格の問題ではなく、発音の機能に関わる特性です。発音を訂正するより、伝えたい内容を受け止める関わり方が、本人の発言への自信につながります。

もし既存の教室環境で発言のプレッシャーが強く学習に集中できない場合は、オンラインやメタバース空間を活用した多様な学びの選択肢を体験してみてください。

【監修】佐藤 仁美(作業療法士)

児童発達支援・放課後等デイサービスで、発達に特性のある子どもへの支援に従事。現在はNIJINアカデミー東金校の教室長として、不登校の子どもたちの学びを支援している。
「子どもを変える」のではなく、「子どもが安心して過ごせる環境をつくること」を大切に、一人ひとりに寄り添った支援を実践している。

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