「インターナショナルスクールとは、どんな学校?」「日本の学校の卒業資格や大学受験はどうなる?」という疑問に、制度と学び方を分けて答えます。学校教育法上の位置づけ、就学義務、進学経路、学費の確認方法を整理し、通学型・オンライン型を比べる視点も紹介します。
目次
この記事の結論
- 「インターナショナルスクール」は法律上の学校種別ではありません。一条校、各種学校、認可を受けていない教育施設が含まれます。
- 日本国籍を有する学齢の子が一条校ではない施設のみに通う場合、その通学だけでは就学義務を履行したことになりません。事前に居住地の教育委員会へ相談します。
- 日本の大学入学資格には、認定施設の12年課程修了のほか、IB・国際Aレベル、高卒認定試験など複数の経路があります。
- 学費は学校ごとに異なります。入学金・授業料・施設費・試験費用などの総額を同じ期間で比べましょう。
- 通学条件が合わない場合はオンライン型も検討できます。学び方、制度上の位置づけ、進路支援を個別に確認することが大切です。
インターナショナルスクールとは?
インターナショナルスクールは、主に英語などを使い、海外の教育課程や国際的なプログラムを取り入れる教育施設の通称です。日本の法律に「インターナショナルスクール」という独立した学校種別はありません。文部科学省も、名称だけではなく一条校・各種学校・無認可のいずれに該当するかを確認するよう示しています(文部科学省の就学事務Q&A)。
そのため、同じ名称でも、校舎で毎日学ぶ学校、少人数の学習拠点、自宅から授業を受けるオンライン型では、授業言語、入学条件、対面活動、進路の支援が異なります。英語で学ぶことと、日本の学校として卒業資格を得ることも別の話です。まず①制度上の位置づけ ②通学・授業の形 ③修了後の資格 ④総費用を学校ごとに確認しましょう。
自宅からの参加を望む家庭には、2027年9月開校予定のNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)も比較候補です。公式案内では6〜18歳を対象に、少人数の対話型オンライン授業を予定しています。英語の入学要件は設けない方針ですが、開校前のため授業の最新情報と費用を直接確かめてください。NGAは日本の一条校ではなく、通うだけで日本の小中学校の就学義務や高校卒業資格を満たすものではありません(NGA公式FAQ)。
一条校・各種学校・認可を受けていない施設の違い
「国際的な授業を受けられるか」と「日本の学校制度上どのように扱われるか」は分けて確認します。一条校かどうかは、義務教育段階の就学と日本の学校の卒業資格に直結します。
| 区分 | 制度上の意味 | 確認すること |
|---|---|---|
| 一条校 | 学校教育法第1条に定める小学校・中学校・高等学校など。該当するインターナショナルスクールもある | 認可された校種と課程、修了時の資格 |
| 各種学校 | 同法第134条の各種学校として認可された教育施設。一条校とは別の制度 | 認可の有無、就学義務や高校卒業資格の扱い、進路経路 |
| 認可を受けていない施設 | 一条校や各種学校としての認可を受けていない教育施設 | 運営主体、教育内容、修了証明、進路支援 |
各種学校は法律上定められた教育施設であり、塾と同一視はできません。ただし、各種学校の認可だけで一条校の卒業資格や就学義務の充足が認められるわけでもありません。学校名や「国際認定校」という宣伝文句だけで判断せず、自治体や学校の認可情報を照合しましょう(文部科学省)。
日本国籍の子どもの就学義務はどうなる?
文部科学省の就学事務Q&Aによると、日本国籍を有する学齢の子を一条校として認められていないインターナショナルスクールに通わせても、その通学だけでは保護者の就学義務を履行したことになりません。国際的な教育内容や海外の認定を持つことと、この法律上の扱いは別です。
| 相談先 | 確かめたいこと |
|---|---|
| 居住地の教育委員会 | 子どもの就学状況の扱い、指定校との関係、転入・編入を希望する場合の手続き |
| 検討先の学校 | 一条校・各種学校などの認可、在籍や修了の証明書、通学日数 |
| 現在の在籍校 | 併用する場合の学習・出席の扱い、復帰を考える場合の連絡方法 |
特に小学校・中学校の途中で日本の一条校への転入を想定するなら、入学前に教育委員会へ具体的な就学歴と希望時期を伝えて確認してください。個別事情で必要な手続きが異なります。「あとで自動的に戻れる」とは考えず、書面で案内を受けられるかも相談すると整理しやすくなります。
カリキュラムの種類(IB・アメリカ式・イギリス式など)
インターナショナルスクールが採用しているカリキュラムにはいくつかの系統があります。学校を比較するときは、名称だけで修了資格は決まりません。採用課程、試験、修了証明をセットで確認すると比較しやすくなります。
国際バカロレア(IB)
スイスに本部を置く非営利団体IBOが運営する国際的な教育プログラムです。3歳〜12歳向けのPYP、11歳〜16歳向けのMYP、16歳〜19歳向けのDP(ディプロマ・プログラム)などの段階があり、探究学習と批判的思考力を重視するのが特徴です。文部科学省も「グローバル人材育成」の観点からIB教育推進コンソーシアムを設置し、国内での普及を後押ししています(文部科学省「国際バカロレアについて」より)。DPの資格取得は、日本の大学入学資格の経路の一つです。受験先の出願要件も確認しましょう。
アメリカ式(American Curriculum)
アメリカの各州のカリキュラム基準に沿った教育を行います。修了証書の名称や発行主体は学校ごとに異なり、SAT・ACTなど北米大学への進学を見据えた学校に多い系統です。
イギリス式(British Curriculum)
英国のナショナルカリキュラムに沿い、Cambridge International が提供するIGCSE(16歳前後で受ける統一試験)やA-Level(大学入学資格に相当する試験)を軸に進級・進学が組み立てられています。
その他(フランス式・ドイツ式・宗教系など)
特定の国の在留邦人・外国人家庭を主な対象にした学校や、宗教教育を伴う学校もあります。母国への帰国を前提とした家庭には、母国のカリキュラムに準じた学校が選ばれる傾向があります。
日本の大学入学資格は複数の経路がある
インターナショナルスクールを修了すれば必ず日本の大学を受験できる、あるいは国際認定がなければ受験できない、という説明はいずれも正確ではありません。どの資格・課程を修了するかで経路が異なります。文部科学省の大学入学資格一覧と志望大学の募集要項を照らし合わせましょう。
| 経路 | 確認点 |
|---|---|
| 日本の高校卒業 | 一条校の高等学校・中等教育学校などを卒業する |
| 国際資格 | 国際バカロレア、GCE Aレベル、国際Aレベルなど、文部科学省が示す資格を取得する |
| 認定施設の12年課程 | WASC・CIS・ACSI・NEASC・Cognia・COBISのいずれかの認定を受けた教育施設の12年課程を修了する |
| その他の経路 | 外国での正規の12年課程、国内の指定施設、高卒認定試験、18歳以上を対象とする大学の個別審査など、要件に応じて検討する |
団体への加盟と、対象課程についての認定は同じではありません。国際資格も、単にそのカリキュラムを学ぶことと資格を取得することは別です。「卒業時に何を取得できるか」「対象課程・認定の有効期間は何か」「志望大学の出願条件に合うか」を学校と大学の双方に確認してください(文部科学省の評価団体案内)。
学費は「年間総額」と「追加費用」で比較する
インターナショナルスクールの費用は、運営形態、学年、利用するサービスによって大きく変わります。共通の相場を一つの金額で示すより、各校の最新版の料金表で同じ条件を比較することが大切です。授業料だけでは、初年度や卒業までの負担は分かりません。
| 費用 | 確認する内容 |
|---|---|
| 入学時 | 入学金、登録料、制服・端末、初年度のみの施設費 |
| 毎年・毎月 | 授業料、施設費、教材費、給食・通学バス、対面活動、為替変動の有無 |
| 進級・進学時 | 学年別料金、IGCSE・A-Level・IB等の試験料、試験会場への移動、大学出願支援 |
| 中途退学時 | 返金規定、休学制度、他校への移行に必要な証明書 |
オンライン型でも試験や対面活動の費用が別にかかる場合があります。NGAは公式FAQで具体的な授業料を公表していないため、安いと決めつけず、正式な料金と試験費用を開校案内で確認してください(NGA公式FAQ)。
メリット・デメリット
語学力と異文化理解
授業言語を日常的に使う機会があり、学校によっては異なる文化的背景の子どもと学べます。英語の使用時間と日本語の学習支援も確認しましょう。
対話・探究型の学び
対話や探究を重視する学校もあります。一方、授業の人数や評価方法は学校ごとに異なるため、体験授業で子どもの負担を確かめることが役立ちます。
費用・進路・就学義務の制約
費用、就学義務、修了後の資格は教育内容とは別に確認が必要です。通学時間や日本語での学習機会も、家庭の方針と照らし合わせます。
どんな子・家庭に向いている?
次のような家庭では、インターナショナルスクールが有力な選択肢になりやすいといえます。
- 親の転勤や将来の海外移住を見据えて、英語での学習環境に早くから慣れさせたい家庭
- 海外生活が長く、帰国後に日本語だけの一斉授業へ切り替えることに子ども自身が強い抵抗を感じている家庭
- 暗記中心の評価より、対話やプロジェクト型の学びで力を発揮しやすい特性のある子ども
- 学費や進路(大学入学資格)について、事前にリスクを理解し受け止められる家庭
一方で、「日本の学校の雰囲気が合わないから」という理由だけでインターナショナルスクールを選ぶ場合は、就学義務・学費・進学の3点を必ず事前に確認することをおすすめします。次の章で、その視点から選択肢を整理します。
通学型が合わないときはオンライン型も比較する
毎日の移動や大人数での生活に負担がある子にとって、自宅から参加する形は一つの選択肢です。ただしオンラインなら必ず合う、あるいは費用が安いとは限りません。画面越しの対話、時差、家庭で必要な伴走、対面活動の有無を体験と面談で確かめます。
| 視点 | 通学型 | オンライン型 |
|---|---|---|
| 移動と生活 | 校舎への移動と集団生活がある | 移動は少ないが自宅の学習環境が必要 |
| 交流 | 日々の対面交流や施設の利用 | オンライン対話や別途の対面行事を確認 |
| 制度と進路 | どちらも名称だけでは判断できない。認可、就学義務、修了資格、試験場所を個別に確認 | |
比較候補|NIJIN GLOBAL ACADEMY
NGAは2027年9月開校予定の6〜18歳向けオンラインスクールで、公式FAQでは8人程度の少人数クラスと対話を中心とした授業、入学時の英語力要件なしと案内しています。学校に行きづらい子も想定していますが、家庭ごとの学びやすさは授業体験と面談で判断してください。日本の一条校ではなく、高校卒業資格を単独で付与するものでもありません。希望する進路に必要な資格、試験会場、正式な費用は最新の公式情報で確かめましょう(NGA公式FAQ)。
日本語での学習支援や対面の居場所を優先したい場合は、地域の学校、フリースクール、学習支援なども比較してください。子どもが続けられる学び方と制度上の条件の両方を満たす候補を探すことが大切です。
学校選びの3つの確認ポイント
認可と就学義務
一条校・各種学校・認可外のどれかを確認し、日本国籍の学齢児なら居住地の教育委員会に相談します。
修了資格と進路
取得できる資格、試験、志望大学の出願条件を学校と大学双方の最新資料で照合します。
続けられる費用と学び方
入学時・年間・進学時の総費用を比較し、授業体験で子どもの負担と支援体制を確かめます。
よくある質問(FAQ)
インターナショナルスクールに法律上の定義はありますか?
独立した学校種別としての定義はありません。一条校、各種学校、認可を受けていない施設が含まれる通称です。
通うと日本の学校の卒業資格を得られますか?
学校の認可と課程によります。一条校以外の施設への通学だけで日本の小中高の卒業資格が得られるわけではありません。修了証明の名称と進路の扱いを学校に確認してください。
日本国籍の子の就学義務はどう扱われますか?
学齢の子が一条校でないインターナショナルスクールのみに通う場合、その通学だけでは就学義務を履行したことにはなりません。事前に居住地の教育委員会へ具体的な就学計画を相談してください。
卒業後、日本の大学を受験できますか?
可能性は取得した資格と課程によります。国際バカロレアや国際Aレベル、国際的な評価団体の認定施設の12年課程修了、高卒認定試験など複数の経路があります。文部科学省の一覧と大学の募集要項を確認してください。
IBとインターナショナルスクールは同じですか?
異なります。IBは教育プログラム・資格の仕組みで、インターナショナルスクールは教育施設の通称です。IBを採用する学校もあれば、別のカリキュラムを採用する学校もあります。
学費はいくらですか?
学校・学年・通学形態によって異なり、共通の金額は示せません。入学金、授業料、施設・教材費、試験費用まで含む年間総額を各校の最新料金表で比較しましょう。
英語を話せなくても入学できますか?
入学条件は学校によります。英語力の確認がある学校も、入学時の要件を設けない学校もあります。必要なサポートと授業体験の方法まで確かめてください。
不登校の子どもにも向いていますか?
本人が学びやすい授業形態かどうかで異なります。少人数やオンライン型が合うこともありますが、交流の負担や家庭での支援も確認が必要です。在籍校での出席の扱いは学校・教育委員会に相談してください。
オンライン型と通学型の主な違いは?
移動と対面活動、家庭で必要な学習環境が異なります。制度上の位置づけや修了資格は形態だけで決まらないため、各校を個別に確認します。
フリースクールとは何が違いますか?
どちらも名称だけで制度上の位置づけは決まりません。授業言語、カリキュラム、学びの目的、支援体制を個別に比べましょう。国内の選択肢はオルタナティブスクールの案内も参考になります。
制度・進路を確認する一次資料
就学や大学入学資格の判断は、公的機関の現行案内と志望先の条件を基に行ってください。
| 資料 | 確認できること |
|---|---|
| 文部科学省|インターナショナルスクールと就学義務 | 施設の位置づけと日本国籍の子の就学義務 |
| 文部科学省|大学入学資格 | 日本の大学入学資格の複数の経路 |
| 文部科学省|国際的な評価団体認定外国人学校 | 対象となる国際的な評価団体 |
| NGA|公式FAQ | 開校予定、対象年齢、授業、入学条件など |


